とある監視所のお話   作:屋根裏散歩

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今回は少し真面目にいきます。


第48話 日常のお仕事(改1)

「大隅半島沖に於いて不審船舶の出現の件申し送りいたしました」

「大隅半島沖に於いて不審船舶の出現の件申し受けいたしました」

 

俺は当直担当の監視所からの申し送りを受けた。

 

「不審船舶の特徴をお願いします」

 

今日の哨戒担当の千歳が確認した。

 

「見た目についてはごく普通の大型漁船なのですが…船体に記載された番号の登録がないのです…それと我々が近づくと逃走を図ります、かなりの速力なのでうちの旧式海防艦では追いつけませんでした、そちらなら空母や特型駆逐艦がいらっしゃるので追いつけるかと、詳細は後程メールで送ります」

 

向こうの国後が悔しそうに答えた。

 

「わかりました」

 

こうして朝の引き継ぎを終えた。

 

「不審船舶か…密漁か密輸といったところだろうな」

 

俺は頭に浮かんだままを口にした。

 

「…船舶番号を偽造してまでやるものかしら」

 

千歳は何か別の理由ではないかと思っている様子だった。

 

「取っ捕まえればわかることだな、じゃ今日の勤務開始だ、千歳哨戒パトロール頼む」

 

俺は何時ものルーチンワークを開始した。

 

そして昼過ぎの哨戒を始めてすぐに千歳からの通信が入った。

 

「哨戒パトロールの千歳から電文、大隅半島沖にて不審船舶複数を認、船舶番号に該当なし指示を求む」

 

青葉が電文を読み上げた。

 

「千歳に通信をつなげ」

 

俺は青葉に指示を出した。

 

「どうぞ、繋がりました」

 

俺は青葉からマイクを受け取ると、

 

「増援艦隊到着まで警戒監視とする」

 

俺はそれだけいうと、隼鷹、青葉、白雪、初雪に現場海域への急行を指示を出すと、保養所の支配人室に電話を掛けた。

 

「姉貴、哨戒艦隊が複数の不審船舶を発見した、バックアップの為に扶桑、山城、高雄、愛宕、神通、龍驤に緊急召集をかける」

 

俺は姉貴に伝えるとすぐに夕張を呼び出した。

 

「夕張以下の者の艤装を準備せよ扶桑、山城、高雄、愛宕、神通、龍驤以上6名それと青葉に替わり電探と通信を」

 

電話の向こうで夕張が復唱した。

 

それから程なくして扶桑以下6名がやって来た、俺は概要を説明すると直ぐに向かわせ、千歳と隼鷹に扶桑艦隊到着後、扶桑を旗艦とし速やかに包囲拿捕の指示を出した。

 

「扶桑から入電、扶桑艦隊到着これより臨検を開始するです」

 

向こうは3艦隊に包囲され観念したのか臨検を受け入れたらしい。

 

「所長、近隣の監視所ならびに鹿屋基地からの増援艦隊も現場に到着との事です」

 

青葉に替わり電探と無線を夕張が操作していた。

 

「不審船舶群は鹿児島の水上警察署ヘ引き継ぎ完了との事です」

 

何事も無く終わったみたいだ、増援艦隊はそれぞれの母港へと帰還していった。

俺は出港用スロープへと向った、艦隊を出迎える為に。  

 

「哨戒パトロール艦隊ならびに緊急召集艦隊全艦損害無く帰還しました」

 

総旗艦の扶桑が報告した。

 

「ご苦労、扶桑さん済まなかったね、今晩は家でごはん食べていっても構わない」

 

俺の言葉に嬉しそうに頷いた。

 

「それでは今晩はお邪魔いたしますね」

 

そう言うと扶桑達は艤装を係留しにドックへと向かっていった。

 

「結局不審船舶群って?」

 

夕張が聞いてきた。 

 

「水上警察署の話だと、密輸と密漁の両方だったそうだ」

 

幸い今回の不審船舶は食うに困った人々がやむおえず密漁と密輸に手を出したと云うのが結論だった。

その日の夜は扶桑達と食卓を囲んでの賑やかな夕餉となった。

 

敢えて言おう!保養所の扶桑姉妹は不幸姉妹では無いということを!

二人共良家のお嬢様と云う空気を醸し出していた……鳳翔さんといい和服姿のにあう二人であった……うちの千歳も似合うが!

 

 

 

 

 

 

 

 




ちょっとだけよ~真面目に書きました。
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