ダンジョンに異世界のアイテムを持ち込むのは間違っているだろうか(本編完結) 作:にゃはっふー
18階層、神ヘスティアが攫われ、それに呼び出されたベル・クラネル。Lv1でミノタウルスと対峙して勝利してLv2へとランクアップした期待のルーキー。そのやっかみの戦いだが、ロキ・ファミリアがいる状態ではすぐに問題は片付いた。
「さてとどうしてやりましょうか」
ヘスティア・ファミリア団長のスピカはそう呟き、ロキ・ファミリアの精鋭に囲まれて震える冒険者たちを見下ろす。ちなみにフィンはと言えば、ベルと首謀者の冒険者の決闘を見ていた。
最初は姿が見えなかったが、ベルの攻撃で姿を消すアイテムが壊れて、ロキ・ファミリアを見て青ざめながらも、いまだに戦う意思があるベルに対して、戦闘を続けている。
「向こうも決着が付くね。姿を見えなくするアイテムか、君でないとすると、ヘルメス・ファミリアかな?」
向こうは姿を消すアイテムで先手を取るが、気配と視線から位置を把握して戦うベルに逆転される。その様子にリヴェリアたちも頷いている。
「神ヘルメスはベル・クラネルをいたく気に入ったのだろうか? それにしたって」
「儂らがいる状態で神ヘスティアを攫えばどうなるか、すぐに分かっただろうに」
ヘスティアが攫われたのはロキ・ファミリアの失態だ。いまのヘスティアはスピカのおかげで稼ぎ頭であり、スピカと言うカードを操るには必要不可欠だ。攫われたら急いで救出するために、予定を変更だってするだろうにとフィンたちは考える。
「まあ、ベル君と彼との試合に手を出さないと踏んだからだけど、ははっ、やっぱこっちの仕業ってばれてる。やだなー怒られるの」
「だから私は反対したんです」
アスフィは震えながら、この後に来る問題を考える。裏で自分たちが関わっていると知れば、確実に扱える【ブルーメタル】の量が減る。それを笑ってごめんごめんとヘルメスは言う。
けどもう少し試練が欲しいなと思い、少しだけ神意を放った。
「まだ少し試練が必要だけど、これで軽くモンスターが生まれて……ん?」
そして予想よりも高い災厄が牙を向く。
◇◆◇◆◇
黒いゴライアスが
18階層にある冒険者たちが押し寄せて、大量の【
「いいですか!? 敵は自己再生持ちですので攻撃の手を休めないでください!!」
スピカの号令にエルフたちは一丸となって戦い、負けずと他の種族の冒険者も攻撃を繰り返すが決め手に欠ける。
「スピカの姉御に続けお前らぁぁぁぁぁぁ」
リヴィラの町の冒険者たちも数々の【
「フィンさんそちらは使いますか? こちらは使いますよ」
「ああ、アイズッ!!」
アイズは頷き、自分が持つ【はかぶさの剣】と【
風の鞘で透明であるが、アイズには知覚できていて、それを片手にスピカは両手剣を構えながらヴェルフに言う。
「ヴェルフは魔剣良いですか!?」
「まさか俺が使うのか、しゃあねえ折られてもらうぞ!!」
「ベル様はもしもの時の追撃を、ロキ・ファミリアの方と共に担当してください」
走り出すアイズに、スピカもまたLv3の力で走り、隙を見せたゴライアスたちに段蔵は【宝具】を放つ。
「これで……」
本来なら風で敵を飲み込み切り刻む宝具の為に、足止め程度にしかならない。だが詠唱する準備が稼げた。
「【邪悪なる竜は失墜し、世界は今、落陽に至る】」
「【この灯りは星の希望、地を照らす命の証】」
鐘の音が鳴り響く中、二つの柱が立ち上り、真名は解放される。
「『
「『
光の柱がゴライアスを飲み込み、魔石を剥き出しにさせた。その瞬間、ベートとベルがトドメを刺した。
◇◆◇◆◇
問題が解決後、スピカのレシピによりリヴィラの町は復興して、地上でお祝いを開くヘスティア・ファミリア。そんなヘスティア・ファミリアにいちゃもんを付けた者がいた。
スピカが数々の暴言にキレようとする前に、エルフが悪口を言う輩を殴る。
「スピカ様の悪口を言うのか貴様かアポロン・ファミリアぁぁぁぁぁぁぁぁ」
エルフがどこからかわらわら現れて乱闘騒ぎになり、スピカはそれを止める為に奔走、怒りを晴らす事はできなかった。
その後、そのアポロン・ファミリアが神の宴を開く為、渋々行くことになる。なぜかと言えば、話を聞いたロキが絶対いちゃもん付けるから、様子を見た方が良いと言うから。スピカはしっかりとロキ・ファミリアのエルフたちに綺麗にされて、ヘスティアと共にアポロンの下に行くとケンカを吹っ掛けられる。
「我々が勝てばベル・クラネルの身柄をもらおうかっ!!」
「ふざけんなッ!!」
「ダメやスピカたん、口車に乗っちゃあかん」
