修正に時間が掛かった他、更新が遅れてしまい誠に申し訳ありません。
(修正に関しては活動報告を更新していますので、そちらをご覧ください)
では、どうぞご覧ください。
海上自衛隊 潜水艦こくりゅう
潜水艦こくりゅうは攻撃を行うのに最適な位置に居た。
「潜望鏡深度まであがりました。ハープーン対艦ミサイル、いつでも発射できます!」
報告を受けた艦長の秋吉は命令を下す。
「発射せよ!」
魚雷発射管に装填されているハープーン対艦ミサイルの入ったコンテナが3本射出された。目標は駆逐艦3隻である。
「残りの3本の魚雷発射管に装填している、89式魚雷を発射せよ!」
遅れて装填されていた3本の89式魚雷が発射される。これはグレードアトラスターが標的であった。
「ハープーンの装填されていた魚雷発射管に89式魚雷を装填!急げ!」
急いで乗組員たちは、何も装填されていない3本の魚雷発射管に89式魚雷を装填する。魚雷発射管内に注水される音が聞こえた。
「装填完了!いつでも発射できます!」
「良し、発射するんだ!」
5分ほど遅れて89式魚雷が発射される。3本の魚雷は先に発射された魚雷と同じ標的へと向かっていく。
「89式魚雷発射!……命中まで17分と30秒ほどです!」
これでやれる事は全て終わった。あとは祈る事しか彼らにはできなかった。
「(頼むぞ……。必ず間に合ってくれよ)」
艦長の秋吉は祈っていた。
・・・・・・・・・・
グラ・バルカス海軍 戦艦グレードアトラスター
先頭に立つ敵との距離が30kmになり、もうすぐ敵の砲の射程内に入る事になる。
「ラスクタル艦長、撃たないのですか?」
「ええ、まだ当たりませんよ」
司令塔内に居たシエリアがラクスタルに尋ねる。グレードアトラスターの主砲の射程は42kmもあるが、未だに撃たなかった事から尋ねたのだ。
「本艦は20km程の距離に入り次第、発砲しようと思います。敵もそれ程の距離になれば発砲するでしょう」
平然と答えるラクスタルに対して、シエリアは不安をぬぐい切れなかった。
一方のラクスタルも若干の不安を抱えていた。航空支援を行うための空母打撃群が後方に控えているのだが、攻撃を受けたため現在は航空隊を引き返して対応しているそうだ。
そんな中、報告が入る。
「艦長、左右から謎の飛翔体が……」
艦橋からの報告が止まる。
「大変です!駆逐艦3隻が爆発しました!」
「何っ!?」
ラクスタルを含めた司令塔内に居た全員が驚く。
「敵の砲撃か?」
「違います!先ほどの報告の途中の謎の飛翔体です!それが駆逐艦に命中しました!」
「何だって!?」
謎の飛翔体が駆逐艦3隻に命中して爆発したという報告にラクスタルはさらに驚く。
「それより、駆逐艦はどうなった?損傷は!?」
「駄目です!いずれも損傷が激しく、すぐに轟沈するでしょう」
短時間で駆逐艦3隻を失う程の損害が出ることにラクスタルは驚く。このような事は、前の世界でも起きることは無かった。
ラクスタルは考える。
「(この世界には魔法というよく分からない力がある。恐らくそれを利用した攻撃なのだろう)」
実際に航空機が謎の破壊光線を浴びて撃墜されたという報告があった事も、ラクスタルの考察を補強していた。
「(ここは引き返すべきか……)」
ラクスタルは作戦を中止して撤退するべきかどうか悩む。
「(いや、そうした場合だと更に追撃を受ける可能性が高い。ならば多少の損害が出たとしても、カルトアルパスに居る艦隊を叩いた方が良いだろう)」
決断は早かった。すぐさま指示を出す。
「針路そのまま。このまま本艦はカルトアルパスの艦隊を叩く!」
司令塔に居た全員が驚く。
「大丈夫なのですか!?引き返した方が良いのではないのですか?」
シエリアが尋ねる。ラクスタルは落ち着きのある声で諭すように話す。
「このまま引き返せば追撃を受ける可能性があります。ならば、攻撃を行ったであろうカルトアルパスの艦隊を撃破した方が被害は少ないでしょう」
全員が納得した表情を見せる。彼の命令はすぐに伝えられた。
