周回プレイヤージョーカー君   作:文明監視官1966

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ペルソナ5のヒロインって皆可愛くて魅力的だからマジで迷いますよね・・・色んな案も頂いたんですけどやはりこの子かなとあの子に決めました。皆さん感想と案の提供ありがとうございます。

後、フラグ全立てした挙句に竜司とくっつくまさかのジョーカーヒロインルートに思わず吹きました。

毎度毎度の誤字修正や指摘ありがとうございます

さぁ今回も〜!レッツ!マキマキー!


Let's take back what's dear to you/Part1

モルガナと別れた後、脱出するために城の門へと走った2人。一刻も早く脱出しようと全力ダッシュで木の橋を超えると視界いっぱいに赤と黒の波紋がぐにょ〜んと広がった。

 

「う、お・・・!?なんだ今の!?」

 

「ん・・・どうやら出られたみたいだ」

 

それと同時に感じる世界がねじ曲がる様な感覚と風船から空気が抜けていくような脱力感に見舞われると気がつけば辺りの景色は一変し、配管だらけの薄暗い裏道に戻っており空は通常の爽やかな青色に、振り返れば学校も気味の悪い城から元に戻っていた。どうにか無事、異世界から帰還したようだ。

 

竜司は自分の体や持ち物に欠損がないか確認し、無事だと確認すると大きく息を吐いた。

 

「良かったァ・・・生きて帰って来れて・・・なんか空気が美味く感じるぜ・・・」

 

あそことは違い、空気が新鮮に感じて風もどこか心地いい。竜司は思わず深呼吸をしてそれをなるべく多く取り込もうとした。それほどまでにあのパレスという場所は空気が澱んでいたようだ。

 

人の、しかも腐敗して歪んだ心の中というのはやはり体に悪い。その瘴気がまるで毒のように少しづつ蝕んでいくのだ。ジョーカーのように怪盗服という異世界に対しての耐性のある装備、言わば防護服じみたものが無ければ体調を崩してしまうだろう。

 

そうして空気を入れ替え体に入った瘴気を吐き出しているとジョーカーのスマホから無機質な女性の音声が響いてくる。

 

『現実世界に帰還しました、お疲れ様でした。』

 

「あ?帰還しました・・・?逃げきれたってことか?」

 

「そうみたいだ、学校も元に戻っている」

 

「うぉ、ホントだ・・・あ、お前も服戻ってんな。」

 

竜司が指摘した通り、ジョーカー・・・いや蓮の服はパレスから出たことにより元に戻り秀尽の制服に戻っており、肩にはいつの間にか鞄がかかっている。辺りのことを含め何から何まであそこに迷い込む前に元通りといった感じだ。

 

まるで今までの出来事が夢物語だったようにすら思えてくるが鴨志田に殴られたことで頬に残るジンジンと熱い痛みと走ったことで痛む両足によってあれが現実に起こったことであると竜司は確信している。

 

しかし、帰ってくるまでに数々の濃過ぎる体験をした竜司は一気に体に疲労感が襲ってくるのを感じた。今にも倒れそうなほどフラフラと体を揺らしているが蓮がいる前で情けなく倒れられねぇと男のプライドと気合いで何とか立っている。

 

「クソ、何が何だかって感じだぜ・・・」

 

「ともかく出れてよかった・・・さて、学校に入るか」

 

「えぇ・・・!?お前切りかえ早すぎじゃね?あんなことあったんだからよぉ、ちょっと休憩しても良くね?てか、もうサボりてぇよ・・・。」

 

未だ混乱の残る頭をくしゃくしゃとかく。今ここに立っている所も実はあの世界にある一部なんじゃないかととすら思うほど境界線が曖昧になっているのだ。そんな状態で学校に行かなければならないなんて罰ゲームか何かと言いたくなるが、彼の隣にいる男はそんな感じは一切感じさせず寧ろ元気いっぱいと言った感じで顔をキリッとさせている。

 

第一関門であるペルソナの覚醒とモルガナとの接触を済ませ目的達成した為、今の蓮はすこぶる機嫌がよく元気であった。

 

そんな蓮をジト目で見るがまぁ確かに、今自分が置かれてる状況でサボりなどという非行をすれば更に追い詰められるので仕方なく学校に入るかと言う所で真正面、つまりは校門の方から彼らに向かって声がかかった。

 

 

 

 

「ほぉ?遅刻しておいてそんな言い草とは、偉くなったもんだな?坂本?」

 

 

「ッ!鴨志田・・・!」

 

 

そう、2人を見下すように腕を組んでそこに居たのはあちらの世界で竜司達を無惨に殺す1歩手前まで追い詰めた異世界の王様としてふんぞり返っていた顎・・・失礼、すね・・・鴨志田本人であった。

 

あちらと違うのはちゃんと服を着てすね毛を露出していないことぐらいか。いや露出してたら刑務所に直行鴨志田全カットルートに入るのだが。

 

