周回プレイヤージョーカー君   作:文明監視官1966

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ちょこちょこかいてたら遅れましたすみません、やっぱ(仕事)つれぇわ・・・

前回はアルセーヌ君が大暴れしてましたね。やっぱ主人公ペルソナはあんだけ強くなくちゃ(P4Gのイザナギを見ながら)

因みに私のアルセーヌはメギドラオン発射装置です。撃つだけで大抵決着がつくので常にスタメン。

え?壺セーヌ?ちょっと知らない子ですね・・・

今回も巻き巻きで行き行きます

あ、あといつも誤字修正ありがとうございます


His name is Morgana

城の中で捕らわれ死刑一歩手前になりながらもやってきた大舞台に満を持して覚醒したペルソナ、アルセーヌの力で大暴れして地下の処刑場から脱出した蓮達。この城から出るための道を直行で走っていると彼らを呼び止める声がかかった。無視する訳にもいかないので声のする方へ行ってみるとそこには謎生物が捕まっていた。

 

「なんだぁこいつは?猫・・・じゃねーよな。まさかこいつもアイツらの仲間か?」

 

ガシャガシャと牢を揺らしながらこちらにアピールしてくる猫・・・のような二足歩行かつ喋っている謎生物。カートゥーンの世界から出てきたのかと思うような見た目に最早驚くという感情が無くなったのではないかと思うほどほぼ動揺することなく牢の前にしゃがみこんで謎生物を指さす竜司。

 

ここに来るまでに様々な現実離れした出来事に脳のキャパがショートしてしまったためにあの竜司が今更喋る猫が来たくらいでなぁ・・・と言いたげに変に冷静になっているレアな光景を蓮は脳内フォルダに記録していた。まぁ既に腐るほどあるがこういうのはあればあるほどいいのだと蓮は心の中で玄人のような事を呟く。

 

似たようなのがあれば充分?素人は黙っとれ──────(例の顔)

 

「んなわけねーだろ!仲間だったら捕まってねーよ!」

 

竜司の失礼な言葉にフシャー!とまるで猫のように怒る謎生物。尻尾も逆立っている。まんま猫の威嚇のポーズだが悲しいことに見た目が見た目のため全くもって迫力が無い。

 

竜司も全然ビビらずに寧ろ訝しむような目で見ている。それにしても相変わらず手触りの良さそうな毛並みだがコイツは一体何者なのだろうか(すっとぼけ)

 

まぁ説明などしなくても皆はもう彼が誰なのか知っているだろう。

 

はい、その通り。怪盗団のマスコット兼、移動手段兼、副リーダー的存在。そしてジョーカー達が怪盗を始める切っ掛けとなった者。ことあるごとに睡眠を施してくる今日はもう寝ようぜ系の皆のアイドル。

 

その名も・・・

 

「吾輩の名は『モルガナ』!頼む!ここから出してくれ!」

 

つぶらな瞳をうるうると潤ませながらそう言ってきたモルガナにジョーカーは胸を撃たれ開幕一番メギドラオンでございますレベルのダメージに危うく失神しそうだったのをセルフ食いしばりで耐えきり何とか膝をつくのは逃れた。これが無ければ即死だった。アリスの死んでくれる?よりも恐ろしい。いや、あっちはあっちで違う恐ろしさがあるな。

 

それにしてもこのジョーカー、あまりにもモルガナが好き過ぎる。その証拠に今も彼の中では今すぐにでも手を出してあの最高の毛触りを堪能するためにわしゃわしゃと撫で回したい欲求と激戦を繰り広げていた。

 

しかし彼は鋼を超えたオリハルコンメンタルの持ち主。雰囲気をぶち壊さないためにモフり欲求を耐えるなど御茶の子さいさい、赤子の手をひねるよりも簡単だ。なので震えている手は気にしないように。

 

「え、やだ」

 