グレードアトラスターは方向転換せずにカルトアルパスへと向かっていく。脅威となる敵を倒し生きて帰るためにも前進を続けた。
・・・・・・・・・・
海上保安庁 巡視船しきしま
「敵艦3隻爆発しました!」
船橋内に歓声が響く。皆何が起きたのかが分かったからだ。
「潜水艦が来たようですね」
「ああ。だが魚雷の命中までには、まだ時間がかかるぞ」
瀬戸が咎めるように話す。
先行するミリシアルの巡洋艦8隻が居るものの当てにはしにくい。相手が金剛型戦艦クラスならば何とかなるだろうが、相手は大和型戦艦に匹敵するグレードアトラスターである。
「グレードアトラスターの主砲塔が旋回しました!」
船橋内が緊張に包まれる。巨大な3連装主砲がミリシアルの巡洋艦に向く。
しかし発砲される様子はない。
「発砲しませんね」
その様子を見た副長が話す。
「30kmほど離れているからな。一応、射程内に入っているが確実に命中させる為に近づいているのだろう」
ミリシアルの巡洋艦8隻も全く発砲する様子が無い。ただし主砲はグレードアトラスターに向いていた。
伝説の戦艦と世界最強の艦隊の対峙する光景に各国の艦隊の乗組員たちは注目していた。それは当事者のミリシアルの乗組員やグラ・バルカスの乗組員も同様だった。
海峡内が静粛に包まれていた。チキンレースの様にどんどん近づいてくる。
双方の距離が20kmほどになった時、海峡に砲撃音が響く。
戦いの火蓋が切られた。
・・・・・・・・・・
神聖ミリシアル帝国 巡洋艦アルミス
先にグレードアトラスターの主砲が火を吹く。大きな爆音と共に前方の6門の主砲が煙を吐き出した。
「撃てっ!」
旗艦のアルミスの主砲が火を吹く。残り7隻の魔導巡洋艦も遅れて火を吹く。
合計32発の砲弾がグレードアトラスターに向かう。相手からは6発の砲弾が魔導巡洋艦へと向かってくる。
「回避行動!面舵一杯!」
旗艦に続き、残りの7隻も右へと舵を切る。一方の敵はそのまま直進したままだ。
先にグレードアトラスターの主砲弾が着弾する。魔導巡洋艦の位置から大きく離れていたが、着弾した所にできた大きな水柱にニウムらは驚く。
「後部主砲、撃て!」
艦が横になった時、後部の主砲も発砲する。16発の砲弾が放たれた。
少したって、弾着の秒読みを始める。
「弾着まで、3、2、1……。今!」
先に発砲した32発の砲弾が着弾する。しかし命中した弾は無かった。
「全弾外れ!続いて3、2、1……。こちらも外れ!」
「くっ、再装填急げ!」
ニウムは指示を出す。射撃指揮所にいる砲術長たちは弾着位置を確認し、砲の向きを修正する。
「発射準備完了!」
「撃て!」
再び魔導巡洋艦の主砲が火を吹く。同時に報告が入った。
「敵艦、副砲を発砲!」
グレードアトラスターの副砲が放たれる。だが先に、魔導巡洋艦の主砲弾が着弾した。
「本艦の主砲、敵を夾叉しました!」
艦橋内が湧く。夾叉ができた後は砲撃を続けるだけだ。遅れて大きな音がする。
「副砲着弾!前よりも正確です!」
弾着の位置が、主砲弾の弾着よりの時よりも少し正確になっていた。思わず焦りが出てくる。
十数回目の斉射時にそれは起きた。
「主砲弾1発命中!」
アルミスの艦内に歓声が上がる。アルミスの放った20cm砲の1発が第1主砲塔に命中したのだ。
「効いていないのか!?」
命中したにも関わらず、主砲塔は動いていた。
「敵艦、副砲発砲!」
見張り員の報告により歓声は消える。魔導巡洋艦たちは回避行動を取るが、その内の1発が魔導巡洋艦に命中した。
「スーズ被弾!」
スーズから黒い煙が昇る。左舷に15.5cm弾が命中したのだ。幸いにも装甲強化を行っていた為に損害は大きくなかった。
「主砲発砲!」
副砲に遅れてグレードアトラスターの主砲が火を吹く。46cmの砲弾が大きな弧を描きながら迫ってきた。
「装甲強化!総員衝撃に備えろ!」
ニウムは叫ぶ。大きな水柱が上がる。
「アーイン被弾!速力落ちています!」
46cm砲の主砲弾がアーインの船体に命中する。アーインの船体には巨大な破孔が開き、黒い煙がもくもくと昇っていた。
