それにしてもペルソナ3R面白すぎる!!タルタロス徘徊だけで時間が溶けていく!レベル上げに勤しみ過ぎて全然ストーリーが進まない!オブジェ破壊たのちぃ〜!1周目で150時間超えるとは思わなかったぜぃ。そのくせ絆MAX出来なかったし。パラメータ上げで精一杯でしたよ。初手でMAXレベル要求って中々鬼畜じゃないですか?
ストーリーは最高でした。というかBGMが良すぎてヤバい。
皆さんは主人公の名前何にしましたか?私は1周目は公式に使われてるのではつまらないと思ったので自分で考えました。その名も『水無月 紫苑』君です。名前は花言葉から、苗字は語感で選びました。
取り敢えず2週目は軽い気持ちで挑戦して消し炭にされた裏ボスを倒すことを目標に頑張ります。
さぁて今回も〜黄金長方形の軌道で回転せよ!そこには無限に続く展開がある筈だ!
前回、斑目パレスから志帆のお手製スポーツドリンクを飲みながら脱出した彼等は周囲に警戒しながらセントラル街まで避難してファミレスへと転がり込んでいた。
杏と志帆の前に男3人がギチギチに詰まって座っているというむさくるしい状況下でも祐介と蓮はマイペースにメニューを共有して見ている。間に挟まる竜司は目が死んでいた。
ひとまず注文を済ませ、各々ドリンク*1を持ってきたところで祐介が頭を下げて謝罪をした。
「・・・すまない、冷静では無かったとはいえ先走り過ぎた。君達に止められてなかったら俺は・・・情けない限りだ。申し訳ない。」
「いや謝罪がガチ」
「武士みたいになってる・・・」
パレスから出てきて蓮達から軽い説明を受けた事で改めて自分が無謀な行いをしていたのかを自覚した祐介は頭から冷水を浴びた気分で猛省している。最早切腹すらしだしそうな彼の態度にそこまで思い詰めなくてもとフォローを入れた。
そもそも自分達も同じような過ちを犯しているのだ。責める道理などありはしない。武士のようにガチガチな礼をする彼の背中をバシバシと叩きながら竜司は杏の方を見てニヤつく。
「謝んなよ、仕方ねぇってあれは。俺もあんなんだったし。杏だって、なー?」
「その腹立つ顔やめないと目にレモン汁入れるよ」
「うぃっす・・・すぃやせん・・・」
腹立つ煽りに半ギレになった杏がスっと取り出した
想像するだけで目が痛くなる脅しを横に志帆はモルガナを撫でながら労わっている。
「皆大変だったね・・・モルガナちゃんもお疲れ様」
「ありがとな志帆殿、ついでに吾輩にもなんか頼んでくれ。お腹ぺこぺこだ。」
「分かった、でもあまり顔を出さないように。追い出されてしまうからな。」
「わーってるよ、不服だがそこんとこは割り切ってるさ」
蓮の言葉に少し不貞腐れながらも大人しくカバンの中に潜むモルガナ。飲食店にペットを持ち込んだら最悪消されるのでみんなも気をつけよう。そんなこんなでそれぞれ注文した物を食べながら祐介に細やかな異世界についての説明を行っていく。
「─────以上が俺達が現状知っている異世界の全てだ。」
「なるほど・・・にわかには信じ難いが、実物を見ているんだ。飲み込む他あるまい。」
「ま、俺らも最初は戸惑ったよな。すぐ慣れたけど。」
「改めて考えてもすっごいファンタジーだよね。蓮に言われた通りそういうものって納得しないと私もまだ受け容れられてなかったかも。」
「私はまだ慣れないかな・・・どうしても有り得ないって考えが出てきちゃう時があって。多分、力に目覚めてないからだと思うけど。」
「それは仕方ないさ。志帆殿は吾輩達の帰る場所になってくれてる、それで十分だ。」