だがそんなキュートなお願いもその辺謎にドライな竜司には効かず、あっさりと断られてしまう。余りにもあっさり過ぎる断り方にモルガナはガビーン!と一昔前のようなリアクションで驚き、それを見てジョーカーは口元を押え顔を逸らしてプルプルと震えていた。おいオリハルコンメンタル。

 

「なんでだよ!?敵じゃないって言ったろ!?」

 

「や、だって怪しいし・・・つーか捕まってる時点でヤバいの確定だろ。ゲームでよくあるやつじゃねーか。」

 

「うぐ・・・それを言われると・・・そ、そうだ!お前らさっきまで迷ってただろ!その様子だと出口を知りたいんじゃないか!?」

 

痛い所を突かれたモルガナは露骨に話題を逸らして今度はジョーカー達にとって有益な情報を与えて開けてもらう作戦にシフトした。これは効果があったようでさっきまでドライだった竜司が上手い具合に釣られその話題に食いつく。

 

「お前出口知ってるのか!?」

 

「あぁ!知ってる!だが取引(ギブ&テイク)だ!それを教える代わりに吾輩を出してくれ!鍵はそこにかかっている!」

 

モルガナの小さなお手手が指さす方を見ると確かに壁に牢を開ける為の鍵がかかっていた。いつ見てもザル警備過ぎる。何故牢の鍵を近くに置いていくのか。鴨志田の詰めの甘さを現してるのだろうか。まぁ今はそんなことどうでもいい。

 

余りにも都合の良い展開に寧ろ警戒を高める竜司とそれを楽しそうに見つめるジョーカー。竜司の警戒心は既に100%なのでここでモルガナを解放して反撃を食らったらどうする?とか途中で裏切るんじゃねーだろーなとかとにかくモルガナを疑う。初見でモルガナを見ればこう思ってしまうのも仕方ないと言えるだろう。それを楽しそうに見てるジョーカーがおかしいのだ。

 

「なぁ、お前どう思うよ?」

 

「ふむ」

 

モルガナの話に乗っかるべきか頭を掻きながらジョーカーに問いかける竜司。ジョーカーは顎に指を付け悩むような素振りを見せながらモルガナの事を見た。そんなジョーカーを不安そうな目で見ているモルガナを見るだけで色々な衝動がジョーカーに襲いかかる。常人ならば耐えきれぬ衝動と戦っているとモルガナは何かに気がついたようで目を開き尻尾を立てた。

 

「そっちのお前・・・くせっ毛の方の!お前まさか、ペルソナ使いか?」

 

モルガナがジョーカーから感じる独特の気配を感じ取ったのか驚愕しながらそう言ってきた。今度は媚びを売るような、或いは使えると判断した故か、まぁきっとどっちもだろうがキラキラと目を輝かせながらジョーカーに話しかける。

 

「かくいう吾輩もペルソナ使いだ!きっと力になるぞ!戦力は多い方がいいもんな?な!?」

 

「はぁ?ペルソナ使い?お前何言ってんだよ言ってる意味が・・・」

 

「ん?なんだ?こっちから話し声が・・・」

 

だがしかし、そうやって話し込んでる間に彼らの話し声を聞きつけた兵士達がガシャガシャと鎧を鳴らしながらこちらに近づいて来る声が耳に入った。それを聞いた竜司は「やべぇ!」と焦りを露わにする。このまま見つかったら確実に面倒だとジョーカーがいるからか原作よりも若干危機感が薄くなっているが。そのリアクションを見たモルガナが更に追い討ちのように言葉を連ねる。

 

「悠長に悩んでる暇はないぞ?奴ら、さっきのエラい騒ぎでかなり警戒してるぜ。見つかればかなり面倒だろうな。」

 

「んな・・・!」

 

「どうする?このまま兵士に邪魔され城をさ迷うか、吾輩を出して戦力を増やし出口まで確実にたどり着くか。リターンが大きいのはどっちか考えなくても分かるだろ?」

 