ロキ、フレイヤ、ヘファイストス、ガネーシャが前に出てもふふっと余裕の顔をするアポロン。いくらなんで戦争遊戯、ウォーゲームにまで君たちが顔を出すのかいと言う。
「んなもん決まってるやろ。内容しだいじゃ、口挟むで」
「………なに?」
「お前、なに勘違いしているか知らんけど、スピカたん以外でも、それこそリリルカ・アーデって子でもうちらは口挟むで。スピカたんの仕事を支える団員やし、ベルちゅー新入りは分からないのが本音やけど、助ければスピカたんに色々恩返しできるからな」
アポロンはそれを聞き、スピカに手を出さなければ他の派閥が口出ししないと思っていたのか、色々難癖をつけだす。乱闘の件を無理矢理ヘスティア側が手を出したと駄々を捏ねだすほどだ。
何人かの神は少し早急な動きでしたな~とアポロンをからかいながらも、新たな『
◇◆◇◆◇
だがアポロンは動いた。
ヘスティアたちのホームに攻撃を仕掛け、崩れる建物から脱出するスピカたち。三年かけて直したスピカの傑作を壊され、怒りながらもバベルへと逃げる。
その途中、何人かに分かれ、レベルの高いスピカとベルが神ヘスティアを連れて逃げ出して何度も襲撃に遭う。段蔵とナーサリーは別の道を進んで逃げていた。
「貴様らなにをしているッ!?」
「スピカ様を守れッ!!」
フィルヴィス・シャリアを初めとした他派閥のエルフがその道のりを守る中、腕を壊してヴェルフに担がれている段蔵が現れる。
「………段蔵?」
「申し訳ございません。リリ殿とナーサリーを守るのに、この身体を使いました……」
リリがアポロン、ソーマ・ファミリアに攫われた。
「堪忍袋の緒が切れたぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
アポロンもどうやら何人かの神を味方に、戦争を仕掛けてきたらしい。通りで冒険者が多いと思った。キレたスピカはヘスティアと共に手袋を投げつけて、これにて『
アポロン側は、如何にロキ・ファミリアやガネーシャ・ファミリアの力をそいで、ヘスティアと一騎打ちするかと画策しているが、スピカはキレた。
「いいでしょう、ヘスティア・ファミリアに妥協と良識が無くなればどうなるか教えてやります」
そうスピカは宣言して、こうしてヘスティア対アポロンで『
◇◆◇◆◇
すぐにスピカは攫われたリリを助けに出向く、ソーマとの戦闘にスピカたちは勝利した。『
残っていた【ソーマ】を飲んだリリが酔わず、ソーマに戦闘の停止を頼み、ソーマに少しの変化があったようでだいぶ落ち着いた。
逃げ出したソーマ・ファミリアはその名前だけ借りたまま、アポロンと組んで動くらしい。それを知りながらスピカはヘスティアと話し合い、動く事にした。ちなみにロキたちもいる中で、話を聞いて全員が了承している。
緊急
ギルドに承認させた後は会場となる場所を確保しなければならず、それにガネーシャ・ファミリアは駆り出されるだろうと踏んでいる。
ヘファイストスは戦闘向きでは無い、フレイヤは出て来るか分からないが、無粋な真似はしないだろう。アポロンはロキに対して警戒していた。
それは大きな間違いであると知らずに………
◇◆◇◆◇
話し合いと厳選なくじの結果で『
(ふん、勝ったな)
アポロンは内心笑う中、ヘスティアは静かに激怒していた。
「覚悟しろよ、我慢しなくなったスピカ君を敵に回したこと後悔させてやる」
こうしてヘスティア対アポロンの戦いが始まる。
「はいそれじゃ、ルールの確認だ」
他派閥が持つ【宝具】を借りない。
増援は基本的に無しだが、
守り側はアポロン、攻め側はヘスティア。アポロンは団長のヒュアキントス撃破で敗北、ヘスティア側は三日間で勝利条件未達成で敗北。
こうしてルール説明が終わりかけたとき、ヘスティアが手を上げて聞く。
「道具は好きに使っていいんだね?」
「は? あっ、ああ別に構わない。覆せるものなら覆してみろ」
これで数の差で勝てるとアポロンは思い、スピカが念入りに確認するように聞いた言葉を飲み込んだ。
ヘスティアはそれを聞き口元がつり上がりかけたが我慢して、ロキはあーあと面白そうに内心笑う。
ヘファイストスはなにも言わず沈黙を貫き、ガネーシャはガネーシャ言っていた。
こうしてのちに、ヘスティア大戦と言われる物語が幕を開ける。
【
アルトリアが持つ風の鞘。作ったのを一時的貸している。
アポロンが凄いミスしてますが、彼は武器しか作れないし、人形を大量に作れないと思いこんでます。だから問題ないと思いこんでます。
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