「ありがとうモルガナちゃん」
認知世界という一見非科学的なものにそれぞれ適応している2人と未だ慣れない志帆。そんな彼女は寄り添うモルガナに感謝しながら優しく撫でる。
以前にも言ったが莫大な時間をかけて認知訶学を調査してきた蓮でさえ詳細は分からず開き直って『そういうもん』に落ち着いた程だ。認識ひとつで人々に影響を及ぼすという理解の範疇を超えた事象を詳細に解析する事は出来なかった。まぁ簡単に説明してしまえば大体あの金メッキのせいなんだけど。
じゃあ金メッキが作り出したその力に自力でアクセスした認知訶学研究者のあの人は一体何者なんだよって話なんだが。
定かでは無いが自分達程ではなくとも多少は人の心を弄れるまでに研究を進めてた辺りあの人はおかしいと思う。だからこそ目を付けられてしまったのだろうが。
話が脱線してしまった。この件はまた後々。ともかく認知世界について理解を深めた祐介は顎に手をやってある疑問を蓮達に投げかけた。
「・・・パレスに、ペルソナ、そして異世界ナビだったか。何とも奇っ怪なものだ。こんな摩訶不思議なもの、どこで手に入れたんだ?」
その質問に竜司と杏は顔を見合わせ目をキョトンと目をまん丸にして固まる。その表情に今度は祐介が目を丸くする。
「あ?どこでって・・・なんか、いつの間にかスマホに入ってて?」
「何となく使ってるって感じ?」
そういや特に疑問もなく使ってたわがははと無警戒が過ぎる答えに祐介は頭が痛くなるような感覚を覚え訝しげに彼らを見やる。
まぁどこの誰が作ったか何が仕掛けられてるかも分からないようなものを使ってますとか言われたら誰でもそのリアクションになる。
大丈夫大丈夫、生産者は生産者シールと顔写真がついてるレベルで分かってるから。ただそいつは信用も信頼も出来ないし相容れない安心安全とは程遠い存在からの贈り物というだけで(致命的)
「・・・大丈夫なのかそれは」
「・・・なんか今更不安になってきた。」
「まぁ大丈夫だろ、なんかあったら・・・そんときはそんときで!」
「使えるものは使った方がいい」
「そういうものか・・・」
イエーイ!とお気楽にアホなハイタッチをかます蓮達に困惑しながらとりあえず納得しておく祐介。俺もこの乗りに習った方がいいのだろうかと血迷い始める。そこは習わなくていいよ。そいつらただの馬鹿だから。
「つーかよ、喜多川のペルソナ凄かったよな。氷バキバキーってよ!火力っつーの?とにかく迫力がさ!俺らも巻き込まれたし!」
そう言って祐介のか細い背中をバシバシ叩く竜司。折れそう。まぁ確かにあの覚醒は過去に見てきたものの中でも断トツに強烈なものだった。募りに募っていた感情が偽サユリトリックの件で更に大きくなり爆発したからだろう。彼の心情を考えるとあまり褒めたり喜べたり出来るものでは無いが。
それを聞いたモルガナがカバンの中から小さい声で説明し始める。
「前にも言った通りそれだけ怒りが大きかったってことだろう。ペルソナは心の力だからな、感情の爆発と覚醒時の出力が掛け合わさった結果あれほどの力が出たんだ。」
「怒り・・・か。そうだな、あの時俺は凄まじく頭に血が上っていた。まさか世話になった人が想像を超える外道だったとは・・・」
そう言って右手で顔を覆い、俯く祐介。
「母も、騙されていたのか。」
最後の方にポツリ、と小さく零した言葉を偶然聞き取ってしまった杏は目を丸くして聞き返した。
「え?お母さん?」
