果たしてこの世界ではどちらが悪と嗤われるだろう。
この世に生まれたことが消えない罪なので生きてます。ハンターのビスケの念能力がめちゃくちゃ有能だったことを知る今日この頃。
それはそうとネコマタの尻が好きです(唐突な性癖暴露)
状態異常特化型ネコマタを作る位には好きです。相手を惑わし時に眠りに誘い時に絶望へと沈める、その姿正しくセクシーキャッツ。
ついでにオラッ!俺の白濁液(魔力)射出装置と化した高火力ギンギンマーラ様をくらえッ!(メギドラオン)弾丸(物理)だってお手のもんだ!(ワンショットキル&至高の魔弾)
ちなみに作者が最初に惚れたペルソナはアラハバキです。理由は単純にカッコイイから。ペルソナ4Aで動いてるのを見てお気に入りになりました。あと多分、子供の頃見たOVウルトラマンティガの影響を受けている。
今回も黄金長方形を描きながら巻いていきましょう。
隠し部屋の中でイシを見つけた後、警戒態勢に入っていた兵士達の会話を物陰からこっそり聞いたジョーカーが呟いた名前にスカルは驚愕して思わず大声で反応してしまう。
「なっ!?んだと!?嘘だろ!?あいつらがここに来てるってのかよ!有り得ねぇぜ!」
「おいうるせぇぞスカル!もっと声のボリュームを下げろ見つかるだろ!」
モナに指摘されたスカルはやべっと自分で自分の口を抑え、辺りに兵士が来ていないか物陰からちょっとだけ頭を出してキョロキョロと見渡す。幸いにも兵士は居なかったらしくホッとしてから今度はボリュームを落として会話を続けた。
「どーゆー事だよジョーカー。なんだってあいつらがこんなとこに?アプリ持ってんのは俺達だけだろ?」
「その通りだ、だが可能性として考えるならあの二人しか考えられない。周りに生徒がいないの入念に確認したし・・・。恐らくだが話を聞いた後に俺を追ってきて結果的に・・・」
「タイミング良く、いやこの場合タイミング悪くあの歪みに巻き込まれちまったって訳か・・・ヤバいぜ、急がなきゃその二人が危険だ。」
「なんつータイミングだよクソっ・・・中央ホール近くの部屋って言ってたよな?でも地図見ても部屋が多すぎて分かんねぇぞ、どうする?」
「しらみ潰しに探すしか無いだろうな」
嘘だ、とっくに連れてかれた部屋など分かってる。というか近くに来た時点で杏の声がするから迷いようもない。とにかく部屋の近くまで誘導して自然と部屋を見つける、これがベストである。
問題なのは
スカルとモナと顔を見合わせて頷くと一気に影から飛び出して素早く移動する。勿論、兵士に見つからないように最低限の警戒と身を隠す事を忘れずに。その姿、まさにゴキブ・・・NINJAの如し。
時たまどうやっても避けられない奴がいたら後ろからアゾットし、瞬殺して杏達が捕まっている部屋に向かっているとその近くまで差し掛かった所で杏の声が聞こえてきた。
「ちょっと!なんなのアンタ達!これ外してよ!てかここ何処なの!?」
ガシャガシャと鎖が鳴る音と共に困惑した杏の声が響いてくる。
「この喧しい声・・・間違いねぇ!高巻だ!マジで捕まってんのかよ・・・!」
「ふむ、声はこの先の右側に在る部屋からだな。急ぐぞお前ら!」
先に兵士が居ないことを確認してから一気に走って部屋に向かうジョーカー達。赤い絨毯がひかれ、鎧が設置してある廊下に入ると「覚醒イベの時間だコラァ!」と言わんばかりにドアを蹴破り杏達がいる部屋に凸を仕掛けた。
バコォンッ!と勢い良く吹っ飛んだ扉が兵士を巻き込んでいくのを見ながら前転して着地したジョーカー。それを見て何やってんのコイツという目線を送る後ろの2人。しかしこれまた気持ち悪い絵が飾ってある趣味の悪い部屋の中で拘束されている杏達と鴨志田を発見すると直ぐに臨戦態勢に入った。
「高巻ッ!鈴井ッ!鴨志田テメェ2人を放しやがれ!」
「え・・・その声、坂本!?それに隣にいるのって、もしかして雨宮君・・・?」
「なんだ、またお前らか・・・いい加減しつこいぞ。」
肩を落としながらうんざりと言った感じに鴨志田はそう呟いた。それはこちらのセリフである。しかもその傍には本人がいるというのに水着姿の杏(シャドウ)もいる。流石は変態の名を欲しいがままにする男、こんな時でも脳内まッピンクだ。
しかしそれだけでは無い。この部屋の中には上裸にブルマを履いたピンク色の人形がまるで誘うように、だがそうは思えないほど機械的に動いている。