竜司は思わず鴨志田を睨み、身構える。それを見た鴨志田は更に眉間の皺を深くして竜司を見る。それだけで1人以外空気がピリつくのを感じた。

 

これだけ見ればわかる通りこの2人の相性は最悪の一言だ。周りの雰囲気が一瞬で最底辺まで落っこちるくらいには。馬鹿だが、義理堅く情に厚い竜司と自分の立場に天狗になり他人を道具のように扱う鴨志田。曲がったことは許さない青年と腐り切った大人がぶつかっていればそうなるのも必然だろう。

 

それに()()()もあって2人は犬猿の仲を飛び越して竜司と鴨志田という言葉が作れるほどに敵対関係にあった。

 

「なんでてめぇが・・・!」

 

「廊下の窓からお前らが見えたから、わざわざ来てやったんだ。もう昼だぞ、こんな時間まで何をやっていたんだ?」

 

「は?昼?なに言って・・・なぁ!?ま、まじで昼じゃねぇか・・・!」

 

竜司が何を馬鹿なとスマホをつけ時計を確認すると画面には12時過ぎを写していた。どうやらあの世界に行ってた間にいつの間にか結構な時間が経っていたらしい。

 

異世界と現実世界の時間の流れは僅かに違うようで、というか変にあべこべになっているようでこうやって1時間ほど中に入っていたら外では数時間経ってたとか、逆に数時間中にいたのに外では1時間ほどしか経ってなかったなど時間の概念が捻れているのだ。

 

中に入って直ぐに戻ったのに夜になってたとかね(ゲーム仕様)

 

それを竜司が知るのはもう少し先になるだろうと蓮も竜司のスマホに目をやりながらそう考えた。それを見た鴨志田は何を言ってるんだと馬鹿にするようにため息を吐いて不愉快そうに竜司を指さす。

 

「おかしなこと言って誤魔化そうとしてんじゃないぞ。どこ行ってたかさっさと吐け、時間が惜しい。」

 

「・・・城?」

 

「お前・・・巫山戯てるのか?そんなつまらん言い訳をしおって」

 

事情を知らなければバカにしているとしか思えないような言葉に鴨志田の目がさらに鋭くなる。まぁあんな体験をしたからといって馬鹿正直に話したって誰だって不機嫌になるだろう。しかし悲しいことに竜司はこういう時に働く柔軟な思考など持ち合わせていなかった。

 

ここで上手く法螺を吹ければいいのだが鴨志田の態度にカッとなった竜司は罵倒の言葉を吐こうとする。しかし、そこでそうなると話がこじれこちらまで巻き込まれると判断した蓮が動いた。竜司の前に腕をやって発言を止め、任せろと頷いてから鴨志田の方を見る。

 

「すいません、先生。僕から説明させてください」

 

「ん?お前例の転校生か・・・なんだ?言ってみろ。」

 

竜司が反抗してくると思っていた鴨志田は急になんだと訝しむような顔で蓮を見ている。相変わらず高圧的な奴だと考えながらそんな奴に向けて昔から使い回しているこの場面専用のカードを切った。

 

「実は登校中に僕が不良に絡まれているのを彼に助けてもらったんです。」

 

「何ィ?」

 

そのやや嘘くさい言葉に鴨志田はまた眉を顰める。隣にいる竜司も心当たりがないと驚いた様子で蓮を見るが合わせろという意味を込めた瞬きが通じたようで怪盗団の中でも意外にも演技派な所がある竜司とプロ演技の蓮の小芝居が始まった。

 

「あぁ・・・マジだよ、こいつが駅らへんでチンピラに絡まれてたんだ。」

 

「けど、そいつらがかなりしつこくて。ずっと追いかけてくるもんだから巻くのに時間がかかりまして必死に逃げてたら・・・気づけばこの時間に。」

 

「あれはお前が煽ったからだろ?」

 

「え?正論ぶつけただけだけど・・・」

 

「お前なぁ・・・」

 

嘘は言ってない。内容が現実的になっただけでそういう状況になっていたは事実だ。嘘を言う時は真実を混ぜるのが有効。真実の方を多めにすれば尚良し。それに加えて違和感の無い、本当にそうであったかのように振る舞う演技力を加えれば騙せない者などいない。それは目の前の鴨志田だって例外ではなかった。いや寧ろ数多くの人間と接しそれを騙してきた鴨志田だからこそ、蓮達を見下しているからこそ、それに引っかかる。

 

「ふむ・・・」

 

(疑わしいがあの目、そして表情を見ると嘘をついている様子はない・・・と、すれば事実か。たかがガキが俺の目を誤魔化せるはずが無いからな)

 