思わぬ声掛けに目を丸くしてパッと顔を上げた祐介は聞こえてしまったかと反省しながら口に手を当てる。しかし今更口に出してしまったものは仕舞えない、同情を誘う訳では無かったのだがと自責して自身の過去を話し始めた。
「ああ、母親も斑目に世話になっていたらしい。尤も、俺が3つの時に事故で死んでしまったんだが・・・。」
「そうだったんだ・・・その、お父さんは?」
志帆が遠慮がちにそう聞くと彼はくしゃりと眉間にシワを作る。それを見て踏み込んではいけないところに踏み込んでしまったかと焦った志帆だったが、構わないと祐介は片手で謝罪を止めて暗い表情で語る。
「父はいない、母が女手一つで育ててくれていたようだが・・・正直、母の事はあまり覚えていないんだ。だから斑目を親と思って尽くしてきたが・・・あの人は変わってしまった。」
語りながら彼の握り拳が力強く締められギチギチと音を立てる。それが彼の氷山に吹きすさぶ吹雪のように荒れ狂う心を明確に表していた。
「自分の原点である『サユリ』までも、あんな風に・・・!」
「・・・お前も苦労してきたんだな」
そう言って彼の肩に手をやる竜司。これはまだ彼の口からは語られてはいないが彼は父親にDVを受けていた過去を持っている。祐介とは事情は違うが親という存在からの裏切りがどれだけ子へ影響を齎すかはよく知っていた。
竜司の言葉を受けて少し冷静になったのか激流のように荒れていた瞳の炎が和らぎ、「すまん、熱くなった」と謝罪する祐介。そんな彼に謝らなくていいと止めながらこれからの事を問いかける。
「喜多川君はこれからどうする?私達は斑目を改心させる予定だけど」
「ああ、あんな奴野放しにする訳には行かねぇ。野郎にゃきっちりと引導を渡さねぇとな。それに個人的に野郎はぶっ飛ばしたくなった。」
パシンと拳を叩いてそう言う竜司。彼の中で斑目と自身の父親だった男が重なって見えたのだろう。気合いが段違いに入っているようだ。彼のそんな姿を見て杏やモルガナ、志帆も気合いが入ったようだ。目に闘志が湧いている。勿論、事情を全て把握している蓮もだ。
「・・・なら、俺も加えてくれ。奴への引導は俺自身が渡さねばならない。それだけは譲れないんだ。」
そんな義憤に燃える彼らを見て祐介も決心したようで強い意志の籠った瞳でそう持ちかけた。当然それを蹴るはずもなく全員が歓迎して笑いながら頷く。
「こっちとしちゃ戦力増強になるんだ、願ってもないぜ。」
「ほんと!頼もしいよね!」
「うん!私ももっと頑張ってサポートするから!」
「っしゃ!よろしく頼むぜ喜多川・・・や、祐介!」
「ああ、よろしく頼む。」
あ、俺は竜司でいいぜ!じゃあ私は杏で!わ、私は志帆だよ!と名前呼びを提案して騒がしく新しい仲間と親睦を深めるメンバー達。揉みくちゃにされる祐介も何処と無く嬉しそうだ。
そんな和気藹々な彼らを見て地母神の微笑みを浮かべた蓮はフッとわざとらしい笑みを零すと彼らの前にメニューを広げ、伝票受け取りのカップを持ち独特なポーズ*2をして宣言をした。
「目出度い新メンバーの加入だ、お祝いとしてここは俺が持とう」
今度は祝福しろ、歓迎会にはそれが必要だと何故か見えるアルセーヌと共に独特で奇妙なポーズを取る蓮。なんだてっていいけどよォ〜ファミレスのソファーで立つなんてめちゃ許せんよなァ〜!?と思ったそこのあなた、安心してください。その場の床でやってますよ!代わりに竜司のスペースが犠牲になってる模様。わぁ、ギチギチだぁ。
「本当か・・・!?恩に着る・・・!!ならこのエスカルゴとやらも食べていいだろうか、前々から気になっていてな。それとこのサラダとピザと・・・!」
