『LostHeaven―盲目のユメ―』フリーゲーム三次創作ファン小説/本編終盤のネタバレ・IFバッドエンド妄想含みます。 作:MEIKO
※物語の終盤以降等についてネタバレと妄想に因るifやキャラクター崩壊等が含まれてしまうかもしれませんので、先に深く御詫びを申し上げます。
※ザウアーさんがまた生き残ってしまう……最早、呪いでは;
◆もしも第二の『終末の日』、あの真っ赤に染まった世界でリアン様が外縁調査に出る事無く三百年から五百年程、新生世界統一国家『ヴェルンディア』にて生き続けたら……と云う妄想がお題となっております。
◆本編後半から終盤に掛けてのシーンは本当にしんどくて涙腺が緩みました。ライゼさん、こんな所を見せつけられて良く耐えられるなー、と思ってしまい。もしも精神的に耐えられずあの日、諦めてしまったら……。
◆一部、血気盛んなド修羅場が含まれた戦闘描写が入ります。閲覧の際にはお気を付けて。
――神になんぞ、くれてなるものですか。
今から遥かなる悠久の過去。世界は未だ平和な時代で戦争の蔭なんて少しも無かった頃に、私達ー神の電波塔―はとある惑星に降り立った。
銀皇星団の大海原を進んで誰も調査が入らなかった片隅で、その美しい星を見付ける。輝晶石で構成された衛星を側に抱く小さな惑星で私と彼は幸福な時を永く享受する事になる。
彼とは、暗黒星の元に生まれ付いた神の眷属で名を『ゼノ・ディオール』と云う。同じく眷属でもあり、巫女でもある私の衛士で幼馴染でもあった彼は大雑把で粗暴な人だったけど。
幼い頃からずっと私の側に居てくれて。どんな時でも守ってくれる人一倍、優しい人だった。
世界中に溢れる自然の息吹を愛して、爛漫に咲き誇る花々を愛でて、務めの合間にこうして御気に入りの小高い丘へ足を運ぶ日が多く。
都度、足が棒のようにくたくたになりながらも森を抜けて見失った彼を追い求めては、同胞から変わり者だと悪態を叩かれる。それでも私は、彼に捧げる愛を苦だとは思わなかった。
例え彼が私を敵と認識して、その黒い刃を我が心臓に向けようとも。
「ゼノン、ゼノン! 嗚呼、またこの丘にいらしていたのですね。私の愛しい衛士よ。」
「……チッ、相変わらずしつこい奴だな、お前。明日の未来を導いて行かないとならん聖女様が異端の黒騎士に懐こうなんざ、他の連中から奇異の目で見られンだろうが。」
黒い甲冑に逞しい御身を委ねる愛しい人は、私の声を背後に受けると厭そうに片手を仰ぎ「さっさとアッチに行け」と追い払わんとする。
それもまた彼なりの優しさであろう、何時もの通りに諦めが付くとムスっと頑なにそっぽを向きつつも近寄る私の傍らに居てくれるのだ。
がっしりとした雄々しい体躯には不釣り合いな子供らしさが垣間見えるのが面白くて、精悍な英雄の顔付きに僅かながら浮かぶ人間味の有る心の発露に胸がときめく。
この時間が何よりも好きだった。彼の隣では唯一、巫女としてではなく昔の真間、幼く清らかな少女でいられると。幾度と無く柔らかな幸福を甘受した。
彼は性懲りもなく親しい仲でいようと関係を繋ぎ続ける私を忌避し、何処までも逃げようと離れて行ってしまうけれど。そんな彼もまた、愛しかった。
「大体、何なんだ。」
「はい? 何でございましょう、ゼノン」
「その、ゼノンゼノンって奴だ! 俺はゼノ・ディオールであって、ゼノン何て名じゃねーぞ!」
「う、むー……だって。貴方を真名で呼びますと騒動が起こるのですもの。全く、暗黒の星から生まれたと神託が出ただけで名を呼んではいけないだなんて」
「ふざけてるってか? 俺は別に構わないぜ、第一お前が俺の事で嫌がらせされるのはこちらとしても堪ったモンじゃねーからな。」
「ゼノン……!」