この状況によって発言に優位性が出来たモルガナは言葉巧みにほぼ回答が一択の二択を竜司に迫る。あくまでも選択権をジョーカーではなく言い方は悪いが頭が少し足りない竜司に振るあたりどちらを利用するべきかしっかりと分かっているようだ。ここでジョーカーに話題を振っても彼は竜司に流す気満々だったからモルガナの頭脳がいかに冴えてるか、又は勘がいいのかよく分かるだろう。

 

「・・・・・・クソ!さっきのマジなんだろうな!」

 

「こんな状況で嘘なんかつくかよ!」

 

最後に念押しの確認をする竜司にモルガナは力強く答える。とても癪だが、ここを出るにはこいつに頼るしかねぇと決心した竜司はジョーカーに目配せをして同じく確認を取る。ジョーカーとしては断る理由は万に一つもないので直ぐに頷いて肯定の意を示した。

 

そしてジョーカーは壁にかけて合った鍵に手を伸ばしモルガナの捕まっている牢の鍵を開ける・・・・・・

 

 

・・・・・・と、思いきやその手はジョーカーの懐へと伸ばされおもむろにR.I.ピストルを取り出すと迷いなく照準を合わせ発砲して映画のように豪快に鍵を壊すことで無理矢理牢の扉を開けた。その豪快過ぎる行動に竜司とモルガナは呆然とするがジョーカーがドヤ顔しながらクルクルとR.I.ピストルを回しながら懐にしまい、扉を開けたのと兵士が丁度到着したことで我を取り戻した。

 

「ご、豪快だなお前・・・」

 

「貴様ら!ここで何をしている!」

 

「やべっ!来たァ!」

 

「くぅ〜!シャバの空気は美味いぜ!」

 

あの兵士が再び目の前に現れたことで尻もちを付く竜司。そんな彼の隣に呑気に体を伸ばしながらまるで出所したヤクザみたいなことを抜かすモルガナ。そんな彼に竜司は掴みかかる勢いで詰め寄って文句を叫んだ。

 

「てめぇ!んな事言ってる場合かよ!」

 

「分かってるよ!約束は約束だ、キチッとやるさ。お前はじっとしてろよ!」

 

そう言って竜司の頭を蹴って颯爽と兵士達が変貌したシャドウ達の前に降り立つと短い腕を組み、自信たっぷりにその二本足を大地に踏みしめ見上げながら見下すようなポーズを取る。

 

「無駄な戦いは好みじゃないんだ、速やかに黙らせてやる!」

 

そして腰に付けていたであろう明らかに質量保存の法則を無視した彼の身の丈ほどある巨大・・・いや、大きさ的には普通だがモルガナが手に取ると大きく見える普通のサーベルが突然姿を現した。

 

その刃が鏡面のように輝く鋭利なサーベルを不敵な笑みと共に腰に構えると彼の雰囲気が一変する。一瞬、引き絞るように腰を低くして体を捻り、そこに込めた力を一気に解放するが如く自身の真上へ天を穿つ様なモーションで力強く叫んだ。

 

 

 

 

 

それは彼自身の『力』

 

 

 

 

 

彼の中にある気高い反逆の精神の『形』

 

 

 

 

 

 

込められた名は・・・・・・

 

 

 

 

「来いッ!!『ゾロ』ッッ!!!」

 

 

 

その瞬間、風が爆ぜた。

 

 

モルガナが名を呼ぶと共に辺りには凄まじい青白い光が立ち上り荒々しい突風が吹き荒れる。その衝撃でシャドウ達が後退し、思わず目を背けた。

 

少しするとその風と光は収まり、代わりに辺りには鎖が蠢く音が響き渡る。その音の発生源であるモルガナに目を向けると彼の背後には先程までは影も形もなかった人型が威風堂々にシャドウ達を見据えていた。

 

 

光の中に佇むのは紳士のような礼装に身を包む巨体、膨れ上がり力強さをこれでもかと見せつける上半身に不釣り合いな指揮棒のように見えるレイピア、帽子と仮面が一体化したような顔から伸びる立派な髭、軽やかに羽ばたくマント、そして自己主張の強いベルトに付けられた『Z』の意匠。

 

その全身を見れば頼れる紳士と言えるような風貌は正しくその名の通り『怪傑ゾロ』を彷彿とさせるだろう。

 

 

これこそがモルガナのペルソナ、最強の紳士にして最高の剣士『ゾロ』である!