「なんだ・・・コイツら!?人・・・か!?」
「こりゃあ・・・認知の影響を受けたシャドウだ。奴の歪んだ認知が歪な形となって現れたんだろうさ。何をどう見てるかは・・・想像に容易いな。」
モナのこの言いようから恐らく、この人形達は鴨志田から見た女子生徒を表しているのだろう。
性的に見ているゆえにピンク、しかし顔や個人を主張するパーツが無くどれもこれも似たような形をしているのはきっと鴨志田が女子生徒を都合のいい人形として一括りでしか覚えておらず個人としては見ていないという事だ。余りにも下衆なもの故モナは言葉にするのを控えたのだ。
「んだと・・・!!巫山戯やがってぇッ!!」
その事に持ち前のカンの良さで気がついたスカルはこめかみに血管を浮かび上げながら鴨志田の前に躍り出た。
「このクズ野郎が!テメェ女子生徒達にこんなクソみてぇな目ェしてやがったのか!どこまで腐ってんだテメェ!!」
怒り心頭に叫ぶスカルに鴨志田は心底面倒くさそうな目を向けて、どうでも良さそうに耳をほじりながらこう答えた。
「あぁ〜?違うな、全く間違っているぞ。人形如きが俺様に
「ッッ!!??テッメェェッッー!!腐った脳味噌ごと焼けちまえぇ!!」
ド外道の言葉にブチ切れたスカルは怒りのままにキャプテン・キッドを呼び出し
「おいどけモナ!邪魔すんじゃねぇよッ!」
「落ち着けスカル、安い挑発に乗るな。アイツの近くには
「グッ・・・!?それも、そうだな・・・悪ぃ」
彼の言う通り奴のすぐ側には杏と鈴井がいる。しかも鈴井は気絶していて無防備である。この状態で雷を打ち込むのは非常に危険だ。万が一外してしまったら大惨事では収まらない。モナのおかげで冷静さを取り戻したスカルはキャプテン・キッドを引っ込めて1度深呼吸をして怒りを鎮めた。
「全く・・・どいつもこいつも俺様の邪魔ばかりしやがって。本当ならお前が相手してくれないからほら、この・・・まぁ名前忘れたけどコイツに相手して貰おうと思ったのにいつの間にか帰ってるし・・・あ”あ”あ”!思い出しただけでムカついてきたぁ!」
内容的に今日、ジョーカーが鈴井を盗み出した()事だろう。杏を待ってても来ず鈴井を探しに行ったら既に帰っていたという予想外の事態に相当ムカついているらしい。イライラした様子で額に血管を浮き出しながら気絶している鈴井を磔にしている台を力任せに蹴る。その衝撃で未だ意識が戻らない鈴井が痛みによって苦しげに顔を歪めた。
「志帆ッ!」
「テメッやめろッ!」
「動くなァ!」
凄まじい形相で助けに入ろうとしたスカルを睨みつけて鴨志田は叫び、その動きを止める。その迫力に思わず動きを止めたスカルに見せつけるように兵士を動かし彼らの動きを阻害すると同時に2人に剣を向けて脅しを掛けてきた。
「それ以上動くと即、殺すぞ」
そう言ってのける鴨志田には並々ならぬ狂気と殺意が宿っており、確実に
「ククク・・・折角だからお前らも見ていけよ・・・コイツらの
そんなスカルを見て愉快そうに歪な笑みを作りながら兵士の1人から剣を取って鈴井の胸元に持っていき・・・そのまま下に線を引くように剣を落とした。ボタンがそれに耐え切れるはずも無く容易く切り裂かれてしまい隠されていた鈴井の肌と下着が、そして痛々しい傷が丸見えの状態になってしまった。
それを見て口笛を吹く鴨志田。度を超えた鬼畜の所業にスカルは激情を顕にし、杏は悲痛な声を上げる。
「鴨志田ッ!テメェどこまで腐ってんだァッ!!」
「やめて!志帆には手を出さないで!」
「やめて、だと?」
杏の言葉を聞いて鴨志田はゆっくりと彼女の方を向き、ニタリとヘドロのような邪悪な笑みを浮かべる。
「いいか、これはお前の自業自得なんだよ。この俺様を無視したお前の、なぁ?こうなるなんて分かってただろ?分かっててやったんだよな?」
「そ、れは・・・・・・」
「ならお前が
「私・・・?私のせいで、こんな・・・?そんな、私は、ただ・・・」
詭弁も甚だしい、余りにもこじつけが過ぎる。何故こうも自信満々に身勝手極まりない発言ができるのか。傲岸不遜が人の形をしているかのようなこの男は本格的に人としての感性を捨てていることが分かる。
しかし、今の杏にとってその言葉は何よりも彼女の心を抉るものであったのも事実。高笑いをする鴨志田に絶望の表情を浮かべる杏。
どうしてこうなったんだろう?