そう、この優しさこそが彼に心を奪われた私の弱みでもあった。
きらきらと恋する乙女でもあるかのように双眸を輝かせて、自分よりも頭五つ分高い英雄を見詰めると彼は恥ずかしそうに紅潮させて、私の小さな頭を上から鷲掴んで来る。
その真間、御髪をくしゃくしゃに混ぜられて慌てふためく我が身を楽しそうにあやしながら。普段の頼もしい英雄様とは考えられない程の哀切な声音で、恐らく人生初めての世迷言を口にする。
その痛切な懇願とも取れる言葉を聞いて、我が耳を疑う以外になかった。
だって、そうでしょう。信じられるものですか、今がこんなにも幸せだと云うのに……是より先の未来で神々と人類の生存を賭けた『神々の黄昏(ラグナロク)』などと云う戦争が起こり得る何て。
信じられる訳がない、その永きに亙る大戦で彼が……ゼノ・ディオールが我等の中で唯一生き残り、全人類と裏切りの神達に因って無残に打ち滅ぼされ次代の世界を創生する礎にされるなど。
その起点として、私がこの手で彼を殺し、天に瞬く巨大な輝晶石の贄として捧げなくてはならないだと。そんな、神託は認めたくない。聞き入れたくない、もう誰の言葉も声も信用におけぬ。
私の愛する彼だけが総てだったのだ、それなのに神は私達をも裏切った。
「俺の事は、もう良い。気に留めるなって前にも言ったぞ。」
「言ったわ、確かに……あの時、貴方の声でちゃんと聴いたわ。でも、私は諦め切れなかった……貴方が死ぬ運命何て、くそっくらえだと思ったのよ! 無抵抗で只人共に凌辱される貴方を、私はどうしても助けたかった!」
「最期に、俺の心臓に刃を突き立ててくれた奴がお前で良かったと……今でもそう思っている。」
「やめてよ……本当は、遣りたくなかったのに。殺したく、なかったのに……」
それでも殺さなければ悪魔の咆哮は止まらないと、知っていたから。
知っておきながら、何の対策も救済も取れず貰えず、数多の剛撃に因って砕かれ大穴を空けた彼の広くて温かな胸元に。私は、ぎらぎらと煮え滾る魔晶の神核を目掛けて、一心不乱に滅紫色の魔剣を叩き下ろした。
粉々に粉砕するまで、打ち込む杭の激情は終わらない。手を止めれば、止めた先から損傷の再生と魂の再構築が始まる。神々の中で最も至高で至上の神力を賜った悪魔の堕とし仔はそう簡単には死んでくれない。
観衆の中で絶叫と喜悦と喝采が入り交じり、気が狂いそうになりながらも。数千年も続いた壮絶な宴は一人の魔人を完全に滅ぼし、人類が地上の楽園を占領して終わりを告げた。
しかし、私はその後。神々からも人類からも悪魔を殺害した魔女として忌み嫌われ、疎まれて、挙句の果てに私の手元に神を殺せる聖なる剣を捧げましょうと持ってきた王族の子孫に捕らえられ。
冷たく暗い地中の底で辱めを受けて、ずっと奴隷としての人生を余儀なくされるのだった。
とても永く苦痛に喘ぐ毎日が続いた、もう二度と貴方には逢えないだろうと絶望していた……。
「そんな時に、奇跡が起こったのよ。どういう訳か知らないけど、私が閉じ込められていた神殿が次元の歪みに取り込まれて……これで、貴方を救えると、やり直せると思っていたのにっ」
「この世界に、もう俺達の居場所は無いさ……アスト、還ろう。俺達の母なる星へ……今度こそ、ずっと一緒に。」
「うっ……ううっ。もう、私を……一人にしないで、ゼノン。」
「フッ、その名で呼んでくれるなと何度も言ってるんだがなあ。まあ、良いさ……お前が居てくれれば俺にはもう何も要らない。お前だけが俺の全て。」
「貴方だけが、私の総て。貴方さえ居てくれれば他にはもう何も要らないの、もう放さないから、ずっと着いて行くから覚悟しなさいね。」
「やれやれ、強い女は嫌いじゃないが……お転婆な所は変わらないな。」