子供が自分を騙せるはずがないとタカを括った鴨志田は見事2人のドツボにハマり、完全に手玉に取られていた。本心では竜司にはここで更に痛手を負わせようと思っていたが問題児とはいえ転校生もいる前だ、今回ばかりは特別に目を瞑ってやってもいいだろうと上から目線で考える。それにここは校門前だ、どこから誰が話を聞いたり見たりしているか分からない。なら、ここは寛容な先生を演じるのが得策だ、と。

 

自分が騙されてることに気が付かないままそう考えた鴨志田はフンッと鼻を鳴らして校舎を親指で指した。

 

「事情は分かった、今回は大目に見てやる。ただし次はないぞ坂本。お前もだ転校生、いいな?分かったらお前は職員室まで行け、川上先生は待ちくたびれてるぞ。坂本は教室だ、そら、さっさといけ!」

 

それだけ言うと鴨志田は1度竜司を睨んでからずんずんと校舎の中へと入っていった。竜司も睨み返し、少しの間去っていくそのデカい背中を睨んでいるとふぅ、と気持ちを切り替えるため息を一つ吐き今度はニッと笑って蓮へと振り向いた。

 

「ヘッ!鴨志田の野郎まんまと騙されやがったぜ!ザマミロ&スカッと爽やかって感じだな!!」

 

「そうだな」

 

ニシシッとイタズラ小僧のように笑う竜司に蓮も釣られてしてやったりのイケメンスマイルを零す。下手をすればラスボスの歪んだ色欲効果すら上回りそうな慈愛と色気を含んだそれを不幸にも、いや幸運にも?たまたま校舎の3階の窓から見ていたとある女子生徒は突如鼻から鮮血を吹き出して廊下に勢いよくぶっ倒れた。保健室に連れていかれる彼女の顔は何故かは分からないがとても満足したように笑みを浮かべて「尊い・・・」と呟きながらサムズアップをして運ばれて行ったという。

 

この彼女が後に貴腐人となりBL業界に革命を齎す程の名作を数々生み出す伝説の超大物BL漫画家になるのはまた別のお話。

 

そうとも知らずに蓮達は校舎に入って行き、また後でなと合流する約束をしてから竜司は自分の教室へ蓮は職員室へ向かった。

 

(さて、行くか)

 

堂々とポケットに手を突っ込んだまま勇ましげに歩く蓮の姿に廊下がざわつき始める。少し耳をすませば「アイツが例の・・・」とか「田舎のヤベー奴」とか噂を鵜呑みにした奴らの恐怖を向けた言葉が聞こえ、腫れ物を見るような視線が蓮に集中している。

 

しかし、雨宮蓮は動じない。

 

こんな目線を一体どれほどの時間浴びてきたと思っているのか。今更こんなものに動じるほど蓮の心は弱くない。寧ろ、ここにいるこの目線を向けてくる奴らを愚かに感じ、同時に嘘を嘘と見抜けず噂を鵜呑みにする情弱さに情けなさを感じるぐらいだ。

 

まぁ今はこんなものに付き合ってる暇はない。さっさと帰って惣治郎の珈琲が飲みたいな・・・なんて考えながらふてぶてしく歩く姿にまるでモーセの海割りのようにササッと人が避け彼が歩く道が空く。そんな目立った状態でも彼は一切ブレることなく悠々と進む。範馬勇次郎かよ。

 

そうしている内に職員室まで辿り着くとドアをノックして失礼しますと一言かけてからドアをスライドさせ開いた。

 

中に入ると物が多く割とゴチャついた職員室の中に数人の先生が生徒と喋ったり課題の作成などをしている。チラリと視線を動かすと少し先のデスクに蓮と同じようなモサッとした髪型が目に入った。

 

このまま彼女の方へ行くとどこから湧いてきたのかThe 昭和の男といった感じのサスペンダーが特徴的な公民の先生、牛丸が名前も言わず用も言わずに入るとは何事か!と社会の礼儀やらなんやらの説教が始まるので声を上げて入室する。

 

「転校生雨宮蓮です、川上先生はいらっしゃいますか?」

 

「ん・・・やっと来た、どうぞ。」

 

こっちに振り向き頭を抱えながら許可を得たのでスタスタと川上の方へ歩いていく。そして目の前に着くと露骨にため息を吐き頭を振った。頭痛でもするのだろうか(すっとぼけ)

 

「先生、ご気分が優れないようですが」

 

「誰のせいだと思ってんの・・・初日で半日遅刻って、今まで何やってたの?」

 

「その事なんですが実はかくかくしかじか四角いムーヴでして・・・」

 

鴨志田に言ったことをそっくりそのまま純度100%でお届けすると川上はまたもやため息を吐き、しかしさっきとは違いなるほどねと腑に落ちた感じで同情するような様子だった。確かに転校初日に不良に絡まれるとか不幸の極みだし、なんならもっと酷い目にあってるし。寧ろ、不良に絡まれただけの方がすぐ済むから蓮としては楽なのだが。

 

