糸使いの高校生活   作:やまたむ

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よーし、続きだ続きだ!
一日三話完成次第から、ゆったり進めてたから、のんびり投稿に戻せそうだぜぃ。


第3話

 兵藤宅で一晩明かしてから半月近くたった。

 あの日以来、学園内であの三人組から『一緒に覗こうぜ』と誘われ、教師に通報してからと言うもの、あの三人組は誘い方を変えていかに教師に通報されないよう覗きに誘えるかと言う技能を磨いていっている。

 

 努力の方向性が違う。ある意味、それがうちのクラスの恒例行事みたいな感じになってしまった。

 そして、今日も放課後の剣道部の着替えの覗きへの誘いがやって来た。

 

「おーい、カイキ! ちょうどいい運動できるスペースがあってな」

『いつものだぜ?』

 

 知ってる。よし、それじゃあ、

 

「コーチーン。先生にいつものー!!」

「あ、おい、百鬼使うのずりぃぞ!!」

「またなんですか? 先輩たち……いい加減こいつを覗きに誘うのはやめてください。その度に先生に言うの俺なんですから」

「そもそも、共犯者にしようとするところから止めよ?」

「あ、すまん。お前のこと忘れてたわ」

「ひっど! コーチン酷い。女子には優しくするのに、男に優しくしないコーチン酷い」

「優先順位の差だ。気にするな」

 

 まあ、いいや。こんなやり取りいつものことだし。よし、それじゃあ、兵藤先輩たちは……。

 って、あれ? 三人ともいない。

 

「あれ? 先輩たちは?」

「もう逃げてったよ。お前が俺としゃべってる間に」

「あれ? もしかして、僕、コーチンのあしどめにつかわれた?」

「今さら気づいたのか……」

 

 マジかぁ……マジかぁ……。

 よし、こう言うときは、

 

「コーチン、あの三人組は?」

「知らない。自分で探せ」

「オッケー。がんばる」

 

 僕は教室から飛び出し、三人の行方をおう。

 

 ジグ、ガイド任せた。

 

『あいよー。そこ左だ宿主』

 

 ジグも乗り気のようで、逃げた三人組のオーラを関知し、そこへ誘導してもらう。

 

『で、その体育館裏に入れ。そうすれば……』

 

 ん? そうすれば? 

 

「見つけましたよ! 先輩方!! 今日と言う今日は」

「見つけたわよ。覗き魔!! 今日と言う今日は、許さないから!!」

 

 え? 

 僕は後ろを振り返り、剣道部の先輩たちの顔を見て、兵藤先輩たちの方を見る。

 あれ? あの三人組もういない!! 酷い! 後輩おいて逃げるなんて!! 

 

「って、あなた、一年の……へぇ……あいつらのこと先生に伝えてくれるからいい子だと思ってたのに……」

「あの、先輩? 話せばわかります。ですから、お助け」

「一年!」

 

 そういわれ、見覚えのある顔の女子生徒から竹刀を頭に振り下ろされた。

 綺麗な面と言う掛け声と共に、僕の記憶はすっ飛んでいった。

 

 あの三人。後で覚えてろぉ……。

 

 

※※※

 

 

 僕は夕暮れに染まった保健室で目を覚ます。

 先輩たちか、先生かは知らないけど、鞄がベッドのとなりにおいてある。それを背負い、校門までいくと、珍しい光景が見れた。

 

『ありゃぁ、兵藤一誠じゃねぇか? なんか、女と一緒にいるけど……』

「どうなんだろ? ちょっと近付いてみる?」

『そっちんが、良さそうだな。それに加えて堕天使のオーラを纏ってやがる』

「ふーん。まあ、それですぐに害とかがある訳じゃないなら放置でいいよね?」

『まぁな。んじゃ、盗み聞きと洒落こみますかね』

 

 僕は、校門付近の木の影にスッと、隠れ様子をうかがう。

 じっと、別の学校の女子生徒のいじらしい態度に、なんだか、落ち着けないが、その少女、天野夕麻から、『好きです。付き合ってください』と、おおよそ、兵藤先輩がされ無さそうランキングに入ってもおかしくない、怪文書のような言葉の羅列が耳に入ってきた。

 

『かっははははは! おもしれぇなぁ宿主よぉ。あの、あの変態に恋仲になりてぇとか言うバカが現れやがったぞ』

 

 おい、ジグおまえ、僕に覗きの共犯と言う濡れ衣を着せさせたこと、忘れてないからな。

 いまのお前に発言件はあんまりないってこと忘れるなよ? 

