周回プレイヤージョーカー君   作:文明監視官1966

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生きてます(2回目)

新しい職場はストレスがいっぱい!(虚無)

社会に出て分かることは、労働はクソという事です(NNMN並感)。経験が云々言ってる人は労働が生活になってる人です。私とは分かり合えぬ。

Part4まで行っちゃったよ第11話

浮かんだことを打ち込んでたらいつの間にか長くなってるのでなかなか前に進めないジレンマ。でもちゃんとしないとあとのストーリーに支障が出る・・・ツライナァァァァ!!ツライナァァァァ!!

頼む・・・静かに・・・

あ、ちなみに鈴井さんはヒロインではありません(無慈悲)


今回も、展開が巻き巻きになっていくよオ〜!?


NARUTOの忍術身に付けた転生者が鬼滅の世界で歴代柱+縁壱を穢土転して鬼側をフルボッコにする作品下さい


A beautiful rose has thorns!/Part4

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「おせーぞ蓮、どこ行ってたんだよ?学校中探したんだぜ?」

 

「悪い、少し用事があった」

 

「まぁいいけど・・・そんでよ、話ってのが〜・・・・・・」

 

蓮が鈴井と会って説得した後、中庭で竜司と合流して毎回やってる似たような会話をしていると途中で猫が乱入してきた。そう、現実世界でのモルガナである。自称人間なのに猫になってしかも喋ってる彼に竜司から総ツッコミが入っていたがそれをガンスルー。

 

そして鴨志田を何とかする方法を知ってると言われまんまと釣られた竜司はその話に乗り屋上へと場所を移した。

 

綺麗な夕焼けが照らす屋上でモルガナの説明を聞く2人。若干1名は理解が追いついていないのか渋い顔をしている。

 

「・・・と、言うわけだ。分かったか?特に金髪。」

 

「えぇ〜と?つまり、パレスを消せば鴨志田がマトモになって?その為にはパレスにあるお宝・・・?を奪う必要があって、でもそれをすると鴨志田が死んじまうかもしんねぇ・・・って事、だよな?合ってる?」

 

「大丈夫、満点だ。」

 

「少し怪しいがな」

 

不安げな竜司にサムズアップする蓮とジト目を向けるモルガナ。

 

「けどよ、幾らぶっ飛ばしてぇあいつでも殺すのは・・・」

 

「確かにな」

 

「おいおい、じゃあ他にあいつをやる方法はあんのかよ?パレスが無くなって廃人になったとしても足はつかないんだぜ?」

 

「足つかねぇって、バレなきゃ何してもいいってんじゃ鴨志田とやってることが一緒じゃねぇか!」

 

やれやれと言った具合に軽く言い放つモルガナ。例え吐き気を催すような悪人であっても殺すのは憚るものだが彼はどうやら殺られるなら殺るタイプのようでほぼ気にしている様子が無い。

 

蓮も別にそうなってしまっても軽く流せる。だが一般的な感性を持つ竜司は別だ。当たり前に人を殺すのに躊躇いを覚える。それに自分が鴨志田と似たような事をするというのに抵抗を持っている。

 

しかし現状を打ち破るにはそれしかないのは確かだ。

 

「・・・詳しく話を聞こう」

 

「ほう、やっぱりお前は話が早いな。前の件は許さんけど。」

 

「ハッ!?おい蓮お前何言って・・・!?」

 

消極的な竜司に対してモルガナに話を聞こうとする蓮。彼からすれば迷う理由など一片たりともありはしないのだがそれに意を反するのはやはり竜司。ダチが目の前で悪魔と契約しようとしてるのだから止めようとするのは当然だろう。

 

なのでここは竜司の良心を刺激する事にした。ここに来る前に会って避難させていた2人についての話を凄く深刻そうな顔をして2人に話し始める。

 

「・・・・・・実は、ここに来る前ある話を聞いた」

 

「話?」

 

「あぁ、簡単に話を纏めると鈴井さんと高巻さんが鴨志田に狙われている。」

 

