ダンジョンに異世界のアイテムを持ち込むのは間違っているだろうか(本編完結)   作:にゃはっふー

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スピカ「前回、ヘルメスの胡散臭い依頼を受けてオラリオの外に出向く。念のために色々持ち出したけど、まあなんとかなるか」

足りなきゃ作れば良いしね。

リリ「………気のせいか、妙な事を考えてませんかスピカ様?」

スピカ「リリに心の中を見透かされながら、空の旅は続いております」


映画版2・激戦

 オラリオから遥か離れた大地の果て、エルソスの遺跡へと向かう。

 

 途中見たことのないモンスターに襲われた親子を助けながら、その遺跡に眠るモンスターについて詳しい話を聞く。そのモンスターの名は【アンタレス】。陸を腐らせ海を蝕み、森を殺し、あらゆる生命から力を奪う。

 

 古代、大精霊によって封印されたモンスター【アンタレス】。あの【槍】で無ければ倒せないと言うモンスター。それを使えるベルに白羽の矢が立つ。

 

 気合いを入れて飛んでいく彼らの眼に広がったのは見慣れた森、では無かった。

 

「森が死んでる……」

 

 まるでがらくたのつるぎを見た時のような感触をヘスティア・ファミリアは感じる。森から命と言う物を感じられず、紫に変色したりとがらくたのつるぎより酷いそれを見て驚く。

 

 エルソスの遺跡を目視した時、光の矢のような雨が降り注ぎ、みかがみバリアで全て防いだが、長くは持たない。

 

「なんか凄い事してませんかスピカ様っ!?」

 

 すくに地上へと着地して謎のモンスターに襲われるも、リュー・リオンが駆けつけて来てくれたおかげで助かり、詳しい話をヘルメス・ファミリアのキャンプ地で聞く事になる。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 途中水浴びしていい思いを(リリがスピカの視界をガードするが)したスピカ。覗きに来たヘルメス、男たちをしばいて一休みした。

 

 そしてそれを目撃する。

 

 ヘスティアが【槍】を捨てようとして、ヘルメスが止めている場面。

 

「なにをしているんですか」

 

「スピカ君……」

 

「その【矢】をどうするんですか?」

 

 その言葉にヘスティアとヘルメスの顔つきが変わり、スピカは静かに見据える。

 

「道具作りのスキルを舐めないでください。俺にはそれは初めから矢として見えていました。それはなんなんですか?」

 

「………神を討つには、これしか方法が無いからさ」

 

 ヘルメスが言うには、あのアルテミスは、アルテミス本人では無いらしい。この神殿を封印していたのはアルテミスの眷属とも言える精霊であり、長い年月【アンタレス】を封印していた。

 

 だがその封印を突破して地上に君臨しようとした奴に、アルテミス・ファミリアが挑むも全滅。その時、神アルテミスは取り込まれた。

 

 神アルテミスは自分を取り込む【アンタレス】を倒す手段に、天界から矢を召喚して、矢に自分の意識を一部残したとのこと。

 

「【アンタレス】はいまアルテミスの力、神の力(アルカナム)を使用して、地上を焼き払う気だ。それを止められるのはベル君しかいない」

 

「ベルに神殺しを、アルテミス様を殺せと言うのですか?」

 

「違う。少女を助けてもらうだけさ」

 

 ヘルメスはそう言い、ヘスティアは何も言えず矢を持つ。それに対してスピカはため息を吐き、そして。

 

「ざっけんなよくそ神」

 

 その矢をLv3のスペックで取り上げ、そして宣言する。

 

「テメェらのシナリオ通りに世界は回ると思うな。俺が、スピカ・シロガネの名に懸けて、アルテミス救出と【アンタレス】討伐。それを同時にこなして見せる」

 

「スピカ君それは、でも」

 

「できる。切り札を、使います」

 

「切り札だって」

 

「勝率100%だ、神なら俺が嘘を言っているか分かるはずだろ? 俺の作戦に手を貸せヘルメス。必ず成功させる」

 

 ヘルメスは迷う。これは世界の一大事を決める話だ。

 

 少女を救う為に世界を危機にさらすかどうか。だが………

 

「やれやれ、冒険者に俺が勝てるはずないだろ。仕方ないな………代わりに君は何を成す?」

 

「全てを以ってハッピーエンドを作り出す」

 

 嘘偽りも無い言葉に、ヘルメスは笑い、ヘスティアは希望を見つけたようにスピカを見る。

 

「できるかいスピカ君、全てを救う事が」

 

「分かりません。アルテミス様の場合、地上のルールがあります。死なないだけで、地上から姿を消すかもしれません」

 

「………なら頼む、ボクの神友を救ってくれ」

 

「はい」

 

 少し迷うヘスティアだが、すぐに自分の眷属を信じる。静かに決意するスピカ。いま全ての枷を外す。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 一か八かの作戦だ。これが成功するにはまずはここからだ。

 

 召喚陣を描き、代用する品物を全て並べても、向こうが応えなければ意味が無い。

 

「だけど俺の知識通りなら」

 

 この世界に来て、空想の世界の物を実体化させる力に目覚めた。ならば逆説、その空想の世界は本当はあるのではないか?

