アリアンロッド2E×エミル・クロニクル・オンライン リプレイ 作:とあるGM
翌日、8月15日。引き続きセッションが行われる。
前回同様小説風でお送りする。
第2回ECOAR2Eキョワ卓『目指せ! ギルド設立!!』
◆オープニングフェイズ
●シーン1:ギルド元宮
無事報酬を手に入れ商人として一つ成長したCHUN商会。
日々の鍛錬の成果もあり、にしこくんはその魔法力をさらに高める。
CHUNもまた、前回の戦いから新たな戦術を学び成長していた。
CHUN商会一行はファーイーストシティを離れアップタウンのギルド元宮に来ていた。
以前から考えていたギルド登録。幾つもの恩恵が受けられるというので登録しようということになり、協会にて手続きをしていた。
このギルドのことをアップタウンの一部の住人はリングと呼んでいるらしい。繋がりを意味する言葉だ。
「登録に際して、適正チェックをさせていただきます。登録希望のCHUN商会の皆さまには、そうですね、ここにある迷子の捜索を行っていただきましょう」
クエストボードには幾つもの依頼が舞い込んでいる。
その中の一つに迷子捜索というものがあった。
アプローチ方法は人脈やコミュニケーション能力を活かした方法もあるし、体力や戦闘能力を活かして探索を行う必要もあるかもしれない。
お金にモノを言わせて人海戦術という手もあるが、それだと適正を認められないだろう。
どうやらこの依頼、商会というよりも冒険者向けのように思える。
そもそもこのギルドへの登録というのが冒険者として行う事のようだ。
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依頼者:エミル
依頼内容:迷子のパートナーを見つけてください。
詳細パートナーのエコ坊がお使いから帰ってこなくて心配です。
こちらでも捜索をしておりますが捜索の協力をお願いします。
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どうやら依頼主自ら捜索活動は行っているらしい。
ここへの依頼は次いでのようなもので、誰か協力してくれたら助かる程度の考えなのだろう。
◆ミドルフェイズ
●シーン1:アップタウン
「それならまずは依頼主のエミルさんのとこへ向かう? 情報共有した方がいいと思うんだ!」
「賛成ブーン」
三人はまず依頼主であるエミルの元へ行くことにしたが、そもそも彼は捜索途中の身。今、どこにいるのか把握できない。
ならばとアルンは近くにいる人から情報を得ることを考える。
エコ坊という子の特徴がクエストには添付されていた。
子供ならばダウンタウンにある八百屋などにいるおばちゃんが覚えている可能性が高い。
アルンは都市部であるアップタウンからその地下、ダウンタウン側の捜索へ向かう。
CHUNは現在地から一番近い位置で門番をしている守衛にエコ坊が通らなかったか話を聞くことにした。
にしこくんはアップタウン南ギルド倉庫付近にいたのりりという名前の面白そうな雰囲気をまとった冒険者に話を聞きに行く。
ダウンタウンの八百屋前。
このダウンタウンには幾つかの宿があり、上層であるアップタウンよりも比較的安価に泊まれる。
CHUN商会も現在寝床をここで取っており、今後お世話になるかもしれない人への挨拶も兼ねての雑談をアルンは行う。
「あぁ! 買い物にきたよぉ。石ころくださいって言われてあっけにとられたから覚えてる。石ころはないよって答えたらどこかいっちゃったよ」
「石ころぉ……」
石ころなぞ見つけて何をするのか。その辺に転がっているのではだめなのか。
お使いの途中とあったので、もしかすると何かを聞き間違えてしまっている可能性が高い。
どちらの方向へ行ったのか尋ねると、東側との答えが返ってきた。
アルンはそのままダウンタウンを出て東稼働橋へ出る。
一方、にしこくんは冒険者に話を聞いていた。
「ポージングの仲間探しに忙しくて見てないなぁ。一緒にポーズしないか?」
その誘いに乗って幾つかのポーズを決めたあと、今度は東側へ向かう。
丁度その頃、CHUNは東側の守衛から話を聞いていた。
「うーん、あの子かなぁ。いしころー♪って歌いながら東アクロニア平原の方へ走っていったよ」
西、北と来てようやくそれらしい情報が得られた。
そこにアルンも合流し情報共有を行う。
「もしかするとモンスターに襲われてるかもしれないよっ!」
「準備をしていかないとだな」
「準備するブーン」
「準備している間に殺されちゃうかも」
「大丈夫だ、エコ坊の初期ステータスではこの辺で負けることは無い」
「パパ知り合いなの?」
「仕事上冒険者に会う事が多くてな。人づてに聞いた感じだ」
「へー、そうなんだあ」
どうやらCHUNは面識こそないものの、エコ坊という子がどれくらいの能力を持っているか把握しているらしい。
