とある監視所のお話   作:屋根裏散歩

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先ずは隼鷹が着任します。

飛鷹の建造番号(仮称艦名)は1001号艦、隼鷹の建造番号(仮称艦名)は1002号艦となってる為か、一部の資料(文献)では、隼鷹を飛鷹型航空母艦の2番艦とするものも存在する為、本作品では建造番号から二番艦としています。




第2話 一人目の到着!(改2)

「何だ、あのワゴン車は」

 

俺は台所の窓から庭を見た。

 

「とっとと降りろ!」

 

ワゴン車から一人の女の子が引き摺り降ろされた。

 

「テメェ等!」

 

俺は勝手口から外に出ると、ワゴン車の運転席にいた男の胸ぐらを掴んでいた。

 

「たっ、大佐殿、自分達は軍警察の者です、コイツを連行してきただけです」

 

俺が目をその女の子に向けた。

 

「大丈夫か」

 

そのスキにワゴン車は走り去っていった。

 

「ちっ、何だあいつら」

 

俺は女の子に近付いた。

 

「軽空母『隼鷹』着任の許可を」

 

女の子が敬礼をして着任の許可を求めた。

 

「先ずは隼鷹か着任を許可する…よろしくな」

 

俺は彼女を部屋に案内した。

 

「この部屋が君の部屋だ」

 

隼鷹がキョロキョロしていた。

 

「何か問題か?」

「牢屋じゃないの?」

「お前は正式に俺の監視所所属となった、だから個室が与えられたじゃ駄目か?」

 

俺の答えに隼鷹が泣き出した。

 

「自由なんだよね、夢じゃないよね」

 

隼鷹がそれを繰り返していた。

 

「ああ夢じゃない、此処には酒もある」

 

未だグズる隼鷹を落ち着かせると、

 

「取り敢えず、お前の歓迎会をするから食堂に来てくれ」

 

俺はそう言うと、部屋割表を渡して台所へと戻った。

 

「全員が揃うまでは任務無いしな」

 

俺はワンカートン分のビールを冷蔵庫に入れた(まさか一晩で無くなるとは思わなかった)。

 

「さて、隼鷹改めて君の着任を歓迎する」

 

俺はビールを隼鷹に渡した。

 

「飛鷹型改装空母の二番艦『隼鷹』宜しくお願いします」

 

隼鷹が呑み始めた。

 

「ヒャッハー!おっさっけ」

 

隼鷹が嬉しそうにビールを開けた。

 

「ぷっはー、キンキンに冷えたビール、最高!」

 

俺と隼鷹はおつまみのお新香と揚げ物、採れたての新鮮野菜で呑み始めた。

 

「あたしの事……」

 

唐突に隼鷹が語りだした。

 

「ああ、聞いてる……ここじゃ飯は俺が作る、酒も勤務に支障無ければ呑んでいい……密造酒作り何かすんなよ……梅酒位はいいがな」

 

俺の話を黙って聞いていた隼鷹の目に光るものがあった。

 

「明日には千歳もやってくる、数日は三人で廻す」

 

俺は隼鷹に今後の着任予定を話した。

 

「そっか、千歳も来るんだ」

 

心なしか隼鷹の表情が明るくなった。

 

「紫苑いるんでしょ」

 

そいつはいきなり入ってきた。

 

「姉貴、来るんなら連絡くれよな」

 

いきなり上がってきたのは陸奥の艦娘であり姉でもある紫織だった。

 

「隼鷹久しぶりね」

「陸奥……あんたの弟だったのかよ」

 

隼鷹が驚いていた。

 

「あら、言わなかった?」

「聞いてない」

 

隼鷹は首を横に振っていた。

 

「紫苑、隼鷹の事お願いね……私達同期なのよ」

 

姉貴が顎に手をやっていた。

姉貴のこの仕草が出るときは絶対に何か企んでいると決まっていた。

 

「そうそう、隼鷹か千歳からだったら義姉と呼ばれ……」

 

俺は姉貴の頬を左右から引っ張った。

 

「何を言い出すかと思えば……」

 

姉貴のとんでも発言を聞いた隼鷹は顔を真っ赤にして固まっていた。

 

「軽空母の二人と青葉。天龍姉妹は貴方のお嫁さん候補よ」

 

姉貴が更に隼鷹を固まらせた。

 

「俺の知らねぇ間に何勝手決めてんだよ」

 

俺は姉貴に詰め寄った。

 

「お父様のご推薦よ!」

「あんのぅクソ親父!」

 

だがしかし悪い気はしなかった、何故ならみな美人だったのだ……。

 

「まぁいいか、それで姉貴は何時までこっちいんだよ?」

「一応全員が着任するまでは……あとね、高倉 柚香って娘覚えてる?」

 

「思い出したくない奴のトップだな」

「どうやら間宮の艦娘になっていたみたいなの、それでね貴方の着任先の鎮守府に付き纏っていたらしいの…早い話が貴方の変な噂の出処は間宮だったと言う訳よ」 

 

柚香は過去に俺の有る事無い事をでっち上げ、(青葉もそれに上手く乗せられた)当時大湊に所属していた艦娘達を焚き付け俺を異動に追い込んだ張本人だったのだ。

 

「マジかよ、アイツが元凶かよ!」

 

俺は頭を抱えた。

 

俺の怒りに姉貴が言葉を付け足した。

 

「それでね、高倉 柚香…いえ間宮はこの事が発覚して軍籍剥奪…とは云え、ストーカー化する危険もあるから拘置所に収容されたのだけど……」

 

姉貴、怖え事サラッと言いやがって。

 

「?って……されたのだけどってどういう事?」 

 

隼鷹が復活して姉貴の言葉尻を捉えた。

 

「……脱走したの」

 

俺は背筋が凍った。

 

「それっていつ頃?」

 

隼鷹が一瞬にしてシラフの真顔になっていた。

 

「紫苑が異動して直ぐだから5日前だったかしら、でもね、紫苑の異動先は一部の関係者しか知らないから…それに指名手配の写真も各都道府県警に配布したから……」

 

俺は呆れるしかなかった。

 

「柚香のアホ、なにやってんだか……でも捕まったらどうなんだ?脱走兵なのか脱走犯なのかによって変わるよな?」

 

俺の疑問に姉貴が答えた。

 

「不名誉除隊後だから脱走犯扱いね」

 

俺は姉貴の答えに少しだけ安心した、あんな奴とはいえ幼馴染なのだから、死刑だと後味悪いしな。

 

「柚香の奴……行くとこないのに」

 

俺は心の中で柚香の事が心配になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




掃き溜めの鶴ならぬ鷹と狼と龍だったか!
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