海飛「なん・・・だと?」
前回ぼくの書き方が悪かったせいでそんな誤解をまねいてしまったようです。
基本はis作画です。。
さて今回ですがちーと長いです。
そしてシリアスでしゅ。人によってはシリアル。
作者がシリアス嫌いなのでしょうがない。本当は書きたくないけど千冬さんのこれからを思うと書いとかないといけないと思いました(小並感)
そんな作者が書いたので結構とばしとばしで書いてます。
もっと詰めて書いた方がいいかと思いましたが書きたくなくなった。
あとあと、今回の話温度差で風邪ひくかもしれません。ご注意ください。
それでは今回もよろしくお願いします
後はお若い子達でウフフと言って抜け出そうとした母と父に対し、母さんもまだまだ若いからここにいてと言い、その言葉に少し目を見開いた母が直ぐにふにゃっとした表情になり、あらやだ息子に告られちゃったわうふふーとほざきつつ2階に行き、父は父で母さんは俺のだぞ分かってんのかこの野郎息子でも許さんぞこの野郎と胸ぐら掴んできたので北斗百裂拳食らわせて、お前の拳じゃ死なんぞ!俺は……俺は、さらばだ海飛!と叫びながら2階に上がっていった。そんなわけで、僕は絶賛殺気を放っている2歳年下の少女(千冬)と5歳のお子様(一夏)の3人になりました。
馬鹿なの?
え?何?そんなに息子を殺したいの??愛してないの?
今野!そこに愛はあるんか!?誰が今野だ
俺の名前は大空海飛だ覚えておけこの野郎。
違うんだよそうじゃないんだよ。そんなことはどうでもいいんだ。
問題はこの状況をどうしたらいいのかってところなんだよ。
なんで俺を一人残して行ったんだよあの二人は。マジ信じられねぇ。それでも血のつながった親かよそうだよそういう親だよ。平気で人の本望を北斗伝承者になる途中で死ぬことにしてた親だよ。
だが俺は生き残ってやったぜ。おぬしたちの思い通りにはならぬよ。
話ずれてんだよこの野郎。あまりにも唐突な事が起きすぎて自分で自分のキャラが確立できてねぇんだよこの野郎。この野郎って言い過ぎなんだよこの野郎。
こんな事をほざいてても話は進まないしこの状況も変わらないんだよな。
それにいい加減殺気を放ってくるのをやめてほしい。縮んじゃう。ナニがとは言わないけど。
よーしここは2歳とは言え年上の俺がガツンと言ってやるゾ!
「おい……喉乾かないですか」
そうですアタスガがヘタレです。
だってしょうがないでしょ!?声かけた瞬間殺気強まるって何事?そんなに俺の事に悔いの?俺何かした?
「……別に」
「おのどかわいた~!」
対極の返答ありがとうございます!
ああ~ショタコンになるぅ^^
訳ねぇんだよなぁ
一夏のこの返答でだいぶ心に余裕はできましたありがとうございます。
てか何で君その隣にいてそんだけ呑気なの?慣れてるの?修羅なの?
おじさん……ここじゃまだ15だ。お兄さん心配になる。
齢5歳にして殺気になれる。そんな人生送りたいですか?僕ぁ勘弁願いたいね。
「麦茶しかないが出そう」
「わーい(*'▽')」
こんな素直な子供なら俺も大歓迎だぜ?
