「宅配便です、お届け物をお持ちしました」
丁度早番の千歳達と昼食を取っていると、インターホンが鳴らされ宅配便業者が玄関前に立っていた。
「はーい、今行きます」
間宮がインターホンに応えると、玄関へと小走りに行った。
「ダンボール5箱……………かなり重いですが」
「そこに置いてください」
間宮と宅配便業者のやり取りが聞こえた。
「紫苑、お祖母様からの荷物だって」
間宮が伝票を見せてきた。
「ばぁちゃんからか…中身はワレモノ?食品?」
俺は玄関に向かうと、ばぁちゃんからかの荷物をダイニングへと運んだ。
「確かに重たいな……………中身はと」
俺はダンボールを開梱した。
「おっ、らっきょうと梅酒か」
ダンボールの中身はらっきょう漬けと自家製の梅酒だった。
「紫蘇とたまり醤油、甘酢と梅酒二瓶……………」
取り敢えず味見を兼ねて俺はらっきょう漬けをそれぞれ皿に取るとテーブルに出した。
「ばぁちゃんからのらっきょう漬け、たべてみ」
千歳が真っ先にたまり醤油味のらっきょうを箸で摘むとぱくりと口に入れた。
「くー、お酒のおつまみに丁度いいと味ですね」
「だろう、これだけで酒が進むよな」
俺は甘酢(ピリ辛)をポリポリ齧りながら、千歳に同意した。
「夕張、食べすぎるなよ……………お前お腹壊すくせにらっきょうとかにんにく好きだからな」
俺はそれとなく夕張に注意した。
「そうだね…あとは夕飯の時にする」
夕張は2個3個摘むと食べるのを止めた。
「確かに癖になりそうな歯応え」
深雪が壺の蓋を開けるとたまり醤油味のらっきょうを皿に盛っていた。
「千歳……………梅酒は勤務終了したらな」
俺が千歳を見るとぐい呑みを持って梅酒の瓶を開けようとした千歳と目があった。
「う~イケズ」
訳のわからないことを言いながら千歳はぐい呑みを仕舞った(隼鷹も同じ事をしようとして青葉に止られたらしい)。
俺は直ぐにばぁちゃんに電話を入れた。
「ばぁちゃん、久しぶり…荷物受け取ったよ、らっきょうありがとうみんな美味しいってさ……………早速梅酒飲もうとしたバカタレが2名ほどいたけどな」
俺はばぁちゃんとその後も他愛も無い話をして電話を切った。
そしてその日の勤務終了後
「たっく、お前たちはパブロフの犬か!」
隼鷹と千歳がぐい呑みを持って梅酒の瓶を涎を垂らしながら開けていた。
「か~堪んないねぇ」
「ホントに、最高!」
二人共ストレートで呑んでいた。
「紫苑は呑まないの?」
間宮がストレートをこれまた普通のコップで呑みながら聞いてきた。
「呑むよ……………但しお前たちのペースに呆れただけだ」
「とか言いながら、自分だってストレートじゃない」
間宮が俺のコップを指さした。
「俺はちゃんと梅の実も食べてる!」
俺の反論に、
「実が入っていたってどっちもストレートじゃない」
夕張が梅の実を噛りながら呆れていた。
因みにらっきょう漬けは姉貴の処の鳳翔さんにもお裾分けした。