境界線上の守り刀   作:陽紅

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七章 刀、呼応する 【中】

 

 

 ……少し熱めの温水を頭から被る。

 

 

 土砂交じりの雨を浴びてそのまま放置していた身にそれは心地よく――程よい熱が僅かにあった眠気を流し落としていった。

 

 

(みんなは――ホライゾンを救おうとしているのかな……)

 

 

 あの後、結局あの言葉を最後に一言も交わさず、別れてしまった級友たち。どうしようとしているのか、何をしようとしているのか。

 

 そして、私はどうなんだろう。と――正純はシャワーの中、自問する。

 

 

 混乱していた頭は、とっくに静まっている。バラバラだった情報も、ある程度整理できてきた。

 

 それでも――

 

 

「情けない――まだ、フラフラしているのか、私は……」

 

 

 正純は……決められないでいた。P-01s……今となってはホライゾンだが、彼女のことは友人だと思っている。それも、頭に『大切な』とつくほどの。

 十年前に亡くなった『ホライゾン・アリアダスト』という少女こそ正純は知らない。知らないが――もう一人の、大切な友人はそれに密接に関係している。

 

 

(止水……)

 

 

 私は、間違っていたのか?

 あのまま、お前を止めないほうが良かったのか?

 

 しかし、止水本人は正純が正しいと。自分たちが間違っていたと告げている。しかし、その上で『止めないでほしかった』と言ったのだ。

 

 

 

 ――死んでいたかも、知れないのに。 

 

 つまり、止水にとってホライゾンは命を捨ててでも(・・・・・・・)救いたい相手というわけで――。

 

 

 ……それだけ大切な感情を抱いている相手、ということでもあって……。

 

 

 

「……」

 

 

 

 ゴン、っと少々痛そうな音を立てて、浴室の壁に頭突きをかます正純。ついで、ガンガンと壁を殴り出し――どうやら御乱心のようである。

 

 

(う 羨ましいなんて思ってないぞ私は! ぜったい!! 不謹慎にも程がある! これは――ッ! そう、自分の命を軽く見てるあのバカへの苛立ちなんだ! うん!)

 

 

 そうに違いない! とトドメで壁を一撃。しかし、残念ながらそこは壁ではなく――シャワーのコントロールパネル的なものがある場所だった。

 

 

 そして、機械にも報復したいという感情があったらしい。

 

「きゃぁぁぁああ!?」

 

 

 熱めの温水が、突如として冷水の瀑布へとなって正純の華奢な身体に襲い掛かる。浴室全体が効果範囲なためか――正純に逃げ場は無い。

 

 

 どたばたと浴室から脱出しようと試みている音が続き――。

 

 

 なんとも可愛いくしゃみを最後に、なんとも言えない静かさが拡がったそうな。

 

 

 

***

 

 

願えば叶うわけではない

 

祈れば報われるわけでもない

 

 

 ……何もしなければ、その可能性さえ消えていくぞ?

 

 

配点《勇気》

 

 

***

 

 

「えっと、それじゃあ分かりやすく三行で説明すると――」

 

 

① ホライゾンに略式相続された三河君主の責務により三河消滅の責任を取らされ自害させられる。

② 君主不在を背景に、聖連が武蔵の所有権を得る=いろいろと大ピンチ。

③ 大ピンチだっていうのに足並みが揃っていない武蔵の総長連合&生徒会長ズ。

 

 

「こんなところかしらねぇ……?」

 

 

 黒板にサラサラと書きおえたハイディが、手についたチョークを払いつつ向き直る――が、梅組一同はいやに静けさを保ったまま……なんのリアクションも返してこなかった。

 いつもならば騒がしさが天をぶち抜いている一同が静かになっているのだ。一種の異様な中で……じぃっと見られたハイディはたまらない。

 

 

「え、えっと……そ、そうだ! とりあえず多数決取りましょう!」

 

 