彼女はただ、待っているだけなんて出来なかったから、立ち向かう強さが欲しかったから蓮の後を追って彼に協力しようとしただけだった。鈴井と2人で少しでも蓮の力になれればと。
その結果、彼らのナビに巻き込まれこのパレスに意図せず迷い込みあっという間に兵士に捕まりこうして見世物のように処刑されようとしている。
情けなくて仕方なかった。
結局何も出来て無い、それどころかまた大切な友達を巻き込んでしまった。彼女はもう後悔と絶望しか思い出せない。何時だってそうだ、何もしない癖に失って初めて後悔して。
そんな自分が嫌いで、そんな時に出会った人に光を見て漸く自分も前に進めると思ったのに。
立ち上がるだけ傷付くならいっその事・・・・・・
結局、こうなるのかと己の弱さ、軽率さ、愚かさに深く深く絶望していく杏。
ごめんね、志帆。ごめんね、雨宮君。ごめんね、ごめんね・・・。
頭には謝罪の言葉しか思い浮かんでこない。自分のせいで窮地に陥っている事をただただ謝ることしか出来ない。
そんな彼女と鈴井に兵隊長が剣を抜いてゆっくりと迫る。
「クソ!高巻ィ!」
動きたくても動けないスカルが焦りながら叫ぶ。もうこうなったら奴らが杏達を攻撃する前に一か八かで・・・!と考えた所で、彼が動いた。
「スカル」
「ッ!ジョーカー・・・」
鉄パイプを握り締めるスカルの前に手を出して視線で任せてくれと伝えるとジョーカーは1歩前に躍り出る。それを見て鴨志田が警戒心を強めて直ぐにでも剣を振り下ろす合図を出せるようにジョーカーへガンを飛ばしながら手を上げる。そんな鴨志田を一瞥するとジョーカーは目を猛禽類のように鋭く細めながら絶望に俯いている杏に問いかける。
「高巻さん、それでいいのか。こんな奴の言いなりのままで、好き勝手言われて、それでもまだ下を向くのか。」
「雨宮君・・・でも、無理だよ。」
「・・・・・・。」
「・・・私、私ね。私が思うよりも弱かったの。馬鹿だよね、何も力が無い癖に強がって。ずっとそうだった、誰かに気を使って誰かに従ってた・・・こんな私じゃ君みたいに、強い人には・・・」
発破をかけるも杏は既に自信を喪失し、完全に殻に閉じこもってしまっている。これではこちらがどれだけ声を投げかけても彼女の
ならどうするか
簡単だ
ダァンッッ!!
その殻が剥がれるほどの衝撃を与えればいい。単純明快。
いきなり真上に向けて銃弾を放ったジョーカーに全員が目を向ける。勿論、項垂れていた杏すらもその音に思わず顔を上げジョーカーを見ていた。そして、彼と目が合った。強く、燦然たる瞳が彼女を射抜く。
鈴井を連れてきた時とは違う鋭利な視線。息を呑む程の威圧感。誰だって分かる、彼は
「目を背けるな、
「それ・・・は・・・でも、私じゃ・・・」
「弱さに逃げるな、現実に膝を折るな。強くあろうとする心を持て。その気高い心が、君に力を与えてくれる。」
杏は本能的に感じ取った。目の前の彼は心底自分を信じている、と。こんなにも弱りきって底の底に這い蹲る
なんで?どうして良く知りもしない私をそんなに信じてくれるの?と疑問が過ぎる。
だがそんなの些細な事だ。
一番大事なのは彼のような強い人が自分を心から信頼してくれているという事。そんな彼を裏切るような真似は、いやそんな彼が信じてくれている自分を裏切るような真似は出来ない!