「何だと!?高巻達が!?」

 

目をひん剥いて驚いた竜司はこうしちゃいられないと言うように慌ただしく扉に向かおうとしたので蓮は手で制し続きを話した。

 

「それについては既に手は打った。2人を説得し鴨志田に見つかる前に帰宅して貰っている。事情も話したので数日は大丈夫だろう。」

 

「そ、そうかそりゃ良かった・・・だから学校中探してもいなかったのか」

 

蓮の説明に納得した竜司。そしてそんな彼に決意を固めた視線を向ける蓮。

 

「俺達がやらなければ、2人に鴨志田の魔の手が届いてしまうだろう。それを知っていて行動しないなんて俺には出来ない。それに今この瞬間にも苦しんでるバレー部の皆も見捨てる事になる。」

 

「こいつの言う通りだぜ、待ってるだけじゃチャンスなんて訪れねぇ。この状況を覆すには多少のリスクを背負ってでもやるべきだと思うがな。」

 

蓮に続いたモルガナは静かに力強くそう言った。まさしくその通りだ。何かを変えることが出来るのは何かを捨てることが出来る者。例え殺してしまう可能性があったとしても暗闇の中に唯一の光なのだ。しかもそれは竜司達だけの光じゃない。鴨志田の被害者達全員の光だ・・・などというのは結局は方便、竜司を揺さぶる為に言ったに過ぎない。蓮は未だ残る罪悪感にまだ人としての感性がある事に安堵を覚えながら竜司を見る。

 

それを聞いて竜司は酷く悩む。腕を組んでむぅ〜と唸ったと思ったら数秒経たずにうがーっ!!と頭を掻きむしり、自分の中にあった迷いを投げ捨て覚悟を決めた。

 

「・・・それもそうだな。やらなきゃ色んなやつが鴨志田にビビりながら生きることになる、誰かが終わらせなきゃなんねぇんだよな。」

 

「ハッ!ようやく意思が固まったか金髪!ちんたら悩みやがって!」

 

「うるせー!決まったんだ、いいからさっさと行こうぜ!鴨志田の欲望ぶん取りによォ!」

 

若干ヤケクソが混じっている竜司に続いて蓮もモルガナを抱えて裏路地へと向かった。部活で残っている生徒以外下校し、日中の騒がしさは消えやや不気味な雰囲気が漂うそこで3人はスマホを用意しパレス潜入の準備を整える。

 

「ん?なんだスマホなんて出して、そんなもん出してどうすんだ?」

 

「あ?どうするってこれであそこに行くに決まってんだろ?」

 

そう言いながらスマホに映る異世界ナビを見せる竜司。モルガナは趣味の悪いアイコンがデカデカと出てる画面を見ながら興味深そうに唸る。

 

「ふーん・・・そういうことか、変わったもん持ってんな」

 

「そういうお前はどうなんだよ、絶対スマホ持ってねぇだろ。どうやってあっちに行ってんだ?」

 

「吾輩は特別だからな、そんなもん無くてもあっちに行けるのさ」

 

猫の姿でふふーん!とドヤるモルガナ。大変可愛らしくて結構。無意識に手を伸ばしていた蓮がわしゃわしゃと撫でててやるとそのテクニックにモルガナはふにゃーと普通の猫のように気持ちよさそうに体をくねらせる。

 

だがハッ!と何とか意識を取り戻し「猫じゃねー!ふしゃー!」と蓮の手を振り払った。あぁ、これは猫だなと竜司は声には出さなかったがそう思った。振ってみれば猫じゃらしにでも反応するんじゃないか。

 

「ったく、いいか?あそこに行ったら吾輩達は『怪盗』なんだ。気を引き締めて行けよ!」

 

「は?怪盗?」

 

「その通り!密かに入り込み、華麗にオタカラを盗み出す。まさに『怪盗』じゃねーか!」

 

