とある監視所のお話   作:屋根裏散歩

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第28話 帰り道(改2)

「なぁ、青葉カメラも持ってきたんだろ、折角だから池田湖迄足伸ばそうぜ」

 

俺は青葉に少しだけ遠出を打診した。

 

「紫苑がお昼奢ってくれるんならね」

 

青葉が昼飯を要求してきた。

 

「なら池田湖で何か食べるか…」

 

俺は根占からフェリーで指宿に向かった。

そのフェリーの中から俺は、監視所へと電話を入れた。

 

「隼鷹か、俺だ変わった事は無いか?」

「ありません「それより何処から電話してるのかなぁ?」よ」

 

隼鷹との会話の最中、横から姉貴が割り込んできた

 

「青葉と指宿に向かうフェリー」

 

俺の答えに隼鷹が少しだけ不貞腐れた。

 

「いーなー、あたしも行きたかったなぁ、紫苑一言も教えてくれなかっもんなー」

「すまん、車を引き取るだけだったんだが……天気も良かったからつい…池田湖の大鰻見たくなって…この穴埋めはするから…」

 

俺は隼鷹をなんとかなだめると電話を切った。

指宿港近くのコインパーキングにスープラを止めると、俺と青葉はハンビィーで池田湖を目指した。

 

「これが池田湖ですか!」

 

青葉がはしゃぎなが写真を撮り始めた。

 

「これが大鰻…おっきい!」

 

青葉が池田湖の大鰻をまじまじと見ていた。

そりゃ驚くわなぁ、普通の鰻が約1メートルなのに対して大鰻は約2メートル近くもあるのだから。

青葉が大鰻を写真に収めていた。

 

「青葉、昼は鰻にするか」

 

俺が聞くと、青葉は頷いた。

 

「此処は譲れません!」

 

この昼飯が後に全員にバレて俺の財布は大破する事となるのはまた別のお話。

 

「鰻ってこんなに美味しんだね」

 

俺は鰻重を美味しそうに食べる青葉を見て連れてきて良かったと思った(次来るときは隼鷹連れてきてやるか…と内心考えていた)。

 

池田湖の畔をハンビィーでドライブすると(元が米軍の軍用車だから目立ちまくって大変だった)湖畔の宿泊施設で一泊して、俺達は来たルートを戻って鹿屋へと帰った。

 

「ただいま」

 

俺と青葉は翌日の昼近くに帰宅した。

 

「二人共おかえり」

 

夕張が出迎えてくれた、ただ姉貴だけは無言で俺達を見ていた。

 

「ホイ、お土産の薩摩揚」

「お二人だけで旅行楽しかったですか?」

 

俺は出迎えてくれた千歳にお土産を渡すと姉貴の視線から逃げるように部屋に逃げた、何故か千歳も能面のような顔をしていた。

 

「紫苑おかえり、二人っきりたのしかった?」

 

俺の部屋との仕切りの襖を開けて隼鷹が無表情で聞いてきた。

 

「お土産…どうぞお収めください」

 

俺は隼鷹に黒霧島と白霧島を差し出した(千歳にも同じ物を献上しておいたのは言うまでもない)。

 

「ふーん、まっこれは貰っとくね…で?」

 

隼鷹は俺と青葉に何かあったのか聞きたい様子だった。

 

「ドライブして飯食べて、フェリー乗っただけ…あのな青葉はあれでも一応姉だから……誓って何も無かった」

 

俺のしどろもどろの説明を隼鷹は黙って聞いていた。

 

「紫苑……あたしも鰻食べたかったなぁ」

 

鰻重食べたのが何故かバレていた、そうかだから皆がむくれてたのか、姉貴の態度にも納得がいった。

俺は内線を取ると間宮に、昼は外食と伝えた。

 

「昼は、街に出て鰻食べに行く」

 

それを聞いた瞬間、隼鷹の表情が緩んだ。

 

その日の昼飯は、鰻重となった…俺と青葉を除いて。

 

 

 

 




バレた訳ですが……簡単なことです、千歳が護衛にと偵察機を飛ばしていた為にバレました。
千歳も静かにお怒りだったのでした、勿論紫苑は黒霧島と白霧島を献上しています。
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