「強く・・・なれるかな。私でもなれるかな・・・!」
ポロポロと涙を零しながら問う杏にジョーカーは先程までの鋭さはすっかりなりを潜め優しく微笑んで肯定した。
「当然だ、だから立ち上がれ杏。君はもう持っているはずだ。友の為に立ち上がる強さを、孤独に立ち向かう勇気を!」
その言葉を聞いた杏にはもう欠片も迷いは無かった。
弱さは涙と共に流れ落ち、その目は覚悟を固めた証拠に黄金に染まっていく。
「そうだよね・・・こんな奴の言いなりなんてどうかしてた・・・!私もなるんだ、胸張って生きていけるカッコイイ人に!!」
「き、貴様ら一体何を言って・・・」
そして、心の灰に炎が灯る
『全く、出番が遅すぎるのよ』
「ッッ!?うっ・・・あぁ・・・ッ!!??」
突然の頭が割れるような頭痛に杏は声を上げ、苦しみ始める。身を悶えながらもその痛みはやがて熱へと変わっていき、心の中から飛躍的に膨張してゆく。
紅蓮が咲き、誇りが
『お前が立ち向かわないで、誰が恨みを晴らしてくれるの?』
灰が舞い、陽炎が踊る。華麗に、妖艶に。決意の炎が劇場を赤一色に染め上げる。
『許す気なんて始めから無かった・・・お前の中のもう1人の
やがて炎は現実へと実体化され、彼女の体を拘束する手錠を破壊した。自由になった杏がぐらりと体を倒すが、ダンッと力強く踏みとどまり伏せていた顔をゆっくりと上げる。
そこには、血塗れた決意の仮面が青い炎と共に顕現していた。
『我は汝、汝は我・・・やっと契約、結べるね・・・』
「うん・・・聞こえるよ、『カルメン』・・・!」
「分かった・・・もう我慢なんてしない!」
炎より赤く、薔薇より紅く、血よりも緋く。
ベリベリと皮膚が破れようとも、強かな挙動で仮面を完全に外すと青と赤の2色の炎が彼女を優しく包み込んだ。
『そうよ、我慢なんてしてたって何も解決出来ない。分かったのなら力を貸してあげる・・・さぁ、情熱的に踊りましょう?』
衝撃波と共に炎が弾け飛ぶ。スカルやモナ、鴨志田もそれから目を逸らすとバキンと何かが破壊される音がする。
鴨志田が慌てて杏のいた方向を見ると立てていた磔が完全に壊されていた。代わりに炎のカーテンが2人を守るよう広がっていた。
そして激情の中から鈴井を抱えて現れた杏の姿は制服とは一変し、彼女の怒りを、決意を表したように過激な赤いボディスーツに身を包んでいる。
更に彼女の傍らには青い炎と蠢く鎖を踊らせながら己の下僕を踏みつけて葉巻を吸う薔薇のような豪奢なドレスを着たペルソナ、『カルメン』が挑発的な笑みを浮かべていた。
「こ、これは・・・!?」
「す、すげぇ!!」
「おいおいまさか杏殿までペルソナを・・・!」
三者三様な反応をする中、ジョーカーだけは確信していたような笑みを浮かべていた。杏と目を合わせ頷き合うと杏はキッと鴨志田を睨みつける。先程とは違う完全な覚悟と反逆の意志を持って。
「あんたなんかに私も、志保も、もう好きにはさせない。今まで志保を傷付けて踏み躙ってきた分・・・その分だけアンタから奪い取ってやる!!覚悟しろ鴨志田ッ!!」
灼熱の女豹が、目を覚ました瞬間であった。
ジョーカーが杏の啖呵を聞きながら怪盗姿はやはり気高く、情熱的だと考えていると鴨志田がすっかり離れた所に退避しながら兵士達に怒号を吠えた。
「くっ!?貴様ら何をしている!奴を始末しろ!!」
「ハ、ハッ!!」
杏の気迫にビビっていた兵士達も鴨志田の命令とあらば聞かぬ訳にはいかない。その身を弾けさせそれぞれのシャドウの姿を形作ると杏の前に立ちはだかる。
「んしょ・・・志帆、少し待っててね」
湧き上がるシャドウ達を前に杏は一切の焦りも動揺も見せず、近くの柱に鈴井を割れ物を扱うようにそっと背を預けさせるとその頬を優しく撫でてから再び激情を燃え上がらせシャドウ達へ振り返る。