モルガナが目をキラキラさせながらそう言うと竜司もウキウキした少年のような表情になってやる気が湧き出てきていた。

 

「おぉ・・・なんかカッコイイな!」

 

「悪くない」

 

蓮も便乗するとモルガナはそうだろうそうだろう!と嬉しそうに体を揺らしている。正しく愛らしさの権化だ。

 

「うし!んじゃあ行くか!見てろよ鴨志田・・・テメェの汚ぇ欲望根こそぎ奪ってやる!」

 

「あぁ!行くぞ!」

 

「潜入開始だ」

 

 

 

『ナビを開始します』

 

 

 

 

スマホからお馴染みの音声が鳴り響き、世界が歪み塗り替えられて行った。

 

 

 

 

 

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歪みが収まり、現実と認知が入れ替わる。

 

 

ナビによって異世界へ移動したジョーカー達は気合を入れて通気口へ向かい再び瘴気が漂うパレスに潜入した。

 

「よし、それじゃあ城に入る前にコードネームを決めるぞ」

 

「コードネーム?あれか、映画でよくある二つ名的な奴」

 

「そうだ!怪盗なのに本名で呼び合うなんてマヌケだろ?吾輩イヤだ!それにパレス内で名前を呼びあってたらどんな影響があるか分からんしな、念の為だ」

 

「後半が建前にしか聞こえねぇ・・・まぁ確かにこのカッコで名前で呼び会うのはダセェな」

 

竜司はペルソナを使って戦闘中に名前を呼び合ってるのを想像して渋い顔をした。それならコードネームの方がカッコつくなとモルガナの意見に賛同する。

 

「んじゃ俺はスカルな!このイカすドクロマスク着けてっからよ!」

 

「スカルね・・・ヤンキーの方がいいんじゃないか?」

 

「あぁ!?ならてめぇはチビ猫だ!」

 

「誰がチビだ!そんで猫じゃねー!そうだな吾輩は・・・」

 

「『モナ』だな」

 

「は?」

 

モルガナが自分の名前を考えてる時に蓮が横からそう言った。モナ、『モ』ルガ『ナ』からとった超キュートなコードネームだ。しかし言われた本人は横から入ってきたそれに困惑して目を丸くしている。そしてその間に竜司も乗ってきてそのコードネームを推してきた。

 

「お!いいじゃねぇかモナ!言いやすいし!」

 

「どういう理由だ!・・・まぁ、お前が言うならかまわん。」

 

やや不満気味だが確かに言いやすいし、なんかこうミステリアスな感じがする。それに蓮がそう言うのならばとモルガナ、『モナ』は納得しそのコードネームを採用した。

 

「じゃあ最後はこいつだな!うーんとそうだな・・・マジシャンとか?」

 

「怪盗だっつってんだろ!ふむ、それなら・・・『ジョーカー』だな」

 

ニヤリと笑みを浮かべてそう言ったモナにスカルは?と首を傾げた。

 

「ジョーカー?なんでトランプが出てくんだよ」

 

「ちげーよ、『切り札』って意味だ。コイツは怪盗としてあらゆる面で優れている、ペルソナの強さもな。それに吾輩の見立てでは更に何かある気がする・・・故に『切り札(ジョーカー)』だ」

 

どうだ?とドヤ顔で聞いてくるモナにジョーカーはフッと笑って親指を立てた。

 

「気に入った」

 

「決まりだな!これからは竜司はスカル、吾輩はモナ、蓮はジョーカーだ。今後はこのコードネームを徹底していくぞ!」

 

「うっしゃ!んじゃ決め終わった事だし、早速行こうぜジョーカー!モナ!」

 

コードネームが決定した所でスカルが気合を入れながらジョーカーの肩とモナの頭を叩きながら城の方へ歩いていく。それに続くようにジョーカーもお決まりの手袋を直す動作をしながら歩みを進めた。

 

「ああ、行こう」

 

 

 

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カモシダパレス 攻略開始!!

