日ノ本 江戸城
天下泰平を成し遂げた日ノ本の中心地
江戸城の天守閣にて一人の男が自身が築き上げた国を眺めていた
「うむ・・・今日も平和だな」
黄色のフード付きの戦装束を身にまとう鍛え抜かれた肉体を持つこの男こそ、天下人徳川家康
天下分け目決戦の地関ヶ原にて石田三成率いる西軍を打ち倒し、日ノ本の天下泰平を掴み取った若き英雄である
「天下泰平、長かった夢が遂に叶ったのだな」
家康は目を閉じると今まであった事がまるで昨日のようにと思い出していた
今川家に人質として過ごした数年
尾張の戦国大名織田信長によって今川義元が討ち取られ、織田と同盟を結び晴れて戦国大名の一勢力として名を上げた
しかし織田信長は家臣明智光秀の謀反により本能寺に消えた
その信長の後を継ぐ様に謀反を起こした明智光秀を討ち取り、力の名の下に天下を手にしようとした覇王・豊臣秀吉に臣従するがそれに抗い自らの拳を持ってして豊臣秀吉を討ち取った
「三成・・・」
豊臣に臣従していた時代、家康にとって無二の親友であった石田三成
秀吉の左腕にして、秀吉亡きあとの天下分け目の戦時に西軍の大将として関ヶ原にて主の仇である徳川家康と最後の戦いに挑んだ男
「多くの絆を得るために、ワシは一つの絆を手放した・・・」
今でも思い出すあの時の光景
友だった男の亡骸の前でフードを被り、後悔し、一人泣いていたあの時の夕暮れの景色を未だに忘れずにいた
「・・・」
家臣1「家康様、お忙しい中失礼致します」
「む、どうかしたか?」
家臣2「実は、城門前にて見知らぬ輩が家康様にお会いしたいと申しており、会うまでは退けぬと申しているのです」
「ワシにか?一体どんな人物だ?」
家臣1「それが全身を覆い隠す様な姿で、顔も隠しておりどのようなかは・・・ただ、お声から判断するに女子かと思われます」
「ふむ・・・わかった。ワシが直接会って話をしてみよう」
家臣1「い、家康様。今やあなたは日ノ本をおまとめになる天下人にございます、万が一にもなにかあっては」
「問題はない。それに1体1で話す訳ではないんだ、お前達が傍に居てくれるならこれほど心強い事はないさ」
家臣3「家康様、ありがとうございます。しかし一応の為にと忠勝様にもご同行をお願い致しました」
「ははは、そうか。忠勝も加わり皆がいるならばもはや怖い物なしだな、よしでは早速会いに行こう」
数人の家臣達と共に天守閣を後にして城門へと向かう家康
(しかし、このワシに直々に話がしたいとはなんだろうか?話では女子かもと言っていたが・・・うーむ雑賀孫市との契約は終わっているし、鶴姫殿は西海に戻った、上杉の忍が堂々と城門に来るはずもないしなぁ)
思い当たりそうな女性を頭の中で予想してみたがどれも今回の来訪者に当てはまる様な人物がおらずさらに悩む家康
そして悩みながらも城門にたどり着くとそこには数名の兵と本多忠勝が謎の来訪者の前で警戒態勢に入っていた
「皆、城門の番ご苦労!」
「「「はっ!」」」
「・・・!」
「あぁ、忠勝も待たせて悪かった」
「・・・・・・」
「うむ、ではあの者がそうか」
家康が視線を戻すとそこには分厚いローブで身を包み、顔もフードを深々と被っており顔が見えない
しかし、見た目は随分小柄で子供のようにしか見えない
「さて、遅くなって済まなかった」
?「・・・あなたが東照大権現「徳川家康」ですね?」
「だ、大権現か。そんな大袈裟な神号で呼ばれてたっけかなそう言えば・・・左様ワシが徳川家当主、徳川家康だ。してそなたは一体何者だ?」
?「申し訳ございません。あまり細かく話す暇がありません」
少女は懐から銅鏡らしきものを取り出し、それを家康に向けた
(な、なんだあれは?鏡?)
「天下人徳川家康、どうか運命を変えてください。同じ異なる“日ノ本の外史”をひたむきに歩んだあなたの力で」
その言葉と共に鏡から眩い光が広がり、家康を飲み込もうとした
「・・・!!!!?」
「た、忠勝!?う、うわぁぁぁ!!!」
徳川兵「い、家康様!?忠勝様!?」
忠勝が家康の前に立ち、庇おうとしたが光は関係なく2人を飲み込んでしまった
徳川兵「い、家康様と忠勝様が、消えてしまった!?」
光が消失し、そこには主の姿は無く、少女も姿を消してしまった
江戸城にいる家臣、兵達は急ぎ江戸中を探したが2人の姿を見つける事は出来なかった