とある監視所のお話   作:屋根裏散歩

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軽空母が二名着任したので買い出しに行くだけのお話。




第4話 街へ!(改2)

「二人の日用品を買いに街に、買い出しに行くぞ」

 

俺は千歳と隼鷹に声を掛けた。

 

「あたしらこれしか服持ってないし……実家から送ってもらうにしても……」

 

隼鷹が艤装に標準装備されている制服を指した。

 

「マジかよ……姉貴一緒に来てくれ食料品なんかの買い出しもしたいから」

 

俺は姉貴を誘った。

 

「今の話だと下着とかも必要そうね……食料品買い出しとなると車二台必要ね、私のも出すわ…それと制服じゃなんだから私の服貸してあげる」

 

姉貴も車を出してくれる事になった、これで女物の衣類はなんとかなった……はず。

だったのだが……俺は今、男がいてはならない店に連れ込まれている。

 

「紫苑、これなんかどうかしら?」

 

姉貴が女物の下着を持ってきては千歳や隼鷹に合わせていくから気に入ったのを選べと……誰が選ぶんだよ!

 

「恥ずかしいだろう……」

 

俺は俯いているしかなかった、何故なら、スケスケや布地面積のやたらと少ない物、殆ど紐みたいなやつとかそんなのばかり選んてきたのだから。

周りを見ると数名彼女か奥さんに連れ込まれた男が同じ様になって……いなかった、逆にあれこれと自ら選んでは合わせていた。

 

「おねぇ…」

 

俺は姉貴の頬を引っ張って黙らせた、何故なら次に続くであろうセリフはお姉ちゃんの下着も選んでと言いそうな素振りだったから。

結局二人の下着は姉貴と店員に任せて……何故か支払いは俺だった(姉貴曰く、こういう時は男が出すものと)

 

その後は私服や(此処でも二人は姉貴の着せ替え人形となっていた)普段使いの食器なんかを買うと、命の水を買うために酒屋(カクヤスみたいな大型店)へと向かった。

 

「各自の好みの酒とつまみを確保せよ」

 

俺の指示を受けた千歳と隼鷹がカートを押して散っていった。

その間俺はソフトドリンク(コーラ類や果樹ジュース類、お茶類)とおつまみ用の袋菓子を大量に買い込んでいた。

 

「紫苑、これもお願いね」

 

姉貴がウィスキーをカートに入れた。

 

「それならチーズも買うか…」

 

そう言いながら俺は、ビールを各種箱でカートに載せていた。

 

「恵比寿、スーパードライ、バドワイザー…ワイン…おっとコイツコイツ」

 

ビールを箱買いしていながら俺は一本の日本酒をカートに載せていた。

 

「あら紫苑好きねこの日本酒」

 

姉貴がその日本酒を手にした。

 

「獺祭…前に呉に遊びに行った奴から土産で貰ってから気に入って」

 

「あら一本でいいの?」

 

俺は姉貴のセリフに何かを感じると、獺祭をあと3本カートに載せていた。

 

そして散っていった千歳と隼鷹が戻ってきた。

俺は二人のカートをみて笑うしかなかった。

何故ならこれでもかと積み上げられた、ビール(バラ缶)と日本酒そしてつまみの数々……姉貴のパジェロの後部座席は酒類のダンボールで溢れかえっていた(因みに俺のスープラはリアシートを倒してトランクとなったスペースはつまみや食料品の袋でギュウギュウだった)。

 

「後は、夕飯の材料だな」

 

俺はそう言うと、魚市場へと車を走らせた。

 

「兄ちゃん、見ねぇ顔だな」

 

魚市場で威勢のいい店員から声を掛けてきた。

 

「最近越してきたばかりでね」

「綺麗どころ3人も引き連れて……羨ましいねぇ」

 

店員がからかい半分で言ってきた。

 

「アレのうち二人は部下で一人は姉貴」

 

俺の答えに店員は気付いた様子だった。

 

「その髪型…艦娘の嬢ちゃんか……」

「そうだ」

 

店員は少し黙ると奥へと消えた。

 

「あんちゃんよぅ、嬢ちゃん達虐めてねえよな?」

 

店長と思しき中年の男を連れて戻ってきた。

 

「そんな訳ゃねえだろ、部下兼酒呑み仲間だ…」

 

俺は最後まで言えなかった。

 

「あんたは、何その酒呑み仲間って」

 

姉貴の鉄拳が俺の頭に落ちたから。

 

「当分は任務ねぇんだから呑み友でもいいだろ!」

 

俺は反抗した。

 

「あの娘達はね、紫苑のお・よ・め・さ・ん・こ・う・ほ…なのよわかってる!」

 

うんやっぱり姉貴だわ、此処でも噛ましてくれた。

店長達が呆れてるし。

 

「まぁ何だ虐待とかはしてねぇみたいだな…兄ちゃんの立場が無い以外は……」

 

店長から同情の目で見られていた。

 

「兄ちゃん、立場ねぇな……うちも同じだよカカァが……」

 

店長の言葉を遮るように店の奥からサンダルが飛来して店長の頭に当たった。

 

「あんた!余計なこと言わなくいていい」

 

店の奥から戦艦級の深海棲艦でも真っ青の白人女性が睨みを効かせていた(後で聞いた話では奥さん元艦娘でガングートだったそうだ)。

 

なんやかんやで魚市場で買い物を済ますと(最初の店の店長夫婦と仲良くなり、この店に電話すると必要な物は揃えて配達してくれる手筈が出来た)、俺達は我が家もとい監視所へと帰ることにした。

 

その後、家具や私物は各自の実家から送ってもらうように手配した。

まぁ千歳と隼鷹の家族には驚かれたがな(未だ服役中と思っていたらしい……それに姉貴が追い打ちをかけるかのように紅東家長男のお嫁さん候補等というから大混乱!そりゃ混乱するわな、軽犯罪者から一転して旧家のお嫁さん候補になってりゃ……)

 

※作者説明

紅東家とは、紅東財閥の創始者の家系であり由緒ある旧家である!

当主は母親の紫

父親は海軍元帥である 紅東 高彬(婿養子…所謂ムコ殿だ!)

長男 紫苑(しおん)

長女 紫織(しおり)現在陸奥の艦娘

次女 紫希(しき) 現在夕張の艦娘

 

 

 

 

 

 




おつまみ……ポテチ、柿の種、サラミ、チーズ、各種缶詰……。
陸奥のパジェロの荷台にはクーラーボックスを載せているので、その中に魚介類を入れてます。

監視所の配置ですが、修理ドッグ(普段使いの風呂とは別)と開発工廠は土蔵の一階にあり、事務室は同二階となっています。
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