糸使いの高校生活   作:やまたむ

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……どんだけ続き出してなかったんだろ……エタってないって事の証明はこんなもんでいいかな……?うん


第6話

 木場先輩と姫島先輩が退場して、残りは僕とイッセー先輩、リアス先輩と一応アーシア先輩。戦力として考えるとアーシア先輩はほとんど活躍できる場面はないのではないだろうか? 

 

「イッセー先輩」

「なん……」

「すいません」

 

 僕はイッセー先輩を風の糸で吹き飛ばすと、仙術で土の壁を作り覆った。

 

「いいのか? 赤龍帝を使わなくて」

「問題ないですよ。あなたも僕が脅威に思ったから妹さんを送ってきたんでしょ?」

「レイヴェルから聞いたのか?」

「大お爺様がどうとか」

「あぁ。そうだ。俺もレイヴェルも大お爺様からの命には逆らえないからな。やむなく……といいたいところだったんだが、なかなかに想定外のことをしてくれた」

 

 そうなのかな……? 

 

「理解してないみたいだな。不死身のフェニックス家。その長女を倒したということは、この悪魔社会において魔王クラスの力をもつとほぼ同義であるということを」

「あー、つまり……?」

「俺は貴様になめてかかるつもりはない。ユーベルーナ。やれ」

 

 僕はとっさに妖人化第二形体であるエネルギーの外殻で、近くで起きた爆発から身を守る。

 

「意外と硬いんですのね。その外殻」

「魔力と妖力でつくってますから、当然ですよ」

「そうですか。ですが」

「ユーベルーナだけ見ていても仕方ないぞ。土蜘蛛!!」

 

 ライザーさんの放つ炎が、僕の纏う外殻を焼切り、体へと届く。

 

「避けれなかったか。レイヴェルを倒すだけの実力があると思っていたのだが、期待外れだったようだな」

 

 好きかって言ってくれるなぁ。

 

「避ける必要がなかっただけですよ」

 

 全身が白く包まれた全身タイツ状態でそう答える。

 これ、すごくダサいからあんまり使いたくなかったけど、こうなったら仕方ないよね。

 

「それは!?」

 

 女王の人の驚きの声に、にやりと口元が緩む。

 

「火鼠の皮衣。ご存知でしたか?」

「炎を司るフェニックスにそれを聞くか?」

「そうですか。とはいえ、イッセー先輩には万全の状態であなたと戦ってほしいですから、一人は減らさせてもらいますね」

 

 僕は外殻の腕を操り、女王の人を校舎だったところへとたたきつける。

 

「ユーベルーナ!」

『ライザーフェニックス様の女王(クイーン)一名撃破(リタイア)

「さて、これで一対一ですよ」

 

 何ならリアス先輩とアーシア先輩ももうそろそろついてもおかしくない頃合いだろう。

 いや、待て……さすがに遅すぎないか? いくら駒王学園が広いといっても、校内を十分近くかけて移動することなんてまずない。それにここは新校舎側の校庭。旧校舎から出て、ここまで遅いとさすがに違和感がある。

 

「気づいたようだな」

「リアス先輩たちに何をしたんですか?」

 

 ゲームセットになってないということは、撃破されてないのは確実。とはいえ何らかの形で僕らの援軍に駆けつけることもできないということもあるのだろう。

 なら……

 

「リアス先輩たちがつく前までにあなたを倒す」

「貴様にそれができるか? 土蜘蛛」

「可能ですよ(ジグ)」

『ほらよ』

 

 合図を出すとジグは、鉄の糸を作り出し外殻に装備させる。

 

「でかいな」

「そりゃ妖人化第二形態の外殻に持たせるためですからね。怖くなりました?」

「全く。でかいだけの何の特色のない武器、脅威になりえないな」

「そうですか。じゃあ直接受けてみてはどうですかっ」

 

