柚香が間宮への再調整から戻ってきた日のお昼過ぎ…。
「今度の土曜日…其処の浜でバーベキューやらね?」
俺は秘書担当の隼鷹を誘った。
「いいんじゃない、というかやろう!」
隼鷹も乗り気だった。
俺は内線を取ると台所を呼び出した。
「間宮、今度の土曜日バーベキューするけど参加どうする?」
俺は一応返事はわかっていたが聞いてみた。
「勿論是非必ず絶対参加します!」
間宮が間髪入れずに即答してきた。
俺は内線電話を置くと、パトロール航海から戻った千歳にも声を掛けた。
「今度の土曜日其処の浜でバーベキューするけど「全員参加で!」」
多分隼鷹から話がいっていたのだろう、駆逐艦娘全員の出欠を取っていた。
「ただ……水着を持っていない子が…」
千歳が買ってあげてと目で訴えていた。
「なら買いに行くか…」
俺は台所に内線を入れると間宮にも水着の所有を確認した。
「間宮も持っていないみたいだな…よしっ、夕食後水着の購入に街に行くか」
……全員がゾロゾロと着いてきた。
って!ちょっと待て!
何で姉貴まで!……自分でお買い上げしてください。
等と考えた俺を見透かしてか、姉貴が氷点下の笑みを浮かべていた。
「ワ・タ・シ・ノ・モ・カ・ッ・テ・!」
間宮と夕張は買ってもらってるのに私のは何故?
と姉貴は更に無言で買ってのプレッシャーを掛けてきた。
結果から言うと全員分の水着を買う事となり俺の負けだった。
因みに姉貴以外は皆極普通のビキニだった…姉貴以外は。
「ったく、そんな派手なの誰にみせんだよ!」
俺は姉貴の水着姿を見て呆れた。
「紫苑」
姉貴が俺の名前を出した。
「俺に見せてどうすんだよ」
因みに姉貴の水着は…ヒモ水着の布地面積を増やしたような奴だった(2つのでっかいおやまは山頂周辺だけ隠れてる)。
此処だけの話を少しだけする。
試着姿で1位は隼鷹と千歳だった、やはり大人の女性だった。
2位は青葉の健康的なビキニ姿で少しだけ日焼け跡が何とも……。
3位は、我が妹ながら……夕張と間宮だった。
後は駆逐艦娘なので順位は付けないでおく…気になるお年頃と言う奴だからな……姉貴は忘れてくれ。
誰でもいい、嫁に貰ってやってくれ!
早くしないと賞味期限切れ…
等と不埒な事を考えていた…当然姉貴の琴線に触れ、鉄拳制裁を喰らったのは言うまでもない。
そして迎えた土曜日!
「あっさり、はっまぐり……」
吹雪が即興の歌を口ずさみながら潮干狩りを姉妹たちと楽しんでいた。
「どうだ、採れるか?」
俺は吹雪に声を掛けた。
「あっ、紫苑さん!見てくださいこんなに採れました」
吹雪が一斗缶満タンのアサリとマテガイを俺に見せた。
「間宮、バーベキューの具材追加出来たぞ!」
俺の呼びかけに間宮がやって来た。
「バーベキューの具材ってどれです?」
俺は吹雪達の一斗缶を指差した。
「あら、アサリとマテガイですか…」
間宮は少し考えると、
「マテガイの方はバーベキューで使うとして、アサリは塩抜きして今晩のおかずに」
俺は間宮の献立に追加した。
「アサリの炊き込みご飯を俺が作ろう」
「それなら残りは酒蒸しとアサリバターにしましょうね」
夕食の献立が確定した、まだ昼前なのに…。
「間宮もひと泳ぎしてこいよ、バーベキューの準備はやっておくから」
間宮が遠慮がちではあったが、頷いて千歳達と海に向かった。
「それじゃぁ、バーベキューの準備始めるか」
俺はドラム缶を半分にカットして網を乗せただけの簡単な物に炭を入れると火を起こした。
「そろそろか」
俺は肉や野菜を焼き始めた。
「お疲れ様、紫苑さんどうぞ」
千歳がビールを持ってきてくれた。
「千歳サンキュー」
俺は千歳からビールを受け取ると飲み始めた。
「おーい、焼けたぞー!」
俺の合図に皆コンロの周りに集まり始めた。
「オッニック!」
等と言いながら隼鷹がビール片手に出来上がっていた。
「ほれ野菜も食え!」
俺は隼鷹の皿にかぼちゃとピーマンを置いた。
「かぼちゃ甘い!」
隼鷹が美味しそうに食べていた。
青葉が横から焼いている俺に食べさせてくれていた、ごく自然に……自分の使っていた箸で、
「あっ!青葉ズッコイゾ!」
うんやっぱりこうなるのな……。
隼鷹と千歳までもが俺に食べさせてくれた…其々の箸で…アルコールの廻った頭でも気付いた、これって間接キッスじゃねぇか!
「紫苑、大人気ね」
間宮がこの瞬間だけ柚香に戻った。
「お兄ちゃん、はい」
間宮までもが……いや夕張までもが悪乗りしてやりやがった(コイツラは妹達だから……問題ない)。
ただ一人姉貴だけがこのノリに付いて来れないでいた。
此処で少し俺達の事を話そう。
俺 紅東 紫苑 25歳
陸奥 紅東 紫織 27歳
夕張 紅東 紫希 21歳
間宮 紅東 柚香 24歳
隼鷹達の本名についてはお話の流れからプロローグのみとします。