てか千冬さんや。一夏を心なしか自分の方へと寄せて行ってません?それじゃ麦茶も渡せないんですけど……
「ほれ、麦茶だ」
「ありがとー!」
「……」
一夏は元気にお礼を言って俺から麦茶を受け取る。そのまま先ほどまで母さんと座って(抱えられて)いたソファーへと向かう。
両手にコップを持ちながらんくんくと飲んでいるその光景はショタコンなら鼻血モノですな。
俺はショタコンじゃないから。
一夏はいいんだよ。問題は千冬さんですよ。
埒が明かない。あんまり言いたくないけど言うしかないね。
ああ~後で思い返したら恥死するんだろうなぁあああ嫌だなあああああ。
だがしなきゃ変わらないんだよ。どちらかが行動を起こさなきゃ何も始まらない。
「そんなに俺は信用できないか?」
「……」
ぴくりと眉が動くのが見て取れた。相も変わらず険しい表情をしているが少しだけ糸口が見えた気がする。
「何故、と言いたそうだな?答えは簡単だ。お前のその今にでも殺さんばかりの殺気せいだ」
「……私たちをどうするつもりだ」
「まぁ落ち着け。そんなに睨まれて殺気を浴びたらビビッて話もできやしねぇ。……あの二人にはお前らをどうこうするつもりなんざねーだろうよ。俺なんざ今知ったばかりだ。お前らはただの居候だ。少なくとも今のところはな。この先どうなるかはお前さんら次第だ。ok?」
「嫌だ」
屋良さん派かぁ
違うそうじゃない。なんで断ってん。今良いこと言ったよ俺。結構恥ずかしい思いしながら言ったよ。
「まさか拒否られるとは思わなんだな。しかも即答って」
「今まで私たちには敵しかいなかった。それなのにいきなり信じられると?」
ほほーん。敵しかいなかったねぇ。
敵ってのは何だろうな。本当の親か周りの大人か。それともこの世界か。
俺にとっちゃ全員味方だ。特定条件を除くがそれはおいておこう。
敵か、抽象的だな。具体的なのか?この場合。
分からんな。俺はこいつじゃない。
この世界でも前の世界でもこいつと同じような境遇にはただの一度もならなかった。なりたいとも思わんが、なりたくてなったわけでもなし。
第一、同じ境遇を体験してたとてこいつの気持ちはわからんよ。
ん?
……一夏の霊圧が消えた?!
ふと麦茶を飲んでいた一夏が異様におとなしいことに気づき目を向ける。
そこにはソファーに横になってすやすやと眠っている一夏の姿があった。
流石5歳児寝るのが仕事よな。
アイツはあんなにもリラックスしているのにな。ま、それはそれで危機感がないような気もするが。
既に母に抱きかかえられてるし家族だと思っているのかな。
本当に。全くもって本当に。
気を張り詰めすぎる姉と気が緩み過ぎている弟。
極端すぎるんだよ。
温かくなってきたとはいえ、まだ冷えるからな。俺は一夏が風邪をひかないように麦茶を机に置いてから、ソファーにかけてあったブランケットをかけてやる。
もぞもぞ動く一夏。頬が緩んでいらっしゃる。つられて俺も口端が上がっているのを感じる。これが父性か。
「その敵ってのはお前が勝手に仕立て上げてるんじゃないのか」
「なに?」
「所詮憶測だし、お前らに何があったかなんか知らねーし知りたくもない。だがこれだけは言える」
そこで一旦区切り千冬に向き直る。
「お前が、
「……なにが言いたい」
「一夏を守るのも、今日を生きていくのも全部うちの親に任せればいい。それをあの二人は望んでいる。」
「……………………私たちの何が分かるというんだ」
小さくか細い声で千冬がそう呟く。
悪いが聴力はいい方でね。しかもこれだけ静かな空間だ。聞き逃すほうが難しいってもんだよ。
私たちの何が……?しりゃしねーよ。何度も言っているがな。
だからこそもう一度はっきりと言っておこう。
「知らないし知りたくもない」
その言葉が良かろうと悪かろうとどうであれ、千冬の心に刺さったのは間違いないだろう。
きっと両親は同情したんだと思う。良く言って正義感が強い。悪く言ってしまえば偽善で周りから見れば変わり者だろう。
そんな同情はきっと誰しも最初は抱いてくれていただろう。だがそれも千冬自身が壊して行っている。千冬自身が離れさせている。
