ダンジョンに異世界のアイテムを持ち込むのは間違っているだろうか(本編完結)   作:にゃはっふー

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ヘファイストスの下で好き勝手物作りをしていたスピカ。ついに暇な神々に存在がバレかけ、バレるのなら仲間が必要と、ロキと接触。ロキはアイズが個人財産からはやぶさの剣・改が欲しいとのことで、それの最も優良な物を買い求む。

スピカたちは流されるままに了承して、これから製作を開始するところであった。

ランキング見てたら短編と連載別々じゃんか、短編日間ランキング1位ありがとうございますッ!!


第4話・変わり出す業界

 とんでもない事になった。ヘスティアはそう思うが、大事な眷属の為に頑張ると心に決めた。少なくともそれくらい大切な家族になったスピカとヘスティア。

 

 今日も地下室で恩恵を更新する。ヘファイストス・ファミリアの人と共に潜り、かつ道具製作で経験値(エクセリア)を獲得するスピカはこんな成長をしている。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 スピカ・シロガネ Lv1

 

 力・B791

 

 耐久・E402

 

 器用・B788

 

 敏捷・D559

 

 魔力・A820

 

 ・鍛冶H ・神秘G ・魔導H ・調合I

 

≪魔法≫

 

【】

 

【】

 

【】

 

≪スキル≫

 

竜物語創造者(ドラクエビルダー)

 

 ・あらゆる道具、武具の想像、創造が可能

 

 ・成功率の把握 ・神秘、鍛治、調合アビリティ獲得

 

 ・道具製作に経験値(エクセリア)獲得

 

精霊加護(リュミエール・スピリット)

 

 ・魔力アビリティ強化 ・魔導アビリティ強化 ・魔導アビリティ獲得

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 なんともこの一年で妙な育ち方をした。いまだ伸びてはいるが、耐久と敏捷が下で、力と器用が二番目、一番はやはり魔力である。薬の調合などしていないから一切上がらず、神秘、鍛治、なぜか魔導に経験が入る。ヘスティアは首を傾げた。

 

「まあ一年だとかなり早いペースだけどね、ここまで来るのに」

 

 常識をヘファイストスに教えられたヘスティア。神の恩恵(ファルナ)のロックの仕方を教えてもらったりと色々だ。

 

「まあロキの所だし、材料は向こうで手間賃はもらえる♪ 気楽に行こう」

 

「はあ……」

 

 スピカはそれでも気が重い。高価な材料がくず鉄と変わらないほどになるのを実感するからだ。

 

 それでもやるしかない。すでに確定していなくても噂が流れ出して、自分を特定する、または関わっている噂まで流れているのだ。時間がない。

 

 そんな話をしながら、ヘスティアは話題を変える為に、別の話をし出した。

 

「それより、親御さんの情報は集まったのかい?」

 

「いいえ、全然ですね」

 

 それに首を振るスピカ。紋章の首飾りについての情報は無い。ヘスティアはそうかと残念がり、スピカは気にせずに気合いを入れる。

 

「優良のはやぶさの剣・改を作る為、気合いを入れて頑張ります」

 

「まあほどほどで良いよ、ほどほどで」

 

 気合いを入れてスピカは宣言し、気にする必要無いと楽観視しながら微笑むヘスティア。むしろロキに大金使わせてやるといじわるなことも考えている。

 

 そんなことを考えるヘスティアであるが、数日して反応が変わるとこの時は知らなかった。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「もう材料もらっても二度としないぞ!!」

 

「藪から棒になんやねん」

 

 ヘファイストスは呆れてため息をつき、ロキは首を傾げ、椿は苦笑いをする。

 

 ヘスティアは涙目でこの調子だし、スピカの眼は死んでいる。ロキはますますわからず、アイズと共に席に座る。

 

「日々高価な材料ががらくたのつるぎになる様子を見て、お金をどぶに捨てているようで精神に来たようよ。これで出来上がったのが13回目だからね」

 

「ああそうか、普通に計算したら億は軽く届いてるからな」

 

「頑張って潜らないと………」

 

