隼鷹が結婚式に参加するのは同期なので参加しています(千歳も同期なのですが監視所でお留守番を選びました)。
「夕張、早くしろよ、タクシー待ってんぞ」
俺は、夕張を急かした。
「お兄ちゃん待ってよー」
夕張が慌てながらやってきた。
「3人とも忘れ物無いか?」
俺は、隼鷹と夕張、間宮に確認した。
「招待状4枚あるよ」
間宮がバッグの中の招待状を確認した。
「御祝儀オッケー、」
隼鷹もバッグの中の全員分の御祝儀を確認した。
「結婚(仮)の指輪オッケー」
夕張が隼鷹の指で輝くプラチナの指輪を指差した。
隼鷹が照れながら俯いた。
「それじゃぁ行ってくる、千歳あとを頼む、お土産を期待してな」
俺は留守中の事を千歳に任せると、結婚式場へと向かった。
結婚式場に到着すると予想通り、他の同期から隼鷹は嫌味を言われていた。
「隼鷹、よく顔出せたわね」
「密造酒で捕まって千歳と牢屋入ってんじゃないの?」
「結婚式に犯罪者の分際でノコノコこれたわね、脱獄でもしたの」
「私に近寄らないでね、貴女が姉妹艦だなんて一生の不覚よ」
言いたい放題だった。
俺はわざとらしく隼鷹に近づいていった。
「おーい、隼鷹……親族の控室こっちだぞ」
俺は隼鷹の手を取るとわざとらしく指輪を目立たせるように隼鷹の手を握った。
「へー、あんなんでも指輪してるよ……って親族!?」
俺はわざとらしく少し大きい声で言った。
「紅東家長男嫁(仮)なんだから、お前の席はこっちだろ」
さんざん嫌味と悪口を言っていた奴らが全員、愕然としていた。
そりゃそうなるよ、今迄さんざん叩いていた相手が紅東家の長男嫁(仮)なんて呼ばれたんだから。
隼鷹の指で輝いている指輪の意味をいち早く気付いた奴がいた。
「隼鷹、その指輪…ケッコン(仮)の物じゃないわね…本物のプラチナとダイヤ……正式な婚約指輪的な「勿論これは官給品の安物なんかじゃないぞ、俺は結婚(仮)として渡した」」
飛鷹はそれを聞くと悔しそうにしていた。
俺はさらに追い打ちをかけた。
「確かに隼鷹は罪を犯したかもしれないが、妹の幸せすら妬むようなやつの方が問題なんじゃね」
俺は捨て台詞を言うと、隼鷹の手を握って新婦親族席へと向かった。(勿論隼鷹の席は俺の隣だ!)
そして式も始まり、仲人のスピーチや両親への手紙、新郎新婦の友人達のメッセージ等つつがなく式は進行していった。
まぁ新婦友人席の奴らはと云うと、隼鷹の事を恨めしそうに見ていた。
そんな奴らを俺は少し挑発した、何をしたのかそれは……隼鷹の腰に手を廻して軽く抱きしめていたのだ……隼鷹も俺に寄り掛かる様に体を預けていた。
この光景を酔っ払ってみていたクソ親父が何を思ったのか、司会からマイクを奪うとトンデモ発言を噛ましやがった。
「あーお集まりの皆さん、本日は娘の結婚式にお集まりありごとうございます……もう一つ嬉しい報告をさせていだきます、それは当家長男 紫苑にも遅まきながら春が来まして…今回その女性を同伴させております」
勝手に暴露して、スポットライトを俺と隼鷹に当てやがった!
母さんは……俺の前で般若になっていた(親父迷わず成仏してくれ)
クソ親父の爆弾発言を聞いた同期達は嘘だ信じられないと云う顔をしていた。
「そっかー、紫苑も遂に世帯持ちかぁ」
「隼鷹さんは、強いのかい」
親戚の一人が飲む仕草をしながら隼鷹に聞いていた。
「はい、それなりには」
「そっか、それじゃぁ近いうちに紫苑君の結婚式も控えてるのか…いゃぁ、オメデタ続きじゃ、こんないいお嬢さんとなぁ…」
隼鷹が親戚からの質問攻めに答えていた。
まぁ彼女の事は包み隠さず親族には話してあったので、すんなりと受け容れられていた。
「嘘よ、嘘……これは夢なのよ!」
飛鷹達は少しではあるが取り乱していた。
…そして姉貴が式の最後にブーケトスを隼鷹に直接手渡してダメ押しをしさらに、
「隼鷹、次は貴女の番よ」
姉貴はウィンクすると、これみよがしに俺の手と隼鷹の手を重ねた。
「お義姉さん……」
隼鷹もちゃっかりと姉貴をそう呼んでいた。
俺の周囲は外堀どころか内堀まで完全に埋められていた。
勿論新居は俺から譲渡されたあの5LDKタイプの別荘だった。