自分では気づいていないんだろうけれど。だからこそたちが悪い。
「海飛~ちょっと来てくれない?」
「あいよ~」
このまま居ても沈黙が続くだけだったので助かった。
その前に。
「今すぐ信用しろなんて言わない。お前のペースでいいんだよ」
言いながら麦茶を突き出す。しばらく差し出された麦茶を見つめていた千冬だったが、そっと手を出し受けった。
「それでいい、ここはもう千冬の家なんだ。変に遠慮なんざするなよ……あれ?矛盾してる?」
まいっか。
そそくさとその場を離れて2階へ行くとそこには血の海がありました。
「なんじゃこりゃああああああ」
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一夏が生まれてすぐの時に両親が離婚した。
父親は決していい人ではなかった。自分が嫌な事があれば母親でも物でもなんにでも当たり散らしていた。
もちろん娘である私でも。
私は目つきがいいとは言えない。だからだろうか、父親の暴力に合うのは私が多かった。
やめてと言ってもやめてくれない。どころか更に激しくなる。睨んでもいないのに反抗的な目だと言われ殴られたこともあった。
そんな生活が続いて私が8歳になる頃一夏が生まれた。
だがこれが原因で二人は離婚することになる。
なぜか?一夏の父親は母親の不倫相手の子だからだ。
父も勘づいていたのは間違いないが、あえて生まれるのを待ち決定的な証拠として慰謝料を請求したかったのだろう。
離婚が決まって私と一夏は一応母に引き取られることとなった。
父は暴力をふるう相手がいなくなることを嫌い私だけでも手元に置こうとしたが今までの事が響き結局私は母親についていくことになった。
そこで終わればよかったが、母親は不倫相手と共に私と一夏を置いて蒸発した。
産まれたばかりの一夏だけが残り私は途方に暮れた。
8歳ではあるが唯一の肉親である弟の一夏だけは守ろうと心に誓ったのだ。
この頃からだろうか、より目つきが悪くなったのは。
所詮8歳何かしてやることなんてなかった。
ただ、幸いなことに粉ミルクだけは置いてあった。
漢字はあまり読めなかったが絵を見てなんとなくの雰囲気を察しながら作った。
私はいい。
水を飲んでいればそれでお腹が膨れる。しかし一夏はそれじゃダメだ。
そんな生活が続いて遂に粉ミルクも底がついてしまった。
このままでは一夏が死んでしまう。
そう思った私は一夏を抱っこして外に出た。
外に出た瞬間激しい吐き気とめまいがした。
だが一夏を死なせるわけにはいかないと気合で歩いた。
そこからは意識が朦朧として自分でも歩けていたのが不思議なくらいだ。
一歩足を動かしてからの記憶はほとんどない。
気が付いたときには既に病院の中だった。
ちょうど看護師さんがいて私が目を覚ましたことに驚き直ぐに医者を呼びに行った。
私の健康状態を調べるのだろう。
看護師さんが言うには私は1週間近く眠っていたそうだ。
そんなことはどうでもいい。私の事はどうでもいい。それよりも一夏は!
「……ぁ……ぃ………」
声を出そうにもうまく出せない。
大丈夫なのかそれを聞きたいのに。
それを察したのか看護師さんが。
「あなたの連れていた弟君は今はぐっすり眠ってるわ。安心して元気いっぱいよ」
それを聞くとすごく安心してまた意識が遠のいていく。
その後はいろんなことがありすぎた。
親はどうしたとか今までどうやって生きていたのか。何を食べてどのくらい寝ていたのか。
親はいないし何も食べてない、しいて言うなら水を飲んでいた。ほとんど寝ていない。寝ている間に一夏が死んでしまうかもしれないから。
それを聞いた医者は怒りながらも優しく、看護師は涙を流しながら私を撫でていた。
その後は退院するのを待ち、退院後は児童養護施設に行くことになるらしい。
私はベつにどうでもよかった。一夏さえ生きていれば。
しかし、この考え方だったからこそ私はなじめなかったのかもしれない。
養護施設に来てからもどうも大人を信用できなかった。
一夏を触らせたくなかった。
施設の人にも牙をむいた。