しかしここで同情してくれるとは彼女の根本にある教師としての慈愛や優しさが垣間見得る。彼女は今はすっかり疲れきっているが本来は生徒に寄り添う優しい先生なのだ。原因は過去の出来事にあるのだが・・・まぁ今は置いておこう。

 

「まぁいいわ・・・でも、あの坂本君がね・・・」

 

「?あの坂本?」

 

「・・・なんでもない、ともかく事情は分かったわ。もう休み時間も終わるし教室に行きましょう。あ、そうそう。地下鉄事件の影響で今日は5限までだから、それと授業の前に自己紹介してもらうからね。」

 

「はい、分かりました」

 

そう言って教材を持って立ち上がり歩き始める川上の後ろをついて行く蓮。この時期はツンツンしてるけど打ち解けると嘘みたいにデレデレしてくれるんだよなーと懐かしい思い出に浸りながらフッと笑っている。何色男ムーヴしてんだと思うが残念な事にコイツはマジモンの色男なので恐ろしいほどに様になっている。イケメン滅びろ。

 

だが、蓮はそれは過去の記憶だとそっと蓋を閉め今は先生と生徒の関係だと意識を切り替える。それとこれを一緒くたにしてしまうのは良くないことだと頭に蘇ったトラウマで背筋に鳥肌が立たせながら考える。そうしたことで失敗した事がある故の危機感であった。

 

そんな蓮をたまたま通りがかった耳ざとい女子生徒2人が通りすがりに目撃する。

 

「ねぇ、今のって噂の・・・」

 

「うん・・・・・・クッッッソイケメンね・・・!」

 

「いや、ただの面食いじゃねぇか!?違ぇよアホッ!!」

 

彼らが通りすがった後で無駄に清々しい顔で鼻血を垂らす面食い女子生徒とツッコミの鋭い女子生徒による漫才が繰り広げられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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時間が少し進み、2年D組の教室

 

 

 

 

 

 

今、この教室内の緊張感はピークに達していた。

 

 

本来ならガヤガヤと騒がしい教室内は風によって揺れ動くカーテンの音や時計の針の音が響くくらいにいやに静かであり、椅子に座る生徒達はほぼ全てが自分の机を凝視し正面を見ようとしない。しかもまだ肌寒さの残る春のはずなのにダラダラと汗をかいている。

 

その様子は蛇に睨まれた蛙のようで酷く怯えているのが容易に見て取れた。

 

 

この状況を作り出した原因は、勿論黒板の前に立つ1人の青年である。

 

 

まるで某奇妙な冒険に出てくるような『ドドドドド』という擬音が似合いそうなほどに凄みのある堂々とした立ち姿に決して出さないという鋼鉄の意志を感じさせるくらい深くポケットに入れられた手。そして威圧感たっぷりに怪しげに光るメガネ。名前に2個ジョが付いてますか?と聞きたくなるほど正に噂に勝るヤベー奴と言った感じのオーラを纏う男。

 

そう、我らが主人公。雨宮蓮である。

 

彼としてはちょっとした遊び心でちょこっと悪ぶってるだけなのだがそれはあくまでも彼の感性での話。それを三人称視点で見たのが上に書いた通りの状況である。正に地獄絵図と言った感じだ。やめたれ。

 

「え、えーと・・・じゃあ、その、転校生を紹介します。雨宮蓮君です・・・。」

 

蓮は川上の声にコクリと頷くとその場で振り返りおもむろに白チョークを手に取るとカッカッと音が鳴るほど素早く力強く黒板に走らせる。その間もクラスメイト達は無言で物音一つたてない。そして自分の名前を黒板に書き終わるとチョークを置き、再び振り返って淡々とした声で自己紹介を始めた。

 

「雨宮蓮です。紆余曲折あってここに転校してきました。好きな物は猫と珈琲とカレー。嫌いな物は・・・・・・。特技は色々あります。よろしくお願いします。」

 

普通、正に普通。これ以上もこれ以下もない。そんな特にこれと言って特徴の無い普通の自己紹介をするもクラスメイト達の心情は正に嵐の様に乱れまくっていた。

 

(嫌いな物なんだよぉぉ!!言えよォ!何だその間はぁぁ!?逆らってくるやつとか邪魔なやつとか言うのか!?ヤクザかよ!!!)

 

(噂通りなんかじゃねぇ!!噂以上じゃねぇかぁ!揶揄うとかそういうことが出来る次元じゃねぇやつじゃねぇーかぁぁぁ!!)

 

(てゆーか何!?なんであんな名前デカデカと黒板に書いてんの!?自己主張強すぎんだろ!!??怖ぇよもう!!)

