If・魔法少女リリカルなのは~結界使いの転生者~   作:DragonWill

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出会いと紹介

「知らない天井だ」

「馬鹿なこと言わないでください」

 

剛が目を覚まし、なぜか言わなければいけない気がしたセリフを呟くと、白衣を着た金髪の女性に声を掛けられた。

 

「目が覚めたんですね?よかった~。結構重傷でしたので心配したんですよ?」

「あなたは?」

 

剛が質問する。

 

「私は八神シャマルと言って、ここ機動六課で医務官を務めています」

「機動六課?」

 

知らない単語に首をかしげる剛。

 

「今はまだ安静にしていてください。傷事態は完治していますが、体力が完全には戻っていないので、今日は軽く事情を聴くだけにします」

「分かりました」

 

そう言って再び剛は自分の名前と所属などを軽く伝えるとそのまま眠りについた。

 

 

 

 

 

翌日、退院した剛はシャマルに連れられ、ある部屋に案内された。

 

「失礼します」

「どうぞ~」

 

部屋に入ると、茶髪の少女と言っても過言でないほどの若い女性がデスクに腰かけ、そのデスクの端にミニサイズのデスクが置いてあった。

 

「初めまして。時空管理局機動六課隊長を務めております、八神はやて二等陸佐と言います。貴方が守宮剛さんですね?」

「はい、そうです」

「昨日の事はシャマルから一通り聞いたけど、簡単に事情を説明すると貴方は次元漂流者ですね」

「次元漂流者?それに時空管理局って?」

 

はやての言葉の意味が分からず困惑する剛。

 

「つまりやな・・・・・・」

 

はやてから語られた言葉は剛には信じがたいことばかりであった。

 

世界にはいくつもの世界があり、その世界を統括する組織が時空管理局であること

 

自分たちがいるこの世界はミッドチルダと呼ばれる世界であること

 

まれに剛みたいになんらかの理由で別世界に渡ってくる人がいて、それを次元漂流者と呼び、保護するのも管理局の役目だと言うこと

 

そして、もっとも信じがたいことに、この世界ではすべてが魔法を中心に発達した世界であると言うことなどが告げられた。

 

「・・・・・つまり、自分は世界規模での迷子と言うことですか?」

「そう言うことです~」

「!?」

 

はやてに尋ねると、その後ろから30センチくらいの水色の長髪の女の子が出てきた。

 

「初めまして!!リインフォース(ツヴァイ)空曹長です!!」

 

元気よく挨拶するリイン。

 

「さすが魔法世界。妖精が当たり前のように実在するとは」

「リインは妖精じゃないです~!!」

 

頬を膨らませ怒るリイン。

 

しかし、体のサイズや幼い見た目のせいで全く怖くない。

 

つい、頬が緩んでしまう剛。

 

「なに笑っているんですか~!!」

「まあまあ落ち着きい、リイン。それでな、剛さん。昨日の話で警察って単語や守宮って名字から出身場所が地球やないかと思って調べさせてもらったんよ。名前から分かるとおりあたしもそこの出身やからな」

「本当ですか!?」

 

剛は思ったより早く帰れるかもと喜んだが・・・・・。

 

「でも、あんたが指定した場所に警察の隊舎なんてなかったで」

「え?」

 

その言葉に頭が真っ白になる剛。

 

はやての隣でモニターを開くリイン。

 

「はい。昨日剛さんが言った住所を検索してみました。結果がこれです」

 

そう言ってモニターを拡大するリイン。

 

剛はその画面をのぞき込むが、リインの言った通り、その場所には全く違う建物が建っていた。

 

「じゃあ、○○○○を調べてみてください!!実家のでっかい屋敷が映っているはずです!!」

「分かりました」

 

そう言って、調べるリイン。

 

しかし、表示される場所にはただの住宅街が映っているだけであった。

 

「そ、そんな」

「まあ、最初ので大体見当がついてたけど、これではっきりしたな。貴方の地球とあたしの出身の地球は全くの別もの、『パラレルワールド』って言うやつや」

「パラレルワールド・・・・」

「あいにく、管理局でも理論は存在するんやけど、実際にパラレルワールドを渡る技術は確立されていなくてな。あなたを送り届けることは不可能なんよ」

「・・・・・そうですか。・・・・・・本当にどうにもならないんですか?・・・・・故郷には残してきた者が・・・・・妹との約束が・・・・・・・」

「本当に申し訳ありません」

 

暗い表情で落ち込む剛。

 

それもそうだろう。

 

今まで当たり前に会えていた大切な人全てと二度と会えないと告げられたようなものであるのだから。

 

「せやかて、このまま放り出すほどあたしたちも鬼やない。もし良かったらここで働きませんか?戸籍や衣食住しっかり保証しますよ?」

「ああ・・・・・・・それしかなさそうだな・・・・・・」

 

暗い表情は晴れなかったが、剛はしぶしぶ機動六課に厄介になることにした。

 

 

 

 

 

「どうして、こうなった?」

「さあ!!かかってこい!!」

 

今、剛がいる場所は機動六課の訓練室。

 

あれから、剛に機動六課の仕事を紹介するためにかつて彼が勤めていた黒狼連隊についてはやてが尋ねた。

 

