周回プレイヤージョーカー君   作:文明監視官1966

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お久しぶりです、メンタルが再生怪人の私です

鈴井は戦わせたくない・・・!!彼女を戦いになんて巻き込めない・・・!!

本音を言うと絶対に扱いきれなくなると確信してるから。俺ちゃんの頭が足りてないばかりに・・・!!

というか、鈴井のペルソナ覚醒に関しては後書きに書いたように無理ゲーです。HP1のヒュンケルを倒すくらい無理ゲー。なぜなら鴨志田を前にしたら問答無用でトラウマ発症からのメンタルブレイクがデフォだから。杏よりも肉体的指導が多かった故の弊害です。

確率的にはイベント開始直後最初の単発で人権キャラが出るくらい。余程の奇跡が重ならない限り覚醒しません。だからアホ強な訳ですね。回復の出来るゴリラとか手の出しようが無いですもん。

それはそれとしていつも感想、誤字修正ありがとうございます。皆さんも鈴井を仲間にする為に周回していきましょう!(仲間に出来るとは言ってない)

今回もかっぱ巻き!


Steal it, if you can/Part 1

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パレスから杏達を救出して来た蓮達。その後公園へ移動した彼らはペルソナに覚醒した杏と巻き込まれた鈴井にパレス、シャドウ、ペルソナ・・・認知により形を成す世界について噛み砕いて説明を終えた蓮は手に持っていた若干温くなったモンタを一口飲むとふぅ、と息をついた。

 

「・・・・・・というのが、俺たちの知る限り異世界についての知識だ。」

 

そう締めくくって杏達を見てみると想像以上に現実離れしている話に頭が追いついていないのか目をパチクリとさせて硬直している。そんな2人を見て可愛いなぁと思いながら笑う蓮。ズレてんなコイツ。

 

「まぁ受け入れるのには時間はかかるだろうけど、全て事実だと言うことは信じて欲しい。」

 

「それは勿論、信じるよ。でも、やっぱりどうしてもこう、理解が追いつかないというか・・・」

 

「無理に理解はしなくてもいい、そういうものだと納得さえしてくれれば大丈夫だ。正直俺達も全部理解してる訳じゃないからな。」

 

これに関しては事実だ。検証を繰り返して仕組みは理解しているがじゃあその全貌が分かるか、詳細に説明出来るかと聞かれると正直苦しい。蓮は頭は良いが常人の域を出ない。研究対象とまで称して調べていた科学者・・・いや訶学者か?彼女ほどこの認知事象を解明していける程の頭脳は持ち合わせていない。つまりこれはフィーリングで考えるべき事象なのだ。

 

それは公式を当てはめて解く数式のように。そういうものだと納得するのが大事という事だ。そこに疑問を挟むと途端にややこしくなる。事実、認知が現実になるのだからその捉え方は間違いではない。・・・まぁ、ある種の開き直りである。

 

「無理に難しく考える必要は無いさ杏殿。『そういうものだ』と思っておけばあの世界では問題ない。あそこは常識は通用しないからな、そういう柔軟性が大事なんだ。」

 

顔を引っかき傷だらけにした竜司の頭の上からモルガナがそう言った。彼の言った通り想定外の事態が当たり前の異世界ではそれに対応するのが大切だ。その点、切り替えの早い竜司に飲み込みが早い杏は問題ないだろう。

 

「・・・ねぇ、すっごい今更だけどなんで猫が喋ってるの?」

 

「ん?あぁ、こいつはモルガナ。コードネームはモナ、パレスで見た2頭身の彼だよ。」

 

そう紹介するとムフーとドヤ顔するモナを2度見して驚愕のあまりツインテールを跳ね上げて叫んだ。

 

「え、はぁ!?この子があの!?嘘でしょ!?てか猫じゃん!」

 

「うにゃああああ!!猫じゃなぁぁーい!!吾輩は!れっきとした!人間だ!」

 

「人間って・・・いや・・・どっからどーみても猫じゃん?」

 

人間と言われたのでジロジロと彼の全身をくまなく見てひっきりなしに動く耳にピンと伸びた尻尾、そして逆立つ黒毛を見て結局同じ結論を出した。これには流石にモルガナもご立腹。

 

「これは仮の姿なんだ!本来の姿は人間・・・そう!人間さ!」

 

「へ、へぇ・・・そんな漫画みたいな事あるんだ。」

 

「どーだかな、そのまんま猫かもしんねーぞ?あっちでも猫のままだし。なぁネコガナ。」

 

二度あることは三度ある。爪を立てた者と拳を握った者がぶつかり合う。蓮は安定のスルー。何も起こってないと言わんばかりにモンタを飲んでいる。そんな彼らに困惑の目線を向ける杏だったが隣にいた鈴井がおずおずと手を挙げたので喧嘩している奴らを無視して彼女に意識を向けた。