「いや奢りって聞いた途端めっちゃ食うじゃん」
「遠慮ねぇなおい」
「よっぽどお腹空いてたんだね・・・」
食え・・・存分に食え・・・!!と完全に保護者目線となった蓮は彼の注文をマリアナ海溝の如き懐の深さで受け入れていき、それに続いて竜司達も自分の注文を追加していく。勿論モルガナの分も。学生の青春、ファミレスでのプチ贅沢パーティは周囲に配慮をした上で盛り上がり彼らの間に短いながらも確かな友情を育んだとさ。
「めでたしめでたし」
「その話を私達にする意味が全く理解出来んのだが」
「ペルソナ合体のし過ぎで頭がおかしくなりましたか」
そんな話を翌日にベルベットルームにて合体ギロチン刑を何度もしながら双子に話すと気持ち悪いものを見る様な目でそう吐き捨てられた。だって他の人に語る訳にはいかんし。この湧き上がるエモを吐露するにはこの子達が1番最適だったし。結果は見ての通り超見下されてるけど。
「絆っていいよね・・・いい・・・」
「自己完結し始めたぞ」
「どうしましょう、一度殴った方がいいでしょうか」
こう、斜め45度くらいからとボードをシュッシュっと振りながら言うジュスティーヌ。それじゃあ治んないよ、昔の家電じゃないんだから。コラコラカロリーヌ、棒で頭を殴っても意味無いよ。というかやめてくれ、君ら人間の範疇を大きく超えた力持ってるんだから。頭取れちゃう。
「というか貴様何時まで合体をするつもりだ、現実時間に換算すればかれこれ2時間はぶっ通しでやってるぞ」
「更生に意欲的なのは結構ですが何事にも限度というものがありますよ。付き合わされるこちらの身になって下さい。」
ジト目で苦言を呈するジュスティーヌ。いくらベルベットルームでは現実時間がほぼ経過しないといっても彼女達にとっては相応の時間が過ぎている。そりゃ精神的苦痛も感じるだろう。勿論蓮にとっても。とはいえ彼の方は全く疲弊せずに説教中にもひたすら合体を繰り返し全書埋めと合体事故を利用したペルソナの選別を行っているが。
更にどこからか生えてきたこの謎の特性という面白い新要素。これが中々興味深くこれも合わせて厳選すると時間が溶ける溶ける。
「もう少し待ってくれ、あと一回、あと一回事故起こしたら帰るから」
「そう言って何回目だ貴様!事故を起こす度にそう言って粘ってるだろう!こっちはもう腕が痺れて来てるんだ!見ろ!ギロチンとチェンソーのやり過ぎで震える手を見ろ!この馬鹿者!」
「これ以上やるというのなら貴方自身をギロチン刑に処すのも吝かでは無くなりますよ」
ギャイギャイと騒ぎ立てるカロリーヌとスンッとした顔で恐ろしい忠告をしてくるジュスティーヌの抗議に蓮もこれ以上は本格的にマズイと判断して合体を中止する。そろそろお菓子で誤魔化すのも限界だと感じていたので逆にちょうど良かったかもしれない。
いい感じのペルソナも揃えられたし、まぁまぁ満足だ。欲を言えば補助スキルなどを更に厳選したかったが、それはまた別の機会にするとしよう。
「すまない、迷惑をかけた。お詫びと言っては何だが・・・」
「なんだ、菓子ならもう要らんぞ」
不機嫌な顔をしながらちゃっかりポケットにお菓子を詰め込んでる彼女にどこから出したのかそこそこでかい箱を鉄格子の間から渡す。
「なんだこれは?というかどこから出した?」
「こちらジュース詰め合わせセットとなっております。りんご、オレンジ、ブドウ、パイナップルにマスカット、そしてミックス・・・様々な味をご堪能頂けるかと」