 

そう、蓮は無駄にデカく黒板に名前を書いていた。そこに深い意味は無い。何となく、前の周回よりも大きく書くかというのを繰り返した結果黒板いっぱいまで大きくなってしまっただけのことである。しかしそれがクラスメイトに更なる圧をかけていることを本人は気づかない。自己紹介を終えなんのリアクションも起こさないクラスメイトを他所に黒板の名前を消していく。

 

まるでお通夜ムードになってしまった教室に川上は躊躇いながらも蓮を席へと誘導する。

 

「えっと、じゃあ、席はあそこで・・・」

 

「はい」

 

蓮の歩く音だけが教室に響く。隣になったことを嫌がる女子生徒の呟きもそれをイジるガヤも湧かない。湧くはずがない。ここでそんなことをするのは余程の命知らずだけだ。それほどまでにこの教室の空気は重く、悪い。しかもそれに蓮本人が気づいてないどうしようもなさっぷり。

 

しかし、そんな空気の中でも蓮に話しかける人物はいた。日本人離れした美しい顔立ちにふわもこの金髪ツインテールをした女子生徒。そう、今朝駅前で会った杏であった。

 

「・・・嘘」

 

「あ、朝の。あの時はどうも。」

 

「・・・・・・ん。」

 

会話とも言えないようなそっけない短いやり取り。まぁ知り合ってすらいないこの状況ではこうなのも仕方ない。早く気兼ねなく話せる仲になりたいものだと考えながら杏の真後ろの自分の席につく。2人の関係性が気になったが口に出したらやられるとマジで考えているクラスメイト達は口に厳重なチャックをして黙って早く時が過ぎるのを待っていた。

 

「あー・・・・・・そうだ、明後日球技大会だから親交を深めてね・・・じゃあ、じゅ、授業を始めまーす・・・」

 

ウサギ小屋にイタチが放たれたような状況に川上は軽く目眩を憶えながらも何とか耐えきりこの空気の中でやるのも嫌だが仕方なく授業を始めた。

 

その後、何の問題もなく(?)授業は進み時の流れが遅く感じ気が気でない時間を過ごしているクラスメイト達は蓮からの(かけられてない)プレッシャーに晒されながらも黙々と授業に取り組んだ。普段はお喋りが発生するはずなのだが今日はそれが一切なく皆真面目に話を聞いていた。川上に指された時以外は皆無言、一言も喋らずにただただこの時間の終わりを望んでいた。

 

ちなみに蓮の隣の女子生徒は終始涙目だった。

 

そうしているうちにチャイムが鳴りようやく授業終了時間となって地獄のような5時限目は幕を閉じた。クラスメイト達は皆緊張感から開放されたことで脱力し隠れて大きくため息を吐く。どんだけプレッシャー強かったんだよ。出てないのに。蓮の後ろの席の男子生徒に関しては変な扉を開きかけていた。その先は地獄だぞ()

 

この1時間でこれまでの人生で1番集中した気がする、恐怖を誤魔化すために勉強に集中するなんてこれからの人生で絶対に経験しないと後に地味オブ地味の三島は語る。

 

それは川上も同じだったのか心無しか最初よりもやつれているように見える。目頭を揉んでからため息を吐きさっさとSHRを切り上げ、早足気味に職員室に帰って行った。

 

さて、これで今日の学校はおしまい。俺も竜司に会いに行くかと少ない荷物を纏めカバンを持つと後ろのドアから出ていく・・・前にクラスメイト達にとって特大の爆弾発言を残していった。

 

「それじゃあ皆、()()()()()()()()()!」

 

その一言でクラスメイト達は比喩でもなく凍りつき、蓮が楽しげに教室から出ていった数瞬後凄まじい絶叫が教室を大きく揺らした。まるで地獄に叩き落とされた罪人の嘆きのような声を後目に周回の中で溜まった学校への鬱憤を少し晴らしてご満悦な蓮はややスキップ気味に廊下を歩いて行った。

 

「何かエラくご機嫌だな・・・なんかあったか?」

 

「ちょっとな」

 

その先で鉢合わせた竜司に若干引かれながらもニコニコと笑う蓮。不思議そうにしながらも「とりあえず屋上行こうぜ」と親指で階段の方を指さす竜司。どうやら誰にも聞かれない場所で話し合いたいらしい。もちろん断る理由がないのでついて行く。

 

屋上で2人きり・・・何も起きないはずもなく・・・え?何も起きない?あ、そう(落胆)

 

ちなみにここはタイミングが悪いと鴨志田が来てしまうので出来るだけ早く登るようにする。運悪くエンカウントとすると問題児2人が一緒にいるというだけで暇人なのかと言いたくなるくらいちょっかいをかけられるので大変面倒くさい。なのでパパっと上に行ってしまおう。

 

そしてどうやら蓮達が3階に登ったと同時に先程まで蓮達がいた2階に鴨志田と校長が来たらしい。この校長もありがたーい小言がうるさいから捕まると厄介なのだ。この2人にエンカウントするということは1周目の時にろくなペルソナを持ってない状態でシキオウジとキンキを同時に相手取るぐらい面倒だ。絶対に会いたくない。

 