 

「どうしたの?志帆、もしかしてどっか痛む?」

 

「う、ううん・・・別にそういう訳じゃなくて・・・その、モルガナちゃん?が喋ってるっていうのは・・・」

 

「え?さっきからずっと喋ってるよ?」

 

「えっと、私にはにゃーにゃー言ってるようにしか聞こえないんだけど・・・」

 

「へ?」

 

志帆の衝撃的な一言で再び目を丸めてモルガナの方を向く杏。現在進行形で竜司を罵倒しながら引っ掻いている彼の声は杏にはどう聞いても日本語にしか聞こえない。断じてにゃーと猫らしい声を出してはいない筈だ。

 

「あっちでモルガナの『声』を聞いた人は現実でもちゃんとした言葉として認識できるようになるんだ。鈴井さんは気絶しててモルガナの声を聞いてなかったからただの鳴き声にしか聞こえないんだと思う。」

 

「な、なるほど・・・?なんか色んなこと詰め込みすぎて頭痛くなってきた・・・。」

 

げんなりして頭を抱える杏に同じく困惑しながらも苦笑いをしている鈴井。とりあえずこれ以上の情報を伝えると本格的に頭がショートしてくると思ったので蓮は1度話を区切り、また明日改めて話をしようと提案した。

 

それに対して同感だと素直に了承した2人。明日には鴨志田についてやら更に複雑な説明が待ち受けているのでじっくりと脳を休めて欲しいのだ。しかもお宝ルート確保に装備の準備、今後の方針も決めなくてはならない、やることは山積みだ。

 

「だが、学校で集まるのはややリスクが高い。放課後、別々に帰って後に集合するっていう形でもいいか?」

 

「賛成だぜ、学校だと下手すると野郎に絡まれるしな。けどよ、俺達ゃまだしも鈴井は鴨志田に目ェ付けられてるぜ。どうする?」

 

そうだ。鈴井は蓮の手で部活に行かずにここにいる。パレスの様子から見ても鴨志田には当然目をつけられているし、相当ご立腹なので彼女が奴と鉢合わせると非常にマズイ。どうせ奴の事だ、教室に押入る事くらいはするだろう。

 

ならば解決策は勿論、用意してある。

 

「鈴井さんは数日学校を休んでもらおうと思う」

 

「あーなるほど、そもそも学校に来なきゃ手出し出来ねぇな。名案だぜ。」

 

「その通り、風邪を拗らせたとか何とか理由を付ければ問題ないだろう。保護者の方も普段真面目な鈴井さんが言う事であれば信じてくれる筈だ。」

 

「う、うん分かった。やってみる。」

 

両手をぐっと握りながら頷く鈴井に蓮もまた頷き返す。これで鴨志田が鈴井に直接手を出す可能性は無くなった。あいつの事だ、評判を気にして自宅にまでは押しかけることは無い。賭けよりも保身を優先する男だ、そこら辺は分かりやすくて助かる。

 

「しかしそれも出来て数日、つまりこの僅かな間で奴を何とかするしかない。」

 

「だがお宝へのルートを確保するのに1日、それを実行に移すのに準備を含めて2日か3日・・・諸々を含めて考えると最低でも5日間はかかるぞ?それに相手は更なる戦力を蓄えているかもしれない、大きなリスクは背負えないぜ。」

 

落ち込んでいた所から一転、怪盗モードに入ったモルガナは必要な日数を正確に割り出し短期決戦は望めない事を伝える。確かに本来ならばパレスに侵入するにあたってしなければいけない準備の事を考えるとどれだけ切り詰めてもそれほどの日数は避けられない。

 

しかしそれは本来ならば、だ。ここにいる(イレギュラー)にかかればそんな問題は軽く解決する。

 

「問題ない、()はあるし策もある。この後そこを訪ねるつもりだ。装備に関しては・・・」

 

「銃とか扱ってるとこなら俺知ってるぜ、本格的なミリ屋だ。そこなら良いのが見つかると思う。」

 

「そうか、ならそこも当たろう。案内頼めるか?」

 

「おう、任せろ!」

 

スラスラと流れが決まっていく中、置いてけぼりをくらう杏と鈴井。何が何だかと目をパチクリさせていると予定が固まった蓮達は移動の準備を始めた。

 

「という訳で俺達は少し攻略の準備に行く。2人は帰宅してゆっくり休んでくれ。」

 

「あ、うん、分かった」

 

そう言ってまずミリ屋に向かおうとする前に蓮はピタッと止まり振り返ると2人に軽いアドバイスをした。

 

「それじゃあ、また後日。あ、寝る前にホットミルクを飲むといいよ。そして軽くストレッチすれば朝まで熟睡出来る。」

 

