日本国召喚 カルトアルパス改変   作:文月之筆

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読者の皆様、作者の文月之筆です。

アンケートについては本日の12時に締め切らせて頂きました。
投票してくださりありがとうございました。
アンケートの結果については、あとがきに書くことにします。

また今後に関しての重大な報告があります。こちらもあとがきに書いておりますので、どうかご覧ください。


第6話

グラ・バルカス海軍 戦艦グレードアトラスター

 

司令塔内に居たラクスタルは予想外の損害に驚いていた。異世界においてこれ程の損害が出たことは初めてであったが、決して引くつもりはない。

ラクスタルの元に報告が入る。

「故障した電子機器の内、艦内電話と無線機については直りましたが、レーダー測距儀の故障については修理できませんでした」

「そうか。レーダー測距儀から光学式測距儀に切り替えるように砲術長に伝えるんだ」

故障したレーダー測距儀からバックアップとして搭載されていた光学式測距儀に切り替える。正確性には劣るものの、夜では無いため大した問題にはならないだろう。

ラクスタルは考える。

「(幸いにも、対水上戦において脅威となるのはミリシアルの巡洋艦8隻位だ。イレギュラーである日本は対空戦においては脅威だろうが小口径の機関砲しか搭載していないので脅威にならないだろう)」

魚雷を搭載した船が存在しない事はカルトアルパスで停泊した時に確認済みだ。即ち自身の46cm砲に耐えられるように設計されたグレードアトラスターを沈める事は、カルトアルパスの戦力では不可能と言えるだろう。

一方で46cm砲の火力はグレードアトラスター以外の戦艦でも数発で撃沈できるほどの威力かある。最高でも巡洋艦クラスしかいないカルトアルパスの戦力ならば簡単に撃破できる。

部下から報告が入る。

「上空から多数の航空機やワイバーンが接近しています。数は計60程です」

「主砲に対空榴弾を装填しろ。対空砲座にも連絡しておくんだ」

再び航空攻撃に備えて準備を整える。対空砲座に砲弾と人員が集まり、主砲は近接信管付きの対空榴弾を装填していた。

「主砲、装填完了!」

「砲撃のタイミングは任せる。敵に目に物をみせてやれ」

主砲塔が動き、ゆっくりと目標へと向けられる。目標の未来位置へ向いた主砲は、しばらくの沈黙の後に巨大な火を吹く。

6発の対空榴弾は24騎のワイバーンと36機いるマリンへと向かっていく。それぞれが回避行動を取るが、回避が終わるより先に砲弾が炸裂する。

轟音と共に上空に黒い花が咲いた。それに巻き込まれたワイバーン8騎とマリン4機が海へと落ちていく。

「敵機、12機撃墜!」

そこそこの数を撃ち落とした。しかし、まだ残っている48機がグレードアトラスターへと向かっていく。

グレードアトラスターから見て右に28機、左に20機が接近している。ラクスタルはすかさず指示を出す。

「第3主砲塔を右舷へ向けろ!」

後部の第3主砲塔が接近している28機の編隊へと向けられる。射線から逃れようとするが、主砲の動きは編隊の未来予想地点へとしっかり向いていた。

「撃てっ!」

轟音と共に3発の弾が放たれる。今度の砲撃は避けきれずに8機が一度に撃墜される。

「8機撃墜!しかし残りがこちらへと方向転換して向かっています!」

20機の編隊が迫っていた。今度は高角砲が射撃を始める。

3連装の高角砲が発砲するがジグランド2の突入により射撃管制装置が破壊されていた為、命中精度がとても落ちていた。

一方の左舷の高角砲は、射撃管制装置が無事だったため命中精度はとてもよかった。

「左舷8機、右舷3機撃墜!対空砲が射撃を開始します!」

右から17機、左からは12機が迫っていた。左舷は射撃管制装置と対空砲が無事だが右舷はそうでは無い為、ラクスタルは心配していた。

両舷の甲板上に配置されていた対空砲が大量の砲弾を撃ち出す。曳光弾が空一帯を埋め尽くし、ワイバーンやマリンを撃ち落としていく。

左舷から来ていた敵は全滅した。しかし、右舷から来ていた編隊はマリン5機、ワイバーン2騎の7機が生き残っていた。

5機のマリンが機銃掃射を行いながら60kg爆弾2発を投下した。7.92mの銃弾が甲板上に降り注ぎ、いくつかの対空砲座にいた人員を死傷させていく。また、甲板上に命中した弾が甲高い音を立てて辺りに跳弾する。

