ダンジョンに異世界のアイテムを持ち込むのは間違っているだろうか(本編完結) 作:にゃはっふー
18階層、ベル君が向かう前にゴー。
「そうか、ようやく新人を入れられたか」
フィンたちの遠征間際、道具を卸す際に新人加入の報告をするスピカ。リヴェリアは安堵しながら、補充した物を確認する。
「ですけど、リレミトは残念ですね」
「実験したいが、50階層で何かしら不具合が起きたら怖いからな。お前の道具だから、問題ないと思いたいが、今回は見送りだ。変わりに【せかいじゅのしずく】などを持って行こう」
リリが受け渡しをしながら、スピカは道具をいくつか渡す。
「【宝具】は良いですか?」
「それも問題ないだろう。なに、退くべきときは退くから、そんな心配するな」
程なく彼らは出発して、スピカは少しばかり心配するものの問題ないか、と考える。
帰還した彼らの武器が新種のモンスターによって溶かされ、大量の武器の補充依頼が入るとも知らずに。
◇◆◇◆◇
ベル・クラネルが入団してから間も無く、スピカたちは困った事になった。
まずベルがレアスキルを発現した。その名も【
どうも細かく調べるとベルはアイズに恋をして、その想いで発現したようだ。
「若いですね」
リリはくすっと微笑み、ヘスティアはむきーと憤る。ロキといまだ仲が悪い為、アイズの悪口は言わないが、ロキはダメらしい。
「って言うか遠征帰りで【はかぶさの剣】を始めとした【
白目を剥くスピカ。まさか【ブルーメタル】製じゃない武器が軒並みダメになったらしい。幹部勢はほとんど【ブルーメタル】製や魔法で作る鉱石だから問題なかったが、サポートする団員達や他の備蓄がやられて撤退した。新たに補填するために、また製作しないといけないらしい。
「ともかく問題はベル君だ、これはもう成長じゃなくって飛躍だ。なんとかしないといけない」
「ベルはナイフ使いですけど、これじゃ成長する前に先に進みそうですね」
「なら武器を渡しますか? スピカ様のでなければ、問題ないかと」
「それだリリ君!! 今度の神の宴に出て、ヘファイストスに頼んでみるよ」
「いいですが、決してスピカ様の魔法や第二の鉱石の存在はバレてはいけませんよ」
「【ブルーメタル】でもう手いっぱいなのに、魔法で作れる鉱石まで卸すようになったら死ねる」
「分かったよ二人とも♪」
◇◆◇◆◇
神の宴でヘスティアはヘファイストスと交渉して、二億ヴァリスで製作が決定した。
「ヘスティア・ファミリアには【宝具】で大きな借りがあるからね。タダにはできないけど、作るのなら問題ないわ。けど値段はこれだけど大丈夫?」
「二億ヴァリスだね、即金で払うよ」
「………あんたからそんな言葉が聞ける日が来るなんてね」
こうしてベル用の装備は作られ、時は
祭りの日、スピカは久しぶりの休日で、祭りに顔を出していた。姿は【
だが祭りの目玉、調教される予定のモンスターが逃げ出したので、スピカが前に出て倒すことになる。
「怒りのメラミ」
そう唱えながら、ロキ・ファミリアと共に食人花と思われるモンスターを退治した。こんなモンスターがガネーシャの下にいるのかという疑問に包まれながら、祭りは終わるのであった。
◇◆◇◆◇
18階層、一人で来られるようになったスピカ。段蔵やナーサリーライムも単独であったり、ベルと組んだりして上層モンスターと戦う中、スピカはリヴィラの町へと様子を見に行くと、殺人事件が起きていたらしい。
「えっ、本当ですか?」
「はい、正確には未遂ですね。できればスピカの姉御が来たら詳しい話を聞きたいとのこと」
話を聞くと、ガネーシャ・ファミリアLv4の冒険者が殺されかけたらしい。不意打ちとは言え、第二級冒険者が殺されかけた。
