ダンジョンに異世界のアイテムを持ち込むのは間違っているだろうか(本編完結) 作:にゃはっふー
ヘスティアは騙される事も無理する事も無く、穏便に話を収められるか。
神々は大爆笑しながら生暖かく見守った。
ヘスティアは交わされる言葉をしっかりと頭の中で整理しながら、どうすればいいかの着地点を必死に考える。ヘファイストスも今回味方では無い、ある意味敵なのだ。
多くの派閥の方針は【ブルーメタル】をどれだけ自分の物にできるかどうかだ。
ヘルメスを初めとした道具作りが得意な派閥も参加して、安く、多く手に入れる為に、ヘスティアにあれこれ言いだす中、やはり鍛冶系の派閥が声を大にする。
はっきり言って、ヘスティアがこれらを仕切るのはキャパオーバーだ。骨までしゃぶりつくされる所の話では無い。
だがこれでも一年、ヘファイストス監修の下、派閥の運営を頑張った子なので、言われるがままでは無かったのは確かだ。
「はいはいそれじゃ、今後ブルーメタルの扱いはこんなところかな?」
「ぜえぜえ……ぼ、ボクは頑張ったよスピカ君………」
とりあえず無理しない程度に毎月【ブルーメタル】をギルドに売ると言う形と、購入と言う形で適正価格を決めて下ろすことになる。
ギルドも【ブルーメタル】は外交に使用したいと声があり、うまく調整したはずのヘスティア。今後【ブルーメタル】が世界を賑やかせるが、それは後の話だ。
「そう言えば、他にもなんかあるんじゃねえ?」
「YOU、隠してないで出しちゃいなYO」
「それは確かに、隠し事は良くないなヘスティア~」
「ぐぬぬぬ………」
面白い物があるなら出せと多くの派閥からの圧力に、隠していた物をいくつか出す羽目になるヘスティア。
「飴玉? あっ、おいひい」
「このチョコレート、ポーション使ってるの? ふーん」
「こいつは体力回復にはもってこいの食材やな」
ロキがそう言いながら【まんまるドロップ】と【ぱっくんチョコ】を見る。実は儲けた金で畑を買い、育てていたカカオなどを使っている。今後【
「もしかして水も精霊パワーか?」
「精霊の愛を感じます(恐怖)」
(もう出てるから怖い)
水はスピカが作った壺から出した水なのだが、これも知られると量産させられそうだから言わないヘスティア。デメテルなどがずっとこちらを見ているから目を反らす。
実はこの壺は一度汲むと延々と水、入れた液体を出す不思議な壺で、この後【
「もう他には無いよ」
「そうなのか?」
「うむ、ヘスティアは薬作りも手伝ってくれているが、いまのところないな」
「ヘスティアーーーーミアハなぞ捨ておいて、儂と組めえええいいいい」
ディアンケヒトが叫ぶ中、スピカを酷使しそうだから嫌だなと思うヘスティア。
色々やらかしたものの、いまはとりあえず見逃されるヘスティア。いまだ多くの未知、娯楽の品物を持っているんじゃないか勘付かれているが、いまは見逃された。
ロキ辺りは戦力アップに色々(安く)買い込む気ではあるが。
◇◆◇◆◇
「ヘスティア様お帰りなさい」
「ごめんねスピカ君。これだけギルドに卸した後、各ファミリアにはこれだけ【ブルーメタル】を卸さないといけなくなったよ」
うわっとスピカは少し立ちくらみしそうなほどの量で、しばらく材料集めと鍜治場に籠らないといけない。
「材料は
「後は断っておいたけど、ロキの所で【はかぶさの剣】の購入だね」
「アイズさんの使ってる奴の品質落とさずに、質を向上させないといけないのか……」
ため息をつき、お互い白目になる。お金はある、信頼もあるし、実績もできつつある。
だけど団員一名と言う事態、めまいがする。
「俺の指示を聞かなくても良いは、派閥的にもう無しですね」
「当たり前だよ。ロキたちが言ってた通り、スピカ君は実益を出してる。もう団長としての地位があるんだから、聞いてくれないと」
「聞いてくれそうなのがエルフの人しかいないんですけど」
「エルフか~……まあ~た君狙いで入ろうとするんだろうな」
精霊の加護があるのはもうはっきりしている。明らかにハイエルフなので、エルフがお世話したいが為に門をたたくが、ここはヘスティア・ファミリア。スピカ・ファミリアでは無いのだ。
「そもそも俺のいつもの行動とか見ると、倒れそうなんだよな」
中身がオッサンのスピカ。飲酒はもちろん、綺麗なお姉さんに弱いなど、ハイエルフとしてどうかと思う行動を取る。これはエルフの人たちには我慢できないだろう。