 

『ひっでぇなぁ、宿主よぉ。おりゃぁ、あいつの恋路を応援してやれっていってんだぜ?』

 

 そういう風には聞こえなかったけど、兵藤先輩の彼女になるのなら、しっかり応援してあげたいと思う。

 

 そして、いま、ここに、兵藤一誠先輩に彼女ができた。明日、松田先輩たちは大騒ぎするんだろうなぁ。

 

 そんなことを思いながら、僕は帰路につく。

 

 

※※※

 

 

 僕は、家のある公園の噴水の近くで、以前遭遇した堕天使の少女と再会した。

 

「また、会ったっすね。今度こそ、その命からせてもらうっす!」

 

 そういうと速攻光の槍を構え、突撃してくる。相変わらずの一直線。だけど、人間状態だと対応できそうにない……

 

「ジグ! 妖人化第二形態!!」

 

 僕がそう叫ぶと、すぐにオーラが僕の身を包み、蜘蛛の手が、少女の動きをとめる。

 

「なんすか、それ」

「妖人化第二形態。妖力をからだに馴染ませて、オーラを具象化することで発動するタイプの攻防一体の形態だよ。まあ、あと三秒で効果が切れるけど」

 

 僕がそういうと、蜘蛛の手は霧散し、無理な体制で止められていたのも合間って、こっちに向かって倒れてくる。

 僕はお腹の位置めがけ、拳を振るうが、少女は羽を羽ばたかせ、空へと舞い上がって避けられた。

 

「あ、卑怯だぞ! 人間相手に空飛ぶとか!!」

「人間に生まれてきたことを恨めっす」

「ぐぬぬ。ジグ!」

『『あれ』かぁ? めっちゃ疲れっから嫌なんだがぁ』

「足場任せるよ」

 

 そういうと、僕は指先から鉄糸を出していき、円盤にしていき、妖力を使い宙に浮かせる。

 僕はそれに乗り、鉄糸で槍を作って、少女に向ける。

 

「さあ、条件は同じだ。やられてもらうぞ、えっと……」

「ミッテルトっす。まあ、覚えてもこれから殺されるっすから、無駄っすけどね」

「それはどうかな?」

『ドヤってるとこわりぃが、俺疲れたらこの足場の操作やめっからな』

「おいジグ、戦闘中になにいって……」

 

 僕がジグに文句を言おうとすると、ミッテルトが僕に向かって接敵し、槍を振るう。

 それを、ジグは円盤を横に動かすことで避け、僕は勢いで振り落とされないよう、しゃがんで、数十の束になった糸をつかみ鉄槍で、ミッテルトの足めがけ振るう。

 

 それをミッテルトは槍を中心に逆さになることで回避し、その上に上がった足を僕めがけて振り下ろす。

 それを僕は立ち上がり槍で受け止め、指先から精製した鉄糸で編んだ鉄球を数発飛ばす。

 

「なっ!」

 

 さすがに不意打ちのような格好の攻撃に、ミッテルトは驚き、羽に鉄球が全弾命中する。

 片方の翼に集中的なダメージをおったせいか、バランスを崩し、地上へ落下した。

 

 僕は円盤から飛び降り、ミッテルトを見下ろす形で槍を突きつける。

 

「煮るなり焼くなり好きにするっす」

 

 ミッテルトは首を差し出す形で、そんなことをいってくる。

 ねぇ、ジグ。どうすればいいも思う? 