それが、全ての元凶であったようだ。

 

彼が勤めていた特殊機動隊が魔法絡みの暴走や災害を鎮圧するための部隊であり、特に彼が所属していた黒狼連隊は対魔導師、対化物戦闘に特化した少数精鋭の部隊であることを伝えると、はやては剛が非魔導師であったことから、戦闘部隊員であると言うことが信じられず、そしたら、最近訓練不足気味であったシグナムが通りかかったらしく、『実際に戦えばハッキリする』と超展開を見せ、剛を半ば無理やり連れて行ってしまったのだ。

 

「シグナム!!やりすぎないようにな!!」

「分かっております!!」

 

ぜってー()る気だ。

 

剛はそう思った。

 

「かかってこないならこっちから行くぞ!!」

 

そう言うとシグナムは彼女のデバイス、レヴァンティンを構え、向かってきた。

 

(へー)

 

彼女の剣を見て、剛は珍しく感じた。

 

警察の標準装備は警棒と拳銃、機動隊でもそれに盾やアサルトライフルが追加されることもあるが、鎮圧が目的の為、盾だけの場合が多い。

 

殲滅をよく担当する黒狼連隊でも、表には秘密の部隊であるため、堂々と武器を晒しはせず、隠し持てる武器であることが好まれるのである。

 

そのため、術式の相性の為に特注でもしない限り、レヴァンティンのような剣を持つ人は少ないためである。

 

「よっと!!」

「むっ!!」

 

剛は半歩体を引き、紙一重で剣を躱す。

 

「やるようだな!!だが、まだまだ!!」

 

更に二の太刀、三の太刀を繰り出すも全て最小限の動きで躱す。

 

「凄いな。シグナムの攻撃を躱し続けとる」

「凄いですね~」

 

呑気なことを言ってのけるギャラリー。

 

「どうした!?いつまでも躱し続けていては勝てぬぞ!!」

「別に勝つ必要はないでしょう」

「どういうこと・・・・・うわぁっ!!」

 

剣を振り下ろしたシグナムの腕を掴み、投げ飛ばす剛。

 

地面に叩き付けられたシグナムの上にまたがり、首に鬼切を突きつけた。

 

「私は警察だ、格闘家ではない。勝利の条件が違うんだよ。私にとっての勝利とは、相手を逮捕することだ。だから必ずしも戦いに勝つ必要はなく、相手を行動不能にさえできればそれでいいんだよ」

「そうか・・・・だが!!」

 

シグナムは鬼切を跳ね除け、剛に蹴りを入れ脱出する。

 

「ここの犯罪者はその程度では降伏せんぞ?戦闘で勝つことが最も相手を逮捕する近道だ」

「まあ。私もそこまでとやかく言うつもりはない。お互いにそろそろ本気だそうか?」

「望むところだ!!」

 

そう言うとシグナムはレヴァンティンを鞘に納める。

 

「カートリッジロード」

『エクスプローション』

 

レバンティンのパーツがスライドし、薬莢のようなものが排出される。

 

「ちょ、ちょっと待い、シグナム!!」

 

ギャラリーが何かと騒ぎ始める。

 

「紫電一閃!!」

 

シグナムが今までの比じゃない速度で接近し、居合を放つ。

 

「く!?」

 

鬼切でガードするも吹き飛ばされる剛。

 

「やりすぎやシグナム!!シャマル、直ぐに治療を・・・・」

「いいえ主、彼は直前で飛んでダメージを逃がしました」

「え?」

 

その時、煙の中から剛が飛び出した。

 

それは天井や壁を蹴って加速する。

 

(加速魔法?だが彼は魔力を持たないはず?まさか恭也殿の様な神速か?)

 

シグナムはかつて戦った青年を思い出す。

 

(だが早いが一直線にしかこれないようだな)

 

そして、壁を蹴った剛がまっすぐシグナムに突っ込んでくる。

 

(もらった!!)

 

そう確信し、袈裟懸けにレヴァンティンを袈裟懸けに振り下ろすシグナム。

 

しかし・・・・・。

 

「なっ!?」

 

それは空中で軌道を変え、後ろに回り込んだ。

 

(まずい!!)

 

シグナムは咄嗟に非魔導師である彼に対し、魔法は使わず己が身一つで戦うと言う決心を破り、シールドを展開した。

 

しかし、剛は黒塗りの拳銃ののようなものを取り出した。

 

銃口の下から折り畳み式の棒が飛び出し、先端から伸びる紐のようなものが銃口まで伸びているので、恐らくクロスボウに近い類の物だろう。

 

剛はその礼装『飛穿』を放つ。

 

放たれた矢のようなものがシールドに命中すると、まるで紙切れのようにシールドが砕けた。

 

「なに!?」

 

驚く暇もなく、彼は接近し、シグナムの首筋に鬼切を突きつけた。

 

「今度は文句もあるまい?私の勝ちだ」

「そのようだな。私の負けだ」

 

こうしてシグナムと剛の決着は着いた。

 

その後、剛ははやてたちに気功術や装備の礼装について説明した。

 

一通り説明が終わり、先ほどの戦闘でようやく実力を信用してくれた剛は、シグナムが気に入ったのもあってか、新しく設立されるライトニング部隊に配属されることが決定した。

 

 

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