「う、うん。やってみる・・・。」

 

「今度こそ、それじゃ。」

 

そこのお前!レモンに含まれるビタミンCはレモン1個分だぜ!と言わんばかりの勢いとポーズにやや困ったように返事をする杏を尻目に今度こそミリ屋に向かうべく公園を後にした。

 

駅に着いた辺りでクシュンッ!とくしゃみを1つかます竜司。まだ肌寒さの残る春に半袖はまだ少し辛いものがあった。

 

「あ、そういや上鈴井に貸したまんまだったわ・・・まぁいいか。今度返してもらえば。んじゃ行こうぜ蓮。」

 

「ああ」

 

そして竜司の案内の下、電車に乗って数駅して渋谷で降りると複雑な駅から抜け出しセントラル街へと向かう。流石は若者文化の発信地と唸るほど多くの人で賑わうそこを3人(2人+1匹)は歩いていくとクレープ屋とカラオケ店の間、目立ちはしないが明らかに雰囲気の違うそこに入り込み裏路地へと歩を進めた。

 

そして角を曲がると直ぐに目的の店は見つかった。カラオケ店の真後ろにある為か、やや薄暗く()()()()雰囲気があるその店は『untouchable』と書かれた緑色のネオンの看板を引っ提げて静かに開いていた。

 

見るからにマニア向けと言った感じのその店を見てウキウキした蓮は今すぐにでもあの扉を開けてしまいたい衝動に駆られたがそこをグッと我慢して竜司に確認した。

 

「あれか?竜司、その店っていうのは」

 

「ああ、あれだぜ。前にモデルガン買ったんだ。ほら、俺が使ってるカッチョイイショットガンの。」

 

それを聞いてほーぅと声を漏らしたモルガナは潜り込んでた蓮のカバンから身を乗り出し彼の肩に乗って店の外見を観察するとやがて少し目を顰めた。

 

「だが・・・見るからにマニア層向けでビギナーお断りって感じだぜ。大丈夫なのか?というかこんなとこどうやって知ったんだよ。」

 

「大丈夫だよ、店主の親父は柄悪ぃけど普通に売ってくれたし。どう知ったって、まぁ、調べてヒットしたから?」

 

「随分雑な・・・まぁ玩具丸出しのとこに案内されるよか万倍いいが。よし、早速入ってみよう。」

 

「そうだな」

 

呆れた目を竜司に向けるモルガナだったが持ち前の切り替えの速さで店に入るように催促する。そしてそれに間髪入れずに応える蓮はなんの躊躇も無くドアに手をかけると堂々と店の中に入っていった。

 

「おぉ・・・これは」

 

店に入るとそこに広がる光景に潜り込んだカバンの中からモルガナが声を漏らす。無理も無い、そこに広がっていたのはまさに彼らが求めていた情景そのものなのだから。

 

種類別に棚に飾られた無数のモデルガン、防弾チョッキやメットなどの防弾装備類、ショーケースに飾られたお高いアタッチメント類や塗装用スプレーや塗料に油。メンテナンス道具や耳当て、弾にカタログ。必要なものをゴッソリと集め、それでいて安物は扱わず信頼のおける製品を揃えているとひと目でわかる内装は正しく深いオタク心に突き刺さるマニア向け店舗と言った感じだ。

 

しかも奥にカスタマイズルームがあると言うのだからもうその層には堪らない。店の配置から見てもビギナーは殆ど寄り付かないのだから文句の付けようもない。まさに理想の穴場といった具合だ。

 

「こりゃ期待出来るぞ・・・にゃっ」

 

モルガナが関心したように呟いた後、チラリとカウンターの方を見るとそこにはある意味この店に相応しい柄の悪い男が入店してきた蓮達をギロリと睨んでいた。その目付きは明らかにカタギが出せる威圧感では無く、現にモルガナがビックリしてカバンの奥に引っ込んでしまった。まぁカタギでは無いというのはある意味あっていたという感じだが・・・その辺はまた後で。

 

そんか威圧感を正面から受けても動じずに逆に見つめ返してきた蓮に取り敢えず合格を認めたのか見定めるような目を止めて雑誌に戻すとぶっきらぼうに挨拶をしてきた。

 

「・・・・・・らっしゃい」

 

それに笑みを抑えて軽く会釈をする事で返した蓮は店の中に入るとそれに続いてそろりと竜司が入ってきてすぐさま棚を見始めていた蓮の隣に張り付くように移動した。

 

「おっかねぇ〜!やっぱ怖ぇよあの店主!絶対ぇ表社会の人間じゃねーって。ヤのつく人だって!」

 

「そうか?別に普通だと思うが」

 

「いやいや、吾輩でも流石にそれは無いと思うぞ!普通じゃあんな目付きは身につかねぇ、何度か修羅場潜ってるはずだぜ・・・!」

 