 いきなりどうしたんだこの人、なんて視線や顔が物語っている。ハイディは既に、『何で司会進行に名乗り出ちゃったんだろう』と盛大に後悔していた。

 

 

「まずは、ホライゾン助けたり、武蔵の委譲を止めたほうがいいと思う人ー! ……」

 

 

 

 ――無音。

 

 

 挙手を促すべくハイディが上げた手が、なにやら物悲しい。

 

 ゆっくり見渡してみても、動きはない。

 

 

「あ、あれぇ……? 誰もいない、の? ……」

 

「「「「「「……」」」」」」

 

 

 またしても無言。挙手が乱立する、とまではいかなくとも、何人かは手を上げるか反応するかくらいはするだろうと考えていたのだが。

 

 ――皆の意識はハイディではなく……微動だにしない後方窓際の席と、後方窓に向けられている。

 

 

 昨夜誰よりも速く駆け、武蔵を疾走した二人。トーリが止水を『止水』と呼ぶなど滅多に無く――止水にしても、あれだけの大立ち周りを見せたにも関わらず――ホライゾン救出、という意思を示していないのだ。

 

 

 

「じゃ、じゃあ現状このままでいいと思う人ーっ!」

 

 

 ハイディが無理矢理明るくした声で挙手を促すが、一同の反応は以下同文。

 

 ……『はい』か『いいえ』のどちらにも手を上げないとは困ったものだ。

 

 

 ハイディもそろそろ涙目である。

 

 

「えっとぉ……その、あの――じゃあ、何か、意見のある人ー? ……」

 

 

 そういいつつ、それでもやり方を貫こうというのか、おっかなびっくり手を上げて挙手を促すも――結果は同じ。

 

 無人の教室なのではないか? 自分は、無人の教室で一人騒いでいる痛い子なんじゃないか、という謎の不安がハイディの胸中を占めていく。

 

 

「……し、シロくぅん……」

 

「――……はぁ。今は仕事中なのだがな……」

 

 

 最前列に座りずっと商業通神を弄っていたシロジロに、親を見つけた迷子の様にハイディが縋る。涙目ではなく、半泣きだった。

 

 

 

 

「全く……貴様らっ! もっと協力的になれ! 罰金をかすぞ!?」

 

 

「「「「「「「お前にだけは言われたくねぇよ!!!!!」」」」」」」

 

 

 ……片手で通神をポチポチやりながらの注意では効果は薄いらしい。

 

 しかし――やっと。『らしさ』が戻った。それにシロジロはフンと鼻を鳴らし、通神を閉じる。

 

 

「なんだ言い返せるではないか。大方『判断材料がー』などという理由で押し黙っていたのだろう! ……葵姉、貴様、ニコニコ笑っているということは大部分は理解しているな?」

「当然よ守銭奴。この賢姉をどこの賢姉だと思っているの? 愚臣愚民と一緒にしないでくれる?」

 

 

 ――ファッション誌から片時も眼を離さない喜美も、なかなかに肝が据わっていらっしゃる。

 シロジロは深いため息をつき――商業通神とは違う画面を空中に展開した。

 

 

「この私がボランティアで動くなど遺憾でしかないが……まあ先行投資だ。よく聞け! 今から、私が判断材料をくれてやる。

 まず――武蔵が聖連の意思に反した場合。私達は食料や日用品、その他の物資を各寄港地からの補給が受けられなくなる。……特に、食料自給率が10パーセントを下回るこの艦にとってはまさしく『死』に等しいわけだ。詳しい話はそこにいる調理部のロリコンである御広敷にでも聞いて置け!!」

 

「なっ!? 何故にこのタイミングで小生がディスられ――って違う! 小生はロリコンではありません!! 聖譜記述にのっとった欧州ではメジャーな……」

 

「――まあ、御広敷がエロゲ研究会じゃなくて料理部に入ってること自体誰も想像もすまい」

「Jud. 誰でも一能はあるという良き例にござるな。ロリコンで全て帳消してしまってござるが」

「……弟妹達に注意しておく」

 