 

 

 

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前の潜入時のようにジョーカー達よりもこの城内部に詳しいモナの先導のもとシャドウ達の目を掻い潜りながら先へ進み、ジョーカーのみが持つ特殊な観察眼『サードアイ』を用いて様々なギミックを影と共に突破していく。

 

このサードアイが中々、いやかなり便利でアイテムや宝箱を発見出来るしギミックの場所や利用出来るカバー場所や登れる場所など幅広く見つけることが出来る優れ物だ。

 

しかもシャドウを見るとある程度の強さも見抜ける。しかもしかも現実世界でも使う事が出来ちゃう為、超便利。最早これ無しでは生きていけない、一家に一台サードアイである。

 

そんな訳でサクサクパレス攻略をしているとジョーカーはまた妙な相違点を見つけた。

 

それがこの階段である。

 

ジョーカーの記憶ではこの階段はここまで壊滅的に崩壊はしておらず登るのに問題は無かった筈なのだが彼らが見上げる階段、いや元階段だった場所は大きく崩落し本来の役目を投げ出した状態であった。

 

「これは・・・」

 

「酷いな」

 

これでは上に行くことが出来ない。しかし物理的に登るのはほぼ不可能、ペルソナを使えば行けるだろうが警備に気付かれてしまうかもしれない。そうなるととても厄介だ。こういう狭い所では動きにくい上に一度湧くと次から次へとやってくるから出来ればそれは避けたい。

 

「どーするよ、外から登れっか?」

 

「いや、リスクが高すぎる。それは出来ない。」

 

どうするかとジョーカーが思案しているとモナが得意顔である物を取り出した。

 

「あそこに丁度いいのがあるな。よし、どうやらこいつの出番みたいだ!」

 

ぺこぺこんと某猫型ロボットのようにポーチから出したそれを披露する様に頭上に掲げる。というかもう完全にドラ〇もんである。ご丁寧に背景まで一致しており完璧なパク、いやオマージュだ。大手に喧嘩を売るのはやめてください。

 

「んだこりゃ、剣道の小手か?」

 

「お前は目までモンキーなのか?」

「喧嘩なら買うぞ迷子の迷子の子猫ちゃんがぁ・・・!」

 

「誰が迷子の迷子の子猫ちゃんだこの日光猿軍団がぁ!」

 

「はいはい、喧嘩は後にして説明の続きを頼む」

 

一触即発となった2人を宥めながらモナにこの道具について説明を求めた。何しろここに来て初めての怪盗道具だ、興味津々の津々である。未だスカルと睨み合うモナの手から拝借し色々と観察してみる。

 

(今まで見た事と無い形状だ。とてもコンパクトで軽量なので動きを阻害しない、これを付けたままでも戦闘は問題なく行えるだろう。そしてこの射出口、なるほどここからワイヤーを出してフックを引っ掛ける事で高い所にも移動できるというわけか。ウェブシューターみたいだな。)

 

「そいつは銃と同じように認知の影響を受けた道具だ。現実じゃ少し紐が飛び出すようなもんだが認知世界では頑強なワイヤーを打ち出しアクロバティックな動きを可能にする!吾輩の力作だ!感謝して使えよ!」

 

「ほう・・・」

 

「早速腕に取り付けて実践してみろ!」

 

「分かった」

 

モルガナに言われた通り左腕にワイヤーフックを装備して外れないか軽く動いて確認し付け心地を堪能すると満足気に「うん」と頷いた。やはり全然動きを阻害しない、これはいいものだと思わず笑みを零す。

 

そして左腕を先程モナが目を付けた装飾物に狙いを付けてワイヤーを射出しようとするが、そう言えばこれどうやって出すんだろと考えた瞬間何故かジョーカーの左腕が真っ赤に燃える!・・・ではなく青く輝き光って唸り始めた。

 