最初は仕方ないとなんとかかまってくれていた人たちも時間がたつにつれて私に関わろうとしなくなっていった。
学校に行ってもずっと一夏の事を考えていた。遊びに誘われても断り続けていた。
そんなことをしていたら、友達なんてできなかった。
それでもよかった。一夏がいたから。
そのせいで一夏にも友達ができないでいることを私は気付きもせずに……気付こうともせずに思っていた。
この施設にはたまに里親になろうとしてくる人もいる。
大空夫婦に合ったのは12歳の時だ。
いつも通り学校から直ぐに帰って来た時の事、ちょうどこの夫婦が来ていた。
一瞬目が合ったが特に挨拶もせずに一夏の元に向かった。
13歳になり中学1年になっても特に変わらずな生活を送っていた。
だがある日そんな日常が終わりを迎える。
「千冬ちゃん、一夏君ちょっと来てくれるかな」
施設の人に呼ばれて、事務室であろうところに連れてこられた。
その中にはどこかで見覚えのある夫婦がいた。
不思議に思っていると
「初めまして、僕の名前は大空智也、こっちが妻の由利だ」
「大空由利です。よろしくね?」
簡潔だが自己紹介をしてきた。
私はだれも信用していない。故に自己紹介をされても私は何も話さない。
話してしまえば、名前を言ってしまえばそこからずるずると引きずり込まれてしまうから。
「おりむらいちかです!」
私がそんなことを思っていると隣の一夏が元気よく名前を言っていた。言ってしまっていた。
弟の一夏だけが名前を言って姉である私が言わないわけにはいかない。
これは一夏を守るためだと自分に言い聞かせながら
「……織斑千冬」
一夏と私が名前を言えば二人はニコニコとし始めた。
何だというのだ。
今の私はお世辞にもにこやかな顔はしていない。むしろ睨んでいるはず。
だというのに何故目の前の2人は笑っているのだ。
他の大人ならたじろいだり怒りだしたりし始めるのに……
「一夏君に千冬ちゃんね!ああ、ごめんね立たせたままで。座って座って」
男の方……智也だったか?が私たちに座るよう言ってくる。
一夏はタタタと椅子に向かって走って座る。
身内びいきと言われるかもしれないが今の一夏の行動が可愛くてしょうがない。
だからこそ、そんな可愛い一夏を私が守らなければならない。
私は一夏の隣に座り相も変わらずニコニコしてる大空夫婦を見る。
「いやーはっはっは、そんなに見つめられたら照れて話もでき南斗聖拳!!」
何事!?
よく見れば由利と言っていた人の拳が脇腹に突き刺さっている。
えぇ(困惑)
「あらあら貴方ったら私の前でこんな少女にデレデレしちゃってぇ、よほど死にたいようね?」
「待つんだマイハニー!違うぞ!決してデレデレしてたわけではない!」
「あら?そうなの?私には少女からにらまれて興奮しているように見えましたが」
「確かに若干興奮しタトバ!」
なんだ?何をやっているんだ?私は何を見せられているんだ?
見ろ。施設長も苦笑いしてるじゃないか。
はッ!一夏!こんなもの一夏に見せられない!
もう手遅れかもしれないがそれでも!
私は一夏の目と耳を塞ごうと向くと、とても楽しそうに笑っている姿がそこにあった。
その笑顔を見て私は思った。一夏の笑顔を見たのはいつぶりだろうかと。
「……君は今までたくさん辛い目に合ってきたんだろう。私にはそれがどんな事か聞くことはできるが体験することはできない。したくもない。」
先まで蹲っていた智也が話しかける。
今まで掛けられた言葉と似ているが決定的に違っている言葉を。
「だからこそ大人を……周りにいるすべての人を信じることができなくなっていしまっている。気付いているかな?君は自分が守ろうとしている一夏君すら信じていないことに。信じれていないことに。そして何より、自分の事すら信じれていない事に。……その表情を見るに気付いていなかったようだね。」
この人は何と言った?大人を信じていない?当たり前だ。周りにいるすべての人?当たり前だ。私は今まで、本当の意味で最後まで助けてくれた人なんていなかった。たとえそれが私に原因があるとしても。
それはすんなり聞き入れることができる。だが、私が一夏を信じていない?信じれていないだと?