「貴方も、がさつで大雑把で、でも……意外にも童顔な所、変わらない。何もかも。」
愛しいあの人の面影と、変わらぬ愛の温もりを抱いて。私達は星に還る。
漸く永い大戦が終わったのだと、久方振りの多幸感を胸に膨らませながら……神々しい白閃に二人で仲良く身を委ねるのだった。
――神様になんざ、くれてなるものかよ。
左右を挟む様に二対の神が疾駆する。オレの頸椎と胴体を確実に狙い超音速で飛んで来る暗黒の剣閃と艶めかしい美脚を只の人たる願いの強固さで弾き返す。
魔竜の轟きを大号砲で吠えて。アンチエーテルの塊と、散華した神力の源泉で創造された『忠義の神楯』に衝突したモノらを悉く払い退けつつ今しがた鎮めた騎士様を抱き上げる。
血に塗れたぼろぼろの腕に抱く戦友の身体は思いの外、紙と勘違いしてしまいそうな軽さで。あの頃と比べると、随分と無茶ばかりして永らく重い病に臥せっていた様だ。
ほんの少しでも力を籠めれば折れてしまいそうな華奢で薄い肉体に散々、自らの手で鞭を打って剣を握り耐え凌いでいた事実を知って。直ぐにでも解放しに行ってやりたかった。
オマエが放棄された研究施設に蔓延る魔物を討伐しに出陣する際にも、オレはずっと見ていたんだよ。あの時、施設の最下層で食い止めていたオレの存在を気付いていた筈だ。
そうでなければ最深部の進行を馬鹿みたいに、死に物狂いで強行していただろう。だが、オマエはそれを行わず。必ずしも一定の段階まで潜っては撤退を続けていた。連れ歩いている兵装に幾許かの余力が有ってもだ。
憶えていたんだよな、記憶は抹消されてしまっても記録の何処か隅の方で。オマエはオレ達の事を忘れてなどいなかった。ずっと一人で彷徨い続けて、向き合って来た現実を一つも失わず、三百年間も奴等の魔手に抗って救いが現れる日を待っていたのだろう。
だからこそ、オレも決してオマエを忘れる事なんざ一度も無かったんだ。
オレらと同じ化け物に成り代わってしまった連中に幾度となく殺され続けて、喰われ続けて、五臓六腑を壊されて脳漿ぶち撒けようとも。
喰らって殺して奪い続けて、気が可笑しくなってしまう程の日々を過ごしても、脳裏には何時もオマエの笑顔が燦燦と光を照らしていた。
泥水啜って生きていようが、ずっと忘れられなかったのさ。
オマエが導いてくれた記録を胸に、オレはあの日の温もりを決して忘却しない。もう誰も、仲間の生き様を否定させやしないと此処に誓おう。
諦めなければ希望は有る。少しばかり遅くなってしまったが、救いは有ったのだと証明してやるから。
「リアン、ライゼ……ずっと待たせちまって悪かった。オマエが弱るまで堪えなくちゃいけない何てよ、そんなの辛かったよな。ごめん、ずっと助けに行ってやれなくてごめんな……散々、痛い思いさせて……これで終わりにするからさ。」
「……ザ……ゥ」
「……っ、嗚呼、やっぱり覚えていてくれてたんだな。」
眠り姫は王子様の口づけで目を覚ます。そんなもの、有り触れた御伽噺の夢物語で現実は単純に都合良く済むものか。愛しい我が子を人質に取られ、剰え肉塊にされ劫火に煮える鍋に放り込まれるなど。
現実を受け止め切れず、茨の城に閉じ籠ってしまった姫君も綺麗事であっさりと罪を許し城から顔を出す事はしないだろう。それでは、命を懸けて救出に名乗り出た王子様が報われない。
現実は何時だってオレの望まぬ未来を持って来るのだから、彼が例え真に過去の記憶を失くしていたとしても構わない。結果はどうであれ、オレは彼を救うと決めたのだ。
あの日、叶えられなかった願いを成就させんと最期の祝詞を言の葉に乗せようとした時だった。
今まで腕の中で静寂なる眠りに就いていた彼の唇が微かに弧を描き、小さく譫言のようにオレの名を呼んだ気がしたのだ。