正確には左腕に付けたワイヤーフックが青い光を発し始め、ジョーカーの意志を反映したようにワイヤーが勢い良く飛び出し狙っていた装飾物に引っ掛かる。おぉ、と軽く驚いていると今度はそのワイヤーが勢い良く巻取られていき強制的に飛ッび上がライズし、釣り糸を引かれた魚のように逆バンジーする事となった。

 

だがそこはジョーカー、慌てることなく極めて冷静に到達点を確認してぶつかる前にタイミング良く手摺に手をかけ、向こう側の階段へ華麗に着地してみせた。

 

これにはモナも高評価。文句無しの10点である。

 

「流石だな!もう完璧に使いこなしてるじゃないか!」

 

「確かにすげーけどよ、これ俺らどうすんだ?」

 

「・・・・・・あ」

 

「おい」

 

どうやらジョーカーだけが上に行ってから残された自分達には移動手段が無いことをスカルの指摘で思い出したようで「やっべ」と言う感じに目を逸らした。そりゃモナが用意してたのは一つだけなんだから当たり前なんだが上手く作動したのを見てはしゃいでたら忘れてたみたいだ。

 

「スカル、投げるからキャッチしてくれ」

 

「おっしゃ任せろ!」

 

「おぉい!それ1個しかないんだから丁寧に扱えよ!マジで!」

 

「行っくぞー」

 

「おーらいおーらい」

 

「頼むぞお前ら!マジで頼むぞ!ア゙ア゙ア゙ア゙!雑に投げんなァ!」

 

男子高校生のように、いや実際に男子高校生なのだが休み時間に飲み物を投げ渡すかのようなものっすごい軽い感じでワイヤーフックをポイッと空中に投げるジョーカーと掃除の時間に野球をやってる奴みたいな軽さでキャッチするスカル。モナは当たり前に怒り心頭である。

 

つるっと手を滑らせ地面に激突、粉砕玉砕大☆喝☆采!とはならずなんとか壊さずにスカルの手の中に落ちたワイヤーフック。心底ホッとしているモナを心の準備をする前に乱暴に抱えてスカルがワイヤーを飛ばして逆バンジー。

 

「よっしゃ行くぞ!」

 

「え、ちょ、待っ!?」

 

「FOOOOOOO!!ぶべ!?」

 

「にゃああああああ!ぎゃっ!?」

 

そこまでは良かったがどう着地するか考える前に飛ばした為にワイヤーが外れると勢いそのまま手摺を飛び越え2人揃って壁に無様に激突した。

 

「い、いでぇ・・・」

 

「なんで吾輩まで・・・」

 

「ナイスフライト」

 

「皮肉かこの野郎・・・」

 

痛みに震えながらちゃっかり避けたジョーカーを睨むモナ。しかしこれで3人とも無事(?)に崩壊した階段を登れたのでぶつけたデコに申し訳程度の絆創膏を貼って先に進むことにした。

 

再び巡回している兵士を物陰に潜みながら避けて進み、たびたび見つかる宝物やアイテムを回収して行く。

 

兵士達は甲冑に身を包んでいるからか非常に視野が狭い。真正面に立ったりしない限りは足元にいても一切バレないというお前それ警備としてどうなんだというガバガバぶりである。鴨志田の慢心が反映された結果だろうか。

 

そのおかげでとてもスムーズに探索が進む。戦闘をしなくて済むのは有難いがそれだとスカルの経験が積めないというデメリットもある。リスク承知でそろそろ戦闘してみるかと考えていると前を走っていたモナが急に動きを止めた。

 

「どうした?モナ」

 

「なんだ・・・この感覚。妙な感じがするぜ、よく分からんが何故かとても惹かれる」

 

そう言いながらピコピコと耳を揺らし、スンスンと鼻を鳴らしながら少しの手がかりも逃すまいと周囲を探知しながら移動する。それは獲物を見つけた獣のように朧気ながらも確かな道筋を辿っていた。その後を顔を見合せ不思議そうにしながらもジョーカー達はついて行く。これもジョーカーにとって初めての事象であった。

 

「お宝ってやつか?」

 