 

 現にナーサリーライムと段蔵は召喚、受肉と言う形でここにいる。ならばと覚悟を決める。そこから逆算してできるとスキルが告げる事をするスピカ。

 

「まずはこれで、彼を呼べるかが勝負………【告げる】」

 

 こうして一世一代の儀式を始め、魔獣【アンタレス】を討つ作戦を作り出す。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 ヘルメス・ファミリアはスピカが用意していた【魔道武具(マジックウェポン)】に身を包み、戦闘準備をした。彼らは囮を引き受け、遺跡から溢れるモンスターを討つ準備を終えた。

 

「ポット、良い装備着てはしゃぐなよ」

 

「ホセこそ、こんな装備めったにないよな」

 

 盾を構えるドワーフの女性も遥か各上の装備に胸を弾ませ、双子の姉の小人は微笑む。

 

 作戦が始まる時、ついに動きだす【アンタレス】。遺跡から湧きだすモンスターに、それは真正面からぶつかった。

 

「な、なんだあれぇぇぇぇぇ」

 

 犬人のルルネと言う少女が驚く。それは【つばさの勇車】と言う、笛一つで呼び出せる、スピカの秘密兵器の一つ。けして他人にばれてはいけなかったが、リリに任せて使用した。

 

 空を飛ぶ戦車のような要塞、【つばさの勇車】からミサイルや鉄球、彼らが手に持つ武器と変わらない一級品が放たれ、地上に【スーパーキラーマシン】たちが降りて来る。

 

「全くもう、全ての制御をリリに任せて」

 

 リリが愚痴りながら、全ての指示を【つばさの勇車】内部で取り扱いながら、流れをこちらに持ってくる。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 遺跡内部で物語の真実を聞くベルたち。だがアルテミスもまた、ヘスティアたちの作戦を聞いて驚いていた。なにか策があろうと、理を覆す矢で無ければいけないのに、彼らは手に持つ武器を握りしめる。

 

「ベル君、君がするべきことは槍を使う事じゃない。これで【アンタレス】を倒すんだ」

 

 そう言って一本の聖剣。名を【輪廻する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)】。太陽の剣を渡す。

 

「トドメはスピカ君が用意している。彼女は賭けに勝った、応えてくれた者がいる。頼む、後は君が、君たちがするしかないんだ」

 

 槍はそこにある。それを矢として放てば全ては決着する。それでもベルは【輪廻する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)】を掴み上げ、走り出した。

 

「援護するぞ段蔵っ!!」

 

「はいっ!!」

 

「【オモチャの兵隊さん、出番です】」

 

 ナーサリーライム、段蔵、ヴェルフも走り出す中、リューとアスフィも駆けだす。

 

「ベル君、その剣の力を開放して、君のスキル、英雄の一撃に全てをかけてくれ!!それがスピカ君からの団長命令だ!!」

 

「真名、解放ッ!!」

 

 鳴り響く鐘の音と共に、光が集まる。それに反応する【アンタレス】だが、ヴェルフたちが妨害する。

 

 そこに遺跡の天井が崩れ、ゴーレムが入り込む。

 

『間に合った』

 

 リリの声が響き渡り、手動でしか動かないゴーレムを動かし、動く【アンタレス】と激突する。その身体が一部結晶化していて、その中にアルテミスの身体がある。

 

 側でヴェルフへゴーレムはカプセルを渡す。身体を回収できれば、できればそこに入れてほしいと言われていた。

 

「こいつは何があっても守る。行けベルッ!!」

 

 その手に【幻想大剣(バルムンク)】を握りしめ、ナーサリーライムが作り出した軍隊を従えるヴェルフ。回収の為に段蔵は混乱の中で、風王結界で姿を消す。

 

 準備は整いつつある。

 

 ゴーレムで戦うリリ、敵もまた高まる力に警戒する。無数の【アルテミスの矢】を放とうとして、それをリリが前で受け止める。

 

「『みかがみバリア』ッ!!」

 

 それで全て反射され、【アンタレス】が大きく倒れる。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 最大まで溜める力、引きだす引き金(トリガー)は、太陽の騎士ガウェイン。

 