ちなみに作者はその2体に単体で死ぬほどボコられたことがある。SP枯渇状態で出会って物理無効で連続クリティカルってなんだよ(ブチ切れ)俺は敵として出てくるこの2体だけは絶対に許さないと心に誓っている。あとインキュバス、テメーもだ。そのご立派な下半身の角をぶち折ってやっからな(憤怒)

 

さて、話は戻りそんなこんなでその会話を耳にしながら蓮は屋上へと出ていった。

 

そこにはフェンスで囲まれ机と椅子が散乱し、ちょっとした菜園と植物のプランターなどが置いてある如何にも問題児が溜まり場にしてそうな場所であった。竜司はキョロキョロと誰もいないことを確認すると散乱した机の方へ行きそこに仕舞われていた椅子を引いてドカッと座った。それに合わせて蓮も机を少し引いて丁度いい位置に置きそこに腰掛ける。

 

「ふぅ・・・悪かったな、急に連れてきちまって。川上に言われたろ?俺に関わるなとかどーとか。」

 

「別にいいさ、特に何も言われなかったし」

 

言われなかったというか言う暇も元気も奪ったというか。しかし蓮は悪びれもせずにそう言った。責任?何それ美味しいの?とでも言うように平然としている。流石、田舎のヤベー奴なだけある。

 

「あ?そうなのか・・・まぁいいか。だとしてもお互い様だな、聞いたぜ?『前歴』あんだって?噂んなってるよ。道理で肝が図太ぇ訳だ。」

 

「まぁな」

 

前歴のことなど最早屁でもない蓮はややドヤ顔気味にそう返すと竜司は困惑しながらツッコミを入れる。

 

「いや威張るとこじゃなくね・・・?って、そーじゃねぇ!話したいのはそんなじゃなくてあの城の事だ。」

 

ツッコんでから姿勢を変え、前かがみになって真剣な顔で迷い込んだ鴨志田のいたラブホテルじみた城について話し始めた。

 

「猫が言うには歪んだ認知が形になった場所・・・だったか?らしいけどよ、つまりは鴨志田の野郎がここを自分の支配する城だと思ってっからあんな分かりやすい城になってんだろ?」

 

「そうなるな」

 

「・・・お前は知らないだろうけどよ、奴には黒い噂があんだよ。」

 

「黒い噂?」

 

「あぁ、色々とな。けどバレー部の顧問で元メダリスト、しかも部を全国に行かせてったから誰も文句言えねぇ。そんなとこがあの城にいた王様気どってた鴨志田に被って妙にリアルなんだよ・・・くそ、もっかいあそこに行ければ何か分かるかも知んねぇのに・・・!」

 

パシンと拳と掌を合わせて悔しそうな顔をする竜司。彼が鴨志田にされた事を考えれば、そして奴が裏でやってる事を考えれば当然だろう。それを確かめる術があるのにどうやってあそこに行けるのかが分からない。あと少しで答えが分かるというのに解いていた問題を奪われたような感覚だ。

 

「・・・・・・つっても今日は色々あり過ぎて疲れたしな。帰って休もうぜ。この続きはまた明日にしてさ。」

 

苛立ちながらも今日の出来事を振り返り、ごちゃごちゃになった頭やフラフラの体を休めなければと竜司は後味の良くないものを残しながらも蓮にそう笑いかける。しかも自分も疲れてるというのに蓮の方を気遣っての提案だった。この男、ここまで気配りができるのに何故モテないのか理解が出来ない。色々余計なことを言うからだろうか(正解)

 

それに対して蓮は今、行く方法があるかもしれないととっくに知っている異世界ナビの事を知らせることも出来るがそれをせずにそうだなと頷き、スマホをポケットに戻した。確かに自分はまだまだ余裕があるが竜司はそうでは無い。ここで異世界ナビの事を知らせれば竜司はきっと無理をしてでもパレスに行こうとするだろう。

 

そうするとどうなるか?竜司が疲労困憊になり、最悪死ぬ

 

 

死ぬ(絶望)

 

 

何かが違うこの周回でリスクを犯す必要は無い。竜司にはまた後日これの存在を知らせれば安全に事を運べるのだ。ここは安牌を切るべき所、勝負の目ではない。そう考えながら蓮は「腹減ったー」と言いながら屋上から出ていく竜司の背中を見つめていた。自分もそろそろ行くかと机から腰を上げ、扉の方へ歩く。その途中で屋上のフェンスが目に入る。

 

「・・・・・・。」

 

蓮は少しの間そのフェンスを意味ありげに見つめてから自然と鋭くなった目を隠す様に眼鏡をクイッと直してから再び屋上の扉へ向かった。

 

「そーだ、言い忘れてた!」

 

「ん」

 

