とある監視所のお話   作:屋根裏散歩

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隼鷹の実家訪問です、今回については実家訪問なのです



第33話 里帰り…そして起きる騒動 (改2)

俺と隼鷹は……何故かBACと胴体にペイントされたC-5Mスーパーギャラクシーに乗っていた……乗客は俺達しかいない。

 

「紫苑様、お飲み物をお持ち致しました」

 

本来この手の航空機には乗務していない筈のキャビンアテンダントがコーヒーを持ってきてくれた。

 

「隼鷹様は紅茶でしたね」

 

BACそれは紅東エアカーゴ……早い話が母さんの会社の航空輸送部門の機体だ……荷物の保安要員としてならば乗客も乗せることが出来る……らしいが軍用の輸送機にキャビンアテンダント……それに何故か民間旅客機ファーストクラス用設備がコクピット後方の空間に備え付けられていた。

 

俺達が何故…話は日曜日に遡る。

 

「母さん、来週の土曜日に隼鷹の両親に挨拶してくる」

 

俺は母さんにそう話した……はずだった。

俺が話すと、母さんは少し待つ様に俺に言うと何処かに電話していた。

 

「紫苑、土曜日の朝九時、鹿屋基地に行きなさい」

 

俺が意味不明だと言うか顔をしていると、

 

「うちの輸送機を使いなさい、手配はしてあります」

 

俺は母さんに礼を言うと部屋へと戻った。

 

「あっ紫苑、今週末に帰るって電話したら…お母さん何か誤解しちゃって…電話切られちゃった」

 

そして迎えた土曜日のお昼、俺達は母さんが手配してくれた輸送機に車ごと乗せられていた。

 

「お食事をお持ちしました」

 

キャビンアテンダントが折り詰め弁当を持ってきた(間宮の刻印押しあるけど……)。

 

「ありがとう」

 

俺は弁当を受け取ると、一つを隼鷹に渡した。

 

「へー、美味しそう」

 

隼鷹がお手拭きで手を拭きながら感想を言っていた。

 

「この弁当……間違いないな、間宮だよ作ったの」

 

俺は、彩りや味付けから間宮が作った物だと確信した。

 

「?」

 

俺は弁当の蓋の内側に何か貼り付けてあるのに気が付いた。

 

「何だ?」

 

『紫苑へ、挨拶頑張って』

 

それは間宮からの応援メッセージだった。

 

「あいつ……」

 

俺はメッセージを隼鷹にも見せた。

それを見た隼鷹は、瞳を潤ませていた。

 

昼食後、程なくして、

 

「着陸態勢に入ります、シートベルトをお締めください」

 

機内アナウンスが流れた。

それから30分後、俺達は中部地方のとある県の空港に降り立っていた。

 

「紫苑様、我々はこのまま此処でお帰りをお待ちしております」

 

スーパーギャラクシーは俺達の帰りを待つそうだ。

俺はカーゴルームから青葉から借りたストラーダRを下ろすと、一路隼鷹の実家へと向かった。

…………青葉の車で来て良かった…俺はスーツ、隼鷹もやはりスーツなのでいくら山間部の過疎地に行くとはいえNATO迷彩で塗装されたハンビィーだと見事に浮くし目立つからな、まぁ挨拶が済めば私服に着替えるから問題は無いのだが……。

車は大きな町を離れ、山間部の小さな集落へと入っていった。

 

「紫苑、あたしのうち……あそこ」 

 

隼鷹が、一軒の家を指差した。

 

《梶原 一馬

    京子

   明日香》

 

家の表札が隼鷹の実家であることを物語っていた。

 

 

『ピンポーン』

 

俺はインターホンを押した。

 

「どちら様でしょう?」  

 

インターホンから女性の声が聞こえた。

 

「私は、紅東 紫苑と云います、お嬢さんの明日香さんとお付き合いさせていただいている者です」

 

インターホンの向こうで何やらやり取りがあったが、玄関があいた。

 

「お待たせしてしました……どうぞお入りください」

 

俺は隼鷹の後について家に入った。

 

「ご両親にはお初にお目にかかります、私は紅東 紫苑です、お嬢さん明日香さんと結婚を前提にお付き合いさせて頂いています」

 

俺の挨拶に明日香の両親は驚きの声をあげた。

 

「紅東って…あの紅東さんでしょうか?」

 

父親が聞いてきた。

 

「はい、紅東は母の会社です」

 

俺の返答に母親は完全に驚き固まった。

 

「手前共はこの明日香が何か犯罪を犯したと聞いていたものですから、その後も電話でお嫁さん候補とか訳が分からなくなりまして……」

 

父親が説明をしてくれた。

 

「実はその事なのですが、何者かによるでっち上げである事が判明いたしまして、無罪放免となっています」

 

そう何者か……と答えたが実は飛鷹と千代田が妬んで虚偽の密告をしたが真相だった

 

 

「そうなんですか」

 

母親がホッとした顔をしていた。

 

「遅くなって申し訳ありません、これつまらない物ですが」

 

俺はそう言うと手土産を差し出した。

 

「これはご丁寧に…」

 

父親が受け取ってくれた。

 

「紫苑さん……何の取り柄も無い娘ですが宜しくお願い致します」

 

ここに来てやっとリセットが掛かった母親が挨拶をしてくれた。

 

その日の晩は明日香の実家に泊めてもらった……俺はこれから義父になるであろう父親と呑んだ……この娘にしてこの父ありだった。

強いのなんの…まさにザルいや蟒蛇だった。

 

翌日、俺と隼鷹は実家を後に一路鹿屋へと帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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