 僕は、外殻の持つ槍をライザーさんに向けて振り下ろす。

 妖人化第二形態はジグの妖力と僕の本来持つオーラを掛け合わせたものだ。そして、今、僕の肉体は悪魔とななり、魔力を有している。

 つまるところ、今まで僕が人間だった頃より、妖力に対する耐性は高くなっているのだ。

 人間時代、数秒だけだった維持時間も、今回の合宿により一日へと長くなっているし人外様々だ。

 

 とはいえ、この妖人化状態で戦うにしても、実はまだ慣れていないことの方が多い。

 例えば、僕自身が行動する時は外殻の操作が疎かになるとか、逆に外殻を動かしている時は僕自身が動けないとか。それぞれのスペックは上がってるけど、独立して動かすことしか出来ないのは致命的な欠点だろう。

 

 ライザーさんは僕の振り下ろした槍を避けるでもなく、そのまま受ける。

 身体が真っ二つに裂け、右半身が燃え尽きると、左半身から焔が巻き上がり、肉体が再生する。レイヴェルさんでも見たけど、こう改めて見ると不思議な人たちだと思った。

 突然のことだったからと言うより、避けて無駄な体力を使うより、受けて再生した方が体力の消耗がないという判断……でいいのかな? 

 

 そんなことを思っていると、再生したライザーさんから炎が放たれる。強化されてるはずの僕の外殻をあっさり焼き切った炎だ火鼠の皮頃もでダメージこそないものの、体から幾分か水分が失われるから直撃は避けたい。

 

「ジグ!」

『妖怪使いがあれぇんだよ宿主ぃ』

「僕じゃ間に合わないから任せるんだろ!?」

 

 そう言い合っている間に、水の糸で構成されたカーテンが僕の周囲にでき、ライザーさんの炎を受け止める。あっという間に蒸発はしたものの、僕に届くようなことは無かった。

 とはいえ、ちょっと蒸し暑い……

 

「ねぇ、ジグ……もしかしてだけどさ」

『んだ? 宿主』

「妖人化第二形態より、普通の状態で対姫島戦闘ようにシフトした方が楽?」

『……そうだな』

「切り替えよろしく」

『おらよ』

 

 そう言ってジグは、さらっと妖人化第二形態を解くと、一本の槍と水の鎧を纏わせてくれる。

 そして、一息。一瞬の間に間合いを詰め、腹に一刺し、薙ぎ払いながら槍を引き抜く。

 

「とはいえ、死にはしないですもんね。あなた達は」

 

 おそらく、わざとなのだろう。ライザーさんの顔を見てみると、ニヤリと笑みを浮かべていた。

 

「そうだな」

「ジグ!」

 

 そういうと、ジグは瞬時に顔周りの水をあつくしてくれる。そして、そこに炎を纏った拳が飛んでくる。

 一瞬で水は蒸発したものの、纏っていた炎はなくなり、素の拳だけになっている。そうなったら簡単だ。

 

「ジグ! 盾!」

 

 その掛け声とともに、僕の頬とライザーさんの拳の間に盾ができる。それを左手でつかみ、ライザーさんの拳を受け止めた。

 無理やり受け止めたせいで、左腕の拳が折れる。

 仙術を使い無理やり治してから、盾を掴む。

 

「ジグ。水」

「それが本来の戦闘スタイル……という訳ではなさそうだな」

「そうだったら、なんだって言うんですか?」

「いや。なに。その程度で俺に勝つつもりでいるのが中々に滑稽だと思ってな」

「あなたの妹さんは僕に倒されましたけど?」

「大方、油断していただけだろう? これもいい経験だ。気にするまでもない。それに、お前たち位なら俺一人でも十分勝ち目がある。たかだか、十日かそこら鍛えたところで、魔王クラスの攻撃なんて出来るはずもないからな」

「どうでしょうね。舐めてかかってると、レイヴェルさんみたいに、倒されちゃいますよっ!」

 

 話しているとはいえ、戦闘していることには変わりない。ライザーさんの猛攻を何とかしのぎながら、隙を伺い槍を振るうも、簡単にいなされ、炎を纏った拳が放たれる。

 

