ルビサファリメイクが決定したことでテンションアップ! ということで、暇を利用して更新した次第でございます!
とりあえず、ルビサファリメイクおめでとう。リメイクを見越してXYを買わなかった俺は勝ち組!(意味不明)
それでは、久しぶりの最新話、よろしくおねがいします。
カナタの肉体に物理的なダメージが加えられてから一夜明けた、晴れの日の朝。
カナタ達四人はナギの家で朝食を摂っていた。木製のテーブルを四人で囲んでの朝食で、メニューとしてはサラダにフランクフルトに牛乳というとても簡単なもの。因みに、製作者はナギさんです。
ツツジと並ぶ形でテーブルに向かって座っているアスナはキャベツをもっきゅもっきゅと咀嚼し、
「それで、これからどうするの? アタシはツツジさんに無理やり連れて来られた立場だから、別に要望とかはないんですけど……」
「そうだなぁ……とりあえずはマグマ団のアジトを捜すかな。ユウキを早く助けなきゃだし、アイツ等の暴挙を止めなきゃだし……」
アスナの問いに答え、カナタは牛乳を一口飲んだ。
通常だったらヒワマキシティジムでナギとジム戦をするのだろうが、今は事情が事情、人命最優先というような状況だ。ホウエンリーグ開催まであまり時間は残されていないのだが、まぁそこには無理やりにでも目を瞑らなければなるまい。幼馴染みの命と天秤にかけるほどの物でもないし。
と、そこで、カナタとアスナは気づいた――いや、気づいてしまった。
彼らの隣にいるエロジムリーダーコンビが朝早くの時間から――
「あむっ、はむっ、んふぅっ……」
「ちゅっぱ、んぅっ、ほむぅっ……」
――フランクフルトをなんともエロティックに食している、という光景を。
予想外――というか地味に予想通り過ぎた光景に二人は静かに溜め息を吐き、
「「いい年した大人が食べ物で遊ばない!」」
自身の仕事を全うした。
☆☆☆
朝のヒワマキシティにハリセンとツッコミの音が響き渡った後、四人は一二〇番道路へとやってきていた。
夜中に降り続いていた雨が上がったことで地面には多くの水溜りが形成されていて、その水面に映る青空がなんとも言えない美しさを醸し出していた。実はこの一二〇番道路、ホウエン地方の絶景十選にも選ばれているのだが、それについてはまたの機会に。
頭の天辺に巨大なタンコブを装備したナギとツツジは疲れたように重い足取りで歩を進める。
「えぇい……そろそろ脳細胞が死滅してしまうかもしれん……」
「わたくしよりも
「いやいや、私が君よりもバカだなんて有り得る訳が無かろう。
「いやいや、わたくしはトレーナーズスクールの講師なのですわよ? それほどまでに有能で優秀なわたくしがバトルジャンキーのナギに頭脳で負ける訳がないでございましょう?」
「ハッ! 頭脳でしか物事を騙れないなんて悲しい奴だな」
「強さでしか物事を騙れないバカに言われたくはないですわね」
「「…………ッ!(メンチの切り合い)」」
…………何でこの人たちは五分おきぐらいに喧嘩を勃発させるのだろうか?
ヤンキーのガンの付け合いのように睨みを利かせるジムリーダーコンビ。正直言って折角の美貌が台無しになってしまっている状況なのだが、どうする事も出来ないアスナとカナタは疲れたように溜め息を吐くのみ。この二人の喧嘩を止める方法なんてあるの? というのがココ二日間での悩みだったりします。
あまりの気迫にボールの中のポケモンたちが脅える中、カナタは場の空気を変えるためにこう提案した。
「そ、それじゃあ、どっちが本当のバカなのかを決める対決をこの場で開催したいと思います!」
「わ、わー、ぱちぱちぱちー!」
「「は?」」
何言ってんだコイツ、という視線なんかに俺は屈しない!
「ルールは至って簡単! 俺が出した問題にお二人さんが答え、その答えからアスナがどちらが本当のバカなのかを判定するだけというもの! 勝者には特別に、今日一日俺を自由にする権利を与えます!」
「…………ほぅ? 勿論、エロ目的でも良いのだろう?」
「か、カナタさんを、一日自由に!? がふっ、はふっ! は、鼻血が……っ!」
この人たちは本当に駆逐されるべきだと俺は思います。
とてつもない程に残念な二人に全力でガッカリしてしまうカナタさん。アスナはアスナで苦笑いを浮かべている。実はこの二人がホウエン屈指の女性ジムリーダーコンビな訳だが、その事実を直視できる程カナタのメンタルは強くはない。というか、マジでこの地方大丈夫か?