助かったのは石像アイテム。精霊の名を持つこの石像で相手を吹き飛ばした後、逃げる事には成功したかららしい。
「これは」
石像はいくつも同時に使用した形跡がある。話を聞くと、裸の状態だったハシャーナ氏は殺されると思い、いくつかのコインが入った袋だけ持って、その場から逃げ出したらしい。それを追いかけることも無く、女は逃亡したらしい。
「それで、君の意見が聞きたいが、これは特製品かい?」
天然洞窟は一部崩れていて、後に残ったのはハシャーナの私物らしき物ばかりだが、フルアーマーの、スピカが作った【ひかりのよろい】などがそのままだったらしい。
「そうですね、ガネーシャ・ファミリアに渡した物です。盗まれ無かったんですか?」
「俺も【ひかりのよろい】と同列の兜とか着ていたから、盗まれていると思ったんだが」
それらは一切手を付けられず、何かを盗もうとして失敗したらしい。ハシャーナはローブを着こんだ黒い魔術師からの依頼と聞き、深層からある不気味な宝玉を回収したらしい。スピカは時々自分の
「もう運び屋に渡してあるから、俺の手元には無い」
「誰に渡したんだい?」
犬人の褐色肌で、女性らしい。ポールスもそれを聞き、面倒だなと思い始める。
「スピカの姉御、どうしますか?」
「Lv4を不意打ちで殺しかけたんですよね?」
「【せかいじゅのしずく】が無ければ、死んでました」
「なら町を挙げてでも見つけた方が良い。いまのところLv6が二人に、5が数名います。倒してくれますかフィンさん?」
「それより君が町を仕切っているように会話が進んでいるね」
ボールスはLvが数年で同じになったが、スピカは弁えているからと言って嫌わず、こうした関係になっている。
町を上げて人を集め、秘密裏に犬人の冒険者を見つけて接触しようとして、謎の食人花が現れた。
だがスピカ特製のバリスタや【デインバリア】に引っかかったりして、事なきを得る。
アイズたちによって退けられた赤髪の女はブラックリストに載せられ、事件は終わった。
◇◆◇◆◇
飛躍するベルにリリと段蔵が驚く中、スピカに依頼が舞い込んだ。
内容は24階層でモンスターの大量発生の調査であり、依頼主である魔術師は【リレミトの巻物】があれば助かると言って、その分の資金と依頼料を払い、スピカは(聞いてもらえないと魔法で生み出されている鉱石の存在を言うと脅され)依頼を受け、ヘルメス・ファミリアと、アイズと共にダンジョンへと潜る。
「あるよあるよ~コインに精霊の石像、一応フル装備までまだまだあるよ~」
「助かります【
アスフィから感謝される程、数多くの
◇◆◇◆◇
「ベル様ですが、ヴェルフ様の作品を着こんで冒険者として活動してますね。何故か【
「誰だろう、わかるのが怖い」
なんとなくバベルの頂上にいる銀髪の女神が脳裏をよぎるがスピカ、リリ、ヘスティアはなんとも言えない顔でスルーしかない。
今度リリが共にダンジョンに潜るようで、スピカは仕事をしていた。ナーサリーライムと段蔵がLv2にやっと成れたと言うのに、まさかベルが普通とは違うミノタウロスと戦ってこれを倒し、Lv2に最短で成るなどと夢にも思わずに。
その前に、スピカに頼みがあるとロキたちから交渉が入る。遠征に、50階層までついて来てほしいらしい。
さらに隠している物でもいいから、溶かされない装備も欲しいと言われたので、いくつか出してあげた。
◇◆◇◆◇
こうして50階層に来たスピカは色々探索、ついでに何かできないか調べ回って、フィンと合流して帰ることになる。
途中で劇毒を持つモンスターが現れたが、エルフたちが壁になってわざわざ当たりに行ってくれたおかげで無傷。18階層で足止めを食らうが、スピカ経由なので食料問題だけは無かった。
さすがに何も無いところから特殊な解毒薬を作れないスピカ。ミアハのとこにいくつも作って卸したことを伝え、ベートが地上へ走り、スピカは18階層で適度に過ごす。