 一人ひとりに言い返そうとすれば即座に遮るように発言が続き――御広敷は静かに肩を落としていた。

 

「とりあえず黙れ! 在学中に捕まらなければそれでいい! 話を戻すぞ! 現状武蔵の人口は10万弱、備蓄はもって二週間程度――この意味が分かるな?」

 

 

 理解を、促すように広めるように梅組の教室を見渡していく。

 

 

「二週間後には、10万人が飢える――ってことですよね? つまり聖連に逆らったらアウトってことで……」

 

 

 アデーレのそんなつぶやきが、短く浸透していった。

 腹が減っては戦は出来ぬ。それが文字通り、そのまま現実となるというのだ。

 

 

「――で?」

 

 喜美が、雑誌の端を折りながら続きをうながす。

 

 

「え、いや、で。って……?」

「ンフフ、アデーレ。健康第一なのはいいけど、頭も使わなきゃ駄目よ? 止水のオバカと釣り合いたいならと・く・に!」

 

 さらっと言われた内容を、理解するのに数秒。理解してショートした頭を再起動させるのに一瞬。

 

「……はい!?」

「あとそこの守銭奴のこと良く分かってないわね? あの男が損だけ考えてるわけ無いじゃない。アンタも意地悪してないでさっさと頭の中で渦巻いてるあくどい商法教えてあげなさいよ」

 

 諸事情で顔を赤くして、ワタワタと向かってくるアデーレの顔を片手で抑えつつ雑誌を捲りつつ――喜美がニヤリと笑ってまた促す。

 

 ――全部わかっているわよー? という彼女の顔は、味方ながら、少々ため息を付きたいものがあった。

 

 

「――そこまで分かっているなら貴様が……まあいい。話は簡単だ。聖連に逆らいつつも、各地で補給が受けられるようにすれば良い」

「……? えっと――それって矛盾してませんか? 聖連に逆らったら補給が受けられなくなるんですよね? ……あ、でもそんな手があるならそれをやれば!」

「そうだ。しかし、この手段を使うためには――私達生徒会の中で唯一、権限が残されている正純をこちら側に引き込まなければならない。しかし、今のヤツは武蔵にいて聖連側に立たされている」

 

 

 腕を組み、通神画面を消したシロジロが再び一同を見渡す。

 

 

「正純殿は確か、父君が暫定議会の議員にござるからな……そのつながりでござろうか」

「然り。――大方、聖連に付きたい者が手駒にするつもりだろう。当人の意思は、どうかは知れないが……」

「だとしたら、厄介だよ……彼の演説能力はバカに出来ないからね――でもそれを引き込めれば、逆に大きな力にもなる」

 

 

 点蔵にウルキアガ。ネシンバラがそれぞれ唸り、良手を思案し始める。

 

 ……少しずつ。少しずつだが、動き出している。

 

 

 ――慣れないことはやはりするものではない、これはお前達の役目だろう――と、後方窓際を少しばかり睨んで、シロジロは締めに掛かった。

 

 

「ネシンバラの言うとおりだ。そして、我々が動くための大前提が、本多 正純を引き込むことにある。そして引き込むためには――まず、総長兼生徒会長である、そこで伏せ込んでいる葵・トーリ(あのバカ)を、どうにかする必要があるわけだが――」

 

 

 全員の視線は、感じているはずである。しかし、それでも。

 

 ……葵・トーリは返事をしようとも、顔を上げようとすらもしなかった。

 

 

 

 全員が、動き出した。

 

 全員が、動き出そうとしている。

 

 

 しかし、一番動き出さなければいけない二人が、未だ動こうとしていない。

 

 

 

 

 再び嫌な沈黙が広まりかけたその時、わざとらしく大きな音を立てて扉が開き――分厚い紙束を抱えたオリオトライが、にんまり笑ってそこにいた。

 