「生きてれば修羅場の一つや二つ潜ることもある」

 

「や、ねぇだろそれは・・・」

 

コソコソとそう話して2人からジト目を向けられるも気にせずひょいひょいとモデルガンを鑑賞する蓮。まぁコイツがズレてるのはいつもの事かと気にしないことにした竜司は蓮につられてモデルガンの棚を物色するがどれがいいのかさっぱり判らない。

 

「ダメだ・・・どれがなんだが全然分かんねぇ・・・こういうのってやっぱ勘で選んじゃダメなんだろ?」

 

「当たり前だ。道具は実用性あってこそだぜ、命かけんなら尚更だ。そうだな・・・それならあの店員に聞いてみたらどうだ?」

 

あまりにも罰ゲームじみた発言に危うく吹き出しそうになった竜司。チラリと後ろを向いて店主を確認すると汗をダラダラ流して視線を戻しモルガナに詰め寄って出来る限りコソコソとやり取りをする。

 

「ハァ!?あの親父にぃ!?無茶言うなよモルガナ!株の木をつつくようなもんだぜ!!」

 

「だがそれが一番手っ取り早いだろ?ほら早く行けよ。それにそれを言うなら薮蛇だ。」

 

「こ、この野郎他人事だからって・・・」

 

モルガナの態度にイラついて口をひくつかせるが、店内で騒ぎを起こすと店主が黙っていないので何とか怒りを堪えて仕方ないと腹を括りゆっくりとカウンターへと振り返った。するとそれを察した店主が雑誌から竜司へと目を移す。帽子の先から覗くその目は敵意こそないものの威圧感たっぷりで竜司は今すぐにでも回れ右したくなる気持ちでいっぱいになる。

 

「・・・買うもん決まったのか」

 

「す、すんません。そのー、オススメっつーの?こう、いい感じの銃とか、あります?」

 

あははー、と頭をかいて棒読み気味にそう言った竜司にモルガナは頭を抱えた。

 

「交渉下手過ぎんだろ・・・」

 

「あ?・・・そんなもん自分の気に入ったの買えばいいだろうが」

 

巫山戯た質問だと取られたのか若干不機嫌になりながらぶっきらぼうにそう返してくる店主。竜司はもう色々と限界だった。主にメンタル面で。

 

「ハハハ・・・デスヨネー」

 

「・・・ハァ。オートマチックとリボルバー、どっちだ。」

 

しかしそんな様を見て心の変化でもあったのか、適当に見繕ってくれそうな雰囲気で聞いてくる店主。お、これはいい流れだぞ!とモルガナが思ったのも束の間、竜司がその雰囲気をぶち壊した。

 

「へ?オ、オートマ?なんでいきなり車の話?」

 

店主が聞いたのは基礎中の基礎知識。ビギナーでも分かるような質問。しかし竜司はカッコイイか否かで物を見るタイプだった。この間買ったショットガンだって見た目がカッコイイからと映画で見て欲しくなったからという単純な理由。つまりは仕様など少しも気にしていない。

 

これは断じて悪いことでは無い。見た目が好きだから、カッコイイと思ったから、気に入ったから。大いに結構、十分肯定されるべき理由だ。そういう好きもある。それは理解して欲しい。不幸だったのはここがマニア向け店だったという事だ。

 

好きならば少しでも深くそれを知るべき、と考える人もいるしその思想が強い人もいる。この店主もどちらかと聞かれればそちら側だった。と、いうよりもそんな基礎も知らずにこの店を訪れたという事実にイラついていた。マニア向けミリ屋の店主にこんな事を聞けばその質問が自分をからかっているものだと捉えられるのも当然ともいえる。

 

この作品が好き!と言ってたのにキャラの事や内容について全然知らないと言われたらなんだコイツと思う人もいるだろう。そんな感じだ。

 

あからさまに青筋をたてて苛立ち始める店主、それを見て青くなるモルガナ。俺何かやっちゃいましたと困惑し始める竜司。事態は最悪とも言えた。あわや店主という手榴弾が爆発、という所で蓮がカタログを持ってきて店主の前に商品を指さして注文をした。

 

「ブランコ・サバスを一つ。それとアタッチメント類と油、安くてもいいからナイフを幾つか。ついでにパチンコはあるだろうか。」

 

苛ついた表情から一転、目をパチクリとさせると飴を口の中でコロッと転がし今度は蓮を試すように視線を移した。

 

「・・・なるほど、こっちは話が通じるみたいだ。だが、お前さんはまだ顔見知りでもねぇ。新米にゃ大層なもんは売れねぇな。」

 

「構わない、ここならそれでも価値ある物が手に入ると踏んでいる」

 

