とある監視所のお話   作:屋根裏散歩

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第30話の続きです。


第32話 告白……その後(改2)

「ただいまー」

 

俺と隼鷹は、翌日の夕方帰宅した。

 

「あら、おかえり」

 

母さんがニコニコしながら出迎えてくれた。

 

「遂に告白したのね」

 

母さんが隼鷹の指に光る指輪を目敏く見つけた。

 

「その事について、皆に話さなきゃならない事がある」

 

俺はそう言うと、全員を食堂に集めた。

 

「あー、えー、全員揃ったな……これから重大な話がある…気付いてるやつもいるとは思うが…俺は正式に隼鷹と結婚を前提にお付き合いする事になった」

 

俺が話し終えると、一瞬の沈黙の後大歓声があがった。

 

「紫苑さん遅すぎです、女の子を待たせてはいけませんよ」

 

千歳が冷やかしてきた。

 

「ほらね、お姉ちゃんの見越した通りでしょ」

 

確かに姉貴は最初から隼鷹に義姉さんと呼ばせようとしていた。

 

「隼鷹さん……妹の座は譲れません!」

 

間宮が意味不明な事を言っていた、夕張と一緒になって。

 

「紫苑さん、隼鷹さん、おめでとうございます」

 

吹雪達は純粋に祝ってくれた。

 

「それなら今晩は腕に寄りをかけますね」

 

間宮が台所へと夕張と向かっていった。

 

「紫苑、隼鷹さん、お二人とも私の部屋へ」

 

俺達は母さんの部屋へと連れて行かれた。

 

「先ずは、隼鷹さん……紫苑の事お願いしますね、それと紫苑…いいですか、これからは一人ではありません、二人で力を合わせて助け合って行くのですよ」

 

母さんから色々なアドバイス(?)をその後も受けた。

 

「最後に、隼鷹さんのご両親へも挨拶を忘れないようにね」

 

まぁこれについてはこの後、一つの騒動が起きるのだが……後で話すことにする。

 

で……俺達が自分の部屋に戻ると、何か広く感じた。

 

「何か…………!」

 

その違和感の原因は俺と隼鷹の部屋の仕切りの襖が取り払われていたのだった……そしてベッドが俺のダブルベッドだけとなっていた…………。

 

「姉貴の差し金だな……」

 

俺はベッドだけでもと、隼鷹のベッドを探すことにした。

 

「あたし的にはこのまで……」

 

隼鷹が、俺を止めた……結局俺と隼鷹は一つのベッドで寝る事となった。

いくら結婚を前提にお付き合いしているとはいえ……俺の理性が暴走しそうだ!

 

等と考えていたが、俺は素直に受け入れる事にした。

 

「隼鷹、改めて宜しく」

 

俺はそれだけを言うと、そっと隼鷹を抱き締め、唇を重ねた。

 

「紫苑さーん、ごは……ヒューヒューお熱いねぇ」

 

俺達を呼びに来た深雪が、キスをしていた俺達を目撃して思いっ切り冷やかしてきた…その後は、青葉並の素早さで拡散された……。

 

夕食の間中、俺と隼鷹は皆から冷やかされた。

 

夕食後

 

「隼鷹、呑むか?」

 

俺はベッドサイドに設置しているワインセラーから缶ジュース位の小瓶を取り出した。

 

「うん、ワイン?マイツァー・ドームヘル……!!」

 

隼鷹が小瓶のラベルを読んで固まった。

 

「べーレンアウスレーゼ…ちょ!!これって超貴腐ワイン」

 

流石、隼鷹だな、このワインの価値を知っていた。

俺は栓を抜くとワイングラスに注いだ。

 

「大したつまみないけどな」

 

と言いながら卓上冷蔵庫からチーズを取り出した。

 

「ブルースティルトンじゃない!」

 

俺と隼鷹は秘蔵のチーズとワインで二人だけの時間(襖の隙間から姉貴をはじめとする多数の目が見えたのは黙っておこう……怖いから)を楽しんだ。

 




ブルースティルトン……スティルトン は、イギリス原産のチーズの一つ。アオカビで熟成されるブルーチーズタイプで、単に「スティルトン」といえばブルー・スティルトンを指す。フランス原産のロックフォール、イタリア原産のゴルゴンゾーラとともに「三大ブルーチーズ」として並び称されている。
 
べーレンアウスレーゼ……ワインの等級で貴腐ワインの事。

マイツァー・ドームヘル……357mlで15,900円もするワイン……とても甘くて飲みやすい(なのであっという間になくなる)。
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