 

 

「お前もそれ出せんのかよォ!?」

 

 

「さぁ行くぞ!我が決意の証を見よ!」

 

『奴ラヲ殺セェェェ!!』

 

 

まさかの『2度目』に驚愕する竜司を無視してモルガナはシャドウ達に向かって勢いよく駆け出した。それと同時にシャドウ達も本格的に迎撃体制に入ったようで完全に全員がシャドウの姿へと変貌していた。

 

しかしそれはこの場で1番の・・・いやこの世界では2番目の手練であるモルガナにとっては余りにも遅すぎる始動であった。

 

「遅いぜ!威を示せゾロッッ!!」

 

モルガナの声に即座に応えるゾロはその手に持つレイピアを無駄の無い動きで『Z』を宙に描くとそこから力が生まれ、一陣の風が吹いた。放たれた技の名は『ガル』。その性質は生み出した風による鋭い斬撃で敵を切り裂く疾風属性の魔法攻撃!

 

『ウギャー!?』

 

「ハァッ!」

 

その切り裂く風はシャドウ達が動く前にその身を切り裂き、大きく怯ませる程のダメージを与えた。その隙にすかさず接近し、無防備なシャドウ達に向けてモルガナは手に持ったサーベルをその小さい体から放たれたとは思えないほどの速度で振り抜き、シャドウ達を消滅させた。

 

だがシャドウ達も一筋縄ではいかない。倒されたそばから更に新たなシャドウが湧いて乱入してくる。その中の数匹のアガシオンが体当たりをしようと突撃をかましてきたが、モルガナはそれを見てバカにするように鼻で笑った。

 

「ハッ!甘いぜ!吾輩の剣をしゃぶれ!」

 

突っ込んで来たアガシオン達に対してゾロのレイピアを鋭い切っ先が正面に向くよう、即ち刺突の構えを取って迎え撃ち射程距離に入った瞬間、疾風の如きスピードでガルを纏わせたレイピアを突き刺し僅か数秒の間でアガシオン達に無数の穴を空けて最後にはサーベルで真っ二つにしていとも簡単に消滅させた。

 

『ギャオッ!!』

 

「ム!?」

 

手際よく倒されたシャドウ達だが思い通りには行くかと抵抗し、隠れて湧いて出てきたシャドウ、インキュバスが振り切った体勢のモルガナに向けて鋭い爪を振りかぶった。

 

死角を取られたモルガナは少し遅れて反応し、迎撃しようとサーベルに再び力を入れると突然響いた発砲音と共にインキュバスの爪が弾かれ、続く2、3発目の銃弾によって羽を貫かれ大きく姿勢を崩した。その隙を逃すモルガナでは無く逆に無防備となったインキュバスにゾロのレイピアによる斬撃をお見舞した。

 

「今のは・・・」

 

「フッ」

 

消滅するインキュバスから目を外し後ろを振り向くとそこには銃口から煙を漂わせたR.I.ピストルを構えたジョーカーが笑みを浮かべてモルガナを見ていた。そんな彼に礼代わりに不敵な笑みで返すと前方に現れた増援に向けて走り出した。

 

「ハアァァ!!」

 

『グッ!コノッ!?』

 

『グァッ!?』

 

「これで終わりだ!」

 

走ってくるモルガナを迎え撃とうとするシャドウ達にジョーカーの無慈悲な銃撃が襲いかかる。それによって全く体勢も整えられずシャドウ達は為す術もなくゾロの放つガルによって纏めて片付けられてしまった。

 

消滅していくシャドウ達を見てから辺りを見渡してこれ以上の増援が無いことを確認するとモルガナはゾロを引っ込めて手を腰に当ててひと仕事終えたと言わんばかりに鼻をフンと鳴らした。余りにも力の差が大きかった為、戦闘開始からあっという間の幕引きであった。