言うに事欠いて自分の事すら信じられていないだと!?
「僕はね?結構人の心を読むのが得意なんだよ。そういう仕事をしていたからね。だから、だからこそわかるんだよ。今の君たちには、特に千冬ちゃんには少しでもその身を預けることのできる大人が必要だ。直ぐに信用しろなんてもちろん言わないし言えない。
家にはね今年15になる息子がいるんだ。この息子がね反抗期ですぐ父さんに向かって暴力を振るってくるんだよ。おっと……暴力とは言ったけどこれはコミュニケーションなんだよ。実際僕自身がそうなるように仕向けたりもしているし。」
この人の一言一言が私にとってすべて信じられないものだ。
心を読むのが仕事?だからこそ私に頼れる大人が必要?私を苦しめた暴力がコミュニケーション?
ふざけているか!そう叫びたくなる。
だがそれができなかった。
私はこの部屋に入ってきてからずっとこの二人の隙を伺っていた。
少しでも一夏に不利益になるのなら、その時はと思っていた。だが、異様なほどにこの二人には隙が無かった。
何だというのだ。
「それに、きっと私たちの隙を伺ってもしもがあれば実力行使も視野に入れていたでしょ?きつい言い方するけど。それは君が嫌っているただの暴力と何が違うのかな?」
全てを見透かされている気がした。
否、見透かされてるのだろう。
「だからね、家に来なさい。既に私たちは君たちを迎え入れる準備ができている。」
まだ、信じたわけではない。
だがチラッと隣を見れば一夏がニコニコとしている。
一夏に笑顔が戻るのであれば、私は……。
こうして私と一夏は大空家に養子として入ることになった。
「あ、しまったまだ部屋片づけて終わってない」
「そうでしたね。まぁ、海飛が帰ってきたら手伝ってもらいましょ」
私は今大空家に来ている。
今日からここが私と一夏の住む場所になるらしい。
豪邸ではないが決して貧乏と言う訳でもなさそうだ。
……私が言えることではないがな。
「ささ、入ってくれ!まずはリビングに行こうか」
「そうね!そうだ喉乾いてない?」
「……いえ」
どうも私は明るいのが苦手らしい。
今までそんな生活をしてきていないせいなのだろうか。
ただ私が毛嫌いしているだけなのだろうか。
「一夏くーんこっちおいでー」
リビングに行くやいなやソファーに座り一夏を呼ぶ由利さん。
一夏はニコニコしながら由利さんの元に向かっていく。
一夏を抱き上げて膝に座らせた由利さんはすごくいい笑顔をしていた。
「ああー懐かしいわー。海飛もこんな時期があったのよねー」
「そうだな、今やろうとすればもれなく潰れそうだな」
それもそうね!と言いながら二人して笑いあっている。
今日からここが私たちの家。この人たちが私たちの親。
まだ信じるわけにはいかない。
信じてしまったが最後裏切られたらもう、立ち直れないから。
その後しばらく二人からいろいろ話を聞いた。
私はコミュニケーションをとるのがあまり上手じゃないため、「はぁ」と「そうですか」としか答えれていなかった。
それでも二人は嬉しそうに話しかけてきていた。
しばらくすると
「ただいまー」
私の知らない人の声。
きっとさっき言っていた海飛と言う人だろう。
2人は今の声が聞こえていないのかそのまま話かけ続けていた。
廊下の方を見れば男の人が立っていた。その人はふっと笑みを浮かべまた玄関の方へと向かっていった。
一体何なのだろう。そう思っていると。
「ちょっと失礼」
智也さんは言うとすたすたと追いかけていった。
どうしたのだろうか?