 

「――ハイハイハイ、危険思想とかしてないでしょうねみんな!? 言っとくけど先生、廊下でなんにも聞いてないからね! 入りづらくて隣のクラスにお邪魔してたなんてこともないわよ!?」

 

 

 ……わざとなのか、素なのか判断に大変困る発言をしながら、教卓前のハイディを席へに付かせ、紙束を教卓に叩き下ろす。

 

 

「なぁんかいろいろあるけど、先生は先生のお仕事(授業)させてもらうわよ? 今日は一日の授業内容をまるっとごっそり変更して――作文を書いてもらうわ」

 

「作文、でござるか?」

 

 

 Jud. と頷いたオリオトライは、ハイディが先に書いた三つの事項を消すことなく、その隣に何かを書いていく。

 

 

「作文のお題は『私のしてほしいこと』で統一。みんな、今『自分達が何をすべきか?』しか考えられないでしょ? 頭を冷やすのには丁度いいんじゃない? ……制限時間は一時間半、用紙枚数は何枚でも可! ――それと先立って、三河警護隊と聖連側のやり取りがあったわ。全国放送の場でね」

 

「……教師オリオトライ。それは、どのような?」

 

「貴方達と同じくらいの女の子が極東側。聖連側から武器の返却と応対があってね――結果はあんまり芳しくなかったけど、その子は抵抗の意思を見せてたと思うわよ? 極東人の一人として、先生はそう見えたわ」

 

 

 極東はただ従い、恭順したりはしない。その姿勢を示した――ということだろう。最高ではないが最悪でもない。つまり、全ては武蔵の行動次第ということになった。

 

 

「――欠席者は、東とミリアムが警護隊に警護されてて自室から出られず。直政が機関部会議、ミトが似たように領主会議……あとは、正純が一身都合上で途中出席と。今いるメンバーだけで、用紙が行った子から書き始めていいわよ。

 

 ……自分が何をしてほしいのか。それをしっかり考えなさい」

 

 

 

 

 

 

 ――それから、梅組は静寂に包まれる。まるっきり無音というわけではなく……筆記の音、悩み唸る声。落ち着こうとする、深呼吸。

 ペースは個人個人で違う。用紙が足りないと挙手をする生徒に作文用紙を追加で手渡しながら、オリオトライは一同を眺めていた。

 

 トーリの席にも、そして止水の席にも同じように用紙は渡っているが、席に着いているトーリも、着いていない止水も、書き進める気配は無い。

 本来であれば二人揃ってド級厳罰ものであるが――。

 

 

(式を解いてる最中の生徒を、邪魔するわけにもいかないか……)

 

 

 厳罰は――式が解き終わってなかった場合。もしくは、出ていた解に納得できなかった場合だろう。

 

 そんな、二人よりも。

 

 

(……なぁんで一番得意そうな浅間が頭抱えてるのかしらねぇ……)

 

 

 浅間 智が一人、肘を付いた両手の間に頭を入れてうな垂れていた。

 

 

(題材が――致命的過ぎるんですけど……!?)

 

 

 ……さて。思い出していただきたいことが二つある。一つは作文の題と、浅間家の役職だ。

 前者は『私のしてほしいこと』と、すぐに答えられるだろう。今しがたの内容なのだから。

 

 この場合の問題は後者。浅間は代々神社……神職の家柄だ。神職は基本的に他者に対して何かをする職業であり、神仏の意思を人々に伝えるべく、無欲・清廉でなければならない。

 

 

 私のしてほしいこと――それはつまるところ、我欲なわけで。

 

 とりあえず、題を書き、名前を書いて―― 一文字目から止まっていた。

 

 

(私、何か悪いことしました? これ厳罰クラスなんですけど……)

 

 

 ひとまず、してほしいことを頭の中で箇条書きにして出してみる。昨日の点蔵の告白予行練習ではないが、まとめることくらいは出来るはず――

 

 

 境内の掃除を誰かに代わってほしい。――アウト。サボりたいとは何事か。

 美味しいお菓子や料理を食べたい。――アウト。飽食は禁物。体重計が敵になる。

 止水君と《閲覧削除》 ――アウト。アウトアウトアウト!

