とある監視所のお話   作:屋根裏散歩

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またまたカメラ回となります。


青葉…また買うのな…俺も人の事は言えない!

「紫苑、三脚合ったほうが良いよ」

 

青葉がそんな事を言い出した。

 

「動物取る時は…特に野鳥の場合はね、敢えて新品じゃなくても綺麗なら中古でも大丈夫だから」

「そんなもんか?」

「そう、そんなもん」

 

俺が青葉と出かけようとすると、

 

「私も!」

 

夕張と隼鷹が付いてくるとやって来た。

 

「青葉また車頼む」

「了解」

 

また青葉のストラーダRの出番となった。

 

「どうせならレンズの保護フィルターも買いましょう!」

 

青葉の提案で先ずはチェーン店のカメラ屋へと向かう事にした。

 

「フィルター位は新品でも」

 

俺は青葉の意見を聞きながら、必要なサイズのフィルターを手に取った。

 

「紫苑!ねぇ紫苑これ!」

 

青葉が中古販売のショーケースをみて声をかけてきた。

 

「どうしたんだよ」

「紫苑これ、これ見て」

 

ショーケースの中に1台のメカメカしいカメラが鎮座していた。

 

「何々…Nikon F−4…1万円ってこれがどうかしたのか?」

 

俺は意味がわからず青葉に聞き返した、

 

「このカメラはフィルムなんだけど…今でも中古で2万円から3万円位する機体で、中々出でこないんだけど…それがモータードライブとオプションのファインダーが付いてこの金額は、即買いなんだけど…店員さんこれ見せて下さい!」

 

青葉が店員さんを呼んだ。

 

「随分安いけど…理由は?」

 

青葉が店員さんに確認していた。

 

「理由としては外装の塗装剥がれや傷の多さですね、一番の理由は此処の打痕です、恐らく落としたかされたのでしょうか、動作に問題は無いのですが少し大きいので」

 

店員さんが丁寧に説明していた。

 

「レンズ付けてテストされますか?」

 

店員さんがレンズを手に戻って来た。

 

「はい!」

 

青葉はレンズを受け取ると、装着しファインダーを覗き込んだ。

 

「ファインダーは綺麗、シャッターも問題なし、連写も問題なし…ウ~ンどうしよう…」

 

青葉が悩んでいた。

 

「少し出してやろうか?」

 

俺は財布をかざした。

 

「ホントに!ならレンズ付きで買います!」

「毎度ありがとうございます、では此方に」

 

青葉が決断すると、店員さんとレジカウンターへと向かって行った。

 

「一応半年保証はつけてありますから、お困りの際はご来店ください」

 

店員さんがカメラとレンズの梱包を終えると、

 

「お会計はこちらになります…カメラ本体が税込1万円、レンズの方はジャンク品扱いなので税込2千円の合計1万2千円となります、フィルム2本サービスでお付けしますね」

 

俺は黙って財布から2万円を出すとトレーに置いた。

 

「えっ!紫苑いいの?」

「俺もフィルムカメラ使ってみたいからな…だしてやるよ」

 

青葉が飛び跳ねんばかりに喜んでいた。

 

「紫苑ありがとう!持つべきものは理解の有る弟だね」

 

因みに夕張と隼鷹にも欲しそうにしていた中古レンズを買ってあげたのは勿論だ。

 

「じゃ次はハー○オフだな」

 

此処でもやっぱりだった…。

 

「なぁ青葉、このD300何でジャンク箱に入ってんだ?」

 

俺はジャンク箱に入れられていたD300を手に取ると、青葉に渡した。

 

「電源入りました、付属品は充電器とレンズ2本でピント合わず…?」

 

青葉が付属しているレンズをマジマジと見た。

 

「あっ!原因分かった…これこのカメラ用じゃない…これ買い、確実に、急いで!」

 

俺は青葉に言われるままに籠に放り込んだ。

 

「大丈夫なのか…これ?」

 

俺がそう言うと、

 

「大丈夫、確実動作するから、こんな物が平気で出てくるからハード○フでジャンクカメラ漁りは楽しい…えっアルファ700がっ!何で…外装汚れ酷いが原因?この汚れなら落ちそう…」

 

ソニーアルファ700も籠にいれると会計を済ませた。

 

ストラーダRの運転を隼鷹に任せると、俺は青葉と後部座席で戦利品のチェックを開始することにした。

 

「先ずはこのアルファ700から、バッテリーはジャンク箱に有ったから…セットして…電源オン!」

 

アルファ700は何事も無く電源が入り動作した。

 

「レンズはミノルタ時代の物だけど…綺麗だし動作は問題なしみたい…ピントも合うし…これは…外装の汚れを綺麗にすれば…ウヒョウヒョ…」

 

青葉…女の子がそんな顔しちゃいけません。

 

「だって…気を取り直して、次はD300だね」

 

ニヤケ顔から元に戻ると、D300を手にした。

 

「やっぱりね…どちらのレンズも18mm位置と55mm位置でピントが合わなくて、それ以上は問題なし」

 

俺は青葉の言葉に意味を聞き返した、

 

「どういう事だ、故障しているんじゃないのか?」

「お店でも軽く言ったけど、このレンズはフィルムカメラ用なの、基本的にデジタルになってからはAF−Sっていうレンズじゃないと駄目なの…まぁ使えないと云う訳じゃなくて焦点距離が変わちゃって…」

 

青葉がスマホで何かを調べはじめた。

 

「やっぱりね18mm−70mmのレンズだと27mm−105mm換算、55mm-200mmのレンズだと82.5mm−300mm換算にずれるの、多分お店の人それに気が付かなくて近場を撮ろうとしてピント合わないって思い込んだんだと思う」

 

俺はファインダーを覗きながら青葉の説明を聞いた。

 

「なる程な…超が何個も付くお買い得品だった訳だ」

「だって中古でも2万円位はするこの子が2千円だもん…可哀想でしょ」

 

その後、ソニーアルファ700はクリーニングの後、千歳専用機として使われることになった。

 

D300は…たまに白雪が持ち出して使っている様だ。

 

 

 

 

 

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