マリンから投下された計10発の爆弾は海へと落ちていくものとグレードアトラスターへと落ちていくもの2つに分かれる。

3発の爆弾がグレードアトラスターの甲板上に命中した。60kg爆弾は分厚い装甲により貫徹することなく炸裂したため、艦自体にはダメージは少なかった。

しかし甲板上にある対空砲座は別だった。爆風により人員は薙ぎ払われ、砲身や防循などの部品が飛び散り散乱する。

「おい!しっかりしろ!」

ある1人の兵士が、近くに居た負傷した兵士に呼びかける。辺りは死傷者であふれかえっている。

「来たぞ!逃げろ!」

誰かが叫ぶ。2騎のワイバーンが放った導力火炎弾が迫ってくる。

1発は喫水線近くの舷側に命中し、塗料を焦がす。もう1発は無事だった対空砲座に命中し、その周囲を焼き払う。

火に包まれた対空砲座から砲手たちが転げ落ちていく。火が着いた兵士を無事な兵士が消そうとするが、粘性がある為になかなか消えない。

破壊された対空砲や死傷者に炎上している甲板に、怒号や悲鳴などの声が飛び交う。

右舷の甲板上では地獄の様な光景が広がっていた。

 

・・・・・・・・・・

 

臨時連合軍 神聖ミリシアル帝国 巡洋艦アルミス

 

艦長のニウムは魔信から入ってきた情報を聞いていた。合計60機にものぼる編隊の中で帰還できたのはマリン5機とワイバーン2騎のみであった。

また、グレードアトラスターには有効な打撃を与える事ができなかったそうだ。

艦隊司令のパテスが話す。

「やはり、航空機では戦艦は沈められないようだな……」

「ムーの巡洋艦を沈めた、敵の魚雷と言う兵器が在れば話は別でしょうね」

ニウムは撃沈されたムーの装甲巡洋艦を思い出す。あのような兵器がある事には驚いていたが、今では喉から手が出る程欲しいものだった。もし魚雷が在れば、先ほどの航空攻撃でもグレードアトラスターに有効な打撃を与えられただろう。

だが今は、無い物ねだりをしている場合では無い。グレードアトラスターと随伴の小型艦3隻を撃退する方法を考えるべきだ。

「8隻でグレードアトラスターへ集中砲火を行い戦闘力を削いでから、小型艦を撃沈しましょう。ただし小型艦に魚雷が搭載されている可能性も否定できないため、接近してきた場合は先に攻撃しましょう」

ニウムは艦隊司令のパテスに助言を行う。パテスはすんなりと受け入れた。

「そうだな。攻撃の切り替えに関しては10kmほどまで近づいて来たらにしよう」

「敵戦艦、海峡に突入しました!」

艦橋に見張り員から報告が入る。ニウムらは双眼鏡を手に取り海峡の方角を覗く。

「おぉ……」

ニウムは思わず声をあげる。煙突から黒煙を吐きながら接近してくるグレードアトラスターの姿が見える。

「現在の距離は?」

「およそ32km程です」

32kmという事は、もう既に敵の主砲の射程に入っているだろう。ミリシアルの誇るミスリル級魔導戦艦の主砲の射程は34kmであるため、それ以上の火砲を持つとされるグレードアトラスターの主砲の射程には入っているだろう。

一方のミリシアルの巡洋艦の主砲の射程は28kmだ。あともう少しで射程に入るが、それまでに攻撃を受ける可能性がある。

そのため艦橋内は主砲の射程に入るまで非常に居心地が悪かった。

 

・・・・・・・・・・

 

海上自衛隊 潜水艦せいりゅう

 

深度150mの海中に潜んでいた潜水艦せいりゅうの艦内では緊張がはしっていた。

「2隻の4軸推進の船が18ノットの速力でこちらへと接近しています。距離はおよそ12kmほどです」

ソナーマンの報告に木村は指示を出す。

「魚雷発射用意、89式魚雷をそれぞれ2発づつを発射せよ」

4本の魚雷発射管に海水を注水する。

「発射準備完了、いつでも発射できます」

「発射!」

4本の89式魚雷が発射される。海中を55ノットの速度で、重巡洋艦アルデバランと軽巡洋艦レグルスへと向かっていった。

5分ほどが経ち秒読みが始まる。

「命中まであと20、19、18、17……」

ソナーマンが秒読みを始める。木村を含めた全員がその声に注目していた。

「……5、4、3、2、1、全弾命中!」

爆発音などは聞こえなかったが全弾命中したそうだ。木村はほっとしていた。

「船体の軋む音を探知……。2隻とも沈没確定でしょう」

「良し。発射した4門の魚雷発射管へ89式魚雷を装填するんだ」

再び艦内が忙しくなる。

「魚雷装填完了」

「空母1隻に1本ずつ魚雷を発射せよ」

6本の魚雷が発射される。今度は空母を狙って発射されていった。

 

・・・・・・・・・・

 

グラ・バルカス海軍 旗艦ベテルギウス

 