 アイズは小さく決意してロキは納得した、内心貧乏性めと思いながら。値段からすれば失敗作を含めれば、ヘスティア・ファミリアが数十回破産しても足りない値段になったのだ。

 

 ヘスティアは最初の内は気にしなかったが、スピカ共々、いつ請求されるか分からない恐怖に胃を痛め、ついに5回目当たり成功するようにヘスティアは神に祈り出すと言う光景を作る。

 

 ヘファイストスから話を聞いて、かなりの値段になると踏んだので仕方ないとロキは納得している。出すのもアイズ個人のお金だ、アイズが文句が無ければ文句は無い。

 

「それで出来は?」

 

「おおこれだこれ、自分から見ても優良、第一等武装として文句なしだ」

 

 先ほどまでヘファイストス含め、ファミリアの鍛治師(スミス)一同が息を飲み見ていた武器をロキたちの前に出す。

 

 一見すればスピカが持つはやぶさの剣・改と変わらないが、鍛治師(スミス)の眼からすれば優良と平均の違いははっきりと出ている。良い材料を使い、鍛冶師の腕もここ一年で上がったスピカの会心の出来だ。それを受け取り、早速外に出て剣を振るうアイズ。

 

 建物の外、少し開けた場所で用意をし出す。その様子は建物の中や遠巻きに駆け出し玄人含めた鍛治師(スミス)全員が見守る。

 

「斬るのはこれで良いだろう」

 

「なにげにがらくたのつるぎやな。鉄やけど斬れるん?」

 

「斬れる。少なくともそれくらいの腕が無いと奪い取る」

 

「頑張ります」

 

 椿は斬れると断言し、アイズも気合いを(見た目変わらないが)入れて、はやぶさの剣・改を抜いて試し斬りをする。

 

 ヴェルフたち駆け出しが息を飲む中、アイズの手元がブレた(・・・)

 

「は?」

 

 次の瞬間、空気が鉄で斬られたような甲高い音を立てて、それと共にがらくたのつるぎが四度(・・・)斬られた。

 

 それにロキも驚き、アイズも無表情ながら驚く。

 

「すっごく持ちやすくて、斬れる」

 

「まさか二度ではなく、四度とは。第一級冒険者とはやぶさの剣・改の特徴が相まってここまでとはな」

 

「これなら大金吹っ掛けられても文句出せへんな。んじゃま、次は支払いやな。ほれドチビ、6000万ヴァリス」

 

「こ、これがヘファイストスを通してボクのファミリアに入るお金……材料を補てんしてたヘファイストスの下に入るお金含めて何億ヴァリスに……」

 

「余計な事考えるなめんどくさい」

 

 震える小鹿のように袋を受け取るヘスティア。全体の値段であの剣にいくらかかっているのか思考が停止する。

 

 その様子を見ながら、ロキとヘファイストスはこそこそと話し合う。

 

「あの様子じゃそう簡単に深層や下層の材料に手を伸ばさないわね」

 

「うちもぽんぽんそう無駄金出せへんし、もう少し安定して欲しいから、可能な武器購入するか。その辺どうなってるん?」

 

「そうね、武器じゃないからウチじゃ意味ないけど、魔力が籠ったコインがあるの。それは消耗品だけど、使えば魔法みたいな現象を起こす道具。それでいいかしら?」

 

「なにしらっとその辺の魔道具作り(アイテムメイカー)がぶっ飛んで来そうなもん作っとるねん。それは買いやな」

 

「しばらくしたらあの子にいらなくなった工房をプレゼントするわ。うちの工房を使っているのも嫌がってるし、これで………」

 

 囲むのにロキまで加わり出し、それに気づかないヘスティアは、大金をどこに置くか思考の海に沈んでいく。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 こうしてロキまでスピカの【魔道武具(マジックウェポン)】に手を出して、神々の間に噂がはっきりと流れ出す。

 

 ヘスティアの眷属は魔剣並みの不思議な武器を作り出す。

 

 もうこの噂が流れる頃、いくつかの鍛冶師ファミリアはヘファイストスを軸に協力関係を築いていて、バカなファミリアに目を光らせていた。

 