それも不思議な話だが、彼がそう言うのだからそうなのだろう。
アルンは深く聞くことなくその話を信用し、ある程度準備を終えてから東アクロニア平原へ向かうことにした。
●シーン2:東アクロニア平原
稼働橋を超えて東アクロニア平原へ辿り着いた三人は早速エコ坊を探し始める。
この場所からはモンスターの生息域だ。
なるべく戦闘は避けたいところだが、運悪く目の前にモンスターが現れてしまう。
キノコのような見た目をしたモンスター、ペリクラだ。
アルンを庇護するCHUNは五メートル前方でペリクラを敵視する。
「ブーン♪」
にしこくんはペリクラを敵として認識していない様子。
「なんかキノコが動き出したっ!?」
「楽しいブーン♪」
ただのキノコかと思っていたら動き出した存在にアルンは驚き尻もちをつく。
CHUNはペリクラが動き出すより前にすかさず先手を取りに行く。
エンゲージしダガーより一回り大きい両刃の短剣、バゼラードを振りかざす。
「いけー! パパー! ジェノサイドだー!」
「カッコいいトコ見てみたいブーン♪」
アルンとにしこくんが後方で応援する。
前衛型のCHUNに対し魔術をメインに扱うにしこくん、支援魔術を得意とするアルンはどちらも後方。必然的にCHUNが敵を引き付ける。
アルンはペリクラの動きから次の動きを予測し、賢者のスキル、アドバイスにより的確な助言をCHUNに行う。
短剣の扱いに習熟しているCHUNは他の人よりも巧く短剣を操ることができる。
ペリクラの弱点と思しき部位を把握し、致命的ダメージを与える強力な一撃を与える。
クリティカルにより上昇したダメージはペリクラに多大なる損害を与えるも、死に至るには一歩足らず。
「パパー、がんばってー!」
神に加護を祈りCHUNにその恩恵を与える。
インボークによりCHUNの身のこなしが軽やかになる。
「がんばるブーン♪」
「範囲攻撃は本当にやめろよ!?」
魔法力を高めだしたにしこくんを見て思わず叫ぶ。
前回、にしこくんに焼かれた記憶がまだ新しいCHUNにとって敵よりもにしこくんの方が危険だった。
「ネリリリリリ!」
にしこくんの魔術、ファイアボールが放たれるが、それより早くペリクラは動いていた。
先ほどまで眠っていた状態だったペリクラが覚醒。謎の言語を発しながら横に飛ぶと魔術を放ったにしこくんを睨む。
アルンのウィークポイントによりペリクラの弱点は掌握した。あとはそこを突くのみ。
着地したばかりのペリクラに向かいCHUNが移動しエンゲージ。バゼラードで思い切り斬りつける。
「ねりりり!?」
あと一歩。アルンはすかさず、斬撃を受け飛び退いたばかりのペリクラめがけメイスを振りかざした。
大きく振りかぶったメイスを振るうも、その重さに足を取られこけてしまう。
「きゃっ、いてて」
「ねりり♪」
躓いたアルンを見てペリクラが笑い声をあげる。
「う、うぅうう!! コロス、殺してやるぅッ!」
アルン、強イ、敵、倒ス。
アルンの中の何かがぱちんと切れた。
そんなアルンを嘲笑うペリクラに火球が着弾する。
そう、にしこくんだ。
アルンに気を取られているところを狙い放たれたファイアボールがペリクラを焼き尽くす。
「バーベキューだ!」
本来の体力を元にしても即死級のダメージ。
これにはペリクラも悲鳴を上げる暇すらなく焼き焦げた。
たった一体のモンスター相手に随分と手間取った。
アルンの中に嫌な考えが過る。
「もしかするともう死んでるのかも……」
「ペリクラがな……」
思いのほか厄介だったモンスターにCHUNはため息をつく。
「パパ、きっとエコ坊ちゃんキノコさんの毒に殺されちゃったんだよ」
ペリクラに毒があることを把握していたアルンがそんな縁起でもないことを言う。
「すごい死の概念強いね気味!?」
CHUNがアルンの将来に不安を覚えた。
近くに建造物があればそこにエコ坊が隠れているかもしれない。
ここは大声で探してみるべきか。
「ネリリちゃーーん! どこいるのーー!」
「名前違う!」
ペリクラのネリリリという鳴き声が脳にこびりついてしまったらしく、アルンは名前を呼び間違えてしまった。
そんな間違いはあったものの、探す対象に変わりはない。
人の気配を探る。人の息遣い、臭い、そして何か違和感がないか。
しかし何も分からない。
「見つからないよー」
途方に暮れていると、遠くから見ていた眼鏡を掛けた行商人の少女が声を掛けてくる。
「みなさん、どうしました? 誰かをお探しですか?」
人見知りのアルンはすかさずCHUNの背後に隠れた。
代わりにCHUNが対応する。
「このくらいの子をみませんでした?」
エコ坊の特徴を伝えつつ尋ねる。
どうやらこの女性、アルンの大声に気付き近くまでやって来たらしい。
(パパ眼鏡のお姉さんが一人でこんなところにいるのは怪しいよ幼女誘拐犯かもしれないよ!)