「ほう!じゅーすか!」
「これが・・・様々な果物のテイストを楽しめるというジュースギフトという物ですね。お中元やお歳暮なるものの定番だとも聞いています。」
パカリと開かれた箱の中で何となく光り輝いているように見えるジュース達を前に先程までの不機嫌は何処へやら、こちらも負けないくらい目をキラキラと輝かせて箱を覗き込む2人はハッとすると蓮からジュースの箱を受け取り誤魔化すように咳払いをする。
「ゴホン!い、いい心がけだ囚人!これに免じて今回の所は許してやろう!」
「ええ、決して贈り物を前に胸を躍らせたわけではないですとも、ええ。」
「ちなみにこちら、それとは別に炭酸ジュースのセットとなります。コーラにラムネ、モンタにメッチなど・・・多種多様な炭酸を味わって頂けるかと。」
「なにっ!?こんなにか!?というかほんとにどこから出したんだ!?軽く3箱以上はあるだろ!?」
ジュースでウキウキ気分になっている2人に更に炭酸ジュースの追撃をぶち込む。謎空間からポンポンと炭酸を出していく蓮に謎の恐怖を感じたカロリーヌだが、それよりも未知の飲み物に興味津々なようでその視線は彼の出す炭酸に夢中だ。
「これが”こぉら”、何でも人の骨すら蝕むほどの糖度を誇るがその中毒性から愛飲するものが後を絶たないというまさに魔性の劇薬・・・と聞いた事があります。」
「なぁ!?ほ、骨を溶かすのか!?そ、そんなものを愛飲するなどどんな自殺志願者だ!?恐ろしい人間もいるものだ・・・!」
ジュスティーヌのやや偏った知識にカタカタと震えながら手に持ったコーラを見て戦慄するカロリーヌ。まぁ間違っては無いが大分誇張されたそれを面白いから放置してついでにアドバイスを送る。
「ちなみにそれらは冷やして飲むのが絶品なのでどうぞキンキンに冷やした上でお飲みください。暑い所で体を暖めてから冷えたジュースを飲むのも乙なものですよ。」
「なるほど・・・一考の余地ありか。流石にここでマグマを出すのは無しか・・・?」
「カロリーヌ?」
蓮の営業トークにベルベットサウナというよからぬ事を考え始めたカロリーヌにジュスティーヌが鋭い視線を浴びせると彼女はワタワタと慌てて取り繕い、蓮に労いの言葉を投げかけることでそれを誤魔化した。
「むぁ!?じょ、冗談だ!で、ではな囚人!この貢物は有難く貰ってやろう!次来る時は更に凄い物を持ってくるがいい!」
「更生もですが、そちらも期待していますよ」
そう言って微笑むジュスティーヌが指でボードを軽く叩くと蓮の体が後ろへ引っ張られる。それに抵抗することも無くスマブラのサンドバットくんのように直立で扉へと吸い込まれ、ガキンッとジュース群をブフダインで作った冷蔵庫もどきで冷やす彼女達を見ながら現実世界へと半ば強引に放り出されるのであった。
そしてドシャッと地面へと叩きつけられる蓮の精神体。釣り上げられたマグロのようにビタンと跳ねると綺麗に着地し、埃を叩いてから自身の肉体へと入り込んでいく。そして精神が完全に肉体に戻ると現実時間が動き始め、蓮も、いやジョーカーの肉体も意識を取り戻す。
ボーッとしていた肉体が瞬きを数度繰り返し、ぶれた視界を修正し出ていた涎を拭う。
「おーい、ジョーカー!どうしたんだよ!また考え事かー?」
背後からスカルがそう声をかけてくる。パンサーとモナ、そして志帆と新たに祐介、もとい『フォックス』も首を長くして待っていた。フォックスの話によると全員を告訴すると息巻いていたという斑目。そんな奴を改心させる為の期限は個展の終了まで。つまり6月5日、予告状のことを考えるとその前日の6月4日までとなった。