やけにやる気な二人に威圧されつつも、カナタは渾身の問題を提示する。
「それでは問題! 『《かたくなる》《みだれづき》《しおふき》。この三つから連想されるものを答えよ!』」
ぶっちゃけた話、この問題の答えは《ポケモンの技》である。呆気ない答えだと思われるかもしれないが、カナタは別に頭が良い訳ではないので、このレベルの問題しか出す事が出来ない。
しかし。
この三つの技を選択したのには大きな理由がある。――というか、深く考える訳もなく彼女等二人が提示する答えは一つだろう。それについてはアスナも想像できているらしく、仄かに顔を赤くしてもじもじとしてしまっている。何だあの可愛い生き物は。
そして。
カナタが出した問題に一瞬で明るい表情を見せ、ナギとツツジは自信満々に自らの答えを提示した。
「「セ〇クス!」」
「どっちも本当のバカですというか躊躇わないっておかしいし少しは自重してぇえええええええええええっ!」
☆☆☆
優勝者は無し及びナギとツツジはどっちもバカ、という結果でバトルが幕を閉じた後、四人は一二〇番道路の吊り橋にまでやってきていた。
――――そう、やってきたのだが……
「おぉ? この湖に沈んでいる丸石は見事な球体だなぁ……っ! まさかこんな所に素晴らしい出会いがあるとは……ホウエン地方万歳!」
「帰ろう、ナギ。あの人は危険すぎる」
「か、カナタ? どうしてそんなに冷たい表情をしているんだ……?」
☆☆☆
石マニアもとい石キチなダイゴさんと再会しました。
過去にムロの洞窟でナギに石造りのバ〇ブを提供するという罪を犯しているダイゴに警戒心を向けるカナタに冷や汗をかきながら、ナギは一応の上司であるダイゴに話を振った。
「こんなところで再会するなんて、偶然とは凄いものだな」
「まぁ、偶然なんかじゃないんだけどね。僕はそこの君に用があってここまで来たんだ」
そう言ってダイゴが視線を向けるのは、このグループの事実上のリーダーであるカナタだった。
にっこりと笑いかけるダイゴにカナタは露骨に嫌そうな顔を向け、
「帰れ」
「あはは。君のその石のような頑固さ、僕は嫌いじゃないよ」
「アンタが絡むと碌な事がねえんだよ! どうせまたナギに卑猥なグッズをプレゼントする気なんだろ!?」
「とんでもない! 今日の僕は至って真面目なプレゼントを持ってきただけだよ!」
信用ならねえ、と思ったカナタを誰が責められようか。
おとぎ話における狼少年のような立場になってしまっているダイゴはカナタからの訝しげな視線に苦笑いを浮かべながらも、バッグから無骨なものを取り出した。
それは、暗視ゴーグルのような形をしたメガネだった。
ダイゴはその謎のメガネをカナタに差し出し、
「この道具の名は“デボンスコープ”。僕の父さんの会社の新製品なんだ。確か、見えないものを見えるようにする道具、だったかな。使いようによっては逆の効果も引き出せるみたいだけどね」
「逆の効果?」
カナタのその問いダイゴは「うん」と笑顔で相槌を打ち、
「女性の石のように硬い衣服のガードを通り抜け、生身の裸を見る事が出来るらしいんだ」
「親子揃ってバカじゃねえの!?」
ダイゴとツワブキ社長――バカに追加決定。
☆☆☆
デボンスコープをカナタに渡したダイゴはボールからエアームドを召喚し、額に青筋を浮かべているカナタに向けてこう言った。
「最近、マグマ団とアクア団という宗教団体の活動が活発になってきているらしいね」
「この地方のジムリーダーが全員役立たずなせいでな」
ほら、今後ろで二人ほど顔を逸らした。テメェらの事だよコンチクショウ。
「あはは……ま、まぁ、それについては置いておくとして、だ。これは僕が独自に調べ上げた情報なんだけど……この先にある送り火山の周りでアクア団の団員の姿が確認されているらしいんだ」
「はぁ。そりゃまたどうして?」
「これは僕の予測にすぎないけど、彼らは送り火山で祀られている《藍色の玉》を狙っているんじゃないかな。あの玉には海を創り出したとされる伝説のポケモン――カイオーガを操る事が出来る、という伝承が残されているからね」
「伝説のポケモン……カイオーガ……?」
聞いた事のない名前だった。伝説のポケモンという存在についても初耳だし、そもそも海を創造したポケモンだなんて壮大過ぎて想像すらできない。海を作ったというぐらいだから水タイプなのかな、ぐらいの想像なら容易だが。…………というかこの人、まともな調査とか出来たんだな。ちょっと高評価だよ。
カナタが心内でダイゴへの評価を改めている事など気づく由もないダイゴはエアームドの背中に乗り、
「実際問題、数日前にマグマ団が送り火山から《紅色の玉》を強奪している。あの玉には、陸を創造した伝説のポケモン――グラードンを操る事が出来る、という伝承が残されてるんだ。……彼らが《紅色の玉》の真価を引き出すという最悪な未来が起きた場合、この地方は日照りに覆われて滅んでしまうだろうね」
「んなっ……!? そ、そんなの、放っといていい事態じゃねえでしょう!?」
「ああ。だからこそ――僕がこうして働いているのさ」
「へ? それはどういう事っすか? ダイゴさんって普通の石キチなんじゃねえの?」
「えぇっ!? カナタくん、もしかして知らないの!?」
「は? この人ってそんなに有名なんか?」
「いやいや、有名も何も、この人は――」
相も変わらず世間情報に疎いカナタにアスナは驚きの表情を向け、ダイゴを指差しながら焦ったように言い放つ。
「――
「………………………………マジで!?」
『元』という単語が少しだけ残念だったというのはここだけの話である。
感想・批評・評価など、お待ちしております。
次回もお楽しみに!