「すぐ終わらせるから」
『死ねぃ!鴨志田様の愛を拒んだ愚か者め!』
押し寄せるシャドウ達。波状攻撃を仕掛けてくる奴らに高揚した気分のまま笑うと杏は姿勢をしなやかに低く、さながらネコの様に構えてペルソナの力を解放した。
「踊れ『カルメン』ッ!」
シュボッ!とカルメンの咥えている葉巻に火が灯ると踊るように腕を振るう。すると彼女の周りに幾つもの炎の弾、『アギ』が浮かび上がり意志を持っているかの様にシャドウに向けて飛んでいきその身を燃やし焦がした。
『ぎゃあぁあぁ!?』
「あんなのが愛だとか烏滸がましいっての!」
一際大きなシャドウ、『ベルフェゴール』を始め殆どのシャドウを焼いたがそいつらを肉壁として炎を回避していたシャドウ、『エリゴール』が駆け出し馬体の上から強烈な槍の一撃を喰らわそうと振りかぶった。
『ウオォッ!調子に乗るな!』
「甘い」
『ぬぉ!?』
だがそれはジョーカーの手によって阻まれた。いつの間にか発射されていたワイヤーがエリゴールの槍に絡みつき体勢を大きく崩される。騎手がバランスを崩した事で馬も釣られてよろけ、急ブレーキを掛けたように減速してしまう。
素人であっても見逃すはずも無い完全な隙。ならば杏がそれを逃す理由も無い。
「喰らいな、よ!」
『ぐほぉおぉぉ!?』
連打、連打、連打。ついでにアギ。灼熱の鞭が馬とエリゴールの鎧すら貫通する程のダメージを与える。そして仕上げとばかりにアギをぶつけられて吹っ飛ぶエリゴール。彼は悲鳴にも喘ぎ声にも聞こえる絶叫をして馬と共に同じ表情をしながら消えていった。どんな表情かと言えばエクスタシーに顔を赤らめて目をにやけさせていた。
無闇に突っ込めば鞭の餌食になると理解するとシャドウ達は距離を取って火炎のアギを掻き乱して軽減させることの出来る疾風のガルを杏に向けて一斉発射する。
だがそれが杏に届く前に彼女の元へ躍り出た小さな影によって両断された。
「吾輩達を!」
「忘れてんじゃねえぞコラァ!」
モナがガルを同じく疾風の剣で真っ向から切り裂き、その隙にスカルががら空きのシャドウ達の横っ側からキャプテン・キッドの船体による強烈な体当たりを食らわせる。
「敵が怯んだ!」
「チャンスだぜジョーカー!」
「ああ!」
モナとスカルのファインプレーによって敵に大きな隙が生まれた。そこにジョーカーが更にワイヤーを使ってシャドウの頭上へと飛び上がり銃弾の雨あられを降らせ完全にシャドウ達の動きを止める。
「今だ、杏!」
『焼け溶ける程の激情をもって一切を灰燼に帰すがいい!』
「うん・・・任せて!」
蓮とアルセーヌからのバトンタッチを受け取る杏。
黄金の瞳がより一層の輝きを見せるとカルメンが下僕を踏みつけながら両手にアギを灯し、それを頭上へと放って1つへ融合させる。2つの火球が1つになったことで巨大な炎へと変貌した。
それを杏が鞭を巧みに操って縛り付けるとシャドウ達に向けて叩きつけるように思いっ切り振りかぶった。
『待っ!待って・・・!?』
「これで!終わりぃ!!」
『うぎゃああああああああ!?』
命乞いも虚しく巨大な灼熱はシャドウ達を飲み込み容易く消滅させる。しかもそれだけに飽き足らず床と壁の一部を融解させ、部屋の半分を轟音と共にぶっ飛ばす程の威力を見せた。
「はぁ・・・はぁ・・・ざまあないっての」
「す、すごいな杏殿・・・」
「俺絶対怒らせないようにしよ・・・」
荒い息を整える杏の後ろでコソコソとそんなことを話し合うスカルとモナ。彼らを放っておいてふらつく杏を支えに行くジョーカー。
「大丈夫か」
「うん、ありがと・・・っあ!鴨志田は・・・!?」
「もういない、相変わらず逃げ足が早い奴だ」
「なら早く追いかけて・・・ッ!」