 

「お掃除完了、だな!」

 

「お疲れ様」

 

ドヤ顔をするモルガナにそう声をかけるジョーカー。そんな彼にモルガナはニヤリと笑いながら賞賛の声を送る。

 

「お前、なかなかやるな。アドリブであそこまでやるなんて大したもんだ。」

 

「やってみたら出来た」

 

「ほぅ、ならかなりの才能だな!()()での武器の使い方も理解してるし・・・どうだ?吾輩と一緒にこのパレスを・・・」

 

「おい!なに呑気に喋ってんだよ!!早く出口まで連れてけ猫!」

 

モルガナがジョーカーを取引相手としてスカウトしようとしていると竜司がモルガナに掴みかかりその体をガクガクと揺らした。赤べこも真っ青の高速シェイクによりグロッキーになりかけたモルガナは竜司の手を弾いてジョーカーの頭の上へ着地するとこれまた猫のようにフシャー!と威嚇するポーズをとった。

 

「何すんだこのパツキンモンキー!危うく吐くとこだったぞ!」

 

「んなことはいいんだよ!出口に連れてけって言ってんだ!」

 

「ム・・・そうだな、無駄話している暇はない。警戒されてる今は急がなきゃな。よし、分かった。着いてこいお前ら!」

 

城内の異常な警戒度に気がついていたモルガナはスカウトの話はひとまず置いておいて2人を出口まで案内することにした。小さな体を反転させて一昔前のアニメのように足を回転させながら先導していくモルガナの後をジョーカーは服をたなびかせながら、竜司は不服そうな顔で追っていく。

 

竜司の顔は若干、苦痛に歪んでいるが本人の気力を信じて少しペースを落としながら走る。彼はとある事が原因で怪我を負い足を痛めているためあまり無茶が出来ないのだが、意外とそこは根性でねじ伏せる時が多いので大きな無茶をさせなければ何とかなる。そうして地下を走っているとモルガナが2人に疑問を投げかける。

 

「それにしてもお前らなんでここに迷い込んだんだ?吾輩のようにお宝を探してきた訳でもあるまいし。」

 

「あ?知るかよ、俺らだって知りたいわ!いつも通り登校してたらいつの間にか入ってたんだよ!」

 

「ここは一体何なんだ?」

 

「そ、そうだぜ!学校なのに城っぽいし!変なやつらうようよいるし!」

 

ジョーカーに便乗してゼェゼェと息を切らしながら逆に質問を投げかける竜司。自分の質問に雑に答えられたことにムッとするがまぁいいと流して竜司の質問に答える。

 

「ここは『パレス』だ。」

 

「パ、パレスゥ?」

 

「あぁ、お前らあの顎マントに会っただろ?」

 

「顎マント・・・鴨志田の事か?」

 

唐突に出てきた酷いあだ名をつけられた鴨志田に吹きかけたジョーカー。しかしそれに気づかずに2人は会話を続ける。

 

「名前は鴨志田か、認識が一緒ならそうだな。ここはその鴨志田の心の中・・・現実世界とは別の歪んだ認知が形になった場所だ。」

 

「はぁ?心の中?認知?どういう事だよ」

 

「言ったままだ、ここは鴨志田の認知世界なんだよ。だから奴の認識通り城の形になってんだ。」

 

「???な、なぁお前分かるか?」

 

モルガナの説明に頭に大量のハテナを浮かばせた竜司は不安そうな顔で自分と同じであまり理解出来てないと思っているジョーカーにそう聞くとジョーカーは軽く頷いた。

 

「つまりここは奴のテリトリーというわけか」

 

「その通り!やっぱりお前筋がいいぜ!」

 

完全に理解しているジョーカーの簡単に纏めた回答に褒め称えるモルガナ。それを見た竜司は何だか自分だけ話に置いてかれている気がして理解しようと頭を捻るがそれでも彼には難しかったらしく、やはりモルガナに更なる説明を求めた。

 