ベテルギウスから発進した水上偵察機から報告が入る。

「司令、水上偵察機から報告です!先行していた2隻が雷撃を受けて沈没したそうです!なお周囲に水上艦艇が見当たらなかったことから潜水艦と思われるとのことです!」

「何っ!」

艦隊司令のアルカイドは驚く。情報局によるとこの世界には潜水艦を保有している国は無い筈だった。その情報が間違っていたことから、艦橋内は混乱の中に陥る。

アルカイドは周りを落ち着かせるように話し出す。

「落ち着け!我が帝国しか保有していないと考えていた潜水艦が敵も持っているのは驚いただろうが、冷静になって考えよう。

我が国が保有するソナーは3.3kmまで敵を探知することができる。潜水艦の魚雷の射程は長くても3km程だろうし、魚雷を命中させる為にはさらに接近する必要があるから気を付けて対応すれば何とかなるだろう」

グラ・バルカス海軍が運用する魚雷の射程はおおよそ3km程であり、ソナーを使えば雷撃を受ける前に探知して対応できるだろうと思われていた。

しかし日本の保有する89式魚雷は、55ノットで39kmもの射程を誇ると同時に誘導機能を備えている。それを彼らは知らなかった。またグラ・バルカス海軍のソナーでは、仮に艦艇の真下にまで近づいたとしても、そうりゅう型潜水艦を探知する事は不可能だろう。

ある程度ざわめきが弱まった時、アルカイドは指示を出す。

「空母には艦爆や艦攻を準備させるんだ。海上に怪しい影が在れば、攻撃を行うように伝えろ」

その指示はすぐに空母へと伝えられた。

 

ベテルギウスの主砲は東の方角に向いていた。効果は望めないだろうが、魚雷が来た時に砲撃を行って誤爆させたり進路を狂わせることを目的として準備していた。

その他にもすべての艦は見張りを増やし監視を強め、駆逐艦はソナーを作動させている。潜水艦に対する防御は完璧であった。

「空母から報告、航空隊の出撃にまで5分ほどかかるそうです」

6隻の空母の甲板上には多数の航空機が待機していた。いずれの機体には大小様々な爆弾が搭載されていた。

「見張り員、海上に異変は無いか?」

「はい。何も見当たりません」

アルカイドは順調に進んでいる事に、内心ほっとしていた。あと5分もすれば潜水艦は下手に手出しできなくなる。

安心しきっている中、大きな轟音がする。艦橋に居た全員がそちらを振り返る。

「嘘だろ!?」

6隻の空母すべてが巨大な水柱をあげていた。巨大な船体は大きく揺れていた。

「見張り員!不自然な航跡は見えなかったか!?」

「はい、魚雷と思われる航跡は見当たりませんでした!」

アルカイドは驚愕した。魚雷は普通、機関から排出される窒素が海面に出てくるために警戒さえしていればすぐに見つかるものだ。それが見えないのでは何処から攻撃してきたのかも判らない。

 

雷撃を受けた空母の損傷はとても大きなものだった。船底で炸裂した為に大量の海水が流れ込み、同時に火災なども発生する。

「空母マルカブ炎上!」

マルカブの甲板上に駐機されていた航空機が損傷して燃料が漏れだし引火する。その炎はあっと言う間に隣接していた航空機を飲み込み、甲板全体に延焼していた。

炎は甲板を焼くだけではなく格納庫にも流れ込む。格納庫の周囲にあった航空機用の燃料タンクにあるガソリンにも引火して、巨大な炎を発生させた。

「マルカブ爆発!」

甲板上にあった機体に搭載されている爆弾が長時間、炎に炙られて爆発する。この爆発がマルカブに致命的な損害を与えた。

マルカブの甲板上で巨大な爆発が連続して起きる。遅れて艦内にある格納庫からも爆発が起きた。爆発により飛行甲板は崩落して舷側に多数の破孔を開けていく。

浸水が増えて船体がどんどん沈んでいく。マルカブの沈むまでそう時間はかからないだろう。

マルカブ以外の空母もよく似た状態になっていた。いずれの船も炎上に爆発も起きていて甚大な被害が出ており、もはや空母としての機能どころか船としての機能を失うまで時間の問題となっていたのだ。

これによりグラ・バルカス海軍の空母打撃群の航空戦力は無力化され、残って機能しているのは戦艦1隻と駆逐艦2隻のみとなった。

 




いかがでしたでしょうか?

今後の事に関してですが、第3話等の修正を行おうと思いますので新規投稿は遅れるかのしれませんが、どうかご了承ください。

アンケートの結果に関しては、以下の通りになりました。
・小説のサブタイトルを新しく付けるべきかそうでないか。
付けるべき・・・・・・・・24票/45%
付けなくてもよい・・・・・29票/55%
よって新しいサブタイトルは付けない事になりました。
投票してくださった皆様、ありがとうございました。

誤字報告を行った下さった以下の方々にこの場を借りて感謝申し上げます。
ぴょんすけうさぎ 様
さとりの怪 様
GIOSU 様
誤字報告ありがとうございました。


小説のサブタイトルを新しく付けるべきかそうでないか。

  • 付けるべき
  • 付けなくてもよい
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