まさか、そんな都合の良い話なんざ無いだろうと覚悟をしていただけに、最悪の展開を想定して動いていた決意に揺らぎと衝撃が走る。
諦めなければ未来も希望も有る何て、豪語していたのは自分自身であったろうに。オマエは、何処まで堕ちようとも皆の手を引いてくれるのだな。
「ライゼ……嗚呼、そうだ。オレは未だ諦めてないぞ、この心臓が動いている限り、魂の脈動を感じている限り。オレは何度でもオマエを助けに行ってやるさ、王子様には程遠いけどな。」
この手を二度と離すものかと、強く抱き締めて神々の激流に相対する。
恐れるものなど何も無い。オレの願いは既に半分程度、成就しているのだから後は彼を別の世界線へ送り届けるだけで良い。
何処に行き付くかは物質神様と次元神様のみぞ知る、と云う奴だが一人きりで迷子になるよりかはマシな筈だ。リアンを救い、ライゼを導く……それさえ出来ればオレは。
――オレは……十分、幸せだったよ。
別れの挨拶なんて湿っぽいものは性に合わないと、全身で怒りを露にした二体の顔馴染みを睨み据えて決意を固める。此処が正念場で、きっと最後の戦いになるだろう。
意識は遠く最早、人の言葉も介せず理解出来なくなっていたが腕に籠めた想いだけは捨てぬ様に。母鳥が雛を護る態勢で彼に覆い被さる。
どうか、これ以上。彼を傷付けないでくれと祈りながら戦友の魂に己の生命力を捧げて、籠城戦に挑む。奴等が果てるのが先か、こちらの命が燃え尽きるのが先か。
どちらにせよ勝たねばならない戦である。真に仲間の幸福を願う、今のオレは誰にも負けない。貫き通した信念を早々に潰して、大事なものまで失くしてしまう訳にはいかないんだ。
『神様になんざ、くれてなるものかよ。天地開闢・弐之型――森羅万象。』
此処に最期の祝詞は紡がれる。気狂いの魔王が愛した理が白き魔人と眠り姫を中心に、二対の魔人が放った世界を喰らい始め浸食して行く。
世界は白き闇に包まれた。
氷獄の女王も暗黒星の騎士も、真表で終ぞ変貌してしまった魔人に圧され侵攻を止められてしまう。静止していた時が再び針を刻み、破壊された世界の罅が元通りに修復されていく。
ゆっくりと侵略される互いの理に苛立ちを噛み締めて、壮大な峰程の巨躯で我等の至宝を奪わんとする三つ首の魔犬に殺意を向けた。
彼の安寧を護り、希望に満ち溢れた未来へと導く者は本来、我々であった筈だ。だと云うのに、ヤツは私達の望みを壊して願望すら灰塵と帰す。
許す訳にはいかなかった、その大役を譲る訳にはいかなかった。故に戦う、全身の筋肉も神経も臓腑さえも食い破られようとも諦める訳にはいかない。
私達だって、彼を心の底から愛しているから。今はただ、還して欲しいし懐かしいあの頃に戻して欲しい。
我等の願いが成就すれば救われる未来を創れる筈なのだと信じ続けて、刃を振るう。千を超える憤怒の嵐はしかし、悉く厚い結界に弾かれ彼に指先一本ですら触れられぬ現実を見せ付ける。
煌くダイアモンドダストの中心で、徐々に拡大していく白銀の結界内部に構える巨大な魔物は、傷付いた身体を震撼させ威嚇の咆哮を天空に轟かせた。
濁流のような鮮血が噴き出すも気に留めず、尚も挑まんと向かう二対の魔人に抗い己が魂を燃料にして焼べて託す。
総ては友の希望を死守する為に、今は遠き楽園へ送り還す為に。三者共に譲れない戦は続く。
「ヂィッ! 私の、僕の……兄さんを、還せェーッ!!」
「抜け駆けはいけませんわ、例え貴方様が素敵な殿方だとしても。彼を奪い捕ろうなど、絶対に許しませんッ!!」
『…………グ、グッグッ』
嗤っている。三つの首から血の涙を垂れ流す魔犬は舞い吹雪く風花を身に受けて無数の傷痍を勲章とばかりに誇示しながら、唸り声を上げて嗤っていたのだ。