店主の嫌味に近い物言いも軽くいなして店に対する信用を見せると店主は帽子のツバを摘むとニヤリと笑う。そしてずっと読んでいた雑誌を閉じて漸く立ち上がった。

 

どうやら認められたようだ。

 

「はっ、そうかい。なら待ってな、幾つか用意してやる。」

 

「有難い」

 

そう言って店の奥へブツを取りに行った店主。どうやら交渉成立したらしい。そんな雰囲気を察した竜司はスススッと蓮に近づき店主に聞こえないよう焦りながら耳打ちする。

 

「な、なんか話纏まっちまったみたいだけどそんな頼んで大丈夫なのかよ!?俺あんま金ねぇぞ!?」

 

「大丈夫だ、金なら貯めてたのがある。ここは俺に任せてくれ。」

 

そう言って財布を取りだしてドヤ顔を決める蓮。某サッカー選手の『俺は持ってる』と同じレベルのドヤ顔だ。普段ならウザいと言う所だか、今回はすげぇ頼りになる。それにしてもここは俺に任せてくれなんて、人生に一度は言ってみたいものである。

 

「すげぇ・・・カッコイイぜレンレン!マジに感謝するぜ!俺今月ピンチだからよぉ!」

 

「な、情けねぇ・・・」

 

言い方はかっこ悪いが普通の高校生の財布事情は厳しいのだ。バイトでもして無ければ直ぐに金など吹っ飛んでしまう。社会人になったら、気をつけよう!(散財癖など)

 

そうしていると店主が戻ってきてブランコ・サバスとアタッチメントを選びその他諸々の会計を済ませ、それらが詰まった袋を受け取る。すると店主か袋を渡す時にボソリと呟いてきた。

 

「・・・通い詰めりゃカスタムも出来るようになるかもな。まぁ精々頑張れよ。」

 

「ああ、用があればまた来る」

 

「・・・まいど」

 

最後までクールな態度を崩さずにいた店主。会計を済ますと用は済んだと言わんばかりに椅子にドカッと座り雑誌の続きを読み始めた。それを見た竜司は接客態度わり〜と言っていたが聞かれると面倒だと判断した蓮に首根っこを掴まれて引き摺られながら店を出た。

 

やけに暗かった店内より、街頭や店の光が点いた外の方が明るく感じる。眩しそうにするモルガナを他所に呑気に伸びをする竜司。

 

「ヒュー、いやーどうなるかと思ったけど何とかなったなぁ!」

 

「お前はなんもしてないけどな」

 

「うっせ。さぁてこれで装備の方は何とかなった訳だし、次はどうすんだ?」

 

「次は潜入にあたって何かしらのアイテムが欲しいな・・・特に回復手段が欲しい。薬とか効くやつなら何だっていいが効果が高いのが理想だ。蓮、宛があるって言ってたよな?どこだ?」

 

「俺の居候させて貰ってる所の近くだ、早速向かおう。」

 

「おう、確か四茶だったよな。」

 

用事を済ませた彼らは電車に乗って次の目的地である四茶へと向かった。竜司は初めて降りる駅だからかほえーと興味深そうにあちこちを見ている。渋谷などに比べるとややレトロな雰囲気の残るここは確かに彼の目には物珍しく映るだろう。

 

「それでその宛ってのはどんなとこなんだ?」

 

「武見という町医者がひっそりと経営してる小さな診察所だ。行ったことは無いが、良く効く薬を売っていると聞く。」

 

嘘である。そんな噂聞いたことが無い。何故なら蓮はまだこっちに来て数日しか経ってないのだ。ルブランの経営時間にも居らず、ご近所付き合いもままならぬというのにそんな噂話を耳にするはずも無いのだ。

 

まぁここに来て初日に本人には会ってるが。それは伝えなくてもいいだろう。

 

「ほう、それは期待できそうだな」

 

「診察所かぁ、じゃあ俺は外にいた方がいいな。そんなとこに2人で入る意味もねぇし。」

 

「そうだな、近くにバッティングセンターがあるからそこで暇を潰していてくれ」

 

「吾輩も外にいる。薬の匂いは苦手だからな・・・。」

 

「ああ、猫だから・・・」

 

「猫じゃぬぅえぇーッ!!」

 

そんなこんなで診察所の前までやってきた蓮達。落書きされた看板やぼんやりと青い光に照らされた入口は少し入るのを躊躇わせるような独特な雰囲気が漂っている。

 

「ここか、その医者がいるっていうのは」

 

「ああ。じゃあ早速行ってくるから竜司、モルガナ。済まないが待っててくれるか」

 

「OK、適当に時間潰してるわ」

 

「吾輩も散歩して来る。終わる頃には戻るぜ。」

 

「ああ、それじゃあまた後で」

 