 

 戦車の防御力で受け止めてるため、ダメージはない。

 

(やっぱり、距離的に戦いにくいなぁ)

 

 僕は自分の槍の間合いに一歩引こうとする。そうすると、ライザーさんは拳にまとっていた炎を僕に放ってくる。盾を使って受け止め耐えたものの、その瞬間にライザーさんから目を離してしまった。

 

「やば……」

『バカ宿主!』

 

 ジグの声が聞こえたその時、僕の耳には

 

『リアス・グレモリー様の戦車(ルーク)一名撃破(リタイア)

 

 そのアナウンスが響き渡っていた。

 

 

※※※

 

 

「おい! 海樹!! ここから出せよ! ひとりよりふたりで戦った方がいいだろ。俺の倍化があれば」

『うるさい、変態高校生』

「誰だ!?」

『一々うるさいのよ……全く……海樹くんが心配する訳だわ……』

「な、なんだ? どこから」

『あんたの左腕よ。よくあるでしょ、『Boost』って。あれと同じ原理』

「いや、あれはもう少しおっさんっぽい感じが」

『そんなのどうでもいいわよ。それやよりあんた、だいぶ消耗してるんだから一旦休みなさい。海樹くんがあたしを送り込んだのだってあんたを回復させる目的があったんだから』

「俺を?」

『えぇ。海樹くんでも倒せないことはないと思うけど、おそらくもう海樹くんにフェニックスを倒すことはできない……』

「どういうことだよ……」

『海樹くんは人を殺せない』

「普通の事じゃないのか? それ」

『わかってないわね。フェニックスを倒すってことはフェニックスが再生不可能レベルの攻撃を浴びせる、もしくは精神崩壊を起こさせるの二つ。海樹くんには再生不可能なレベルまでの威力をだせるほど、大きな力は無い……つまり、後者になる訳だけど……』

「それすら出来ないほど相手は強いってことか……」

『いいえ、違うわ。やろうと思えば今頃もう勝ちは確定してる。あの子の糸の本質はそこに込められる『邪気』だから、傷を負ったその瞬間、精神への攻撃に変わる』

「それで何で海樹が勝てないってなるんだよ!」

『わからない? あの子は両親を目の前で殺されてるの。そんな子が『誰かの命を奪う』ような技使いたいと、本気で思ってると思う?』

 

 静かに、時が流れる。

 五分から十分くらい経過した頃だろうか。一誠は立ち上がる。

 

「いまから、フェニックスを倒せばいいんだよな……?」

『えぇ。海樹くんはもうリタイアしてる……恐らくリアス・グレモリーとアーシア・アルジェントの二人は校庭にたどり着いている頃でしょうね』

「……海樹の仇討ち……しないとな」

『……岩壁を無くすわ。あなたの気力、体力、それと、今までおっていた傷は完治してるから、また、力を貯めても問題ないわよ』

「あんたは、どうなるんだ?」

『このまま、ここに居座ることになるから安心なさい。あなたどうせ禁手化(バランスブレイク)できないでしょう?』

「なんだ、それ?」

『だと思った……あなたの肉体の再生は私に任せなさい。どれだけ倍加しても壊れないようにしてあげるから』

「よし、覚悟は決めた。頼む」

『Boost!』

 

 その言葉と共に、一誠を囲んでいた暗闇は晴れる。

 

「やれやれ、今更か……赤龍帝」

『Boost!』

「小猫ちゃん、木場、朱乃さん、海樹、みんなが繋いでくれたバトン……俺とお前の一対一できる」

『Boost!』

「貴様程度の力で俺に勝てる気でいるのか? 笑わせる! ドラゴンの鱗をも焼くフェニックスの業火。貴様に耐えられるわけないだろう」

『Boost!』

「そんなの、やって見ないとわからないだろ!!」

 

 一誠が地面を蹴ると同時、フェニックス対赤龍帝の戦いの火蓋は切って落とされた。

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