まるで人の身では、この結界を突破出来ぬぞとでも言いたいのか。随分と舐められたものだな、癇に障る。我等の『願い』がそれ程までに軟弱だと、吼え面を掻くのも大概にしろよ。
同じ魔人の一角如きが調子に乗るな、我々とて神域に足を踏み入れた者ぞ。こんな物も超えられない稚児だと思っていた訳ではあるまい。
打ち付ける連撃を弾き返されつつも双方共に策を講じて、数多の攻勢で層が破壊され最も薄くなった部分に互いの全力を込めた一撃を一点集中させる。上手く行けば神楯を破り、彼の元に手が届く算段だ。
どちらか一方でも内部に入れれば、気高き御身を救い出す手立てが見付かるだろう。氷獄の女王と暗黒星の騎士は数十メートル程、吹き飛ばされるも即座に立て直し乱れた息を整える。
深呼吸を二度、三度と繰り返し、最後に深く息を吸い込み止める。垂れた面は希望の園を見定めて、狙うは一点他に無し。
言葉に出さずとも魂魄で分かち合う二対の魔人は、結界の層に意識を集中させて残る全ての神力を渾身の一閃に籠めた。
外せば一環の終わり、当たったとしても突き破れるかどうかは不明瞭、だが決めなくてはならないと覚悟して互いに強く足を踏み込んだ。
衝撃に地面が轟音を立てて陥没し、魔人の走狗は地雷原を滑空する弾頭のように疾走して白銀の狼牙を屠らんと差し迫るが。
魔犬『ツェルベルス』は穏やかに笑った。彼等が警戒する事も無く、我が悲願の檻に飛び込んで来る。生命の迸りは残り五秒と持たない、どうやらその前に決着が着きそうだと安心して。
深手を負った体躯を鈍く地に凭れさせて抱える温もりを今一度、ひっそりと見やる。
氷獄の女王の加護であろうか。彼の致命傷は見る見る内に癒され出血も傷痕も無くなり、白く美しい柔肌に戻っていた。
しかし、やはりと言うべきか暗黒星の加護も籠められていて。彼の身体を朧げに這いずり回る茨が深々とその魂に食い込んで離れない。これでは恐らく完全には救出出来ぬだろう。
そう思い、最後の手段に出る。常に最悪の事態を想定して準備を整えて来て良かった、と自嘲を溢して魔犬は次の瞬間、訪れるであろう死を受け入れて意識を下ろした。
時は巡る。明けない夜は無い、沈まぬ太陽も……きっと、新たな世界に在ると信じて。
「これで、終わりに致しましょう!!」
「貴様を……殺すッ!! ザウアーッ!!」
炸裂する二振りの閃光を受けて神の盾に初めて罅が刻まれた。そこから力の限り捻じ込み、浸食された世界を奪取する。
凍土の爆撃に絶妙な切込みで合わさった黒炎の仙椎が渦を巻いて頑強な神楯を一枚ごと破壊し、消し破って行く。
荒れ狂う光芒を押し退けて突き進む。もう少し、後僅かに手を差し出せば彼の御身に届くと細やかな希望を見出した。その瞬間であった、魔犬の『願い』が形を成したのは……――。
「リアン、様……がはっ」
「兄さ……ッ」
心臓が止まる。時が止まる。総てが凍り付く。
世界は、新たに生まれ変わる。
――砂時計は、逆様に……。
【『LostHeaven―盲目のユメ―』第十章/了】
これにて大体の戦闘シーン終わりです!
苦手な戦闘描写が略、終わったので農園に行きますね。次回はネタバレ配慮も兼ねてちょっとしたシークレットが有ります(多分、予定です)。
違いとしましては公式原作様のアプデ追加イベント『モレナデートイベント』を経過したか否かの差分ですので、未だ見ていなくても楽しく御読み頂ける様に励みつつ書いて来ます!
一応、モレナデート見よう?(唐突な布教;)
それでは、今回も此処まで見て下さり有難うございました。また次回も気が向きましたら御楽しみ下さいませ~!
※誤字脱字、表現が変な所等。有りましたら後で時間が有る時にこっそり修正致します;