そう言って離れていく2人の背中を見送ったらエレベーターを登って診察所の扉をゆっくりと開く蓮。鼻に入り込んでくる独特な空気、ツンとするような鼻通りが良くなりそうな薬の匂いが彼の心を刺激する。

 

何とか顔に出さないように表情は平静を装いながらカウンターの方を見ると青みがかった髪に白衣、それにパンクなトゲ付きチョーカーとチグハグな見た目をした女性が気だるげに座っていた。

 

彼女こそがこの武見内科医院を開いている女医、『武見妙』である。派手な見た目とは裏腹に患者一人一人と向き合う誠実な心を持つ町医者だ。

 

パタンと扉を閉めると目が合ったので手を挙げて軽く挨拶をした。

 

「すみません、診察お願いします」

 

「はいどうぞ・・・あら?貴方、あの時の・・・」

 

「どうも、宣言通り来ました」

 

そう言ってカウンター前まで来てペコリと一礼する。武見は「ホントに来るとはね・・・」と呟きながら蓮を見て若干困惑したように首を傾げた。

 

「なんか、キャラ違くない?もっとハツラツとしてた気がするけど」

 

「ああ、あの時は引越し直後で舞い上がってまして。ギャル風に言うとバイブスぶち上がってました。」

 

「なるほど、キャラ違わなかったわね。それじゃ中にどーぞ。」

 

イェーイと真顔でピースをかます蓮に武見は苦笑いを浮かべながら診察室へと案内する。隣の扉をガラリと開けるとそこには The 診察室と言う感じの白い部屋があり、アルコールなどの薬品の匂いも強まって独特な匂いが漂っていた。武見も入って来てカルテなどが貼られたパソコンや資料が置かれた机の椅子に座ったので蓮も手前側にある椅子に座る。

 

「それで?今日はどうなさいました?」

 

椅子に座るなり足を組んで肘を膝に立てて前のめりの姿勢でこちらを疑うようにジト目で圧をかけてくる武見。どうやら既に怪しまれているようだ。まぁ数日前にピンピンしてて来た時もなんの異常も無さそうな様子だったのにここを訪れる意味が分からないので警戒してるのだろう。特につける薬の無さそうなこの(バカ)に対しては。

 

一瞬、生足の魔力に引き込まれそうになりつつも薬を貰う為にワザと辛そうな演技をしながら嘘を吐き始める。

 

「実は最近・・・」

 

「ストレスね」

 

「即診ありがとうございまーす!」

 

聞く前に原因を特定した名医に敬意を評して壁に向かってボディビルの掛け声のように叫ぶ蓮。ちくしょう取り付く島もねぇ。

 

「いや違うんですよホントなんですって」

 

「何言ってるのかしら、健康体そのものの癖に。心身共に良好、だと言うのに不調を感じるのならストレスしかないわ。」

 

「ぐっ・・・!右腕が疼く・・・!!」

 

「それは厨二病、時間が解決してくれるわ良かったわね」

 

くっ、流石は名医。こちらの(ガバガバ)演技をこうも素早く見抜くとは。まぁどうせ何やってもバレるし、武見先生サードアイ並の観察眼持ってるから。なんて思いながらやりとりを楽しんでいると武見がため息を吐いて机の上にボードを置いた。

 

「どうせ貴方も噂を聞いてここに来たんでしょ?ワケありの薬を求めて。違う?」

 

まるでこちらの心を見抜くような鋭い目をしてそう問い詰める武見。その雰囲気と相まってまるで死神の鎌を突きつけられてるかのようなプレッシャーを感じる。流石に蓮もマズいと思ったのかキリッと真剣な顔に切り替えて・・・

 

「あ、はいそうです。鎮痛剤くれません?」

 

「貴方、緊張感って知ってる?」

 

滅茶苦茶あっけらかんとしてそう言った。コイツイカれてんのか?(辛辣)

 

アホみたいに肯定してしかも薬まで強請ってくる蓮に武見も警戒するのがバカバカしくなったのか椅子に深く座り直して頭に手を添える。

 

「アホらし・・・鎮痛剤なら出すから早く帰ってくれる?変に気を張ったせいで疲れたわ・・・。」

 

「それはそれは」

 

「下剤ぶち込んであげましょうか?」

 

青筋を立ててボードを突きつける武見に蓮は両手を上げて降伏の意を示す。

 

「はぁ・・・もういいからさっさと薬を持って・・・いや、ちょっと待って。」

 

「?なんですか?あ、身体を見られるのはちょっと・・・」

 

「違うわよ!貴方、良く効く薬が欲しいんでしょ?処方してあげる。」

 

「おお」

 

「但し、出す薬は私の『オリジナル』。病院の受け付けで見た事ない?薬事法的に医師の裁量による調剤ってやつ。それで体調を崩しても自己責任、つまりは自由診療ね。それでもいいならどうぞ?」

