リリカルなのはStrikerS AfterStory ~蘇る緋色の弾丸~   作:皆川誠司@GPS

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今回と次回はフィリア視点です。
あと、ちょっとグロいです。


第4話:デバイス

 部隊長室を出てデバイスルームに向かう途中、自分の頬を叩いて気合いを入れる。

 理由は、今から自分にとって憂鬱な時間が始まるからである。

 

「まぁ間違いなく気持ち悪がられるんだろうなぁ」

 

 前の部隊でデバイスの調整をしていた人は何人かいたが、私のデバイスは専門の担当者の所で行っていた。

 なぜならば、デバイスを見た人はまず一様に驚き、ある人は盛大に吐き、ある人は気絶し、ある人は自分の技術では対応できないと匙を投げたからだ。

 ただ最近になって、とあるルートから私用にと開発された機器が送られてきたため、担当者の負担はかなり減った。

 それでも、まずはこの状況を説明しないといけないから、やっぱり憂鬱だ。

 

「あっ……」

 

 デバイスルーム前に到着して、まず目に付いたのは白衣の女性。

 金髪のセミロングに紫の眼、はやての騎士の1人、シャマルだ。

 

「えっと、久しぶり」

「えぇ、久しぶりね」

 

 眉間に皺を寄せて睨みつけてくるシャマル、明らかに怒っている。

 

「さっさと終わらせましょう」

 

 デバイスルームに入るシャマルに続いて入る。

 まぁそうだよね、はやては気にしていないとは言ったけど、騎士達は別だよね。

 

「お待ちしていました」

 

 元気に敬礼で挨拶をしてくれたのは、茶髪のロングヘアーで眼鏡をかけた女の子だった。

 

「シャリオ・フィニーノ一等陸士です。八神部隊長からお話は聞いています、よろしくお願いしますねアルヴィス空曹長」

 

 両手を取ってブンブンと振るシャリオ、机に軽く腰掛けてコッチを睨むシャマルとの温度差が酷い。

 

「フィリアでいいわ。階級もいらないから」

「了解ですフィリアさん。あ、私のこともシャーリーって呼んでください」

 

 ニッコリと笑うシャーリー、なんかこの子可愛いなぁ。

 

「シャーリー、早くやりましょう?」

「はーい、ではフィリアさんはこちらにお願いします」

 

 シャマルの言葉に答えたシャーリーが部屋中央の台まで案内してくれた。

 私は懐から正六角形のメダルを取り出す。

 

「シャーリー、先に部屋の鍵をかけてくれる?」

「はい、それも八神部隊長から承ってます」

 

 部屋の入口が施錠された事を確認して、メダルを台の上に置く。

 

「私のデバイスは2つ、1つはこれ」

 

 メダルからデバイスを呼び出すと、現れたのは段々になっている装甲板が肘まで着いている一対のガントレット。

 

「名前は特になし、AIは搭載していないアームドデバイスよ」

 

 装甲をコンコンと叩きながら説明するとシャーリーは片方を持ち上げる。

 

「よっと、結構重たいですね。フィリアさんは格闘戦スタイルですか?」

「そうね、射砲撃も使うけど基本はクロスレンジよ」

 

 まじまじと細部を確認するシャーリー、今度は装甲板の内側を見て驚く。

 

「カートリッジシステムは単発式……ってこれ14.5mm口径ですか? ロード時の反動が強そう」

「まぁカートリッジはあくまで保険でつけてるだけよ、ほとんど使ったことはないわ」

 

 ここまでデカいと弾代も洒落にならないしね。

 

「ふーむ……もしよければAI組みますよ?」

 

 ニヤリと笑うシャーリー。

 

「その提案は嬉しいけど遠慮するわ。AIは維持費が高いし、もう1つのデバイスと喧嘩しちゃうかもしれないから」

「そうですかぁ、残念です」

 

 今度は落ち込む、コロコロと表情が変わって本当に面白いわこの子。

 

「さて、では2つめのデバイスを見せてください」

「了解、ただ……ここから少しショッキングな事が起きるから、気を確かにしててね?」

 

 一言添えて目を瞑る。

 

「神経リンクカット、機能停止」

 

 再び目を開けると右目の視界が無くなる。

 私はおもむろに右目に指を入れて、赤いガラス玉のような物を取り出し台に置いた。

 

「2つめのデバイスはこの玉と右の眼窩よ」

 

 右目のまぶたを開いて見せるとシャーリーとシャマルの顔が青ざめた。

 おそらく内部の機械部分が見えているだろう。

 

「フィリアちゃん……その右目は」

「あぁ、こうした方が見えやすいかな」

 

 右目側頭部のおよそ2cmくらいまでを開く。

 

「眼窩内部は機械化済み。奥の視神経も機械化してあって脳に直接繋げてる。見たいならもっと開けるよ?」

「だ、大丈夫よ」

「結構です」

 

 吐くのを我慢しているのか、2人が口を押さえながら制する。

 

「右目周りと脳までの側頭部は全部人工よ。骨、筋肉、皮膚、毛にいたるまでね」

「見せて貰うわ」

 

 何回か深呼吸をしてシャマルが近づいたため少し屈む。

 

「まるで戦闘機人ね……」

「戦闘機人以下よ、私の右目は涙を流せないもの」

 

 一通りの確認が終わり、シャマルが離れるのを見て側頭部を閉じる。

 数回皮膚を撫でるとつなぎ目は見えなくなる仕組みだ。

 

「便宜上、眼窩を台座、こっちのガラス玉を眼球って呼んでるわ。ブーストデバイスとしての役割もあるの」

 

 眼球を右目に戻しながら説明。

 まぶたの下に球体の感触を確認し目を開けてるが、視力はまだ回復していない。

 

「でも、なんでそんな事になっているんですか?」

 

 落ち着きを取り戻したシャーリーが尋ねる。

 

「それを説明するために集まってもらったの」

 

 2人を見据えながら話を切り出す。

 ちなみに、2人からはすでに両目が存在しているように見えているだろう。

 

「事の始まりは4年前、私はとある陸士隊に教導官として出向してたの」

 

 そう、忌々しい記憶だ。




フィリアのデバイスのイメージはるろうに剣心に出てくる無敵鉄甲です。
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