『この剣の本来の持ち主でね、これはレプリカなんだ。こんな騎士が持っているんだ』

 

 太陽の下では無敵と言われ、王の懐刀にして最強の一角。

 

 礼節を重んじる忠義の騎士。

 

『いいでしょう、私もあなたに力を貸そう』

 

 そんな声が響いた気がする。

 

「『【この剣は太陽の映し身、もう一つの星の聖剣】』ッ!!」

 

 声が重なる。太陽の騎士とベルの言葉が重なり、身体を崩した【アンタレス】へと迫る。

 

「『【あらゆる不浄を清める(ほむら)の陽炎】』!!」

 

 白い情景と太陽の焔が重なり合い、振り下ろされた。

 

「『【輪廻する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)】』」

 

 静かに告げた一撃は【アンタレス】を飲み込んだ。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「時は来た、準備は良いですか!?」

 

 叫ぶスピカは太陽の聖剣により、【アンタレス】の動きが止まったのを確認した。

 

「もちろん!!」

 

 少し離れた位置、空高く飛ぶ【つばさの勇車】に乗り、リリが侵入した入り口で光景を見る。

 

 スピカよりも遥かに巨体な大男、手に持つスピカがギリギリまで時間を使い作った弓と矢を握りしめ、此方を見据えた。

 

 矢は【メラガイアー】と【マヒャデドス】を重ね合わせてぶつけ合い、爆発して生まれた極大消滅魔法の矢。【メドローアの矢】だ。

 

「アルテミスに愛されるのは許そう、異世界のだからな。アルテミスを愛するのは許そう、むしろ愛してやってほしい」

 

 だがッ!!と叫び、巨漢の男は【アンタレス】を睨む。

 

 

 

「アルテミスを落とす役目は譲れないッ!!」

 

 

 

 巨漢から放たれる意思の力を感じながら、男は弓矢を構えて【アンタレス】を睨む。

 

 アルテミスは結晶の中に閉じ込められている。だがそこから助け出すにはいましかない。

 

 太陽の光が迫る【アンタレス】は、不気味な雄たけびを上げて対抗する。

 

 だからこそ、この男が全てを落とす。

 

「【全ての令呪を以て命ずる、その身全てを使い、禍月を落とせ三星の狩人(トライスター)】ッ!!」

 

 令呪が三つ、狩人の力を引き上げ、雄たけびのように叫ぶ。

 

 全力が弦を引き上げると共に光が矢に収束していく。狙うは一点、魔獣と月女神の境目。

 

 

「【我が矢の届かぬ獣はあらじ(オリオン・オルコス)】!!」

 

 

 轟音が鳴り響き、戦場を一瞬止めてしまうほどの音が飛来する。

 

 叩きこまれる【我が矢の届かぬ獣はあらじ(オリオン・オルコス)】は、如何なる魔性の獣も、彼の狩人の手から逃れられない。

 

 さらにスピカが作った弓矢は全て、この為に用意した【宝具】である。

 

 存在する為の全ての要素を全て使い、狩人は【アンタレス】の水晶を射貫き、月女神を閉じ込める水晶が砕け散る。その瞬間、隠れていた段蔵がそれを救い出し、余波で弱った魔獣へ、不浄を焼き払う聖剣が全てを飲み込んだ。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ―――ッ!!」

 

 三星の狩人(トライスター)はここで終わらず、続けて二射目が放たれる。それもまた始めに撃ち放つ物と大差ない一撃。それが焔の中にいる魔獣を射貫く。

 

 強大な爆音が響き渡り、魔獣の姿は欠片も無く、静寂が世界を包み込んだ………




【つばさの勇車】出典ドラゴンクエスト スライムもりもり

主人公のスライムとそのライバルが乗る要塞戦車が合体して生まれた物。魔王すら倒して世界に平和をもたらしたこれを大改造して作ったスピカ。笛でどこにでも呼べて、中には数十体のキラーマシン、スーパーキラーマシンなど内蔵している。


輪廻する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)】出典Fate/

太陽の騎士ガウェイン卿が持つ、勝利の剣の姉妹剣。スピカが作ったこれは限りなく本物に近い。

【乗り込み式ゴーレム】出典ドラゴンクエスト

 スライムもりもりに出て来た乗り込むタイプのゴーレム。みかがみバリアやロケットパンチなど好き勝手付けている。操縦者は一名のみ


【メドローアの矢】出典オリジナル

火と氷の魔法で作り出した究極兵器。ただのメドローアでは魔法反射の呪文に弱いが、これには物理効果が付く為、対象外になる。


………英霊召喚しました。アルテミスはどうなるか、お楽しみに。

お読みいただきありがとうございます。
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