 

「ふむ」

 

つまりは脅しだ、蓮は心の中でそう思った。下手に手を出せば手痛いしっぺ返しが来るぞと警告されているのだ。自己責任、なんと恐ろしいワードであろうか。だがここで怯むようなら彼は怪盗なんざやっていないし、この周回を耐えてきてはいない。

 

彼女の薬はこの先に必要不可欠だ。その為に関係を早く発展させる必要がある。なので、彼は逆にカマをかけ始めた。

 

「ええ、構いません。()()()()()()ものでも何でもドンと来いですよ。」

 

 

「・・・・・・へぇ」

 

 

結果は大当たりだ。

 

蓮の言葉を聞いてから無言になった武見は立ち上がると彼の横を通り、扉の前まで歩いて・・・ゆっくりと鍵をかけて扉に背を預けた。先程よりも鋭い圧を背中越しに感じる。

 

「・・・その話、どこから聞いたの?」

 

「なんの事ですか?」

 

「とぼけたって無駄、バレバレだから。で?どこで盗み聞きしたのかしら?」

 

「黙秘権です」

 

「それは白状してるようなものよ・・・はァ、まぁいいけど。残念だけど、アレは廃棄する予定だから。」

 

圧が緩くなり、武見の態度も少し軟化したのを見計らってくるりと後ろを向く蓮。武見はプラプラとボードを揺らしながら蓮をジト目で睨んでいた。

 

「でも、どうしてあんな薬に興味持つ訳?体は鍛えてるようだけどスポーツマンって感じじゃないし。一体何を企んでいるんだか。」

 

「ぼくらの七日間戦争」

 

「は?」

 

「受験戦争っス」

 

意味不明な事を言った蓮にドスの効いた声で脅すとやや萎縮した蓮は素直に嘘を吐いた。それに少しだけキョトンと目を丸くした武見は納得したように息を漏らした。

 

「受験?・・・なるほどね、集中力と疲労回復が目的か。バカなこと考えるわね。なんか他にも隠してそうだけどそういう事なら・・・」

 

そう言うと武見は扉から背を離し、鍵を開けて横にズレた。

 

「お大事に」

 

「あ、どうもどうも・・・ってなんでやねーん!」

 

「別にボケて無いわよ!」

 

「ナオールッ!?」

 

ぴょこぴょこと忍び足のように扉から出てからまた戻ってきてツッコミをかました蓮に武見はボードを縦に叩き付けた。シュ〜と出来たタンコブから煙を出しながら真顔で座り直す蓮に本日何度目かのため息をもらす。

 

「あのね、別にあの薬じゃなくても市販の栄養ドリンクとか飲めばいいだけでしょ?それにあれはお高いの。高校生じゃ買えないくらいにはね。分かったのなら帰んなさい。」

 

「金ならありますよ」

 

そう言って蓮は取り出した財布から万札を10枚ほど出して武見に向けて突き出した。それを見た彼女は一瞬、金に目を取られて固まったが直ぐに思い直してボードで顔を隠した。

 

「ダメなものはダメ、もういいでしょ。早く帰って勉強したら?」

 

「む、ならバイトは雇ってませんか。」

 

尚も折れない蓮に対して、そしてバイトというワードに反応して武見は少し考えるように顎に手をやると何か思いついたようでボードを外して悪い笑みを浮かべながら蓮を見た。

 

「なら、貴方体力に自信はある?」

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

そうして裏に入って戻ってきた武見が持っていたのは赤黒く、とても飲み物とも薬とも思えないような色をした液体が入ったビーカーであった。

 

「丁度貴方みたいな若者の協力者が欲しかったとこなの。募集かけてもなかなか見つからなくてさ、()()()()。」

 

ビーカーを握る蓮を見ながら意地の悪い表情を浮かべる武見。

 

「あ、副作用とか気になる?別に気しなくていいよ、立派なの書いてあげるから・・・死亡診断書。」

 

「それってデコレます?」

 

「プリクラじゃないわよ!・・・で、飲むの。飲まないの。」

 

急かしてくる武見を横目にチラリと謎の液体Xへ目を向ける。いつ見てもドス黒い瘴気を感じる薬だ。見てるだけで拒否反応が疼いてくる。しかし、これを飲まなければ今後一切、武見はあの薬を売ってはくれないだろう。

 

薬を得る、武見との取引も結ぶ。両方やらなくっちゃあならないってのがリーダーの辛いところだな・・・。

 

「飲まないのなら出口はそっち・・・」

 

覚悟は良いか?俺は出来てる。

 

「いただきます」

 

ビーカーに口をつけた蓮はまるで上等なワインを飲むかのように優雅にそして一気に液体Xをクイーッと飲み込んだ!!

