『LostHeaven―盲目のユメ―』フリーゲーム三次創作ファン小説/本編終盤のネタバレ・IFバッドエンド妄想含みます。   作:MEIKO

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※元の御話が好きで語彙力が消失しています。全体的に箇条書き且つ稚拙な文章力で申し訳ないです;
※物語の終盤以降等についてネタバレと妄想に因るifやキャラクター崩壊等が含まれてしまうかもしれませんので、先に深く御詫びを申し上げます。
※ザウアーさんがまた生き残ってしまう……最早、呪いでは;

◆もしも第二の『終末の日』、あの真っ赤に染まった世界でリアン様が外縁調査に出る事無く三百年から五百年程、新生世界統一国家『ヴェルンディア』にて生き続けたら……と云う妄想がお題となっております。

◆本編後半から終盤に掛けてのシーンは本当にしんどくて涙腺が緩みました。ライゼさん、こんな所を見せつけられて良く耐えられるなー、と思ってしまい。もしも精神的に耐えられずあの日、諦めてしまったら……。

◆この物語は公式見解では有りません。非公式のIF妄想ですので原作本編には含まれておりませんので悪しからず。
※此処までの諸注意コピペ同文です。以下本編。



『LostHeaven―盲目のユメ―』第二章

――知らなかったんだ、などと甘えた戯言を今更、誰が言えようか……今までずっと見て見ぬ振りをして来たと云うのに。

 

 今から三百年前、あの『終末の日』に世界の全てが焦土と化した。地表は捲れ上がり数多の活火山が歓喜の産声を奏でて、哀れにも選定を受けなかった人の世は唐突に終わりを告げた。

 その中で一つの小さな村も何も解らぬ内に、煉獄の渦に呑まれて辺り一面が綺麗に抉れて焼け野原となった。私は当時、外界調査で表に赴く筈であったのだが、ロスト化の兆しが診られる実弟を捨て置く事も出来ず。

 結局は侍女のクーシアに気遣わせてしまう形で彼女に任務を任せ、悲痛な面持ちを固めて冷たい聖櫃の中で眠り続けるエルメルディア皇女殿下を護る弟の身を何よりも優先してしまった。

 間もなくして調査から帰還した彼女の言伝で村の惨状を聞き入れ、愕然としたが何処か厚いベールで覆い隠されているかの様な口振りに実感が湧かず。私は唯、幽鬼の様に立ち尽くしながら耳に流す事しか出来なかった。

訊けば私の従者であった『カノジョ』も村での惨状を目の当たりにした様だが。憔悴仕切った顔を浮かべて足取りも重くフラフラと帰還した真間で以後、何一つ言葉を交わす事も無く普段通りの退屈で堕落した日常に戻り『カノジョ』の胸に去来した真意は掴めぬ様だ。

 

――そういえば、私は『カノジョ』の事を何と呼んでいたかな?

 

 ヴェルンディア王都の城内に入って奥に進むと、この王宮から東に逸れた樹海の果てに嘗て在ったとされる旧エリュシオン離宮を模して造られた庭園が哀しく華やいでいる。

暗雲が立ち込める宵闇に陰った中庭で一人、佇み虚しく鍛錬を積む哀れな少女。白銀の長髪を靡かせつつ、儚くも仄かに閃く月光の女神が振るう剣は無残にも激しい陽光に溶かされ。

惨めたらしく地に舞い散るイカロスの如き無力さと、己自身に対する無念が犇々と込められていた。私は此処で『カノジョ』の姿を見付ける度に、何故か胸を詰まされるのである。

 

「君の剣技は相も変わらず苛烈を極めるな。余り無理をしてまで振るうものでもない。見た所、手癖が目立つ……その真間では何れ御身を壊すぞ。」

「……。」

「私が君にこんな事を言える義理は無いのだが……否、私は何を口走っているのだろうな。まあ良い、君の気が済むまで戦い倦ねるが良いだろう。」

 

 声を掛けたのは単なる気の迷いだった。月の光に照らされて映える従者の剣舞が瞳を奪い、鮮烈に踊り狂う姿に惹かれ堪らず話し掛けてしまったのだ。

だが目前で神々しい勇姿を魅せる『カノジョ』は私の声には耳も貸さず、仄暗い双眸で直向きに虚空を切り続ける。あたかも機械仕掛けの人形の様に。

これでは到底、話にもならないだろうと肩を落とし。私はその場を後にしようと体を反転した。 その僅かな時間の隙間を縫い留めたかったのか、ふと今まで口を開く事が無かった『カノジョ』が初めて声を上げた。

虫の鳴声にも程遠い、夜風にそよいで伝わって来る小さな呼び掛けは噴水の音に紛れて消されてしまいそうな音色で。思わず去り際の足を止めて振り返ってしまう。

 

「……リ…………ン……。」

「何か、言ったか? 悪いが聞き取れなかったのだが。」

 

 中庭に寒々しくも森閑とした空気が満たされる。星の大海を切り取った天窓から緩やかに降り注ぐ月華に照らされた少女は、目が眩む程の美しさを醸しつつ今にも泣き出しそうな瞳で私を静かに見詰め返す。

 頬を伝う輝きは涙だろうか。思えば何度も泣かせてしまっていた気がするが、それも遠い昔。

脳裏に反芻する記憶は、どれも断片的で。継ぎ接ぎだらけの中から思い出される『カノジョ』との記録は物悲しい物ばかり遺っている。

苦しくて、辛くて、逃げ出したくなる様な表情をしている少女に、私は何も救いの手を差し伸べる事も出来ずに勝手な重責を背負わせて独りにしてしまった。

今更、謝罪を述べ連ねた所で許される訳でもない……そうと解ってはいるのに、私は未だに『カノジョ』を手放せないでいる。これもまた、惚れた弱みと云うものであろうな。

 

「何も無いのであらば、私は此処を去るぞ。明日の夜会では貴公も警護に出て貰うのだから、無理が祟らぬ内に訓練を引き上げ休まれよ。」

「…………。」

 

 返って来る応答は無かったが気にも留めず、早々と中庭を後にした。あの場所を髣髴とさせる見事な庭園は今や、私と少女にとって唯の懺悔室でしかない。

私は明日、少女を捨て置いて他の女性――それも嘗ての同志である『クーシア』と――と婚姻の儀式に臨む。

少女は未だに私の、心の奥底に眠っている青年の目覚めを待ち焦がれているようで。この場に居ると何とも居心地が悪く、息が詰まる。

 

 

 

――この世界は地獄の最果てか。

 

 

 

【『LostHeaven―盲目のユメ―』第二章/了】




 第二章『王族の不倫』をテーマに御送りさせて頂きました。少女漫画風のストーリーは難しくて執筆の際に、気恥ずかしくてむず痒くなりましたがリーンさんの名前についての伏線を拾いたくてこの様な形になりました。
 私はもう二週目リーンさんの料理が下手スキットを弄れない……尊い。

 第三章は遂にあの人が登場します!
 地獄の底から帰って来たあの男性キャラクターは果たしてライゼさんを救えるのか、乞う御期待しなくても構いません;
 宜しければまた次回も楽しく見て行って下さると幸いです。それでは、また次の章にて。

追記:すみません、メイド達の百合話を先に書いてしまいました;
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