とある監視所のお話   作:屋根裏散歩

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第36話 山に潜む者……(改2)

「所長、地元警察から協力要請です」

 

青葉が一枚の電文を寄越してきた。

 

「協力要請だって?」

「はい、何でも監視所近隣の山中に不審な集団が住み着いているそうです」

 

俺は青葉からの報告に頭を抱えた。

 

「まぢかよ…で詳細は?」

 

俺が聞くより早く、青葉は地元警察へ確認の電話をしていた。

 

「はい…はい…はい…そうですか…はい…有り難うございます」

 

青葉は、電話を切ると俺に報告してきた。

 

「目撃情報から、恐らくは艦娘である事、人数は不明……ただ、目撃情報からの扶桑型戦艦、青葉型、妙高型、高雄型、最上型重巡、天龍型、川内型軽巡、龍驤型軽空母、形式不明軽空母、白露型、陽炎型駆逐艦の存在が確認されています」

 

俺は青葉からの報告を聞くと、どうするか悩んだ。

 

「姉貴、一つ相談なんだけど…」

 

俺は姉貴の保養施設を頼る事にした。

 

「紫苑、どうかしたの」

 

俺は事のあらましを話して、協力を要請した。

 

「そういう事なら、私の方も願ってもないわね、万年人手不足だからね」

 

俺は吹雪を呼んだ。

 

「吹雪、拡声器を使用して山中に潜む者を呼び出してくれ」

 

俺の指示に吹雪は疑問符を浮かべながらも、拡声器を使用して呼び掛けてくれた。

 

そして数時間後

 

「所長、出てきました」

 

白雪が指差した先に、複数の艦娘らしき者が現れた。

 

「あ……!……お願いです、鎮守府には言わないで…」

 

元は金髪であったと思われる艦娘が、懇願してきた。

 

「夕張、可及的速やかに全員を修復ドッグへ」

 

俺の指示を受けて夕張が深雪と初雪の協力のもと修復ドッグへと連れて行った。

 

「千歳は彼女達からの認識票を回収してくれ」

「はい」

 

千歳が夕張の後を追ってドッグへと向かった。

それから数分後、千歳が戻ってきた。

 

「所長、こちらです」

 

千歳から認識票を受け取ると、

 

「原隊を調査する、青葉は俺と来てくれ……隼鷹は俺の代理を」

 

隼鷹に指示を出すと、俺と青葉は所属艦娘の検索を開始した。

 

『該当者なし』

 

いくら打ち込んでも出てくる答えは同じだった。

 

「おかしぞ…」

 

俺は戦没者検索をかけてみた。

 

「嘘だろ…」

 

彼女達の名前は全員戦没者リストの中にあった。

 

「紅東元帥を」

 

俺は横須賀に電話を掛けた。

 

「おう、わしじゃ何かあったのか」

 

俺は親父に事の詳細を話した、親父は暫く無言だった。

 

「可能性があるのは捨艦作戦をやらかしたドアホウがおるという事だ、しかし、旧式とはいえ扶桑型までおるとはな…」

「親父……戦没者認定取消せないのか?」

「やってはみるがな、その後はどうする?」

「姉貴の保養施設の従業員として保護する」

「わかった、早急にやっておく」

 

俺は必要な事柄のみ確認すると電話を切った。

 

「所長、艦名を確認しました」

 

俺は千歳からリストを受け取った。

 

「扶桑、山城、衣笠、高雄、愛宕、妙高、那智、足柄、羽黒、最上、天龍、神通、龍驤、鳳翔、時雨、夕立、陽炎、不知火、黒潮以上19名か……」

 

俺はリストを姉貴と親父の所に送った。

姉貴からはすぐに回答がきた。

 

「こっちは受け入れ即時可能よ、従業員用宿舎は完成済みだから手が空き次第確認に行くわね」

 

俺は姉貴に感謝した。

俺は扶桑達を集めると、処遇について説明した。

 

「君達の処遇についてだが……全員を紅東観光の社員として今此処で建設中の保養施設で雇用する方向で話を進めているが…以下の者はうちのサポートをしてもらいたい、先ずは扶桑、君には所長補佐を、龍驤と、鳳翔は隼鷹と千歳のバックアップを高雄と愛宕は夕張と青葉のバックアップ、妙高型の4人は吹雪達のバックアップを頼む」

 

 

それを聞いた彼女達はみな抱き合って泣いていた。

 

「私は、高雄型一番艦 高雄と申します、この度は有り難うございます……バックアップの件畏まりました」

 

高雄も遂に泣き出してしまい最後まで話せなかった。

 

「所長、元帥からお電話です」

 

隼鷹が電話を取り次いだ。

 

「紫苑か、ワシじゃ、陽炎、不知火、黒潮、時雨、夕立の5人については、お前の所に所属で話かついた、残りについては任せる」

 

クソ親父はそれだけいうと電話を切った。

 

「君達の処遇についてだが、駆逐艦娘は全員が当監視所所属となる、言っとくがうちは超ホワイトだぞ…それ以外の者は最初の説明にあった通り紅東観光社員としての身分も確保した、詳しくは其処にいる紅東観光鹿屋支社長紅東 紫織に聞いてくれ」

 

「夕張、母屋の拡張工事を頼む、8畳間を5つ増築してくれ」

 

俺は夕張に増築の指示を出した。

 

「あー、時雨以下5名は母屋増築完了までの間、離れを使用してもらう、それとうちの規則については間宮から改めて説明があるから聞いておくように」

 

こうして我が監視所に新たな家族が増えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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