 

苦いような、酸っぱいような。なんとも形容しがたい味が口いっぱいに広がる。うーん、シンプルに不快。

 

まさかの行動に武見も驚愕し、信じられない物を見るように目を見開いている。

 

「・・・え!?ほ、ほんとに飲むなんて・・・!?」

 

「ふっ、俺は鋼の胃袋を持つ男。恐れるものなんてありませんよ。」

 

ドヤ顔でそう語る蓮に冷静になってきた武見はじっくりと彼の様子を観察してデータを取っている。そんなこんなで5分が経過。そこまで来てようやく時がやってきた。

 

「・・・今のところ平常か。確かに言うだけのことはあるわね。」

 

「言ったでしょ?俺は鋼の胃ぶくr メギドラッ!?」

 

「あ」

 

突如としてやってきた遅延ダメージにより吹っ飛んで天井に叩き付けられた。鋼も蝕まれ溶かされれば意味は無い。幾ら防御力が高くてもずっと1のスリップダメージを与え続ければやられてしまうのと同じである。

 

あの液体Xは蓮の鋼の胃袋を突き破り見事に彼を討ち取って見せた。これは逃れられぬカルマである。床にヤムチャポーズをしながら「ああ、今回も勝てなかったよ・・・」とどこぞのエルシャダイな天使の様に呟きながら込み上げてくる異臭によって意識を落として行った。

 

 

 

 

 

 

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「ハッ!・・・知らない天井だ。」

 

 

嘘、バチバチ知ってる。言ってみたかっただけ。とりあえず体に異常が無いことを確認してガバリと起き上がると隣の椅子に武見が座っていた。

 

「やっと起きた。こんばんは、あの後の事は覚えてる?」

 

「川の先から青い服を着た金髪の幼女にこっちにおいでと呼ばれる夢を見た気がする・・・」

 

「いい夢見れたようね」

 

蓮の言う事をサラッと流す武見。もう慣れ始めてきたようだ。

 

「あの後、1回昏睡から回復したの。でも検査中はぼーっとしてるし、急に「エクストリィィームウィンドッ!」とか奇声を発するとかしてたらまた意識が飛んじゃった。」

 

ふむ、やはり液体Xは何度飲んでも恐ろしいものである。蓮を持ってしても耐えきれない程の衝撃を与えてくるとは・・・それにしてもそんなことを言っていたのか。どこの世界にそんなセリフを叫ぶ奴がいるんだ、1度見てみたいね(鏡を見ろ)

 

「普通あんなの飲む?馬鹿としか思えないけど」

 

「飲まなきゃ薬売ってくれないじゃないですか。」

 

「・・・ああ、もう分かった。私の根負け。アレ飲まれたら何も文句つけられないし。いいデータも取れちゃったし。するわよ、取引。」

 

今日1番のため息を吐いて武見はそう言った。それを聞いて喜ぶ蓮に武見は顔の間近まで指を差して注意という名の釘を刺す。

 

「けど、これは他言無用。この薬に関しては決して外に漏らさない事。そしてこれからも治験に付き合う事。これを守るなら取引してもいい。どう?win-winでしょ?」

 

「分かった、その取引で行こう」

 

「OK、取引成立ね。10代のモルモットは貴重だから助かるわ。まぁ成り行きでの取引だったけどプラスに働いたし、良しとしとく。今後とも、ご贔屓に。」

 

その手に求めていた薬を持ちながら妖艶に笑う彼女を見て、蓮もまたニヒルに笑った。

 

 

ここに、新たな取引。新たな絆が結ばれるのを確かに感じた。

 

 

 

 

我は汝・・・汝は・・・

汝、ここにたなる契りを得たり

 

契りは

囚われをらんとする反逆の翼なり

 

我、「死神」のペルソナの誕に祝福の風を得たり

へと至る、更なる力とならん・・・

 

 

 

 

COOPEARTION:『武見妙』

 

 

ARCANA:『死神』 RANK.1☆

 

 

 

 

 

 

 

「武見先生」

 

「何、言っとくけどこれ以上は無いからね」

 

「ブレスケアありません?」

 

「・・・ごめん」

 

 

 

この後、めちゃくちゃ口臭ケアした

 

 

 

 

 

 

 

 

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獅堂への宣戦布時にマフティーダンスを踊る怪盗団の動画下さい。

「やってみせろよ!ジョーカー!」

「何とでもなるはずだ!」

「ペルソナだと!?」

(流れ出すあの曲)(怪盗団全員で例のダンス)(クソコラ)(何故か頭身の上がるモナ)(途中で息切れるナビ)

黒い仮面の男「狂ってやがる・・・(クソデカブーメラン)」


更新が遅いせいで蓮のキャラがブレブレ。仕様です(苦しい言い訳)

後半駆け足気味だったなぁ、この作者大丈夫か?()

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