「わ、分かんのかよ・・・いやもっとわかりやすく説明しろって!」

 

「なんだよ、理解力のねぇやつだな。つまりだな!ここはパレスという現実世界では無い異世界で、鴨志田が学校を城と思い込んでることでこのパレスは城という形を作り、奴がここの主として君臨してるって訳だ!どうだ!わかりやすく3行で説明してやったぞ!」

 

そう捲し立てるモルガナに竜司はあんまり理解できなかったがまた聞くのも自分が馬鹿だと言うようなものだと思ったのでとりあえず理解したことにして次に彼らが出していた不思議な力について聞くことにした。

 

「お、おう何となく分かった。じゃあよ!あれはなんなんだよ!なんだっけ?あのー、『パル〇ナ』ってやつ!」

 

「『パ〇テナ』じゃねぇよ!『ペルソナ』だ!別会社に喧嘩売るんじゃねぇ!」

 

竜司のギリギリの発言に対してメタ発言でキレるモルガナ。決してあの某大乱闘にも参戦している天使の上司の女神の方ではないのでそこら辺勘違いしてはいけない。訂正しなければ危うく任な天の堂に消されるところであった。そしてモルガナはコホンと一息入れてからペルソナについて竜司に説明を始める。

 

「ペルソナってのは『叛逆の精神』が形になったもの、言わば『意志の力』だ。強い精神力を持つ者が所有し、唯一シャドウ達に対抗出来る力なのさ。しかし驚いたぜ、捕まった先で同じペルソナ使いに会うなんてな。」

 

「あぁ、凄かったんだぜコイツ。ペルソナ?がドォーッ!と出たと思ったらバゴーン!と敵をぶっ飛ばしちまってよ。しかも天井ぶち抜いてここまで登ってきたんだぜ?もう滅茶苦茶だっつの。」

 

走りながら身振り手振りで大袈裟に、しかし過剰表現ではないそれを説明しながらジョーカーを見ると彼は真顔で照れたような仕草で頭をかく。それを見て竜司が「真顔でやんなっつの」と呆れたようにジト目で突っ込むと今度はモルガナが大きな声を出して割り込んできた。

 

「ま、待て!!待て待て!!お前!お前だったのか!?あの凄い衝撃の正体は!」

 

「あ?そうだぜ、コイツがペルソナのアルフォート?だっけ?」

 

「アルセーヌだ」

 

「そうそう、アルセーヌでやったんだよ」

 

2人の肯定に驚愕のあまり言葉を失って鯉のように口をパクパクと動かすモルガナ。自身ですら身の危険を感じる程のパワーを感じさせたあの衝撃がまさかペルソナに覚醒したばかりの者が放ったものとは露ほども考えなかったのだろう。少しの間フリーズしていたモルガナは頭を振って冷静さを取り戻そうと思考の海にダイブする。

 

(あれほどの力を、あの新米が!?いや、しかし初対面であれほどの才能を持っていたやつだ。秘めたる才能があっても不思議ではない・・・か?いやだがそれだけで深地下からここまでぶち抜く力が出るか?・・・いやいやそんなこと考えてもしょうがない。現にここにいるんだからな、それよりも・・・これは『僥倖』だ!吾輩に運が回ってきた!あいつはきっと役に立つぞ!パツキンの方はあれだが・・・上手いこと引き込めないものか・・・ブツブツ)

 

「なんだぁ?今度は黙っちまったぞ?おーい、猫ー?」

 

「迷える子羊ならぬ迷える子猫・・・か」

 

「いや上手いこと言ったみたいな顔すんなよ・・・って!!待った!!」

 

思考に没頭しているモルガナの後ろで漫才をしていた2人だが突然、竜司が大声を上げてその足に急ブレーキをかけた。勿論、ジョーカーも余裕を持って止まりモルガナはその声に驚いて思考の海から出てきてその足を止めた。彼らが止まったのは自分達が捕まっていたのと似たとある牢の前だった。

 

「バカ!大声出すんじゃねーよ!奴らに気づかれるだろ!?」

 