「いや違う、違うが・・・とても惹かれるんだ。」

 

あのモナをして『惹かれる』とまで言わしめる代物。それもお宝では無いナニカ。単なるアイテムだとか宝箱では無いのは確かだ。そんな希少な物を探さない手は無い、内なる期待と好奇心に従ってそのナニカを探す事にした。

 

「ふむ、気になるな。行ってみるか」

 

「れ・・・ジョーカーが言うならいいぜ」

 

「よし、全会一致だな。こっちから感じる、着いてこい!」

 

ナニカの場所を正確に突き止めたのかモナは迷いなく道を進んでいく。勿論シャドウにも警戒しながら進んでいくとどうやら辿り着いたようで小さな手でその場所を指さした。

 

「あそこだ、間違いない。あの扉の向こうに確実にある。」

 

そう言うモナの手の先を見ると不自然に途切れた薄暗い廊下の向こう側に不気味に存在する扉が目に入った。その扉はツタが生い茂り長年誰も訪れていない事が分かるほど古びておりこれまでの城の雰囲気と明らかに違う事が見て取れる。

 

(やはり()()()()()()だ・・・一体幾つ相違点があるんだ?)

 

ジョーカーが向こう側にある扉を観察しているとスカルが手摺に捕まりながら下を覗いている。

 

「おいおい、つっても足場になるもん何もねーぜ?飛び移ろうにも距離があるしよ。」

 

拾った本を落として暗闇に消えていくのを見ながらスカルはそう言った。本が落ちた音はかなり遅れてから微かに聞こえた為、床までの距離は相当なものであると分かる。落ちたら確実にゲームオーバーだろう。しかしモナはそんなスカルにため息を吐いた。

 

「お前な、さっきのやり取り忘れたのかよ?今はあんだろ、移動手段が。」

 

「あ?あ〜!さっきのか!確かにあれなら向こう側に行けんな!」

 

言われてやっと思い出したスカルはポンと呑気に手を叩いた。そんな彼にあからさまに呆れた溜息を吐いたモナ。それによってまた2人は喧嘩しそうになるがその前にジョーカーがモナを脇に抱え、スカルの襟首を掴んでからワイヤーフックを飛ばして悲鳴をあげる2人を無視して向こう側へと移動した。

 

シュタッ!と着地したジョーカーとまたもや顔面から突っ込んだ2人。仲良く床とキスしている2人をスルーして扉へと近づいたジョーカーは蔦だらけの扉に触れてみる。

 

(・・・どうやらトラップの類は無いようだ)

 

ひんやりとした扉を触っても何も起こらない事を確認したら今度は邪魔な蔦を懐から取り出したミセリコルデで素早く切り落とし、扉を開けてみることにした。錆によってやや開けにくいが何ら問題はない。更に力を込めて無理にでも開く。

 

ギギギ・・・とらしい音で開いた扉は中に籠っていた空気をジョーカーへと吹かせた。

 

 

その瞬間、ジョーカーは目の前に()()()()を幻視する。

 

 

 

反射的に凄まじい速度で腕を振るい、その幻を切り裂いたジョーカーはそこで漸く気が付き薄らと冷や汗を流しながらミセリコルデを仕舞う。

 

「なんだ・・・今のは。幻覚?まさか俺が見抜けないなんて・・・」

 

思わずそう呟いてしまう。強い精神力を持ち、戦い慣れたジョーカーが幻と気づけ無かった程に濃厚な悪意を見せた空間に最大限の警戒をしながら侵入する。何時でもペルソナを発動できるようにしながらゆっくりと慎重に中を歩くと冷たいような、生暖かいような不気味で不愉快な空気が今までに感じた事の無い()()()()()()をジョーカーに感じさせた。

 

だが意外にも中にはシャドウも居らず、トラップも無い。薄暗い部屋に何かの音が響くだけ。その音に耳を澄ましてみると・・・ジョーカーはこれまた珍しくゾッとした。

 