 

『殺しちまえばいいんじゃね?』

「え……いやなんだけど」

『なんでだよ!! おめぇ、襲撃者……生かそうとして自害されたことしかなかったな』

「『貴様に生かされるくらいなら自決する』が最後の言葉っいうのはよく聞いたから……」

「どんな生活を送ったらそんなことになるんすか……」

「神器持ってたからでしょ」

『そりゃそうだ。加えて俺を宿しちまったのが運のつきっちゅーもんよ。日ノ本において、俺ぁ、つま弾きにされて当然の存在ってもんだからよ』

「そういうもんなんすね」

 

 と、話が脱線していた。

 うーん。どうしよう。こう言うとき、何て言うのが正解なんだろ? 

 うーん。うーんと、僕が唸っていると、顔を向かって槍が飛んできた。

 

「ちょっ……!」

「油断大敵っすよ!」

 

 僕はそれを無理やり体をそらすことで避け、糸を使い光の槍を巻き取ると、ミッテルトの足に飛ばし返す。

 そして、帰ってくるとは思わなかったのか、まともに槍が突き刺さる。

 

「つぁ……なんで……」

「癖と言うか、慣れと言うか。僕はさ、何回も何回も何回も何回も何回も、こういうことされてきたんだから、多少の警戒心は残すよ。そりゃぁ」

『で、宿主、さすがにこのままいかすって訳にゃいかんだろ? ちゃっちゃと殺しとこうぜ?』

「いやだって。うーん。よし、決めた。ミッテルト、僕の後ろ盾になってよ」

『「は?」』

 

 ジグとミッテルトの声が重なる。

 

「あれ? 僕おかしなこといった?」

『めちゃくちゃいってんぞ。さっきまで命のやり取りしていたくせに、後ろ盾になれって、おめぇ、頭わいてんじゃねぇか?』

「そうっすよ。相当頭のおかしいこといってるっす。それに、うちは下っ端も下っ端っすから、期待されているような能力とか権力なんてないっすよ」

「単純な人質としてって言うのと、たぶん僕一人で襲撃者を退けるにも限界あると思うから」

『あぁ、なるほどなぁ。おめぇ、やっぱ、バカだなぁおい。そんな身の危険感じんなら、はなから仲間探ししとけって話なんだよ。どう考えたってこんな下っ端を護衛につける意味なんてねぇよ』

 

 確かにジグの言う通りだ。僕の実力が足りないなら、僕程度に負けるような人をいれる意味はない。

 だけど、よくよく考えてほしい。

 

「僕の命を狙ってくる人を事件とかに巻き込んでも僕に罪悪感わかないじゃん?」

『「…………」』

 

 二人は僕の台詞に答えなかった。

 いや、まあ、結構ゲスこといってる気がするけどさ、百鬼とはいえ、コーチンとか塔城さんとか兵藤先輩とかに迷惑かけるわけにはいかないじゃん? 

 だから、最初から裏の人で、なおかつ迷惑をかけても問題ないひとって、基本いないじゃん? いたとしても勝手に自殺するじゃん? 

 なら、煮るなり焼くなり好きにしろって言う人を引き入れても問題なくない? 

 

『あぁ、そういうことか。つまるところ、気軽に話ができるようなことじゃねぇから、気兼ねなく話せるようなダチが欲しいってことか』

「なんだ、そういうことっすか。なら、うちはおこ……」

「君は、断れる立場じゃないからね? それと、ジグも曲解しないで。僕は単純に肉盾がほしかったの。いい?」

『はいはい。そういうことにしといてやんよー』

 

 ジグの台詞はとても棒読みだった。

 くっ、これはこのままだと、僕が寂しいって意味にとらえられてしまうぅ……。

 

 そんなことを考えていると、後方から揺ったりとした足跡が聞こえてくる。

 

「ジグ……」

『あぁ、敵だな』

 

 僕は振り返り、鉄球を放った。




さて、気づいたらミッテルトがヒロインになりそうで、ノリって怖いなぁと思っている作者です。

まあ、そんなことはさておいて、海樹の実力ですけど、ミッテルト相手に苦戦している時点で弱いです。
戦場不利も合間って、それが加速する形ではっきりしましたね。
ただ、ミッテルトも戦場有利のくせして負けてるんだから、力関係がなんとなくわかると思います。
さて、次回ですけど、ミッテルトにヒロインムーブでもしてもらおうかなとか考えてるんで、本気だします。

では、また次回、お会いしましょう
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