「くっ、よくもやりやがったな!」
艦隊司令のパテスは怒りを露わにする。一方で、魔導巡洋艦を一撃で大破させる程の威力に艦橋にいた全員は驚愕していた。
速力が大きく落ちたアーインは艦隊から落伍した。残りの7隻はその仇を取るように突き進む。
「撃てっ!」
7隻から42発の20cm砲弾が発射される。それらの内の3発がグレードアトラスターに命中した。
「どうだ!」
パテスは叫ぶ。グレードアトラスターの昼戦艦橋から煙が上がっていた。
2発は装甲の厚い場所に命中したため大したダメージにはならなかった。しかし1発が昼戦艦橋に命中し、中に居た乗組員の多くを死傷させる。
だが戦闘能力を失ったわけではない。グレードアトラスターは変わらずに、攻撃を行っていた。
「スーズ被弾、爆発!」
46cm砲弾が、後部にある第3主砲塔の真下に命中する。砲塔直下の弾薬庫で46cm砲弾が炸裂した為に、スーズは大爆発を起こした。
「スーズ航行不能、第3砲塔から後ろを喪失しています!」
スーズの被害の大きさにパテスは唖然としていた。艦長のニウムも驚かずにはいられなかった。
「副砲発砲!」
グレードアトラスターの副砲が放たれる。その内の1発が旗艦のアルミスに命中した。
「おおっ!?」
大きな衝撃が艦内を揺らす。艦首にある第2主砲塔に命中したが、装甲強化をしていた為に撃ち抜かれなかった。
「損害報告!」
「第2主砲塔に被弾!装甲強化を行っていた為、無事です!」
アルミスの乗組員たちは安心した。だが安心も束の間、グレードアトラスターの主砲が火を吹いた。
「くそっ!」
今度はアルミスの後ろを航行していた魔導巡洋艦の艦橋に直撃し、艦橋を吹き飛ばした。艦橋の無くなった魔導巡洋艦は艦隊から離れて迷走していく。
1隻、1隻とミリシアルの魔導巡洋艦は撃破されていく。魔導巡洋艦たちも必死に反撃してグレードアトラスターに損害を与えては居るものの、装甲の厚さから有効打にはならなかった。
最後に残ったのはアルミスだった。しかし無事では無く、後部の第3砲塔に主砲弾が命中し跡形もなく完璧に無くなっていた。
残った4門の主砲をグレードアトラスターに向ける。距離は10kmを切っていた。
「主砲、装填完了!」
「撃てっ!」
4門の主砲が火を吹く。遅れてグレードアトラスターの主砲も火を吹いた。
「総員衝撃に備えよ!」
艦内に居る全員が近くの物に掴まる。装甲強化が終わるよりも先に敵の砲弾は命中した。
「うおおおっ!」
艦全体が大きく揺れる。グレードアトラスターの主砲弾が2発命中したのだ。
1発は艦首に命中した後炸裂し、原型が無くなるほどに破壊した。残りの1発は機関室に命中したが、信管が不発だった為に炸裂せずに反対側から抜けていった。
アルミスは大きな被害を受けて機関が止まる。同時に艦内に海水がどんどんと入ってきて船体が少しづつ沈み始めていく。
「機関停止、浸水止まりません!」
報告を聞いたニウムは決断する。
「総員退艦!直ちにアルミスから脱出せよ!」
総員退艦命令を聞いた乗組員たちはアルミスから脱出を始める。乗組員たちは甲板からボートを降ろし、浮き輪などを海へ投げ込む。
幸いにもアルミスが沈むには時間が掛かった上、グレードアトラスターからの攻撃は止まっており、生存していた乗組員たちは全員脱出できた。
ミリシアルの魔導巡洋艦8隻はグレードアトラスターとの戦いに敗北し全滅した。
グレードアトラスターは残りの敵を倒すために進み続けた。
いかがでしたでしょうか?
次回の投稿についてですが、次回も執筆が大幅に遅れる可能性があります。
どうかご了承ください。
(そろそろ終わりが見えてきました。頑張って完結させます)
誤字報告を行ってくださいました以下の方々にこの場を借りて感謝申し上げます。
GIOSU 様
にしなさとる 様
さとりの怪 様
誤字報告ありがとうございました。
小説のサブタイトルを新しく付けるべきかそうでないか。
-
付けるべき
-
付けなくてもよい