(凄い警戒心だね!?)
小声でやり取りしているのを見て眼鏡の行商人は首を傾げる。
はははと笑いで誤魔化しながら何か知らないか聞くと、少しの間を置いて返事が来た。
「あぁ! この子ならウテナ湖の方に走って行きましたよ。『ピカピカ見つけるのぉ~♪』とか口ずさんでました」
ビンゴ。エコ坊の情報を手に入れた。
ついでにエミルのことも見かけていないか尋ねる。
「これくらいの鬼畜そうな男の子みませんでした?」
アルンのそんな問いかけを聞いてCHUNは「アルンの中でエミルのイメージは鬼畜なのか」と会った事も無い人に対し随分な印象を抱いているなと思う。
「えっ? えっと、分からないですね」
流石の行商人も苦笑い。
「ウテナ湖……どんな場所なんだろうね!」
アルンはすぐに話題を切り替え、目的地へと思いを馳せる。
時刻はそろそろお昼頃。見晴らしの良いというウテナ湖で弁当を摘まむのもいいかもしれない。
捜索中だというのに観光気分のアルンは、どこか楽観的に物事を考えていた。
●シーン3:ウテナ湖
ウテナ湖に向かった三人は湖の傍に来たところで騒がしい声を耳にする。
「パパ! 何やら不穏な気配がする!!」
「風が……騒がしいな」
近くまで寄ってみると、一人の少女と柄の悪い男が揉めていた。
「その石、か~え~し~て~!!」
「うるせぇ!!! これは俺様が頂くんだ!!」
その姿、特徴、全てが情報に一致する。
間違いなくあの子がエコ坊だろう。
「あ! もしやあれがエコ殿では!? じゃなかった、あ! もしかしてあれがエコちゃん!?」
「エコ坊で間違いないと思う。それよりも、柄の悪い男と揉めているようだな」
段々と猫をかぶっていたところがはがれかけているアルン。
CHUNはそんなアルンの発言の訂正は聞かなかったことにしながら返答する。
エコ坊と揉めている男に険悪な雰囲気が漂う。
「俺はなぁ、かの有名なヘルフェニックス兄貴の友達の友達だぞ! 怪我しねぇ内に帰りな!!」
聞き覚えのない名前に首を傾げる。
しかも友達の友達と来た。部下ですらなかった。
この男、ただの三下なのでは? 先のペリクラの方が十分危険だった……とは思うものの、小さな女の子相手ならばその危険度は格段と上がる。
山賊だろう男の懐にはナイフが忍ばせてある。あれを取り出されるとまずい。
「ヤダヤダヤダヤダ~~~~~~~~~~~!」
エコ坊は首を縦には振らず半泣きになりながら抵抗している。
「あの無双のイチカワと渡り合ったヘルフェニックス……噂には聞いたことがある! じゃなくて、今は助けるかどうかだ、どうするアルン?」
「助けようよ! あのおじさんきっとエコちゃんを捕まえていやらしいことするに違いない! お巡りさんに殺してもらおう!」
救助することを選択した面々。
急ぎ足でエコ坊のすぐ後ろに駆けつけると、どこから取り出したのか、アルンの手には紋所が掲げられていた。
「まていっ! それ以上のろうぜき、このCHUN商会が許さぬ!」
「ノリノリである。だがその通りだ、何をしている」
「ブーン!」
「何だおめぇら!? えぇい、まとめて痛い目に合わせてやる」
山賊は口笛を吹き手下を呼びつけた。
現れたのはなんとあのキノコ、ペリクラだった。しかも二体いる。
どうやって手懐けたのか、山賊を含め三体を相手に戦いが始まった。
◆クライマックスフェイズ
●シーン1:vs山賊
「あの人モンスターを従えている……? モンスターを従える何て悪い人だ! あの人はもう、モンスターなのかもしれない。殺さなきゃ」
アルンはそんな恐ろしいことを口走りながらも戦略を立てる。
タクティクススキルに基づき動くことで迷いなく動くことが可能になった。
