とある監視所のお話   作:屋根裏散歩

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翌日の日曜のお話し。



第10話 それはいきなりだった(改2)

「んー…何時だ?」

 

俺は久しぶりに自分のベッドで寝ていた。

 

「5時か…」

 

基本土日祝は各自で朝食は作ることにしている(昼近く迄寝ていて朝昼兼用なんて奴もいる)。

 

「自分のベッドなのに…」

 

俺の布団には隼鷹と千歳の微かな匂いが染み付いていた、汗臭いとかではなく若い女性特有の良い香りだった。

 

「ったく」

 

俺は二度寝を決め込んだ(朝昼兼用とは俺の事だ!)。

 

「紫苑起きて、起きてよ」

 

あれからどれ位寝たのだろうか、誰かから起こされた。

 

「んだよ…あと5分」

 

俺は布団を被るとまた寝る体制に入った。

 

「往生際悪いです、起きてください!」

 

そいつは俺から強制的に布団をひっぺがした。

 

「もうお昼ですよ」

 

目の前には箒に前掛けをした青葉が仁王立ちしていた。

 

「掃除の邪魔です、そこらへんを散歩してきてください」

 

俺は部屋から放り出されると仕方なくそこらへんを散歩する事にした。

 

「青葉も何とか馴染んできたな…」

 

俺は青葉が馴染めるか心配であったが杞憂でしかなかった。青葉持ち前の明るい性格と素直な態度が良い結果を産んでいた。

 

「ん?電話誰からだ」

 

携帯の画面には知らない番号が表示されていた。

 

「はい。紅東ですが」

「私だ」

 

それはクソ親父からだった。

 

「新しくスマホとか云うのに替えたから……」

 

クソ親父はそれ為だけに掛けてきたようだった。

 

「用件それだけなら切るぞ」

「待て待て、隼鷹と千歳、青葉は上手くやってるか、天龍姉妹は残念だったがの、あの二人も良い娘さんなんだがな……」

 

やっぱりか、

 

「3人とも親父の差し金か」

 

俺はこめかみを押さえた。

 

「ああっ、あの三人は俺がえらん…「何に選んだって?」」

 

俺は判ってはいたが、親父に聞いた。

 

「嫁さん候補だ!」

 

クソ親父がアッサリと言い放った。

 

「お薦めは千歳じゃな」

 

このクソ親父言うに事欠いてちゃっかりと千歳を推してきた、まぁ家庭的な上に美人なのは認めるが。

 

「クソ親父、一つ確認すっけど来週から着任する駆逐艦娘迄候補とかいいださねえよな?」

 

俺は不安になって一応確認した。

 

「なんじゃ、お前はあんなちびっ子共の方がよい「んなわけあるかっ!」」

 

俺は絶叫した。

 

「なら三人の中からじゃな…実の姉妹は駄目じゃぞ!」

 

このクソ親父トンデモ発言しやがった。

 

「アホか」

 

俺は呆れた。

 

「それはそうと早く姉貴に帰還命令出してくれよ、三食食っちゃ寝は堪らん」

 

俺は姉貴を早く引き取るようにクソ親父に頼んだ。

 

「なんじゃ、あやつがいると子づくりできんか?」

 

俺は無言で電話を切って着信拒否にし、帰宅した。

 

「誰が、三食食っちゃ寝なのかしら、お姉さんそこん処詳しく聞きたいなぁ」

 

あのクソ親父のやつ姉貴にチクりやがった。

 

「紫苑?誰の事なのか教えてほしいなぁプリーズ!」

 

姉貴が鬼気迫る物凄い笑顔で迫ってきた。

ふと見ると、隼鷹、千歳、青葉が逃げるところだった。

 

「青葉以下三名は戦略的撤退を開始します」

 

そんな事を言って脱兎の如く逃げやがった。

 

「おい、夕張たすけ…」

 

俺は妹の夕張に助けを求めようとしたが此方も一枚の張り紙を残して既に撤退したあとだった。

 

『お兄ちゃん頑張ってね』

 