まだ余裕はあるがうかうかはしていられない。早速彼らはパレスへと乗り込みフォックスへ戦い方をレクチャーすると同時にオタカラへのルート確保へと乗り出していた。
「ふむ、何やら放心していたようだが大丈夫なのか?」
「あー、大丈夫大丈夫。リーダーってたまにああなるの。」
「それに大抵考える事は大した事ないものなんだよな」
「そうなのか?聡明そうな彼ならこの異世界でどう動くか考えてそうだが・・・」
「すまない、ゴ〇ゴ13がいるならゴル〇1から12もいるのだろうかと気になってしまって・・・」
「ほらな」
「・・・いや、確かに言われてみればそうだ。ふふ、やはり彼は柔軟な思考を持っているようだな。心強い、今度美術について議論を交わしてみようか・・・面白い答えが聞けそうだ、ふはは・・・!」
「おっと、そう来たか。」
「こっちもこっちで変人だったわ・・・」
「んだよゴル〇1〜12って・・・じゃあやっぱそういう組織的なのあんのかな!殺し屋育成機関的な!」
「ほぅ、これは面白くなってきたな・・・!」
「ああ〜収拾つかなくなってきた」
頓珍漢なことを抜かすジョーカーにパンサー達が呆れるもそれに謎の同調を見せるフォックスとそこに混ざるスカル。男子陣のアホアホトリオは男子高校生特有のノリでウキウキと盛り上がっている。
「3人とも!時間がもったいないからそろそろ行くよ!」
「「「はーい!」」」
「これもう志帆殿がリーダーでよくね?」
「ありかも」
志帆が引率の先生のように声掛けをすると素直に戻ってくるトリオ。リーダーとしての威厳が地の底を貫通してしまってコロコロと交代を検討されてしまっているが、気を取り直してジョーカーはキリッと気を引き締めてパレスへと向かっていった。
「ショータイムだ!!」
「相変わらず切り替え速いな」
「これ言えばいいと思ってるよね」
「そこがジョーカーのいい所だから」
「フォローなのか怪しいラインだなそれ・・・」
「仲が良いな君達は」
まぁそんなこんなでパレス攻略が始まった。内部へと潜入すると取り敢えず警戒の薄い弟子の絵画ゾーンでシャドウを強襲し、フォックスに対し戦闘のイロハをおさらいする。
「さて、シャドウには相性が存在し耐性を持つ属性と弱点となる属性があるんだったな。」
「ああ、例えばあのモコイ。奴は雷撃に耐性を持ち大したダメージを与えられず反撃の恐れがあるが、反面疾風に弱くそこを付けばダウンを取れる。」
「そしてある程度敵をダウンさせたら総攻撃で一網打尽と。」
「その通り、そして他にも物理攻撃を駆使したり状態異常を使ってクリティカルやテクニカルによって急所に大ダメージを与えダウンさせることも出来る。あとは補助スキルを使って味方の攻撃や防御などを上げたり、逆に相手のを下げたりするのも有効だ。」
「なるほどな・・・何となく分かってきた。しかし、弱点やらなんやらはまるでゲームのようだな」
「ゲームはゲームでも命懸けのデスゲームだけど、なっ!」
説明を聞きながら戦闘をするフォックスの言葉にそう返しながらモコイにクリティカルを与えダウンを奪うスカル。それに合わせてコロポックルにパンサーがアギを当て、カハクにパチンコの玉を当てるモナ。それにより敵シャドウが全員ダウン状態となり、総攻撃チャンスが訪れた。
「よし!行くぞお前ら!総攻撃チャンスだぁ!」
「しゃ!合わせろよフォックス!」
「善処しよう」
ブチィッ!!
