STAND UP!   作:anju

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誰か文才の大バーゲンやってくれねぇかな。


俺は新しい人生を手にしたらしい

「…き。…兄貴‼」

微睡みの中にいた俺はその声に覚醒した。

 

「…‼…はっ…はぁっ。……は、晴翔?」

俺を起こしたのは弟の晴翔だった。

 

「もう、検温の時間か…?」

嫌な夢を見ていた気がする。はっきりと覚えていないが。

「は?ケンオン?部活だろ?まだ寝ぼけてんのか?」

弟は俺を訝しげに眺める。

「野球部、だっけお前?」

いつか流し聞きしていた会話でそんなことを言ってた気がする。

レギュラーがとれなかったとか、来年最後の夏だ、とか。

「なぁに他人事みたいに言ってんだよ。お前も赤木中野球部所属だろ?」

その瞬間俺の思考は一切の活動をやめた。

「…?」

アカギ中学…?俺は大学生でお前も高校だろ?というか俺もお前も鈴城中

出身だったはず…。

 

「さっさと部活いかねぇとまた栄純に怒られるぞ?」

ビンタだぞービンタと言いながら、俺を蹴り飛ばしてベッドから落とす弟。

「‼足が動かないあ…」

兄に向かってその仕打ちはなんだ、と言いかけてとまった。

俺の足が動く。確かに膝を曲げた。動く。動いた。

「あ、るける、のか…おれは」

立ち上がる俺の足。他人事みたいにその様子を見る俺。

歩き方など疾うに忘れてしまったと思っていたが、人間案外忘れないものだな。

 

「また馬鹿なこと言ってるよ。」

呆れかえった弟の声をBGMに俺は泣きそうになっていた。

 

「ぶーかーつー‼もう置いてからな‼」

何が何だかわからない。俺は今中学生で、4つ下だったはずの弟は同じ中学で

同じ野球部。俺は歩けるし、走れる。

 

意味が分からなさ過ぎて笑えてきた。

 

「いってきまーーーーす‼」

 

弟が家を飛び出していく声が聞こえる。

 

「日向夏ー?部活遅れるわよー??」

 

1階から懐かしく呼ぶ母の声が聞こえる。

 

俺は独り部屋で泣いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くして、時間の経過からか将又冷静さを取り戻したからか、

“今の俺の記憶”といったほうがいいのか、様々なことが頭の中で整理されていった。

弟が言っていた、赤城中学。

うちの中学のエース、沢村栄純。

そして、俺はあいつの女房役、所謂キャッチャーだ。

 

「4つ下の可愛い弟はいつの間にやら、双子の弟になってるし…、俺は一度もやったことない野球の捕手してるし…わけがわからんが…」

もう一度自分の足で大地を踏みしめることにワクワクした。

もう一度俺は走れるんだ。そのことで頭がいっぱいになった。

 

「…部活行くか‼」

俺の記憶でも栄純のビンタは痛いらしいからな。

もう、俺はこの人生を受け入れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、やっと来たよ兄貴。キャッチャーいないと練習捗んないだろー?

ただでさえ、人数少ないんだから。」

晴翔がグローブをはめながらこちらによって来る。

「栄純もアイツはまだかってキレてたし…。」

「おっと、そいつは危険だな。じゃ、俺は旦那様のご機嫌でも

取りにいってくるわ。」

俺の口からそんな言葉がするりと出てくる。こんな軽口をたたくようなやつだったか?俺は。

「おーい。俺の旦那はどこですかー?」

目の前にいる、いかり肩をしている猫目になっているエース様に声をかける。

「日向夏‼お前はいつもいつも遅刻して‼そんなに俺の球が受けたくねーってのか‼」

栄純が大声をあげてこちらに迫ってくる。

「うるせーよ。おめーの球は捕りづれぇっていってんだろ?まともな球一球でも投げてみせろよ。」

俺がそういうと栄純は言葉を詰まらせる。

まぁ、そこがこいつの持ち味だってこともよく知ってるんだけどな。今の俺は。

 

「高校行くまでにフォーシーム覚えさせたほうがいいのかねぇ…」

今までの練習試合でもアイツのどこに行くのかわかんねぇボールに

打者が対応できなかった訳だが。打者が対応できないってことは、捕手も

捕球が難しいってことだ。こいつの場合は自分でもどこに行くかわかって

ねぇみたいだからな。っつーか、曲がってることすら知らねぇんじゃねぇ

のか。

 

「栄純。ちょっとこい。」

立ったまま俺とキャッチボールをしていた栄純を呼び寄せる。

「お前、ボールの握りはどうしてるんだ?縫い目にどうひっかけてる?」

「ヌイメ…?」

 

だめだこりゃ…

この一言に尽きる。

 

「お前…野球の勉強してこなかったのか?」

改めて聞いてこなかった俺も悪いけど…。

基礎くらいは…な?学んでると思うよな?

「野球は実際にやるほうが楽しいだろ⁉」

うん、馬鹿だな、とその時俺は痛感した。

「…わかった。お前が死ぬほど馬鹿なのはよくわかった。」

栄純がなにおう⁉とか文句を言っているが、事実だから仕方がない。

「とりあえず、真っ直ぐ球を投げようか?」

笑顔で超基礎講座の開講だ。

 

 

 

 

 

 

 

「まず、お前の球はみんなにとって捕りづらい球だ。

なぜだかわかるか?」

わかるわけないな。そんな顔してる。

「それはお前がボールの縫い目も気にせずポンポン投げるから。」

「?縫い目気にして何になるんだ?」

野球の入門書を読めと言いたくなるのをぐっとこらえる。

 




自分でも書きたいことがわからなくなってきました、第2話目。
もう、圧倒的知識不足の上に、文才のなさでダブルパンチですよ。
携帯片手にいろいろ調べながら、小手先の武器で文章書いてます。
間違ったこと書いててもこいつは馬鹿だから仕方ないと心の中で思っていてください…。
そしてそっと間違いを教えていただけると嬉しいです。
野球の知識マイナスの人間なので。ええ。
雰囲気で!雰囲気で読んでください。
もう1㎜くらいの薄目で。それが最適解です。
ついでに重い話なんか続けられない人間なので前世バッサリ割り切ります。
でもめげずに書きます。お付き合いください。

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