 ロキの所は第二等武装クラスの武器は手に入らないが、スピカのお得意様になった。主に買うのは安定し出した【ほのおのつるぎ】をはじめとする属性武器だ。

 

 通常の魔剣は使えばいずれ壊れる消耗品であるが、スピカが作る【ほのおのつるぎ】と【いなずまのつるぎ】などや、両手武器などでは【ふぶきのオノ】など。

 

 スピカの作る【魔道武具(マジックウェポン)】は武器として使用すると、火属性や氷属性でダメージを与える為、魔法とは無縁の冒険者たちがこぞって買いに来る。

 

 なにより道具として刻まれた【神聖文字(ヒエログリフ)】を詠唱すると、魔法よりも劣るものの魔法のような現象を起こす。しかも壊れないし、詠唱は買い手が決める辺り好評だ。

 

 いまのところ威力不足以外問題は無く、多くの鍛治師(スミス)や娯楽に走った神が飛びついている。神もまた使用可能なのだ。

 

 さらに【大地のコイン】や【氷のコイン】などの魔法を秘めた魔道具(アイテム)に、冒険者たちは驚愕を通り越して唖然となる。

 

 一度切りの完全な消耗品であるが、魔法を行使する事ができる魔道具(アイテム)。魔剣よりも消耗するが、それでも飛ぶように売れた。

 

 いま迷宮都市(オラリオ)鍛治師(スミス)はその威力を平均の魔剣並みに上げた物を作ろうと躍起になっている。スピカが材料探しに出向いて見つけた【魔宝石】なるものを、自分の【魔道武具(マジックウェポン)】に使用したことにより、いくつかの成功率を上げたとのこと。鍛治師(スミス)たちはそれも取り入れるようになる。

 

「だーーー威力が上がった、質が上がったッ! だが砕ける! 何故砕けるッ!?」

 

 魔剣の質も向上しているが、いまだ【砕けない魔剣】にたどり着いた者はいない。だが誰一人、それは夢物語とは思っていない。

 

「【魔道武具(マジックウェポン)】は性質上魔剣と違う。だが俺には分かる、基本的に魔剣に近い。もしかしたら魔剣が砕けず、あれと同じように使用することが………くそ、打ちたくなっちまう」

 

 駆け出しや玄人含めて、魔剣の研究が活気出す中、その元凶もまた大いに目まぐるしい勢いで鉄を打つ。

 

「私って鍛冶生産ファミリアに入ったんだっけ?」

 

 そう思いながらも打ち続け、可能な限り中層や上層の材料で【魔道武具(マジックウェポン)】を作る。これで一番凄いのは【きせきのつるぎ】だろう。相手から体力と精神力を少し奪い取るそれは、レアモンスターである【ブルーパピリオの翅】が軸である。これの生産はそれほどヘスティアたちの心を痛めず、作られていった。

 

 ちなみにこうして武器を作っているおかげかは知らないが、スピカは一年でLv2へとランクアップした。選んだ発展アビリティはレアな【狩人】だが、表向きは【魔導】にしている。魔導が生えていると魔法を使うとマジックサークルが生まれるからだ。いつ魔法が生えるか分からないエルフなので対策はしておく。

 

 二つ名の命名式は荒れに荒れた。バカな神が【厨二製作者(マジッククリエイター)】や【大穴少女(ダークホース)】などふざけたものから【鍛治妖精(レプラコーン)】などと言う名前が上がり、戦いが始まった。

 

 スピカに付けられた二つ名は【幸福妖精(ブラウニー)】と言う。

 

 そして二つ名と共にスピカの名前が広がりつつある中、ある冒険者の目に留まる。

 

「この髪と首飾りは、まさか……」

 

 こうして迷宮都市オラリオの話題は、いまだ勢いを止めず広がっていく。




ここで原作より魔剣は安い物から、強力な物も安定して売りだされていますね。コインがあるとはいえ、魔剣の需要が無くなるとは考えずらいです。何度も使える物と一度切りですから。

感想評価ありがとうございます。創作意欲が上がる上がる。

それでは、お読みいただきありがとうございます。
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