「こうして親父と呑むの初めてだな」
俺は、入れ替えた非常食用缶詰をつまみに親父と呑んでいた。
「そうだな………こうして二人では初めてだな」
親父も頷いた。
「最初に隼鷹が来て、それから千歳、青葉、夕張、間宮、吹雪に白雪、初雪、深雪………」
「そうだな、青葉と千歳が親族と判明して………」
俺と親父はこの監視所が出来てからの事を思い出していた。
「あとは吹雪達も養女にして………紫苑が隼鷹さんにプロポーズして」
親父がしんみりと語っていた。
「姉貴の結婚もあったな………まさかの出来事だったよ」
俺は姉貴の結婚式の事を思い出していた、
「親父があの場で爆弾発言して、母さんにどつき倒されて」
「紫苑………あの事は………」
そうだった、親父が暴露して親族中から注目されて…大変だったな。
「紫苑、おつまみたりる?」
等と親父と話していたら隼鷹がビールとおつまみの追加を持って部屋に戻って来た。
「お義父さんもはい」
隼鷹がさり気なくお義父さんと呼び、ビールを手渡した。
「ありがとう」
親父も少し照れながら受け取ると、
「こんな良いお嬢さんと婚約して…大湊の時では考えられ無かったな………」
「あれは………もう済んだことだし、当事者二人も反省したから」
「そうかそうだったな」
隼鷹は俺の横に座ると寄り添い、俺と親父の会話を聞いていた。
「あたしも…………お義父さんにこの監視所配属を勧められて、紫苑と知り合えて…本当に良かった」
隼鷹の目に光るものがあった。
「隼鷹さん、紫苑………末永く幸せにな、紫苑になら出来る」
親父はそこまで語ると、それじゃ寝ると言って部屋へと引き上げていった。
「紫苑」
「隼鷹」
残った俺達はどちらからともなく口吻を交わすと、
「幸せになろう」
そう誓うと、ベッドへと………。
そして翌朝。
「あのあと………」
俺は裸で寝ていた、ふと隣を見るとやはりというか隼鷹も裸で寝ていた。
「この幸せそうな寝顔を………」
俺は隼鷹を起こさないように起きるとシャワーを浴びに浴室へと向かった………が、
「私も」
隼鷹もあとから入ってきた。
「おこしちまったか…」
俺達は二人してシャワーを浴びると、起きることにした。
「紫苑………昨夜は………」
隼鷹が少し顔を紅潮させていた。
「………」
俺は返事の代わりにそっと口吻をした。
「紫苑おはよう」
「お兄ちゃんおはよう」
その後は千歳達が起き出して来た。
「なになに、隼鷹さん幸せそうな顔して、あぁ~そういうことね」
「へっ!」
夕張がまだ少しだけ赤い顔の隼鷹をからかっていた。
「夕張あまりからかうなよ」
陽炎達はポカンとしていたが親父だけは、この光景を嬉しそうに見ていた。
「これが日常なんだな………心配は無いようだな」
親父達は午前中業務の視察をすると、何処かへ電話をしていた。
「紫苑、水曜までいることにしたよ」
親父はそう言うと、買い物に行くと言って俺の車で街へと出掛けていった。