実際エルフから見たらかなり無防備のスピカ。リヴェリアからは普通だと言われ、一般的に見たら普通なのだが、どうしても気になるエルフは多くいる。
一人称も俺と言う辺り、直させなかったドワーフの育て親に文句言いそうだ。
「元男だもんね、いまさら女の子らしくすることは」
「無理ですよ。丁寧語は前世でこびりついてますけど」
色々と考え、いまはいまのまま頑張るしかない。そう決意して
「俺もなんか作りたいな」
「自重しておくれ~」
そうして半年間、スピカは大人しくしていたのであった。
◇◆◇◆◇
スピカ・シロガネ Lv2
力・D546
耐久・E401
器用・C657
敏捷・E411
魔力・A857
・鍛冶F ・神秘E ・魔導F ・調合G ・狩人I
≪魔法≫
【
・創造補助魔法
【
・発火魔法 ・神秘の炎、奇跡の火 ・精霊の祝福 ・道具作り強化
【
・生水魔法 ・癒しの力、祝福の水 ・精霊の祝福 ・生物成長強化
【
・極煌魔法 ・断罪の光にして鳴動の煌めき ・攻撃、付加可能 脈動する力
【】
【】
≪スキル≫
【
・あらゆる道具、武具の想像、創造が可能
・成功率の把握 ・神秘、鍛治、調合アビリティ獲得
・道具製作に
【
・魔力アビリティ強化 ・魔導アビリティ強化 ・魔導アビリティ獲得
◇◆◇◆◇
ダンジョンに入らず、黙々と鍛治をしていたら偏ったステイタスになった。鍛治で入る
そんな日々の中、彼らがついに牙を向けた。
「壊れた?」
「ごめんなさい……」
アイズの為に深層の鉱石を
神経を削りながら作り出した優良と言って良い【はかぶさの剣】をアイズに渡した、結果壊れて帰ってきた。
「嘘でしょう」
「後はこれを」
そう言って渡されたのは【デストロイヤー】などの武器類一覧。まさかと思うが、これを再度購入するのか?
「すまないが、その通りだ」
付いてきていたリヴェリアさんからそう言われ、どうするか頭を回転させる。
「まず【はかぶさの剣】をあの品質で揃えるのには時間がかかります、お金の問題じゃないです」
ガーンと言うようにショックを受けるアイズ。仕方なく【はやぶさの剣・改】で妥協する。
それと壊れた武器だが、ほとんど斧などの両手武器類。誰だ壊したのは………
「ついにクラッシャーどもがスピカたちの所でやらかしたぞ」
「むしろよく持ったよな、クラッシャーたち」
えっ、アイズさんたちそんな名前で呼ばれてるの?! そう言う顔をするとリヴェリアは言いづらそうにしていた。
何時の間にか工房の周りにも工房ができていて、朝からカンカンと音が鳴り響くようになっていた。その工房の、ゴブニュ・ファミリアの人やヘファイストス・ファミリアの人たちがそう呟いていた。
「レベルを上げなきゃ仕事がさばけないかも」
「付き合います」
「アイズの場合はそれでいいが、きついのか?」
大量の【ブルーメタル】を卸し、売りだせる量の武器を作る日々。正直きついのが本音だ。
一番は成功率だ。武器の中には50%ぐらいは確保して作れるが、ロキ・ファミリアなどの派閥に売るのはいまだに30%が最大だ。
その中で時々10%の武器を買いたいと言われている。鍛治と魔導など上がり、確実にスキルが強化されるが、レベルを上げるのが確実だ。
これはレベルアップを目指すしかない。
それに団員が増えないと苦労していると考え込む。それがまた新たな火種になる事を知らなかった。
◇◆◇◆◇
「いまある装備はまあまあな【はかぶさの剣】。それ以外変えながら動いてるな」
そう考えて【やいばのよろい】か【みずのはごろも】など装備する。あと他に何か必要かと考える。はごろもは
「いま欲しい物が良いですね」
そう呟いたとき、一番欲しい物を考えた時、電流が流れる。
一番欲しい物、前世の知識、未知の可能性。
それらが知識の海から一つレシピになり、それが頭に浮かぶ。
「………いやいやいやいやいやいや………」
それはまずくないかと思う。だがしばらくアイズ、第一級冒険者たちと冒険を約束した。サポーターとして下までだいぶ潜れる。
材料を集められる。そう考えた時、後は行動するだけだ。
手に入らないことを考慮して
これは男のロマンである。
「頑張るぞ。おー」
そう呟き、スピカは暴走した。
スピカ「俺は自重を捨てるぞぉぉぉぉぉ」
お読みいただきありがとうございます。