周回プレイヤージョーカー君   作:文明監視官1966

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友との回想、確固たる絆


記憶-2

 

どこかの世界線、何度目かのやり直し。機神を打ち倒し、全てに決着を付けた彼ら怪盗団。

 

戦いの終わり、それは同時に時間のリセットが始まる時でもあった。刻一刻と迫るリセットに、戦いが終わって盛り上がる怪盗団から1人静かに離脱し、フラフラと街を歩き回る。

 

どこに行くわけでもなく、ただ気の向くままに歩き続け、最終的に秀尽学園にやって来ていた。

 

時期は12月、すっかり冬に入っている為、校舎を見上げてほぅと息を吐けば真っ白に染まる。冬休みに入っているので学校は休校中だが、そんな事構わずに入り込み、手馴れた手つきで校舎内に侵入し屋上に出る。

 

仲間と共にはしゃぎながら作った野菜のプランターを横目に見ながら、屋上の手摺りに寄りかかって景色を眺めた。

 

寒空の下ぼーっとしながら過ごしているとふと、転校したての頃を思い出した。初日からパレスに迷い込んで、殺されかけてペルソナに覚醒して・・・そして、鴨志田を倒す決意を固めた。そんな懐かしい思い出。

 

思えば転校早々濃すぎだろうと苦笑いが漏れる。しかし、だからこそ『彼』と出会えたのだ。自分が怪盗になるきっかけをくれた遥かなる親友と・・・。

 

 

ある日、ここで爪弾き者同士で飲んだモンタは美味かった。

 

 

そうしんみりしていると、ガチャリと後ろから音が聞こえた。振り返って見ると意外な来訪者に■は目を少し見開いて驚愕した。

 

 

「よっ、こんなとこにいたのかよ。探したぜ。」

 

 

そこには彼が最初から最後まで隣で支えられて来た親友、『坂本竜司』が両手にモンタを持って立っていた。

 

「隣、座るぜ」

 

そう言って竜司はガタガタと放棄されていた椅子を持ってきて景色を見ている■の隣にドカッと座ると片方のモンタを差し出した。無言でそれを受け取り、蓋を開けると静かに飲み始める。竜司もそれを見てグイッと豪快に流し込んだ。

 

そして同時に口を離すと、同時にゲップをして、同時に冷えで震え上がった。

 

「うひぃ、冬の外で冷てえ炭酸飲むもんじゃねぇな・・・」

 

「ん?んだよ、しゃーねーだろ、飲みたかったんだから。ううう、寒ッ・・・!」

 

カタカタと震えつつもモンタを飲み続ける2人。会話は無い、ただ景色を見る■と灰色の空を見上げる竜司。肩を並べて戦ってきた親友同士、互いに居心地がいい静寂を過ごしてモンタを飲み干す。

 

やがて、空になったモンタの缶を両手で握りながら竜司が話し始めた。

 

「・・・なぁ」

 

「なんか隠してんだろ」

 

「ハッ!バレバレだっつーの」

 

「・・・言いたくねぇか?」

 

「言っときゃ後が楽だぜ?ほら言っとけ言っとけ」

 

 

・・・・・・・・・。

 

 

「いや早く言えよ焦れったいな!!」

 

2人の定番の漫才を繰り広げて顔を見合わせると声を上げて笑い合う。やっぱり彼とのやり取りは最高だ。何時だってキレのいいツッコミを見せてくれる。

 

心が軽くなった彼はゆっくりと竜司に全ての事情を話した。ループの事、そしてリセットの事も包み隠さずに。

 

それを茶化さず最後まで静かに聞いていた竜司は無言で立ち上がると■の隣の手摺りに同じように寄りかかった。そしてどデカいため息を吐いて遠い目をするとダランッと両腕を手摺りの外に伸ばす。

 

「・・・・・・なるほどな、そりゃ言えねーわ。」

 

「いやなんで言ってくれなかったんだとは思うけどよ、流石にそこまで行くとな。」

 

「辛かったろ、1人で」

 

「・・・あ?大体俺がいたからそんなに?」

 

「プッ、アッハッハッ!!どこまで行っても俺ら親友か!最高だな!!」

 

■の言葉に竜司は腹の底から笑う。それにつられて■もまた笑う。2人の笑い声が寒冷な屋上に温もりをもたらしていた。

 

その後は2人で今までの思い出話に花を咲かせ、時折挟まる下品な下ネタに下品に笑い、遅れてやってきた頼ってくれなかった怒りに竜司が■を殴り、何故か■が殴り返し喧嘩に発展して灰色の雲の下で2人仲良く顔を腫れあげて倒れていた。

 

「だー・・・痛え。久々だな殴り合うの。ラーメン論争以来か?」

 

「あ、そうそうラーメンと言えばよー・・・──」

 

寒さでジンジンと熱と痛みを広げながら、また思い出話をし始める。穏やかに話し込んでいると、シンシンと雪が降り始めた。ぉぉー、雪だすげーと男子高校生丸出しの感想を漏らしながら降ってくる雪を見上げていると、まるで時が来たと言うように■の体が解けるように消え始めた。

 

それを見て体を起こし、2人あぐらをかいて並び合う。

 

「お別れか・・・次会う時は全部忘れて最初からだもんな」

 

「ま、安心しろって。お前がどんだけ繰り返しても、俺が何度でも親友になってやっからよ!!」

 

「そんでまた怪盗団としてクソな大人を改心させようぜ!約束な!あ!あと牛丼も食おうぜ!贅沢に特盛で豚汁にたまごもセットな!」

 

そう言って、拳を突き出してくる竜司。

 

ああ、そうだ。何時だってこの優しさに支えられてきた。何時だって自分達の先頭を走ってくれた。その真っ直ぐな在り方で勇気を与えてくれた。

 

彼がいたから俺は皆に会えた、彼がいたから今の俺があるんだ。

 

彼の拳に、涙を堪えながら自分の拳を突き合わせる。これは、男と男の約束だ。

 

必ず、また友達になろうと。

 

「だーっ、ちくしょう。男の別れに涙はいらねーってのに・・・ズビッ」

 

手で目元を隠して涙を抑える竜司に余計涙腺を刺激されて涙が溢れ出る■。しかし、竜司が言ったように男の別れに涙は要らないと涙を腕で拭き取り、最後は笑顔で別れる。

 

 

「へっ、んじゃまたな!頑張れよ、親友()!!」

 

 

「ああ、またな。親友(竜司)。」

 

 

 

竜司の激励と共に穏やかな微笑みを浮かべた蓮は雪が振る中、静かに消えていった。

 

 

「・・・・・・負けんなよ」

 

 

2つ並んだ空き缶が、ここに確かな繋がりがあった事を証明していた。

 

 

 

 

 

 

 

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戦車 MAX

戦車 RESET 0

前回は地元に帰る3月での別れでしたが、今回は機神を倒した直後位の話。雪の中でお別れシーンが書きたかっただけ。男と男のベタな友情、いいよね。
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