「明日の業務終わったら福岡行かね?」
俺は隼鷹と夕張に声を掛けた。
「紫苑、私も行きたい」
青葉が私もと加わった。
「構わないが、ファルコン行くぞ」
「それなら隼鷹が助手席で私と青葉は後ね」
夕張が座る位置を仕切っていた。
「千歳、明日の夕方からちょっと福岡行ってくる、明美がイベントでブース出すからその手伝いでね」
「あぁだからファルコンで行くのね」
千歳も理解した様子だった。
その通りなのだ、明美が出すブースの客寄せにとファルコンを展示するからだ。
ーそして迎えた金曜日の夕方ー
「それじゃ行ってるな、お土産期待して待っててくれ」
「これ車の中で食べて」
間宮がバスケットと水筒を隼鷹に手渡していた。
鹿屋から休憩やらをたっぷり取りながら福岡に到着した。
俺はスマホを取り出すと明美にメールを打った。
『今ついてゲート前に居る』
返信より早く本人がやって来た。
「紫苑、ありがとね」
そう言いながら、明美は俺の運転するファルコンを会場内に誘導した。
「土曜日と日曜の午前中迄の展示許可出てるからお願いね」
俺達はファルコンを展示位置に駐車すると、明美が手配したホテルへと向った。
「おいおい、明美……いいのかよこんないい部屋」
俺と隼鷹、夕張と青葉の二部屋に別れたのだがどちらの部屋も豪華な部屋だった。
「気にしないで、税金対策で経費で落としてるから……」
それなら遠慮なく泊まらせてもらうとしよう。
翌日は朝から大忙しだった、何故なら隼鷹はコンパニオン、夕張は明美の顧客対応手伝い、青葉は撮影担当と手伝っていた為に、このインターセプター仕様のファルコンについての質問に俺が全部答えていたからだ。
インターセプター仕様のファルコンが展示されていて稀にエンジンを始動(スーパーチャージャーオンも)させてれば人も集まるわな……。
休憩時間に俺は隼鷹と展示されている各ショップのデモカーを見て廻った。
「やっぱりスポーツカー多いね」
隼鷹が見て廻った感想を言った。
「そうだな、あとはVIPカーか…インポートカーは少ないな」
俺は外車が少ない事が気になった。
「あっても今の車だもんね70年代の車いないね、紫苑のファルコンだけみたいだね」
隼鷹も気にしていた。
「お二人さん甘いわね、このショップでマスタング・マッハ1のカスタム展示してるみたいよ」
明海がパンフを指差しながら教えてくれた。
「行ってみるか」
俺は、隼鷹と明美を伴ってそのショップのブースへと足を運んだ。
そのブースは直に見つかった。
「ヘェ~、コブラルックのマッハ1…」
明美がマスタングを隅々まで見ていた。
「中身は最新のマスタング、側はマッハ1…凄い!」
俺はそんな時一人の人物から声を掛けられた。
「失礼ですが明美モータースの関係者の方ですか?」
「関係者と云うか、展示しているファルコンのオーナーですが明美とは古い友人です」
俺はその人物と歓談していた。
「どうでしょう、ウチのマスタングと明美モータースさんのファルコン並べて展示してみませんか?」
いつの間にかやって来た明美がオーケーのハンドサインを出していた。
「ショップオーナーの許可出ました、俺は問題無いです」
俺の返事を聞くとその人物はイベント主催者に許可を取りに行った。
そして暫くすると戻ってきた。
「明日の朝イチからならいいそうです」
俺達は明日の開場前の移動の段取りをつけると解散した。
やはりであった、翌日は朝からマスタングとファルコンの前にカメコが大量発生していた。……調子に乗った明美と隼鷹がレースクイーンバリのコスチュームで立っていたのだから、勿論のことながら青葉もカメコの中に紛れていた……俺としては婚約者の隼鷹をカメコの餌食にするのは気が引けた(勿論ローアングルで撮ったやつはお話し合いの結果データを削除させた)。