そして蓮が扉を開けようとした瞬間にガチャリと勢いよく扉が開くが何となく察知していた蓮はひょいと横に軽く移動して回避した。割と凄いことをした蓮は何事も無かったかのような涼しい顔で竜司を見る。竜司も一瞬ビックリしていたが直ぐに元に戻りサムズアップをしながら笑顔で忘れていた自己紹介をした。

 

「俺、『坂本竜司』な!学校で見かけたら話しかけっからシカトすんなよ?問題児同士仲良くしようぜ!」

 

「ああ、よろしく竜司。俺は雨宮蓮だ、レンレンと呼んでくれ。」

 

真顔で両手ダブルピースをかました蓮に竜司はキョトンとした後に盛大に吹き出した。それは竜司にとって久々に出た腹を抱えるほどの大笑いだった。

 

「ぶっは!!んだそれ、パ、パンダかよ!ハハハ!お前おもしれーな!噂より全然良い奴だし、何かお前となら超仲良くなれそーだわ!」

 

笑い過ぎて涙目の竜司を見て何だか度胸と魅力が上がった気がする蓮。出会った初日だと言うのにこの打ち解けよう。やはり最初に出会い、最後まで共に戦い続けたこのペアはかなり相性がいいようだ。まぁ片方が何度も相方と戦い続けた奴だからというのもあるだろうが。

 

「んじゃあ、また明日なレンレン!」

 

「また明日、竜司」

 

2人は一気に距離の縮まった彼らはまるで数年単位で絡んだ友人のような別れをしてそれぞれの帰路についた。

 

 

 

 

 

上手くコミニケーションが取れたと満足気に笑みを浮かべながら電車に揺られる蓮。そして四軒茶屋駅から降りてすっかり暗くなった道を歩きついでに買ったジュースをカバンに入れながら愛しのルブランへと帰宅した。心地いい鈴の音を聞きながら中に入るとカウンターの向こう側で惣治郎が仏頂面で蓮を出迎えた。

 

「ただいまです」

 

「よう、初日から半日も遅刻とはいい度胸じゃねぇか。学校から連絡あったぞ。」

 

「すみません」

 

意外にもなんの言い訳もせず素直に謝罪した蓮にパチクリと瞬きした惣治郎は目頭を揉んだ後、仏頂面を止め今度はニヤリと悪い笑みを浮かべる。どうやらさっきの不機嫌さは演技だったようだ。いい男はどんな一面も演じれるらしい。実は蓮にはバリバリ見抜かれていたが。

 

「冗談だよ、朝から災難だったみたいだな。登校初日に不良に絡まれるたぁ、まぁやり返さなかっただけ褒めてやるがな。改めて言うが問題を起こしたら今度こそ人生終わっちまうってんだからそこはよく考えて行動しろよ。」

 

「心得てます」

 

「なら良し」

 

蓮の返事にフッとお得意のダンディ大人スマイルをする惣治郎。やはりこの人いい男過ぎる。枯れ専の人は直ぐに堕ちるんじゃなかろうか。なんて考えていると惣治郎のスマホに電話が入る。惣治郎は蓮を見て蓮が頷くとスマホを取りだし、電話に出た。

 

「おう、どうした・・・あぁ店閉めた所だ、ちゃんと30分で着くよ。あぁ、んじゃあ後でな。」

 

「女ですか?」

 

「はっ倒すぞ」

 

電話を切った後今度は正面突撃右ストレートで失礼をかました蓮に惣治郎は青筋を立てながらカウンターに置いてある分厚い本を構える。それに対して蓮は「冗談です」と言いながら観葉植物を盾にした。惣治郎は2回目のやり取りにやはりこいつは小生意気な所があるなとため息を吐きつつ心の中で少し笑いながらエプロンを解く。

 

「それじゃあ俺ァ帰るから鍵閉めよろしくな、電気も消しといてくれ。飯は冷蔵庫のもん使っていいが、使い過ぎるなよ。買い出し面倒だからな・・・や、そうなったらお前に行かせるけど。」

 

「GIG」

 

「どういう返事だよそりゃ・・・まぁいい、頼んだぞ」

 

そう言ってパパッと服装を整えて帽子を被ると惣治郎は手を振りながら店から出ていった。どこかの作者の思い出の怪獣防衛隊で使われる了解の意を持つ言葉を放ちながら敬礼のポーズをとってその背中を見送る蓮。伝わりづらい言葉を使うな()

 

そして惣治郎が出ていった後は一旦上にカバンを置いてから再度降りて一応鍵をかけてから夕食の準備をする。カップラーメンでもいいが今日は少し()()()ものが食べたいなという気分であった。具体的に言うと塩気のある和食がいいと考えながら冷蔵庫を開ける。

 

「ふむ・・・これなら」

 

冷蔵庫を漁ると適当にあった有り合わせの食材で夕食を作り始める。その様子はとても様になっていてまるでこっそり帰宅して覗き見するとテキパキと家事を進め嫁の帰りを待つ専業主夫を見たかのよう(?)。

 