駆け出そうとする杏だったが1歩を踏み出す前に力が抜け倒れそうになってしまう。それを再び支え肩を貸すジョーカー、初のペルソナ覚醒の反動により思うように体を動かせず焦燥する杏にモナが声をかける。
「無理は良くないぜ、杏殿。ただでさえペルソナの覚醒で精神削ってるんだ。ここは一旦退いた方がいい。」
「え!?何これ喋ってる!?化け猫!?」
「ば、化け・・・ッ!?」
顔をキリッとさせカッコつけていたにも関わらず化け猫呼ばわりされた事にガビーンッとショックを受けて静かに涙を零すモナ。それに同情しながらもスカルは鈴井をお姫様抱っこしながら脱出の準備を進めていた。
「んまぁ、そうなるよな。って、んな事してる場合じゃねぇんだよ。さっさとこの2人担いで外出ようぜ。」
「何言ってんの・・・!このままあいつを追いかけて、あのニヤケ面ぶっ叩いてやるんだから・・・!」
足を震わせながらも鴨志田を倒しに行こうとする杏に俺もこんな感じだったのかとため息を吐くスカル。
確かにペルソナに覚醒した時は大きな高揚感に包まれる。強い衝動、全能感により勘違いしそうになるがそれは感情の爆発により力の栓が無理矢理ぶち抜かれた状態なだけだ。例えるならダムが決壊したように。その場の勢いと破壊力は凄まじいが溜め込んだ水は一気に放出されてしまい空になってしまう。
つまり初めてのペルソナ制御はその覚醒の条件によってエネルギーコントロールが上手くいかず、破壊力と引替えに燃費がすこぶる悪いのだ。強い疲労と倦怠感はその為である。
「あのなぁ、気持ちは分かっけどその状態でどーやって追いかけんだよ。それに、今は気絶した鈴井がいるんだぜ?お前、このまま巻き込むつもりかよ。」
そう言って抱き上げている鈴井を見せつける。するとその説得は効果抜群だったようで杏の中からみるみる高揚感は薄れていき、興奮による闘争心も収まってきた。
「うっ・・・そ、それは・・・」
「俺が言うのも何だけどよ、焦った所でどーもなんねーぜ。寧ろここじゃドツボにハマるだけだ。冷静になれよ、高巻。」
まぁ、全部ジョーカーの受け売りだけどと心の中で付け足すスカル。それでも十分杏には届いた様で頭の冷えた彼女は撤退の提案を呑んだ。
「・・・分かった、そうする。でも志帆に傷一つつけないでよ。女の子は繊細なんだから。あと変な目で見ないでよね、色目使ったらマジぶっ飛ばすから。」
「へーへーわーったようるせぇな・・・あん?なんだよモナ、変な目で見てきやがって」
杏の脅しにうんざりした様なリアクションを取りながら受け流したスカルは目を丸めてこちらを見ているモナに?マークを浮かべた。
「いや、お前からあそこまで理性的な言葉が出てくるなんて思わなくてな。自分の時はネズミ花火みたいに暴れてたのに。」
「んだとッ・・・とと、後で覚えとけよ・・・!」
馬鹿にされたのに加えよりにもよって猫にその例えをされてスカルは噛みつきそうになるが鈴井を抱えてるのを思い出して出かかった大声を飲み込み、モナを睨みながら出口の方へ歩き始めた。
「俺達も行こうか。それとモナ、あまりスカルをいじり過ぎないでくれよ。」
「分かってるよ、ちょーっと揶揄っただけさ。」
そう言って若干うんざりした様に口を尖らせるモナにホントに似てる2人だなと苦笑いを零す。同族嫌悪というか似た者同士というか。
そこで杏が自分の事をジッと見ている事に気が付き、首を傾げると彼女が質問してきた。
「そう言えばなんで雨宮君達はそんな服着てるの?雰囲気出す為とか?」
「あぁ、これは怪盗服と言ってこのパレス、異世界の中で活動する為の防護服であり戦闘服なんだ。」
「へー、凄いね。」
「というか、高巻さんも着てるぞ?」
「へ?」
そう言われて杏は自分の姿を確認するとそこには赤くて結構ピッチリとして体のラインがモロみえな怪盗服を着た自分の姿があった。その事に気が付いた彼女は途端に顔を赤くしてワタワタと忙しなく手を動かして体を隠そうとする。全く隠せてないが。
