「荷物の梱包は大丈夫か?」
俺は段ボールに埋もれたキッチンで全員に聞いた、
「荷造りOK」
夕張が答えた、
「このあと引っ越し業者が来て荷物や家具を運び出す、各自仮設プレハブに搬入の指示を出す事、その間は保養所の部屋を借りることが出来た…必要最小限の荷物を持って行くように」
俺は荷物の移動や保養所の部屋割りを指示すると、自分と隼鷹の荷物をみた。
「2人分だとかなりだな………」
ーーーーーー同日夕方ーーーーーー
「何とか運び出しは終わったな」
「だねぇ~」
俺と隼鷹は臨時に借りた保養所の部屋で突っ伏していた。
ーーーーーー更に3日後ーーーーーー
「増改築工事は全部終わったよ、明日は朝から荷物の運び込みを始めるから」
夕張が俺の部屋に来るとそう告げた。
「夕張、室内を観ることはできるのか?」
「妖精さんの作業も終わっているから大丈夫」
俺は全員に声を掛けると、工事の終わった我が家の内覧をすることにした。
「先ずは1階からか………玄関上がって左側の廊下を行くと6畳間の客室が4部屋」
俺はL字に配置された室内を覗いた。
「客間は全部が和室か………」
玄関まで戻ると、
「こっちは?」
「物置と青葉が使う印刷室と通信機械室になってる」
俺は部屋を確認した、
「成る程、季節柄使わない暖房器具や布団をしまってあるのか」
「うん、じゃあ次はリビング・ダイニングだね」
夕張が部屋を説明していた。
「今回の改築で2番目の目玉、ダイニング部分」
「2番目?」
夕張が20畳ちかくはあろうかというダイニングが其処にはあった、元々は俺と隼鷹の部屋があった場所だった。
「お兄ちゃんの部屋と元々のダイニングを繋げて和室化して、隼鷹の部屋は少し狭めて物置部屋に改装して………あとは12畳と8畳の2部屋に仕切れる様にしてあるの」
俺は縁側迄繋げられたダイニングを見ていた、
「これなら保養所の奴ら呼んでも大丈夫だな」
「うん、それも考慮に入れてのだから」
夕張がフンスッと胸を張っていた。
俺達はキッチンへと向かった。
「次はキッチン…此処は余り変更がなくて」
俺達は然程変更の無いキッチンを抜けると、
「1階で残るの吹雪ちゃん達の部屋がこっち」
夕張がキッチンから抜けた先にある廊下を進んでいった。
「母家側から吹雪ちゃん、白雪ちゃん、初雪ちゃん、深雪ちゃんの部屋になっていて、完全個室に変更して…トイレやお風呂関係も此処に移動…」
俺は其々の部屋を覗いた。
「で…お風呂も今回の目玉と言えて…」
俺は浴室を見て言葉を失った、何故ならオーシャンビューになっていて、ちょっとした温泉宿の様な感じに改装されていたからだ。
「これは…まじかよ」
俺は湯船に浸かりながら一杯やれそうだと考えていた。
浴室を出ると、
「次は2階で一番の変更かな…私と青葉と間宮と千歳の8畳間と20畳のお兄ちゃんと隼鷹の部屋…」
俺は呆れた、何故なら前の部屋よりも広くなり………
「これは広すぎだろう…」
「そう?」
夕張が俺達の部屋を説明した。
「こっちの壁は一面プロジェクタースクリーンと普段使いのテレビがあって…こっちは流しと冷蔵庫………」
俺はやたらとデカい冷蔵庫を開けた………
「なぁ夕張、この冷蔵庫の棚に何で全員分の名札がついているのかなぁ?」
「だってぇ~、お兄ちゃんの部屋が全員の居間だから…」
「おいっ…」
ホントに呆れた。
「それでね、このソファは座面をずらすと………」
夕張がリモコンでソファを動かし始めた、
「こんな感じでフラットな状態になるの」
ソファが本来のキングサイズのベッドとは別にもう一つ巨大なベッドとして出来上がっていた。
「くつろげる空間をイメージしました」
夕張が何処ぞのリフォームのテレビ番組を真似ていた。
「それにね、お兄ちゃんの部屋はベランダ付き!」
俺達は最後に残った離へと向かった。
「離れは解体して平屋の車庫にして、それと渡り廊下1階部分には共用のオートロック式の玄関ね…」
それから俺達は其々の部屋を確認した。
「それじゃ明日は朝から業者が入るから、今のうちに何処に荷物を置くとか考えておけよ」
こうして4日間に渡る母屋と車庫の増改築工事は終了した。