『俺様からは逃げられんぞ・・・』

 

風が吹き抜ける音だと何気なく思っていたそれは鴨志田の声であった。恐らくは鴨志田の欲望から漏れ出た声、内容からして杏と鈴井に対してのものだろう。なんとも気持ち悪い声だ。

 

顔を顰めながら歩いて奥に進むとジョーカーは暗い部屋の中に赤く発光する何かを見つけた。床から侵食した様に生えた何本かの管によって形成されたそれは流れてくるエネルギーが強い光を放って循環しており、その形は正面から見るとどこか子宮を思わせる。

 

そしてその管の上にモナが察知したと思われる例の物がジョーカーを見つめていた。

 

「これは・・・」

 

近づいて良く見てみるとそれはまるで石で作られたような、だが植物の種をくり抜いたような、しかし骨のような。そんな要素をごちゃ混ぜににしたような感じの頭蓋骨の中に大きな赤い宝石が埋め込まれている随分と悪趣味な物体であった。

 

「こいつは『イシ』だ。」

 

「モナ」

 

ジョーカーがジッとその物体を見ていると顔にバッテンの形で絆創膏を貼ってるモナが歩いてきて説明をし始めた。

 

「パレスが元々の場所が認知が歪んで出来たってのは前に説明しただろ?その()()が集まって生み出されるのがコレさ。吾輩はイシと呼んでる。ようは搾った後の果実がパレスなら果汁がコレだな。」

 

「成程・・・歪みそのものの結晶という訳か。どうりでこんな歪な雰囲気を纏っている訳だ。」

 

モナの分かりやすい説明にジョーカーが納得して頷いているとその横でこれまたバッテンに絆創膏を貼ったスカルが腕を組んでアホっぽく首を傾げていた。いや実際アホだった。

 

「歪んで・・・集まって・・・イシ・・・?」

 

「もっかい説明するか?ん?」

 

「あーいい!とりあえずイシな!んで?これどうすんだよ」

 

スカルが妖しく光る赤いイシを明らかに気味悪そうにしながら指さした。その指も汚物に向けるように引き気味になってる。こんな空間にある悪趣味な物を見ればこんな反応にもなるだろう。

 

「とりあえず頂いていくか」

 

「いいんじゃないか?お宝ほどじゃないがコレもレア物だ、貰っておいて損は無い。」

 

「えぇ〜・・・大丈夫なのかよ、こんな見るからにやべーの。呪いとかあるんじゃ・・・」

 

「そいっ」

 

「うわぁ迷いがねぇ!?」

 

明らかにやべぇ雰囲気を出すイシをなんの迷いも無く手に取って持ち上げるジョーカー。多分、呪いとか逆に殺すタイプな彼はそんなものに屈しなかった。そんな怖いもの知らず過ぎる彼の行動にスカルは度胸が高すぎると驚愕して若干引いた。その人ライオンハートなんです。

 

だがイシを取っても何も変化は無い。扉が閉まって部屋に閉じ込められるとかイシからビームが出るとか毒ガスが出るとか想像してたが全く何も起きなかった事に逆にジョーカーは落胆した。

 

「何も無いのか・・・」

 

「いや落ち込むとこじゃなくね・・・?」

 

しょんぼりしたジョーカーは赤いイシを四次元懐に仕舞い薄暗い部屋を出る。特に淀みが酷かった部屋から出たからか城の内部ですら空気がスッキリしたような気さえした。

 

それだけイシのある部屋には歪みが集中してたという事だろう。この感覚をモナが覚えてしまえば今後パレス内にあるイシを苦もなく見つける事も出来るなとジョーカーは考え、モナに目配せする。

 

その考えが通じたのかモナは部屋の独特な空気と雰囲気を覚えたようで目を閉じてパレス内に他のイシが無いか探し始めた。するとモナレーダーに引っ掛かったようでピコンと耳を立てて目をカッと開いた。

 