「えぇ!?何で!?どうしていつの間に!?恥ずっ!」
「ペルソナに覚醒すると覚悟が形になって怪盗服として自動的に装着されるんだ。似合ってるぞ。」
「え、ありがと。じゃなくて!なんでこんなピチッとしたスーツなの!?というかペルソナって何!?」
「そこら辺もここを出たら説明するさ。その為にさっさと脱出してしまおう。頼んだモナ。」
「おう、先導は任せろ!」
2人がどちらも女性を抱えている事にやや不満を感じたモナだったが、その瞬間「いや待てよ?ここでカッコよく先導して出てくる敵をバッタバッタとなぎ倒せば杏殿の印象も一気に変わって好感度アップも有り得るのでは?というか確実なのでは?」と思考が駆け巡る。この間0.2秒。
そうして張り切って前を走っていたが悲しい事に敵には一切会わずにパレスを脱出出来てしまった。モナは普通に落ち込んだ。
パレスから抜け出したあとは気絶した鈴井を抱えたまま駅に行く訳にもいかなかったので近くの小さな公園に行きそこで話し合うことにした。
女子二人をベンチに座らせ、服を切られてしまった鈴井に竜司は制服をかけると自販機から飲み物を全員分買って来て各々に配る。しかしその全てが炭酸という罠。こいつ、配慮の欠けらも無い。これにはモルガナもため息を吐く。が、竜司は気にせずに杏の前に飲み物を差し出した。
「ほらよ、飲みモン。どれがいい。」
「・・・炭酸じゃないやつ」
「全部炭酸だな」
「・・・じゃあ、これ」
そう言って1番微炭酸なMETCHを選ぶ杏。残った中でモンタを蓮に渡すと杏と同じMETCHを鈴井の隣に置くと自分は残ったコーラを飲み始めた。
「いや待て吾輩のは!?」
「え?いやだって猫に炭酸とかダメだろ」
「水でも何でも良かったろーが!つーか猫じゃねーっての!!」
また2人がぎゃいぎゃいと戯れ始めたので放っておいて杏に優しく話しかける。
「落ち着いたか?高巻さん。」
「うん、少しは。でも未だに信じらんない、あんな変なとこ行って変な力に目覚めるなんて・・・ファンタジー過ぎて全然実感無いよ。」
「混乱するのも無理はないさ、事実非現実的な出来事だから・・・ところで鈴井さんに怪我は無い?」
気がかりだった事を心配そうに聞くと杏は鈴井の頭を撫でて微笑む。
「うん、大丈夫。ちょっと手首に跡が残っちゃったくらい。」
「そうか、良かった。高巻さんも大丈夫?」
「私?うん、私も大丈夫だよ。なんか知らないけどちょっとした傷とかあの、ペルソナだっけ?それが出た時に治っちゃったし。・・・ねぇ、それで、何なの?ペルソナって?というかあの場所は何?」
疲れているからか詰め寄りこそしないものの、聞くまでは絶対に帰らない譲らないという強い意志を込めて蓮を見る。その目を受けて若干気圧されて身を反らす蓮。
「ちゃ、ちゃんと説明するさ。あの世界に入り込んだ以上無関係じゃないんだし・・・っと、その前に。」
そう言って蓮が目線を杏の隣に移すと杏もそれに釣られて隣を見る。すると丁度鈴井が目を覚まし始め、ゆっくりと目を開いていた。
「ん・・・あれ、杏?それに雨宮君?どうして・・・私・・・」
「志帆ッ!」
鈴井が無事に目覚めた事に感極まった杏は思わず鈴井に抱きつきぎゅうっと抱き締めた。それに対してやや混乱しながらも震える杏の背中を摩る鈴井。
「わっ、どうしたの杏?急に抱きついて・・・」
「ごめんね・・・!私のせいであんな目に合わせて・・・ホントにごめん・・・!」
「あんな目・・・?あ、そっか・・・じゃああれ、夢じゃなかったんだね。」