ちょっとよく分から無いがそうして手際よく作られたのはホカホカの白飯とカリカリのベーコンエッグ、インスタントの味噌汁にどこから出てきたのか秋刀魚の塩焼き、そして千切りにした山盛りのキャベツ。それに醤油などの調味料を用意し、客席の机に置く。

 

その全てが特に特徴もない庶民的で平凡、普通の料理だと言うのに何故か酷く食欲をそそられる美味しそうな出来となっている。

 

「ご機嫌な夕食だ・・・・・・じゃあ、いただきます」

 

一瞬だけ作画が板垣先生寄りになった蓮は手を合わせ食材への感謝を告げると手作りの夕食を美味そうに食べ始める。

 

ズズ・・・と味噌汁を啜り、ベーコンをパク・・・と口に運び、モリ・・・と山盛りのキャベツを食べ、メリ・・・モニュ・・・と咀嚼する。もう顔が完全に範馬○牙になりつつあるが気にせずに食べ続ける。自分で言うのもなんだがかなり美味しい。このままグラップラーになり神イントロが流れ出しそうな雰囲気を出しているとどこからかヨダレを飲み込むような音が聞こえた気がする。

 

きっとここを監視している彼女のだろうと気配を察知した蓮は考える。しかし彼女はそれを指をくわえて見ているしかない。ふはは、悔しかろう。カップ麺を啜って空腹を満たすがいい、いつか作ってあげるから(慈母神)

 

そしてあっという間に完食すると手を合わせ、自らの体の1部となった頂いた命達に再び感謝を込めて「ごちそうさまでした」と言いながら頭を下げた。今度は煮付けでも作ろうかなと考えながら食器を洗い片していく。

 

最後に帰りに買っていおいた缶コーヒーを飲んで食後の贅沢コーヒーを味わう。本当はルブランコーヒーがいいのだが生憎器具は全部使えないので仕方なくこれで代用している。まぁたまには悪くないがやはりルブランコーヒーに比べると味は格段に下がる。いや缶コーヒーと本格的なコーヒーを比べるのはおかしいと思うが。でもやっぱりルブランコーヒーがいいと思うほど蓮の中にその味は深く刻み込まれていた。

 

(さて・・・)

 

蓮は缶コーヒーを机に置き、手を口元を隠す様に組み思考を走らせる。いわゆるゲンドウポーズで今日の出来事、その一部分のことを思い返していた。

 

(これまでのループの中であの()()の存在は1度だって確認出来なかった。本来ならば無いものがここに来て急に現れた・・・それが何を意味するのか・・・もしかしたら、俺が思ってるよりもこれは重要な事なのかもしれない、そんな気がする。)

 

そんな自分の直感に引っかかったことを考えるがまだまだ核心に至るには材料が足りないなと一旦これを切り上げ、コーヒーを一気飲みした。

 

(明日は2回目の潜入だ・・・どんなイレギュラーがあるか分からない以上、気合い入れて行かなきゃな)

 

コーヒーを飲み込みながら密かにやる気を燃やす蓮。ぐしゃりと缶を潰してゴミ箱に捨て、荷物を持って銭湯に向かう。今日は魅力ジジイがいなかったがサッパリした蓮はまた魅力が上がって一段と色男度が増した。

 

こいつはどれだけステが伸びるのだろう。魅力に関しては俺に限界はねぇ!とでも言うつもりだろうか。

 

そのうち息で女性を堕としそう(小並感)

 

風呂も済ませた後はもうやることないのでストレッチをして体を解してから後はもう寝るだけである。制服を掛け、荷物は机に置いて観葉植物に水を上げる。そして今日の出来事を軽くメモしてから今度は日記をチョロっと書いて寝る前にやることを全て済ませた。

 

(よし、それじゃあベルベットルームにカチコミ行くか)

 

そう言って張り切りながら眠気に身を任せた蓮はベルベットルームに窓は無いぞというツッコミを無視して布団に入り込み、秒で意識を闇へと落として行った・・・・・・

 

 

 

 

 

その後、座標がズレたのか何故か突然上から降ってきてベッドの上にスーパーヒーロー着地を決めて枷である鉄球を地面にめり込ませ大きな音をたてた蓮にカロリーヌが驚き「ぴゃあっ!?」という可愛い悲鳴を上げたという・・・・・・

 

 

 

 

 

 




屋根ゴミ√のジョーカー君は女だけでなく男すら落とすから・・・魔性の男の極みを舐めちゃあかんで!


鴨志田「ん?こいつよく見たら・・・」

うんたらかんたら・・・今こそ汝、『欲望』の究極なる秘奥に目覚めたり。無尽の力を汝に与えん・・・

『欲望(鴨志田)』コープMAX!!

鴨志田「いい男じゃないか・・・♂」

蓮「ちょっ」

ハーレムルート、そういうのもあるのか・・・

次回辺り竜司覚醒かな

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