「む!どうやらこのパレス内にあともう1個・・・いや2個あるみたいだな」

 

「マジか!?よく分かったなモナ!」

 

「ふん!この程度吾輩にかかれば朝飯前だ!」

 

「ちなみにどの辺かは分かるか?」

 

「そうだな・・・ここから上、頂上近くに1つと地下に1つ感じる。もっと近くにいけば正確な位置が分かるんだが。」

 

「いやそれだけでも十分だ、ありがとうモナ」

 

そう言って自然とモナの頭を撫でるジョーカー。気持ち良さそうに目を細めるモナにスカルも悪ノリして喉元をかいてみる。ゴロゴロと喉を鳴らしてされるがままになっていたモナだがハッと我を取り戻して2人の手を振り払った。やっぱり猫じゃね?

 

そんな茶番を繰り広げていた彼らだがなんだか城の中が騒がしくなっていることに気が付き、ガシャガシャと幾つもの鎧が揺れる音が聞こえた為手摺の影に隠れ先の廊下を覗き見する。

 

すると警戒心を上げた兵士達がドタドタと騒がしく駆けており何か異常事態が起きていることを察知した3人は隙を見てワイヤーフックで元の廊下へと戻ると近くの部屋の扉に身を隠し、 兵士達の話に聞き耳を立てる。

 

「どうした!?何があった!?」

 

「あぁ、どうやら城内部に侵入者がいたらしい」

 

「何だと!」

 

(なぁ!あれって俺らのことか!?)

 

(いや違うな、()()と言ってるのを考えると既に見つかって捕まってるという状況だろう。問題はその侵入者が何者かだが・・・)

 

「それでその侵入者は!?」

 

「まぁ慌てるな、その侵入者2()()は既に捕らえて鴨志田様の命令で中央ホール近くの部屋に連れて行ったそうだ。」

 

モナの予想通り侵入者は既に捕まっているらしくいつもの部屋に連れて行かれてるそうだ。だがジョーカーはその話に引っ掛かりを覚えた。

 

「なんだ、それなら安心だな。それにしても馬鹿なヤツもいたもんだ、賊が入ってから警戒を高めていたこの城に忍び込むなんて・・・」

 

「ははは、全くだ。そら、俺達は持ち場に戻るぞ。いつ例の賊が現れるか分からんからな」

 

「あぁ分かってるよ」

 

鎧を鳴らしながら去っていく兵士達を気にもせずジョーカーは考える。そうだ、奴らは侵入者2()()と言っていた。1人ではなく2人。その予想だにしなかった事態にジョーカーは焦りを見せる。

 

「・・・まさか高巻さんと、()()()()・・・?」

 

 

 

どうやらまだまだ想定外のイレギュラーは続くらしい。内心冷や汗をかきながらジョーカーは手袋を直した。

 

 

 




遅くなって本当に申し訳ない。精神的に参ってたもので・・・これからも不定期ながら更新していきます。

そんでもちろん始めましたウマ娘。皆可愛い、中でも今1番熱いのはメジロライアンちゃんです。ただの元気っ子かと思いきや繊細でちょっと卑屈で可愛いのに憧れてるってもう・・・身近にいる人に劣等感抱いてるキャラ好きの私としてはぶっ刺さる訳でして。

こちらもうまぴょいしなければ無作法というもの・・・(馬死牟)

誰かヤンデレメジロライアン書いて♡あと信頼しているトレーナーが休眠中に魔が差して頬を撫でたり唇を触ったりしてたら段々ヒートアップしていって最終的に貪るように首周りにキスしたり噛み跡を付けたりする欲塗れのエロエッティな独占力全開メジロライアンちゃん書いて♡(末脚)(ハヤテ一文字)(究極テイオーステップ)

最近新しく作りたい作品が多いけど自分の更新の遅さを考えるとやめとこ・・・ってなっちゃうんですよ。アイデアがあっても形に出来ない。俺が悪いんだよ・・・俺が遅筆なのは俺のせ((ry
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