CHUNは素早い身のこなしと得意の隠密術を行使し相手の死角から斬りかかる。
一瞬にして懐に入られたことに驚く山賊。そんなことお構いなしに斬撃による回転撃、周囲の者を薙ぎ払うようにワイドアタックをお見舞いする。
「山賊の人チャックあいてる!」
「え!? うぉっ!」
アルンの変なアドバイスで山賊の動きが鈍り、回避行動が遅れた。
「キリサケッ。にしこくん、とどめ頼んだぜ」
「やるのです」
にしこくんの体が光り輝く。
極限まで高まった魔法力が解放され、ファイアボールが放たれた。
が、そのモーションに時間をかけ過ぎたせいか山賊は攻撃の軌道を予測し回避してしまう。
山賊はマッスルポーズをしながらCHUNへ接近。
弾け飛んだ服から露になる筋肉美を見せつけながら叩きつけるような、まるで弾丸のような速さで殴打してくる。
すかさずアルンが魔術を唱える。寸でのところで張られたプロテクションがCHUNの身を護った。
「いた……くない! アルンありがとう!」
「いけー! ぱぱー! 正面突破だー!」
プロテクションの盾で守られたCHUNであるが、その身は宙に浮きあがる。
そこへ追撃をかけようとさらに飛ぶ山賊。しかし山賊は攻撃が当たったものだとばかり思い慢心していた。
宙で体を翻し山賊の殴打を躱すとその顔面めがけ回し蹴りを食らわせる。
空中での叩きつけるような蹴りは山賊を天へ飛ばした。そのまま太陽の光の方へ飛んでいく。
「いえぇぇす!」
「覚えてやがれぇぇぇええええええ!!!!」
そうして山賊はお空の星となりどこかへ消えていった。
その際エコ坊から取り上げた石と隠し持っていた薬草を幾つか落としていったので、ありがたく拾い上げた。
「わーい! お兄ちゃんたちありがと~♪」
「むっ」
可愛らしい仕草でCHUNに駆け寄るのを見てアルンは「こいつパパに色目を」と嫉妬した。
エコ坊は山賊が落としていった石を拾いポケットに仕舞う。
「どういたしまして。ギルドの頼みで君を探すように言われてきたんだ。一度ギルド本部へ戻ってもらっていいかな?」
「でもぱぱー、依頼主さんはどこにいっちゃったんだろう」
「エミルかぁ……どっかでたらしこんでそう」
酷い認識である。
「うん!」
無事エコ坊を保護した三人はギルド元宮に戻ることにした。
◆エンディング
●シーン1:ギルド元宮
「ただいまー!」
「ここどこー??」
何故かアルンに腕を引かれて入った先でエコ坊は混乱していた。
どうやらギルド元宮は初めてらしい。
CHUNはそんなエコ坊の手を引いて元宮内にあるギルド協会へエコ坊を案内する。
ギルド元宮ギルド協会。
受付嬢がすぐに駆け寄り、心配そうにしていたエミルに引き渡す。
既に協会にいたエミルをみて思わずCHUNが言葉を漏らした。
「あ、いた」
どうやら一旦捜索の手を止めて戻って来たらしい。
エミルの元にエコ坊が駆け寄る。
人のよさそうな顔をした少年だが、その胸に何を抱いているかまでは表面だけで判断つかない。
「依頼達成ご苦労様でした。詳細は部下から聞いております。立派に勤めを果たしたので合格です」
「やったぜ」
「合格だブーン」
「わーい! これで私たち、正式にギルドに認められたのかな? かな?」
「ギルド申請は受理されました。リング……つまりはギルド名、主な活動など詳細の申請を改めてこちらの登録用紙に記載して提出いただければ晴れてギルド設立となります。お疲れ様でした!」
どうやらリングという名称とギルドという名称が本部の方でも混合しているらしい。
ややこしい限りであるが、意味するものに違いはないだろうから特に気にせず聞き流す。
「やったー! やったー」
「たー!」
「ブーン♪」
こうして無事、CHUN商会という名のギルドが設立された。