ベルが来るまで、落ち着いて過ごしていた。
◇◆◇◆◇
ベルはイレギュラーで階層をぶち抜いて下に降りてしまい、18階層、安全階層まで逃げ込むと言う選択肢を取り、これに成功した。
「とりあえず段蔵たちの身体は無事ですね。頑丈なのは良いですが、壊れると厄介ですからね」
「ありがとうございますマスター」
「しかしヘスティア様まで来るなんて」
更にはヘスティアがヘルメスと共に18階層へやってきた。それにため息をつき、リリがやってくる。
「スピカ様、皆さんが水浴びをするようですが、スピカ様はどうします?」
「魅力的な誘いですけど、毒に冒されているエルフの人たちがゾンビのように動きだしそうですから、俺はパスです」
「まあそうですね」
スピカが水浴びをする時は一人でエルフに囲まれている時である。それを聞き、それはよかったですと、スピカが元男と知るリリは呟き、段蔵たちと共に水辺に移動する。
スピカは仕方ないのでその辺をぶらつくことにした。
◇◆◇◆◇
「んぐ~♪」
スピカはエルフたちに隠れてキャンプ地を離れて【
「あれ?」
その時、よく見る白い髪の兎のような髪を見つける。なにしてるんだろうと言う思いと、びっくりさせようと気配を消し、後ろから接近するスピカは………
エデンを見た。
妖精の裸体を見たスピカはすぐに脳内に録画を始め、全能力を使い精細に情報を纏め、それを見ていた。
「
眼前へと迫る白刃よりも正面の光景を録画する事を決意するスピカ。だが刺さると即死する一撃に、身体は大きく後ろへのけ反り、樹に激突する顔面。
「クラネルさんと………」
裸の妖精、リューは自分がした行いに血の気が引く。いままさにハイエルフであるスピカを殺しかけ、スピカはスピカで避ける時に背後の樹にキスをする始末。その時の音か、白刃が樹に激突した音か不明だが、物凄い音が響いたとベルは思った。
「だ、大丈夫ですか団長っ!?」
やや樹にめり込んでいる顔を外して、静かに起き上がるスピカは………
「平気です」
鼻血を吹きだしながらリューやベルから視線を外さない。
「も、申し訳ございませんっ!!」
「いえ、突然の事ですから仕方ないです。それよりベルがいますから服を着た方が良い、話はそれからです」
そう言いながら鼻血がドクドク出ているスピカ。リューも羞恥心などで顔を赤くしながら急いで服を着る。ベルの目を隠しているスピカだが、リューの事を見ていて鼻血がずっと出ている。
そして体力が削れたので、二人より早くキャンプ地に戻る事にする。リューが心配するも、平気と言って戻る途中、スピカは一言………
「白かったな下着」
見た景色を忘れないために心に刻み、何事も無く自分のテントで着替える。
その日の夜、ベルとレフィーヤが見つからない時に起きる出来事にも首を突っ込み、モンスターの溶解液で服を溶かされたレフィーヤを目撃する。その日は運が良かったと心底思いながら、上着をレフィーヤに着るように命令して貸した。
後に「我が生涯一辺の悔いは、フィルヴィスのを見たいなこの野郎」と叫ぶスピカである。
というので大幅カット申し訳ありません。ベル君とアイズの物語に大幅な変化は与えられませんでした。
ベル君の水浴び覗き事件に段蔵がいるため、ヘルメスは現行犯で捕まりました。ベル君はその隙に逃げちゃう。
ヘルメスはボコられるが争いは何も生まないと賢者のような状態のスピカの説得で、ベルとヘルメスは許されます。リリとヘスティアは何かあったなと勘付きますね。
この後は黒いゴライアスと戦い、18階層から帰還します。
次回は映画版、アルテミス様の物語でスピカが何をするかお楽しみに。
それでは、お読みいただきありがとうございます。