Tales of Vesperia 流砂で生き埋めはNG 作:ナイトフェンサーK
短め
さらっと帝国の定義を捏造するスタイル
帝都ザーフィアス貴族街・メインストリートにて
――この
実際、こうして目にするととんでもなく厄介だ。
いっそ
大々的に対処できたんだが
テルカ・リュミレースという世界は、
その程度に大小はあれど、もはや
しかし、だからといって全人類が
また、
だが、そんなことを知らなくとも生きていくことはできる。半永久的に稼働する
この傾向は帝国に属する都市の人々に顕著に現れる。
帝都の庇護を受けること、すなわち帝国所属の都市になることで、都市に住む人々は最低限生きていくことはなんとかなるのだ。
しかし、帝都からもたらされる恩恵は、帝都との物理的な距離が大きくなるにつれて減少していく。さらに、海や山脈などの地理的条件によっても左右されるため、帝国末端に位置する都市は困窮することもしばしばだ。
反対に、帝都の庇護をかなぐり捨てて、自分たちだけで生きていくというギルド所属の人々は、この傾向が薄い。
明日の生活も自分たちでまかなう必要があるからか、生きるための知識として
帝国をディスるつもりはないが、ギルドの人々の方が帝国の住民よりも
もっとも、帝国の支配圏はギルドのそれよりも圧倒的に広く、人口も桁が違うため、一概には言えない。
ギルドの手厚い恵みは、支配圏が狭く、人口が少ないからこそ成り立つのである。
広く浅い恩恵を与える帝国と、狭く深い恩恵を与えるギルドと、どちらが優れているかは個人の主観によるだろう。
ともあれ、帝国もギルドも等しく
それにも関わらず、世界全体では
だからこそ、
一時的な不具合かもしれないという考えが、帝都市民の訴えに歯止めをかけたのだ。
そして、真相が分かるころには
――実働までに時間がかかるのがお役所仕事の弱点だな。おっ、今ので10個目。
部下の報告も合わせれば容易く100を上回るだろう。
これを書類にまとめて上に報告し、許可が下りてようやく私が出動できる訳だが、
許可が下りるのは早くて明日、順当にいけば明後日。
評議会の次第によってはさらに遅くなるだろうし、
最悪の場合は出動許可が出ないだろうな。
……はぁ、仮に出動できたとしてもそのころには下手人は帝都にいない、と
やるせないねぇ、と嘆息する彼は、人――音からするに騎士、小走りしているようだ――が近づいてくるのを察知した。同時に、意識を隊長に相応しいものへと切り替える。
「こちらにいらしたのですか、キュモール隊長」
街灯に照らされる地味な色合いの緑と茶、その二色からなる隊服は騎士団の一般隊士であることを示していた。
――部下ではなく、私に直接の報告。急を要するということか
「なにか報告があるのかな?」
「はっ、姫殿下が何者かに
――やったぜ。ユーリが上手くやってくれたようだ。
ここからヴェスペリアの物語が始まると思うと胸が熱くなるな。
……ふぅ、一端落ち着こうか。
お姫様が誘拐されて笑みを浮かべるのは隊長としてまずいからね
刹那のうちに表情を取り繕い、まるで動じていないかのように返答するキュモール。
「そうか。報告ご苦労。至急、隊をまとめて応援に向かう。君も持ち場に戻りなさい」
「…っえ。あっ、はい、了解しました。失礼します」
――姫殿下の誘拐を聞いた直後、一瞬だけ、キュモール隊長が
微笑みを浮かべていたように見えたが、錯覚だったのだろう。
気を取られたことで返答が遅れてしまった。
そもそも、誇りある貴族を体現するあの人が、姫殿下の誘拐を喜ぶはずがないのに
騎士は敬礼し、去っていった。その胸中にキュモールを疑う心は欠片もなかった。
祝、原作開始。
主人公一行がなんやかんやあって世界を救う物語が始まった。
思い返すと、ここまで結構長かったな。
キュモールとして生まれてからかれこれ20年以上になるのか。
キュモールであることに絶望し、どうにか持ち直して努力を重ねた日々が懐かしい。
今となっては、流砂に飲まれる最期を避けるために努力していたというのが、ちゃんちゃらおかしいと思えるほどだ。
それなりに生きて、世界に愛着が出てきて、いつしか、より良い世界のためにと努力するようになった。
この世界、テルカ・リュミレースは緩やかに死に向かっている。永遠に使えるエネルギーはない。いつしか、
その運命を覆すことができるのは、この時代しかない。
リタ・モルディオ、通称リタっち。かの天才がいて、お姫様がいるこの時代でなければ滅びの運命は覆せない。それが、私の出した情けない結論だ。
頑張れ、ユーリ。私も頑張るから。
始まりの夜。
彼は一人、夜空を見上げる。その目に映るのは星々の瞬きと――
ほどなく、彼は招集した部隊を率い、城門をくぐった。
帝都の庇護があれば生きていられる
ポリー「嘘乙」
困ったときのリタ任せ。仕方ないね、最適解だからね。