 

 

(どうして、みんなすらすら書けるんですか……!?)

 

 

 基本的に我欲の塊だからである。

 

 若干逆恨み的なことを考えて――閃いた。

 

 

(私のしてほしいことを、他の人の願いにすれば――!)

 

 

 私天才……! と筆を取り――そこでふと、また考える。誰の願いといえば――やはり、トーリのことだろう。

 

 何もなければ、今。彼はホライゾンに告白しているはずだったのだ。

 

 

(私のしてほしいこと――トーリ君に、あるはずだった今日を迎えてもらうこと)

 

 

 簡単ではないか。思い悩む必要など、無かった。

 

 ――トーリ君が告白して、ホライゾンがそれに答えて……仲むつまじく――むつまじく……。

 

 

(どこまで? 仲むつまじく――何処までいくんでしょうか? ここまで、いやこんなところまで!?)

 

 

 

 筆は、加速し続ける。止まることなく走っていく。

 

 そして、気が付けば――『私がしてほしいこと 浅間 智』という題の、R元服小説が書きあがっている謎。

 

 

「……うん、みんな大体書き終えたかしらね……それじゃあ出席番号的に――浅間。ちょっと書いた作文、読んでみてくれる?」

 

「ひ!? あ、いや、これは、さ、作文じゃないんですこれは! だから駄目です!!」

 

 

「……先生も結構教師やってるけどその言い訳は初だわ。クシャるのも早すぎるし……まぁ、後々言及するとして――」

 

 

 え、言及されるんですか? と冷や汗をかく智を他所に、オリオトライは教室を見渡す。

 

 明らかに書いていない二人と、書いていて顔を逸らしている大多数。

 

 

 ……その中で、一人いつもと変わらない少女が居た。

 

 

「――鈴? 貴女の作文、読んでもらってもいい?」

 

 

 ――先生、私にもそう聞いてほしかったです。という智のアイコンタクトは無視して。

 

 

「J、Jud.……で、でも私目が――その、だ、誰かおね、がいします」

 

「……いいの?」

 

 

 思わず、オリオトライも聞きなおしてしまう。自分の心のうちを書いたもの――それは、自身で口に出すことも躊躇うだろう。人に代読してもらうことは――とんでもない勇気がいるはずだ。

 

 梅組の皆も同じ思いなのか、全員の鈴を見る視線に、気遣いの色がある。

 

 

 それでも、鈴は頷いた。

 

 

「わかったわ。――浅間、代読してあげて」

 

 

 ――更に驚いたのは――智が動くよりも前に、鈴が自ら立ち上がり――十枚にはなるだろう原稿用紙を差し出したことだろう。

 

 

「お、お願い、し、ます……」

 

「……Jud.」

 

 

 智も立ち上がり、しっかりとそれを受け取る。

 

 そして、少し深呼吸をして――日頃の神事以上に、雑念を捨て去る。

 

 

「――では、代理に奏上いたします」

 

 

 ――机の下で、祈るように手を組んだ鈴に、真剣に答えるために。

 

 

 

「『わたしのしてほしいこと』――さんねんうめぐみ、むかい すず」

 

 

 

 祈る様に。

 

  ――お願い。

 

 

 願うように。

 

  ――届いて。

 

 

 

 ……綺麗な字とは、お世辞にも言えない。枠に収まっていないことも多い。

 

 ――それでもその思いの丈は、真っ直ぐ……綺麗なものだった。

 

 

 

 

「――わたしには すきなひとが います」

 

 

 誰もが聞き入る中で……少女のそんな告白から、始まった。

 

 

 

 




読了ありがとうございました。
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