気にならないと言えばうそになる。
コミュニケーションで実の父親に暴力を振るうような男だ。
それがいつ自分や一夏に向くかわからない。
「何卒それだけは……orz」
この家はおかしい。
何をすれば今の発言が出てくるのかが全く分からない。
私の緊張を返せ。
先ほどまでと同じニコニコ顔の智也さんと不承不承と言った顔の息子だと思われる奴が帰ってきた。
んん、隙を見せるわけにはいかない。この二人もそうだが話を聞く限りこいつは一番注意しなければならなそうだ。
智也さんが座りふと真剣な表情になり
「さて、海飛この子達はね今日から
「Y」
「せめてWとHを付けなさい」
もうやだこの家。
私の覚悟どこにやろうというのか。
もしかして私の警戒を解こうとしている?
こんな事で解くわけが無かろう!今までこうやって生きてきたんだ。
「まぁ、深い事情があってな。正直父さんも全てを理解しているわけではないが、正式な手続きもしてこの子たちはうちの子になった。」
「海飛は2人よりも年が上だから一番上のお兄ちゃんね。」
2個上……ああ、そう言えば15になる息子がいるとか言っていたな。
思い返せば年の近い、それも男と同じ屋根の下で暮らすことになるのか。
まぁ、生憎と私は愛想がいい方ではないからそんな心配はいらないだろう。
「この娘が織斑千冬ちゃん、この子が織斑一夏君だ。で、今日から二人も大空性になる」
「千冬ちゃんがあんたより2つ下の13歳、一夏ちゃんが5歳よ」
「千冬ちゃん、一夏君、今日から君たちの兄になる海飛だ。まだ呆けているようだがそのうち戻ってくるだろう。」
呆けている?私からしてみればこちらを試すかのような警戒しているかのような視線を感じる。
やはりこいつは危険だ。
だが、一応紹介された手前何も行動を起こさないのもまたよくないだろう。
一挙手一投見逃さないようにしながら軽く頭を下げる。
「よろしく~」
かわいい。
やはり一夏は可愛い。守らねば。
そんなことを考えていると由利さんが
「後はお若い子達でウフフ」
と言いつつリビングから出ていこうとする。
うそでしょ?おかしくない?
流石にこればかりは許容できなかったため一声かけようとしたが海飛と言うここの息子が。
「母さんもまだまだ若いからここにいて」
これにはさしもの私もナイスと言わざるを得なかった。
由利さんもこの言葉には驚いたようで目を見開いていた。だが直ぐにふにゃっとした顔になり
「あらやだ息子に告られちゃったわうふふー」
とだけ残しリビングを出て行ってしまった。
いや出て行っちゃうのかよ。
私が呆然としていれば
「母さんは俺のだぞ分かってんのかこの野郎息子でも許さんぞこの野郎」
騒がしい。見れば智也さんが海飛の胸ぐらをつかんでいた。
あれ?あなた暴力ふるうんですか?話が違いますよ?
やっぱり大人なんて信用するべきじゃない。ここにも付いてくるべきじゃなかったんだと少しばかり後悔していた。
だが、そのまま見ていれば海飛がものすごい速さで両腕を振りかぶり父親を殴っている姿が目に入ってきた。
えぇ(唖然)
流石の私もこればかりは唖然とすることを禁じえなかった。
「お前の拳じゃ死なんぞ!俺は……俺は、さらばだ海飛!」
死ぬんですか?
それに結局あなたも私たちを置いてここから出て行ってしまうんですか?
どうしろと?
あの二人ならまだ何とかなる。しかし目の前の男に至ってはたった今お互いの事を知ったばかりだ。
私はコミュニケーション能力はないと言って過言ではない。
それにこいつは父親に暴力を振るっていた。
その父親本人が言うにはコミュニケーションらしいが私は認めない。
「おい……」
急に声をかけられて思わず睨みを強めてしまう。
「喉乾かないですか」
だんだんと声が小さくなっていく。
やはりにらみを利かせたおかげか?
信用ならないとはいえ一応は家族になる存在だ、無視するのはよくないだろう。
「……別に」
警戒しつつ私は答える
「おのどかわいた~!」
かわいい。(ブロリー)
一夏は普通にお茶を貰いソファーに行って両手でコップを持ち飲んでいる。
こいつさえいなければずっと眺めていたい光景だが、いつ私たちに襲い掛かるかわからない。
じっと見ていると
「そんなに俺は信用できないか?」
何?