鈴井は杏と自分の手首に残る跡を見てあの城が、そしてあそこで捕まった事が夢ではなく現実に起こった事だと理解する。余りの恐怖と捕まった時の衝撃で知らぬ間に気絶してしまっていた様だが、悪夢だったでは片付けられないほどリアルだった事に納得していた。
「多分だけど、雨宮君達が助けてくれたんだよね。ありがとう、また助けられちゃったね」
持ち前の察しの良さで蓮達が恩人だと気が付き、やや顔を青ざめながらも優しく笑みを浮かべてお礼を言う鈴井。それを受けて蓮は気にしないでくれと言って杏に目線を送る。
「俺達だけじゃないさ、高巻さんも死力を尽くしてくれた。鈴井さんを怪我も無く助け出せたのは高巻さんのおかげだ。」
「え!?いや、私なんて別にほぼ何も・・・雨宮君達がいなかったら何も出来なかったし、それに・・・志帆?」
いきなり名指しされた杏はわたわたと自分の力ではないと主張するがその途中で今度は鈴井が杏にふわりと抱きつき、とんとんとゆっくり背中を叩いた。
「そうなんだ、ありがとう杏。私を助けてくれて。」
「ッ・・・!でも、私は・・・!」
「ううん、違うよ杏。私はずっと貴女に助けられてきた。これまでもずっと。何時だって杏は私の光だった。だから、ありがとう杏。」
「ううん!私も・・・私だって・・・ッ!!ありがとう志帆・・・ありがとう!」
これまで培ってきた友情、しかしどこか溝のあったそれが漸く氷解したような気がした。全ての事情を知り、互いの心を知った事で彼女達の仲は更に深まった事だろう。涙を流しながらお互いに感謝を伝えて抱き合う。
そんな2人の様子を見守っていたモルガナは顔をぐしゃぐしゃにしながら男泣きをしていた。
「いい話だぜ・・・」
「うわ、モルガナ顔汚ッ」
ギョッとして流れるように罵倒する竜司。その瞬間、第2Rが開始された。蓮は何やってんだコイツらという目を向けていた(おま言う案件)
そして少しの間、彼女達が再び落ち着くのを待つと蓮はハンカチを渡しながら話を始めた。
「それじゃあ、2人共落ち着いた所で説明していこうか。ペルソナとは何か、そしてあの世界はなんなのか、少し長くなるができるだけ簡潔に纏めて話すよ。」
渡されたハンカチで涙を拭いた杏と鈴井は今度は気を引き締めて真剣な目で蓮の説明を待っている。それを確認した蓮は頷くと夕日に照らされる静かな公園の中で異世界について落ち着いた口調で分かりやすく説明していった。
文が雑で申し訳無い
ーif、もしも鈴井が気絶せずペルソナに覚醒していたら?ー
コードネーム:バニー
仮面は純白の兎の仮面。怪盗服はバニーガールとナース服を合わせた感じ。勿論、うさ耳着用。体のラインは装飾品でなるべく隠し露出は少なくスケベ過ぎず、かと言って固すぎない純潔なエロスを感じさせる。
鴨志田とは違うのだよ鴨志田とは!!
多分絵にしたら製作者の性癖がこれでもかと積まれてる。看護婦、というより医学に関わる人達は病に立ち向かう、つまり反逆していると言えるのでモチーフ的にはセーフなはず。
発生条件:鈴井の好感度(コープ)を全てベストコミュニケーションで稼ぎ、その後鈴井が杏と共にパレスに迷い込み、かつ気絶せずに連行され心の弱さを乗り越える、などの条件をクリアしてやっと覚醒する。ハッキリ言って覚醒させるのは無理ゲーに近い。
ペルソナ:ナイチンゲール
体力回復、状態異常回復に特化したペルソナ。更に世にも珍しい『SP回復』という固有スキルを持つ。また、シャドウの鎮静化なども出来るため彼女を覚醒させるとパレス攻略が格段に楽になり超ヌルゲーと化す。見た目はFGOのナイチンゲールの宝具に出てくる後ろの方みたいな感じ。剣持ってるので当然物理攻撃可能。割とゴリラ。速のステが延びにくい代わりに耐と力が伸びやすいゴリラ。
特性:鋼の看護師
味方全体のHP、SPの回復効果を50%上昇。かつ毎ターンメディラマ発動。
くれよ!そのペルソナくれよォ!!