「それよりあれ!あれ見ろよ!」

 

コショコショと小さな声で叱るモルガナだが、竜司はそれを無視して牢の中を指さす。ジョーカーとモルガナがそれにつられて指の先を見るとそこには牢の中でぐったりと倒れている秀囚の赤いジャージの少年がいた。その様子を見るにかなり衰弱しているらしい。竜司は彼も自分達と同じで奴らに捕まっているのだと思い、牢を掴んで中の少年に呼びかける。

 

「おい!大丈夫か!今出してやるからな!」

 

「はぁ・・・お前なぁ理解してないみたいだな?そいつは()()ぞ?」

 

モルガナの言葉に理解が追いつかない竜司は未だに牢を開けようとガチャガチャと扉をいじっているがモルガナはそれを見て大きくため息をついて少年の正体について話した。

 

「何言ってんだお前!早く出してやんねぇと・・・!」

 

「だから!そいつは()()()()なんだよ、このパレス内の!認知存在なんだ。現実世界にいるそいつとは別の影法師、だから助けたって意味が無い」

 

「はぁ!?つ、つまり?」

 

「ここにいる彼は人形のようなもので鴨志田が本物に対してこう思い込んでるってことだ。()()()()()()()()()()

 

ジョーカーのちょっとした補足でようやく理解がいったようでハッとした表情の後にもう一度振り返り、牢の中の少年を見る。満身創痍といった状態で抵抗すら出来ないだろうその生気のない顔。それを見て竜司は眉間に皺を寄せて牢の扉を力強く握り締めた。

 

「なんだそれ・・・それじゃあこいつらは鴨志田から()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

「おい!落ち着けよ!騒いだら見つかるだろーが!」

 

「うるせぇ!こんなん見て落ち着けるわけが・・・!!」

 

真相に気づいた竜司は激情を顕にしながら牢を全力で殴りつける。その際に大きく発された音と竜司の大声にモルガナが注意するがキレている竜司にはそれが受け付けられるはずもなく更に大声で喚こうとするがそこでジョーカーが動いた。

 

大きく開かれ、今にも怒りの咆哮が飛び出そうな口にジョーカーのスラリと長い人差し指がスっと添えられる。まるで子供に静かにするよう制する母親のように素早く優しく、しかし決して威圧の無い落ち着き払った寡黙な父親のように。全く動いた気配を感じさせずに口に指を添えられた竜司はその形のまま固まり、つい、ゆっくりと口を閉じた。それは今から怒られると悟った子供のように反射的なものであった。

 

竜司の中にあんなに燃え盛っていた憤怒が、冷水をかけられたように急激に冷えていくのがモルガナからも見て取れた。あっという間に静かになったその空間で、ジョーカーは添えていた指を離し竜司の肩に手をやる。

 

「気持ちは分かる、痛いほどに。だが今はここから出る事を優先しよう。一先ず外に出なければ先は無い。」

 

「そ、そうだな・・・悪ぃ熱くなっちまって」

 

「いいさ、誰かを思う心は尊い物だ。さぁ急ごう、一刻も早くここから出るんだ。」

 

「お、おう!」

 

あの一瞬で爆弾のようだった竜司を落ち着かせて見せたジョーカーにモルガナは驚愕の目を向けた。その仮面の中に隠された凄まじいカリスマ性を目撃した事で、彼は自分が思っている以上に途轍もない才の持ち主であると確信した。能ある鷹は爪を隠す所ではない。もっとそれ以上のナニカにモルガナは身震いした。

 

(あいつは・・・欲しい!何としても!)