「何故、と言いたそうだな?答えは簡単だ。お前のその今にでも殺さんばかりの殺気せいだ」
「……私たちをどうするつもりだ」
「まぁ落ち着け。そんなに睨まれて殺気を浴びたらビビッて話もできやしねぇ。……あの二人にはお前らをどうこうするつもりなんざねーだろうよ。俺なんざ今知ったばかりだ。お前らはただの居候だ。少なくとも今のところはな。この先どうなるかはお前さんら次第だ。ok?」
「嫌だ」
そう、こんな私たちを養子に迎えてなんになる?
ただただ不憫に思えて助けたのか?
だとしたら偽善だ。
虫唾が走る。
「まさか拒否られるとは思わなんだな。しかも即答って」
「今まで私たちには敵しかいなかった。それなのにいきなり信じられると?」
そういえば、何か心得たとでも言わんばかりの顔をした。
親子そろって心を読むことでもできるのであろうか?私自身ですら気付かない心を。
しばらくお互いの目を見ていれば急にきょろきょろとし始めた。
そして一点にその視線が止まる。
そこには先ほどまでお茶を飲んでいた一夏が眠っていた。
その一夏に近づきソファーにかかっていたブランケットをかぶせていた。
一夏は気持ちよさそうにもぞもぞ動いている。今すぐにでも頭を撫でまわしたい。
「その敵ってのはお前が勝手に仕立て上げてるんじゃないのか」
「なに?」
人が一夏の事を撫でまわしたくなっているときに話しかけないでほしい。聞き逃してしまった。
「所詮憶測だし、お前らに何があったかなんか知らねーし知りたくもない。だがこれだけは言える」
そこで区切り私の方に向き直り
「お前が、
「……なにが言いたい」
「一夏を守るのも、今日を生きていくのも全部うちの親に任せればいい。それをあの二人は望んでいる。」
「……………………私たちの何が分かるというんだ」
知ったような口を利く。こいつもあの二人も。全部を見てきたかのように。
それができれば苦労はしない。
何もわからないくせに
「知らないし知りたくもない」
……その言葉はひどく私の心に刺さる。
他の大人は最初は同情した。何があったのか聞いてきた。知りたがっていた。
知って、あるものは怒り、あるものは泣き。あるものは両方で。
その中でも全員に言えるのが同情だった。
みな同情した。
だがこの男はどうだ。
自分の家に急に家族ができると言われ、その相手には睨まれている。
普通なら嫌な顔の一つや二つするものだろう。
どうしてここに来るのか知りたくなるものだろう?
それらすべて何も聞いてこない、聴こうとしないこの男。
私は興味をひかれた。
決して信頼したわけではない。
だが……
「海飛~ちょっと来てくれない?」
「あいよ~」
由利さんが呼び、返事をする。
「今すぐ信用しろなんて言わない。お前のペースでいいんだよ」
さっき受け取らなかったお茶を再度私に突き付けながら私に語り掛けてくる。
今度こそ私はそれを受け取る。
「それでいい、ここはもう千冬の家なんだ。変に遠慮なんざするなよ……あれ?矛盾してる?」
ああ、矛盾している。
すぐに信用しなくていいなんて言っておきながら遠慮するなという。
どうしてくれようか。
何故だか無性にこの男の一言一言がきになってしょうがない。
次は何を言うのだろうか。
「なんじゃこりゃああああああ」
この家おかしい(再確認)
「……ふふ、おかしな家のおかしな夫婦に」
一息ついて
「私のおかしなお兄ちゃん」
私が今どんな顔をしているかは分からない。
けれどきっと険しい顔はしていないだろう。それは自信を持って言える。
織斑千冬は気付いていない。大空夫妻に出会ってから既に心を開きつつあることに。
織斑千冬は気付いていない。表情こそ変わらないが内側が既に変わっていることに。
大空千冬は気付いていく。 この家族のおかげで幸せな家庭にで自分と一夏に笑顔が増えていくことに。
大空智也 海飛の父
大空由利 海飛の母