全員が息を合わせて動きシャドウ達を袋叩きにする。苛烈な総攻撃にシャドウ達は耐え切れずに消滅していき、戦闘は終了。一息つくフォックスにメンバー達が集まってきた。
「おー!フォックス!中々いい総攻撃だったじゃねぇか、えぇ〜?」
「上手いじゃないか、ホントに初めてか〜?ああ〜?」
「む?ああ、初めてだが」
「おいおい初めてであれとはとんだテクニシャンだな!」
「こりゃとんだ麒麟児だぜッ!」
「やめろ馬鹿共!」
無垢なフォックスにセクハラをするスカルとジョーカーに鞭が飛ぶ。スパンッ!といい音を立てて打たれて2人は痛みに転げ回る。声を抑えながら無様に暴れる彼らにモナは呆れながらディアをかける。
「ったく、悪ふざけも程々にしろ。しかし、いい動きだったぞフォックス。新戦力として申し分ないぜ。」
「うんうん!ホントに!頼りにしてるよフォックス!」
「そう言われると光栄だな」
戦いっぷりを賞賛され、少し気恥ずかそうながらも嬉しげに首を回すフォックス。彼の動きはとてもしなやかでかつ力強く豪快だ。スピードの1点ならば現時点で最も高いと言えるだろう。勿論、ジョーカーを除いての話だが。
彼の攻撃は氷結と物理スキルで構成されている。物理アタッカーというとスカルと被って見えるが1発の威力はスカルの方が高い。連撃と速度のフォックス、一撃の破壊力のスカルと差別化出来る。
また彼は速度を上げて命中率と回避率を上げる『スクカジャ』を持っているのも魅力だ。
「よし、チュートリアルはその辺にして早速オタカラを探しに行こう」
セクハラ親父モードから怪盗モードに切り替わったジョーカーは真剣な顔付きでそう宣言し、手袋を直しながらパレスの奥へと向かっていく。その彼の背中にはいはいと少々呆れながらも笑みを浮かべてついて行くメンバー達。
真面目にパレス探索へ勤しみ始める彼らは奇跡の詰みイベ回避を見せたパンサー達が開けた襖の奥へと向かい、制御室の奥へと足を踏み入れた、
「さて、そこにあった『下』のパンフレットに乗ってる見取り図から考えると・・・オタカラは恐らくここだな」
「メインホールか、ここに行くにはラウンジとギャラリーを抜けるしかないな」
「奥に行くほど警備も厳重な筈だ。慎重に行こうぜ。」
「道中のイシも見落とさないようにしたいな」
「イシ?」
「まぁ見てのお楽しみだ」
新しい単語に興味津々なフォックスにそう告げてから彼らは足を進める。赤外線の張り巡らされたラウンジをここは任せろと単独で侵入し奥の警備員の目を盗み近くの警備員をサイレントキルして、即座に奥の警備員の方へ近づきこちらもサイレントキルをするという殺し屋さながらな腕を見せたジョーカー。
前から思っていたがコイツ実は怪盗じゃなくてアサシンなんじゃないかと引いているメンバーの目を気にせずにセキュリティルームへ向かうとその前にこれまでの警備員とは一線を画すオーラを放つ強敵が虫一匹通さぬと言わんばかりに立ち塞がっていた。
「おわ、あれ制御室の時もいたよな。」
「只者では無い佇まいだ・・・どうする?」
「避けられるならそうしたいところだがそうもいかん、奴があそこを守ってるってんならやるしかない。」
「リーダー、作戦はある?」
「ふむ、まず俺がやつに向かって目眩の小ビンを投げて視界を奪う。その隙に仮面を剥ぎ取るから混乱する奴をスカルの電撃で麻痺させ、パンサー、モナ、フォックスの銃撃で蜂の巣にする。これで行こう。」
「うむ、異議なしだ。お前らも問題無いな?」
即席作戦を組み立て、承認の共有をした副リーダーの言葉に全員頷くと、モナもジョーカーに目を向けて頷く。全会一致だ。それを受け取ったジョーカーはポケットの中に忍ばせていた目眩の小ビンを手に取り、作戦開始の合図を出した。
