もしも次席がこんな奴なら   作:さろなく

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2作品同時連載はやはり無茶だった…。


四日目

昨日の騒動のせいで、あまり寝付きがよく無かったのか、朝の5時に起きてしまった。普段は大体7時キッカリに起きていたから、何をしようものか……。

 

ふと、自分自身のCADに目が行く。昨日服部先輩に対して使ったCADであるブラッド・ライトである。

入学祝いと称してプレゼントしてくれた特注刀型CAD。万が一の時には近接武器としても使える万能CADだ。

まぁ、魔法自体が昔からすれば万能なんて思われてたんだろうな。使ってる俺たちにとってはある種面倒なものとも思える。俺は魔法のせいでイジメられたし、比之咲にも不必要な謝罪をさせた。アニメや映画みたいなご都合主義じゃあないから万能でもない。これが現実だ。

 

しかし…流石に2時間じゃあ寝てしまったら起きれず遅刻しそうだな。しばし電子書籍でも読むとしよう。どうせ今日から部活への勧誘期間だ。少しでも気分を楽にしなくちゃストレスに押しつぶされそうだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今日は少し早めに出て、誰とも会わずに登校出来た。教室にも数人しかいないこの状況が俺としては非常に落ち着く。思わずゆっくり眠りたくなるような気分だ。しかしそんな俺の平穏を乱すかの如く、いきなり俺に声を掛けてくる奴がいる。物好きめ。

 

「おはようございます、禍くん」

 

 

「……朝っぱらから何だ、比之咲」

 

 

「いえ、昨日は私より遅く登校してたのに今日はかなり早く登校していたので。何かあったのかな〜と」

 

なんだろ、このあざといのか本心なのか分からん微妙な発言は。非常に気味悪い。そしてなんで俺の昨日の登校時刻を把握してるの?純粋に怖いよ?

 

 

「たまたま早起きしたから来ただけだ。まぁ、昨日の面倒事含めて司波に会いたくないというのもあるが」

 

これは嘘ではない。実際早めに起きたからすることも無いので学校に行っただけだし、昨日の件で司波兄の方にキレられる可能性も無いとは言い切れない。

波を操る魔法は俺の知識ではまだ対抗措置策が甘い。喧嘩ふっかける奴では無さそうだが、もしふっかけて来たら絶対妹も殴り込みに来る。確信が持てる。氷の女王だか忘れたけれど2人相手じゃ、俺の魔法とCADじゃ相性が悪過ぎる。

 

 

「へー……、深雪さんがそんなに怖いの?」

 

「怖いというよりかは、ある意味一番敵に回したくない人間かもしれないな。味方としては多少心強いが」

 

嘘は言ってない。しかし本心でもない。なんて言うか…敵に回したく無いのは嘘では無いが、味方として心強いかと言えば微妙な所だ。実際「兄」が絡まなきゃ心強いだろうが、絡んだら邪魔でしかない。多分リードを外された犬のように兄すら扱いが大変だと仮定出来る。

だから場合によっては心強いので本心では無いと言える訳だ。流石にここの主席だから俺より弱いとは思えない。むしろ弱かったら俺が主席になってる筈。……まぁ試験の時にあんな魔法見せたから次席になった可能性も無い訳じゃあないけども。

 

 

「確かに、私も敵に回したくは無いかなぁ……。明らかに強いもん。味方なら安心するけど」

 

安心、ねぇ……。そんな風に考えた事はなかったな。危険か安全かで基本考えてる俺には浮かばない考えだ。しかしながら参考になった。自分の世界だけでは価値観は成長出来んからな。

 

 

「俺は別に安心はしないが……そろそろ始業チャイムが鳴るから、席に座っといた方がいい」

 

「あ、ホントだ。じゃあまたね」

 

 

………またね、だと?俺のSAN値を減らしたいのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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6時間目の終業チャイムが鳴り、各自帰宅やら部活動を覗くやらしているがそんなものに興味は無い。強いてやるなら弓道か剣術ぐらいだ。精神鍛錬はいつの時代でも通用する素晴らしい運動と言える。

運動はある程度イジメて来る輩に対して対抗する為にかなり練習したりしたから

(その間に教科書とかゴミ箱に入れられそうになったりしたけれど)

自分で言うのも何だか、出来なく無い訳じゃあ無い。ただ部活動でやるつもりは無いということだ。しかしここは魔法科高校。なんとこの部活動勧誘期間はCADが使えちゃうんですよねー。何とも恐ろしい。そしてこの期間は風紀委員の皆さんは大変活躍するのでなんともご苦労様なこった。本当に昨日選ばれなくて良かった…。

 

俺はスタコラサッサと家へ帰りたいのだか、一応次席入学者なのでそんなに甘く帰れはしない。司波深雪から聞いた話によると、全体成績上位者のリストが密かに出回ったりすることも多々あるらしく、主席を除けばトップである俺は真っ先に狙われるだろうと言われてしまった。テストは本気が当たり前なのだが、こう聞くともう少し点が低けりゃ良かったと思ってしまう。

 

よく勧誘されるって事はそれだけ周りから認められている証拠という事になる訳だが、平穏第一主義者な俺はあまり声を掛けられたくはない。贅沢な悩みと野次が飛ぶかもしれないが、これは紛れもない本心だ。それにいちゃもん付けられても迷惑だし困るだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「おーい君!うちの部活に入らないかい?」

 

「あ、すいません…。私は部活入る気無いんですけど」

 

 

様々な同学年の奴が部活動に誘われていく。辺り見渡せばそれぞれ色んな勧誘方法で生徒を誘っている。

因みに俺はコッソリCADを使い、他人の意識を逸らすように仕組んである。これのおかげでまだ一回も誘われてない。こういう時は魔法様々だ。

勧誘されなかった自らへの称賛の褒美として自販機でコーヒーを買い、校門ギリギリで魔法を解除する。校門さえ通れば後は家に帰るだけ。今日の学校生活は俺の平穏は運良く保たれた。

しかし明日はこう上手く事が進むとは限らない。平穏というのは案外呆気なく崩れ去ってしまうとても儚く尊きものである。だから俺は余計なストレスや不安を持ち越さず、ゆっくり過ごす為の努力をし続けるだけだ。




書いてて吉良吉影に似せてしまった感が強い。
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