我が妹ながら薄情だ。

結局俺はと云うと、姉貴のお話し合いという名の折檻を受けた、財布に……。

 

「あっそうそう、お父さんからでね、私もね正式に此処に着任だって」

 

俺は言葉を失った、姉貴こんな田舎に島流しになったか…。

俺は心の中で姉貴に手を合わせた、婚期逃したなと。

 

そしてその日の風呂上がり、俺はまたしても隼鷹と千歳の二人と呑んでいた…。

 

「明日から駆逐艦娘達が来るのですねどんな子達なのかしら」

 

千歳が楽しみだという顔をしていた。

 

「あたしゃ呑めるなら問題ないし……」

 

隼鷹はまぁマイペースだった。

 

「そういゃぁ、青葉は?」

 

俺は青葉がいない事を気にした。

 

「青葉なら明日からの新人用のパンフ作るって張り切ってたけど」

 

隼鷹がビール片手に答えた。

まぁ青葉らしかった。

 

「大変です!紫苑、これ見てください」

 

等と言っていると、その本人が俺の部屋に飛び込んできた。

 

「なんだよどうかしたか?」

 

俺は青葉から一枚の紙を受け取った。

 

「高倉 柚香に於いては鹿屋に潜伏の可能性あり」

 

それは地元警察からの通信文だった。

 

「千歳、姉貴呼んできてくれ」

「はい」

 

千歳が姉貴の部屋へと向かった。

 

「隼鷹はこの番号に電話して伝えてくれ」

 

俺は自分の携帯を隼鷹に渡すとクソ親父に掛けるように言った。

 

「私、紫苑さんの部下の隼鷹と云います」

「ん隼鷹とな、ささっ、遠慮はいらんお義父様と呼ん「冗談は後でお願いします、一大事です」」

「高倉 柚香が鹿屋に潜伏しているとの地元警察からの報告がありました」

 

電話の向こうで慌てているような音が聞こえた。

 

「ここにやって来るのも時間の問題か……」

 

俺は焦りを覚えた。

 

「紫苑、警察から電話で24時間体制で此処に通じる村道を監視してくれるって」

 

俺は姉貴が警察から受けた報告を聞いて少しだけ安心した、だがあいつが普通に道を歩いて来るとは限らない、裏山や横の森を抜けて来るとも限らなかった。

 

「青葉、直ぐに監視所敷地内にセキュリティシステムを構築、費用については任せる」

 

俺は、青葉に警備を一任した。

 

「青葉、了解です」

 

言うが早いか青葉が行動を起こした。

 

 

 

数時間後

 

「紫苑、警備システム出来ました」

 

青葉が空き部屋に設置した本格的なシステムが其処には出来上がっていた。

 

「敷地外周にボーダーという侵入検知システムと赤外線カメラを連動さたシステムを構築、これにより侵入者があった場合は警報と共にカメラが自動的にそちらを写します、それと家の全ての窓と扉にマグネットセンサーを取り付けました、此方は正規の手順で開けなかった場所、此方のパソコン画面に異常として表示されます」

 

そう言うと青葉が誰かと携帯で話した。

携帯を切ったと同時に画面の窓の所が赤く点滅してアラーム音が鳴り響いた。

 

「このように該当箇所が赤く点滅してアラーム音で知らせてくれます、あと無人にする際は地元の警備会社に信号が行きます」

 

そう言うと青葉が警報を解除した。

 

「これなら安心できるな、これが作動する前に警察に対応して貰えればいいのだが」

 

俺は一人呟いた。

 

「大丈夫、私達が交代で夜通し警護します」

 

隼鷹と千歳が護衛をすると意気込んでいた(どうせ飲んたくれて俺を抱き枕にしてだろ)。

まぁうちには超弩級戦艦『大魔神(陸奥)』の艦娘もいるし大丈夫だろう。

 

 

 

 

それから二週間後に起きた事はまたあとのお話で……

 

 

 

 

 

 




何が起きたのかは……多分想像つくでしょう。
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