「えぇ、はい、了解しました、そのように、はい……」
朝から姉貴が誰かと電話していた。
「紫苑、着任予定者に問題が起きたようなの……」
珍しく姉貴が言うのを躊躇っていた。
「なんだよ、何かあったのか?」
姉貴は意を決して話しだした。
「着任予定だった……」
俺は焦った、まさか妹にと思ったからだ。
「夕張にじゃなくて、天龍姉妹の方よ」
俺は少しだけホッとした。
「天龍姉妹がどうかしたのかよ」
「実は……他の鎮守府からの横槍が入ってそっちに取られたの」
俺はある意味納得していた、そりゃ旧型とは云え第一線級の軽巡だからだ、そうでなくても隼鷹と千歳という改装空母では第一線級の艦娘を回してもらっていたのだから。
「仕方ねぇな、そんで代わりの娘は?」
俺は姉貴に代替要員の有無を確認した。
「それがね……駆逐艦ばかり8人だって」
俺はやな予感がした。
「で?誰来んの」
俺は姉貴に聞いてみた。
「ちょっと待ってね…『吹雪』『白雪』『初雪』『深雪』『浦波』『磯波』『綾波』『敷波』の8人だって」
それは見事に特型初期艦娘ばかりだった……しかし何故か途中にいるはずの叢雲がいなかった。
「なぁ姉貴、何で叢雲だけいないんだよ?」
俺は叢雲不在の訳を聞いた。
「あの子はしばふ村出身じゃないみたい?」
俺は姉貴の答えにコケた。
「なんだよしばふ村って、それってデザイナーのくくりじゃねぇかよ」
俺は苦笑しながら姉貴をみた。
「冗談よ、本当は叢雲だけ装備が違って戦力としては……らしいの」
俺は姉貴の言葉にある意味を理解した。
「まぁ同型で揃えてくれたなら文句は無ぇよ、艦隊運動指示は出しやすいからな、でいつ着任予定なんだよ」
「来週の月曜午前中みたいね」
俺は姉貴に予定日を確認すると、隼鷹、千歳と8人分の食料品や食器類を買い出しに出掛けた。
「これで紫希と俺が加わると…12人かよ、生鮮食料品もあの店長の店で纏めてもらうか……」
俺はこの時肝心な事を忘れていた。
「あらあら、私を忘れてないかしら?」
姉貴だった……そう姉貴の滞在分を忘れていたのだった。
「それからね、私………紫苑の職場が軌道に乗るまで此処に居るから、宜しくね」
姉貴がウィンクしながらサラッととんでもない事を言ってきた。
「姉貴よそれって初耳何だけど」
俺はちょっとだけ凄んでみた……。
「私が今決めたの、文句あるかしら?」
姉貴に逆に凄み返された…姉貴の睨みには逆らえませんハイ……アトノセッカンコワイ
「姉貴を入れて13人分か…」
最近は千歳と隼鷹が手伝ってくれるから何とかなるだろう……姉貴少しは料理覚えてくれ、頼むから!
「ん、電話か…ワリィ隼鷹出てくれ」
俺は運転中だったので携帯を隼鷹に渡した。
「ハイ、紅東です」
「お兄ちゃんのですよね???間違え」
電話の向こうで夕張が慌てていた。
俺は聞こえるように大きい声で話した。
「おぅ、夕張か用件なら隼鷹に伝えとけよ」
俺の声が聞こえたのか、夕張が着任予定日とかを伝えていた……。
「紫苑さん…夕張ちゃん、今着いて家の前だってさ」
俺は慌てた、
「今日来るとか聞いてねぇぞ」
これも姉貴が原因だろう。
「隼鷹、夕張に家の鍵は裏に止まってる冷凍車のダッシュボードにあるから勝手に上がって待ってろと伝えてくれ」
俺の伝言を隼鷹は夕張に伝えてくれた。
「買い出しに出て正解でしたね」
千歳が後ろから微笑みながら言った。
その日の夜は……またもや宴会だった……そして俺のベッドは酔いつぶれた隼鷹と千歳に占拠されていた。
俺は畳にごろ寝を決め込んだ。
だが……朝起きたら、隼鷹が何故か隣で寝ていた。
隼鷹…頼むからそんなにひっつくな……いろんなもんが当たってる……理性が!
13人が其々個室を使ってもまだ部屋が余るほどの大きな家という事にしています(吹雪達は離れを使用)。
此処で少し家屋の設定を
母屋 10畳和室が基本で7部屋(後に8畳和室4部屋増築)12畳1部屋の8LDK
離れ 6畳和室が基本で6部屋(離れは同じ造りの物が二棟)
母屋住人 紫苑、紫織(期間限定……の予定)、紫希、隼鷹、千歳、
離れ住人 吹雪、白雪、初雪、深雪、浦波、磯波、綾波、敷波