その日、俺達は夕食を済ますと何時ものように俺の部屋でマッタリとしていた。
そんな時、いきなり内線が鳴らされた。
「紅東観光の役員車運転手の影山と云うお方がグループの代表をお連れ致しましたとのことですがお通ししてもよろしいですか」
俺はゲート詰め所の海自警備兵からの連絡に誰が来たのか理解すると慌てふためきながらゲートの開放を指示した。
「誰?」
姉貴が風呂上がりらしくバスタオルで髪を拭きながらやって来た。
「ヤバイ!母さんがきた!」
「お母様!」
俺の言葉に姉貴が慌てふためきながら洋服に着替えるために自分の部屋へと戻っていった。
俺は夕張を呼んだ。
「夕張、母さんが来た」
夕張が慌てながら部屋の片付けに戻った。
俺もだが、隼鷹も千歳も結局何時もの格好だった……。
それから程無くして母さんがやって来た。
「紫苑、紫織、夕張…3人共、元気にしていましたか?」
「おっ、おっ母様もお変わりなく」
姉貴が噛みまくりながら返事をしていた。
「久しぶり母さん」
「お母さん」
俺と夕張は極普通の会話だった、姉貴だけが固まっていた。
「柚香ちゃん…今は間宮ね、久しぶり中学の時以来かしらね」
「ハイ、ご無沙汰しています」
間宮もいつになく緊張している様子だった。
「そんなに硬くならなくてもいいわよ、詳細は紫苑から聞いてるから」
母さんが優しく間宮を抱きしめていた。
「間宮、母さんって呼んでやれよ」
俺は間宮の背中を押した。
「お母さん……」
間宮が少し恥ずかしそうに呼んだ。
「なぁに」
母さんが新しい娘からお母さんと呼ばれた事に嬉しそうにしていた。
「母さん、今日は間宮に会いに来たのだけじゃないな」
俺はそれとなく探りを入れた。
「あら決まってるじゃない、紫苑のお嫁さんを紹介してもらいに来たのよ」
クソ親父が母さんに余計な事を言っているみたいだ…だがちょっと待て…母さんお嫁さんといったな…クソ親父シメだな、なんて言ったんだよ!
「隼鷹ちゃんと千歳ちゃん、青葉ちゃんを早く紹介してよ」
俺は急かされて、三人を紹介した。
「俺の前に張り付いてるのが隼鷹で、右肩に抱き着いてるのは千歳で左が青葉…」
母さんは隼鷹を見るとニヤニヤしだした。
「あらあら、隼鷹ちゃんが本命なのかしら?」
確かに傍から見ると隼鷹は後ろからあすなろ抱きをされているからそう見られても仕方なかった。
「お母様、実は私達もしてもらってます、今はまだ三人共に平等にしてもらっています」
青葉が助け舟にならないセリフをぶちまけた。
「あらあら、まぁまぁ、三叉なのぅ、やるじゃない」
母さんアバウトすぎ!
とは言ったものの、確かに今の俺の心境は隼鷹に少し傾いているのは本心だ。