とある監視所のお話   作:屋根裏散歩

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間宮(柚香)の扱いですが、架空設定で予備役艦娘『間宮』としています。


第13話 柚香の事(改2)

「高倉 柚香……予備役艦娘『間宮』本日付をもって本監視所所属とする」

 

俺の言葉に全員が唖然としていた。

 

「ちょっと待ってください!」

 

千歳が珍しく声を荒げた。

 

「紫苑さんを貶めた張本人ですよね……そんな人を!」

 

千歳が怒るのも無理もなかった。

 

「みんな聞いてほしい、柚香のした事は確かに許される事では無い…だがなそれにはそうなった原因があるんだ…」

 

俺は本人の許可を取ると、みんなに話した。

 

「柚香には双子の姉がいるんだが、両親がその子にだけけ愛情を注ぐ形でな…柚香は居ないものみたく扱わわれたんだ…ガキの頃からの幼馴染だった俺しか相手にしてもらえなくて……俺を失いたくないという気持ちが溢れての行動、まぁ早い話が俺の中に自分の居場所を求めたという事だ……」

 

俺の話を聞いていたみんなは会話もなく押し黙っていた。

 

「でもさ、ホントにいいの?」

 

重い口を開いたのは隼鷹だった。

 

「解任要求出される位の酷い事…言って回ったんでしょ」

 

隼鷹の言っていることも俺にはよくわかっていた。

 

「隼鷹、言いたい事はわかる、だがな…此処で柚香を見放したらコイツ立ち直る機会を一生失う事になる…そんな事は俺はしたくない」

 

俺の説得(?)に隼鷹や千歳も折れてくれた。

 

「柚香さん、私達からも条件を付けさせてもらいます」

 

千歳が静かに話した。

 

「はい」

 

柚香は俯いたまま、同意した。

 

「紫苑さんと同様に私達が貴女の行動が迷惑行為と判断したら此処から出ていってもらいます、宜しいですね」

 

千歳がいつに無く強い口調で柚香に確認していた。

 

「はい…それでいいです」

 

柚香はしっかりと千歳の目を見て同意した。

 

「この話は此処まで、明日から柚香は呉で艦娘再調整に入ってもらう、陸奥同行を」

 

俺は陸奥に同行を指示した。

 

「了解よ」

 

俺は、隼鷹に駆逐艦娘達を呼びに行かせた。

 

「隼鷹、吹雪達を呼んできてくれ」

「はいよ」

 

隼鷹が執務室から出ていった。

 

そして業務終了間際…

 

「紫苑、貴方に見てもらわなきゃいけない物があるの…」

 

柚香が俺を呼び止めた。

 

「見なきゃいけない物?」

 

柚香が黙って俺の顔を見つめていた。

 

「わかった」

 

俺は柚香の部屋へと連れて行かれた。

 

「これを見て」

 

そう言うと、柚香は俺の目の前で全裸になった。

 

「おまっ…ちょっと待て」

 

俺が動揺しても構わずに柚香は続けた。

 

「私、虐待されていたの……」

 

俺は改めて柚香の体を見た、其処には服から出ない場所に無数の火傷や切り傷、刺し傷があった。

 

「両親と姉にやられ続けたの…」

 

柚香を見るとその瞳に大粒の涙を浮かべていた。

 

「私の存在……」

 

遂に柚香は声を上げて泣き出した。

 

「どうしたの!」

 

姉貴が柚香の部屋に泣き声を聞いて慌てて入ってきた。

 

「何この傷の……」

 

姉貴は柚香の体を見て言葉を失っていた。

 

「紫苑……」

 

俺は柚香に許可を取ると姉貴にすべてを話した。

 

「実の家族が…」

 

俺は久しぶりに本気で怒っている姉貴をみた。

 

「許せない、紫苑お父様に言って……」

 

俺は既に親父に話している事を話した。

 

「実は柚香が入っていた刑務所の医務官も疑問を感じていたらしくてな俺の所で引き取るって話たら体中の傷についての詳細なカルテを渡してくれる事になった、これを証拠に親父に法的対応と柚香との養子縁組を頼んだ…」

 

姉貴は俺の計画を聞くと静かに頷いてそのまま黙っていた。

 

「柚香、アイツ等と関係を断つには結婚じゃなくて親父との養子縁組が一番確実だと思った、この話が上手く行ったら俺とは兄と妹の関係になるがいいか?」

 

柚香はただ静かに頷いた。

 

「うん、ありがとう…紫苑に出逢えて良かった」

 

柚香は安心したのかまた泣き出した、俺は暫く柚香に付き添っていた、そしてこの日はこれで解散した。

 

 

 

数週間後、柚香は高倉 柚香から紅東 柚香へと戸籍を変更した。

彼女の両親と姉は……捜査の手が及ぶと勘付いたのか逮捕直前に行方をくらました、だがそれは紅東姓となった柚香にはもはや関係の無い事柄となっていた。

 

 

 




予備役艦娘という独自の設定を設けました、しかし今後は長いので普通に間宮とします。
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