 

先程よりも情熱に満ちた目をジョーカーの背中に向けながらモルガナは走っていく彼らの後を追っていった。

 

 

 

 

 

そしてその後、何個かのトラップやギミックを突破した彼らはやっとこさ地下から彼らが捕まった城の正面ホールへと戻ってきていた。相も変わらず気持ちの悪い鴨志田の絵が鎮座しているそこを通り過ぎるとその先にある通路に入った。

 

「着いたぞ、ここだ」

 

「よ、ようやくか・・・これでやっと外にっ・・・って!開かねぇぞ!?」

 

1番疲れている竜司が息を切らしながら待ってましたと言わんばかりに奥の扉にがっつき、勢いよく開けようとするがガチャガチャと音が鳴るだけで開く気配がない。騙したなと言いたげな目でモルガナを睨むとモルガナはわざとらしく絶妙に腹が立つように肩を竦めてやれやれと首を振ってから隣の扉に入っていく。

 

「ばーか、こっちだよこっち!」

 

その部屋に入ると出口があるのかと思いきや、やはりただの物置が広がるばかりであった。窓もなくただ灯りがゆらゆらと揺れるだけの部屋を見て竜司はまたモルガナに噛み付く。

 

「ここのどこが出口なんだよ!扉はおろか窓もねーじゃねーか!」

 

「これだから素人は・・・お前は分かるだろ?」

 

「換気口か」

 

「そうだ!パツキンと違って出来るやつは話が早くていいぜ。」

 

ジローッと竜司をジト目で睨むモルガナ。マスコット的な見た目では可愛さしか無いのだが竜司目線ではそれがシャットアウトされてるためイラつきしか感じない。その代わりにジョーカーが心の中で悶えてるのでプラマイゼロだ。

 

「うるせーな、この駄猫!つまりああの網を外せばいんだな!んじゃあせぇーの!!」

 

モルガナに悪態をつきながら早速棚に上って換気口を掴むと全力で引っ張る。固定されているが老朽化が進んでいたためか案外すんなりと外れたそれはすっぽ抜けた竜司と共に棚の下の床へと落ちる。その際に頭を打ちそうになった竜司をさりげなくアルセーヌで庇うと直ぐに引っ込めた。

 

頭に痛みがないことに不思議に思いながら立ち上がった竜司はジョーカーの方へ振り向いて換気口に親指を向けて早く出ようと催促する。

 

「やっと出れるぜ・・・さっさと行こうぜ!」

 

「あぁ」

 

「そんじゃ、これで一先ずお別れだな」

 

「は?お別れって、お前はどうすんだよ」

 

「吾輩はまだやることがあるからな。それを済ませてからだ。」

 

(それに、この様子だと恐らくコイツらはまた来るだろうしな・・・)

 

そう言って表では別れの挨拶をしながら心の裏でしめしめとほくそ笑むモルガナ。そんな彼の思惑を読むどころか知っているジョーカーはモルガナの前でしゃがみ、その小さな手と握手を交わす。

 

「ありがとう」

 

「ハッ!律儀な奴だな、外には奴らはいないだろうが気をつけて行けよ」

 

「おう、じゃーな猫!あんがとよ!」

 

「あばよ・・・って!猫じゃねーわ!!」

 

最後の最後までいがみ合っていた竜司とモルガナであったが、やはり案外彼らの相性はいいらしい。こうやって悪口を言い合いながらもいざとなると息があったりするのはきっと性根というかタイプが似ているからなんだろう。まぁそれ故に犬猿の仲ならぬ猫猿の中に見えるのだが。

 

ともかく、1度目の侵入はここでお開きだ。手を振るモルガナを後目に竜司と共に換気口へと潜り込み、城の外へと走っていった。

 

 




変な所で区切ったし、駄文でごめんぬぇ・・・

ここのジョーカー君の恋愛事情なんですけど、ハーレム路線で行くか迷ってます。それはもうめちゃくちゃ悩んでます。何故かって言うと私がゲームでは絶対一途派だから。ヒロインは変えるんすけど。だからハーレム路線には若干抵抗感があるといいますか・・・。なんで全股屋根ゴミルートを行ってる人は尊敬してる。メンタルすげぇ。

まぁここのジョーカー君も過去にやらかしてるけどね!いずれ描写するけど!

とりあえずそこら辺はおいおい考えていこうと思います。ヒロインすら決定していない現状なので。

多分、彼女になるんじゃないかな・・・
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