その日、家には俺しかいなかった。
何故なら吹雪達は艦娘中学の修学旅行で佐世保へ、間宮と夕張、青葉は宮島へ旅行、隼鷹と千歳は母さんの所に呼び出されて東京だ…。
「暇だ…そういえば買ったっきりやってないゲームあったな」
俺は最近買ったPS4を起動させた。
『バイオハザード7』
パッケージにはそう記載されてきた。
「あいつらが帰ってくる前にある程度進めとくか、騒がしくなってバイオハザードの怖さ半減するからなぁ」
俺は部屋の電気を消すとゲームを始めた。
「ん?もうこんな時間か…夕飯作るか」
俺はゲームを一旦中断すると部屋の照明をつけようとリモコンを操作した。
「??」
リモコンを操作しても照明が点かなかったのだ。
『ゴト』
台所の方で何かが落ちた様な音がした。
「何だ…」
俺は懐中電灯を探すと台所へ向かった。
「なんの音だ?」
俺はダメ元で台所の照明スイッチを操作した、結果はやはり点かなかった。
「台所もか…球切れじゃねぇな…」
等と考えていると足元になにか転がっていた。
「ビール?」
『バタン!』
今度は何処かの部屋の扉が閉まる音と微かながら足音も聞こえていた気がした。
「俺しか居ないはずだよな……」
俺は台所から出ると恐る恐る音のした部屋へと向った。
「確か……こっちから聞こえたよな」
俺は姉貴が使っていた部屋の前に来ていた、
「誰かいるのか?」
俺は一応声を掛けながら扉を開けた、だが其処には誰もいなかった。
「嘘だろ…」
俺は背筋が凍る思いをしながら自分の部屋へ戻ると、ソファに座り…その時だった。
「紫苑さーん」
座った直後背後から冷たい手がいきなり俺の顔を撫でた。
「うヒャぁー!」
俺は柄にも無く悲鳴を挙げた。
「紫苑さん、うヒャーだって」
聞き覚えのある声が聞こえた。
「誰だよ……」
振り返ると其処には時雨達がいた。
「私は止めよう言いました」
不知火が一応は反対したみたいだ…だが俺の顔に触れた手は不知火の手だったと思うのだが。
「その割には率先して……「反対しました」」
黒潮を睨みながら不知火が何やら自分は反対したと言っていた。
「不知火……自分だけ良い子になろうなんて酷いね」
時雨がやれやれという顔をしていた。
「不知火いくらなんでも…」
黒潮が呆れていた。
「全く脅かしやがって…ヌイヌイ」
不知火は俺のヌイヌイ呼びに反抗しなかった。
「仕方ありません不知火に落ち度ありまくりなので…甘んじてヌイヌイ呼び受け入れます」
一段落付いたところで、俺はある事を聞いた。
「お前ら飯は?」
「まだです!」
其れは見事にハモって答えが返ってきた。
俺は冷蔵庫をあさると、
「かんたんなもので良ければ今から作るが……「お願いします」」
時雨以下眼を輝かせていた。
俺は冷蔵庫から筍とがんもどき等を取り出すと料理を始めた。
「お待たせ、筍ご飯とがんもどき、なめこの味噌汁位しか出来ないが」
「いただきます!」
いつものクールな印象を何処に捨ててきたのか不知火が満面の笑みでおかわりを要求してきた。
まぁ作った料理を美味しいと食べてくれるそれだけで作ったかいがあったと云うものだ。
「羨ましいっポイ……毎日紫苑さんの手料理食べられて」
夕立が特徴の癖っ毛をピコピコさせながら呟いた。
呟きを聞いた俺は日曜の夜、月曜日の朝イチで帰る時雨達の為に電車の中で冷えても食べられるように少し味を濃くした筍ご飯を弁当として作っておいた(おかずは卵焼きと唐揚げ)、勿論婆ちゃんと母さんの分も持たせた……後日オヤジから俺の分無いと執拗に電話攻勢を受けたのは俺の落ち度だ(仕方ないので自分で作れと筍を送っておいた…母さんに作ってもらってくれ)。
この家のブレーカーは各部屋ごとに別れており、更にコンセントと照明の2系統になっていますのでこのような事が可能なのです。
まぁ暗がりでホラーゲームやっていて家中の照明点かないと焦りますね…そして誰も居ないはずなのに何かの落ちる音や扉が閉まる音がすれば誰でもビビります。