「よし、それじゃあ・・・1、2の、3!!」
「む!?なんだ貴様ァがァッ!?」
物陰から一気に飛び出したジョーカーは警備員に向かって駆けながら顔面へ正確に小ビンを投げつけた。割れると途端に効力を発揮したのか目を抑えふらつく警備員に接近しその仮面を剥ぎ取った。
たちまち肉体が溶けシャドウの姿が現れる。幽谷の怪僧とたわけた山伏が2体、目眩状態で出てくるとジョーカーは直ぐにその場から退き、それを確認したスカルのキャプテン・キッドがジオを放つ。
「しゃあっ!やれキッド!」
「な、にを、ってギャアアアアア!?」
唸る雷鳴が怪僧達を包むとその体を焦がし、同時に感電状態となり体の自由を奪った。バチバチと弾ける音が怪僧から響き、完全に動けない状態となった奴らに2つの銃口と1つのパチンコが向けられた。
「う、動けな・・・ま、待て・・・!!」
「待てと言われて」
「待つ奴がいるかってんだ!」
「行くよ!ファイヤー!!」
「こ、こんな、恥ずかしくないのかァァァァ・・・ッ!?」
怪僧の静止に一切聞く耳を持たずに躊躇無く引き金を引く3人。フラッシュが幾重にも弾け、鉄の殺意が音速で突き進み怪僧達に襲いかかる。無数の弾丸とパチンコ玉を無防備に受けては如何に強力な力を持っていようと意味をなさない。
消える直前に絶叫した怪僧だったが彼らには全く響かず無慈悲な雨霰にそれも掻き消され完全に消滅する。
「ハッ、外道相手に恥もくそもあるかっつの」
「まぁ、正直卑怯だとは思うけどね」
「気にすんな、吾輩達は怪盗。戦士じゃねぇんだ、戦い方でとやかく言われる筋合いはねぇさ。そんな事よりもさっさとセキュリティルームに行こうぜ。」
怪僧の捨て台詞をバッサリと切り捨て、倒した際にドロップしたスキルカードにジョーカー以外が首を捻りながらも部屋の中に入りセキュリティを切ろうと端末を操作するがパスワードが必要だと発覚する。それにまたかよと愚痴を零しながら渋々パスワードを知ってそうな警備員を探そうと部屋を出るとタイミング良く警備員同士が話をしていた。
「なぁあれって」
「グットタイミングだ、もしかしたら・・・!」
そう言って近くの物陰に隠れながら聞き耳を立てていると予想通りパスワードの事を報告している最中であった。これ幸いとしっかりと耳をすませて待機しているとそんな輩がいるとはつゆ知らず簡単にパスワードを漏らし始める。
「おい、例の侵入者中庭のセキュリティも突破してるらしいぞ」
「知ってるよ、さっきここのパスワードを変更しておくようにって連絡があった。」
「へぇ、それでパスワードは何にしたんだ?安直な語呂合わせじゃないだろうな」
「いやー急で思い付かなくてな。取り敢えず斑目様の足元の数字にしておいた。」
「足元・・・?どういう事だ?」
「まぁまぁ、取り敢えずパスワードは変更したから問題無い。警備に戻ろうぜ、奴らが近くにいないとも限らないんだ。」
「うぅむ、それもそうだな・・・」
そう言って別れた警備員達。それぞれの配置へと戻っていく奴らを確認してからジョーカー達は集まりパスワードについて議論する。
「斑目の足元って言ってたよな?足元、足元ぉ?」
「どういう意味だろう?足のサイズ?フォックス知ってる?」
「いや、残念だが聞いたことがないな。そもそも本当に足のサイズなのか?」
「足の長さ?」
「それパスワードにする?」
「ふぅむ・・・なんの事だろうな。何か思い当たることは無いか?」
モナがそう聞くとスカル達3人は顎に手をやり、?を頭に浮かべて頭を捻る。しかし全くもって心当たりが無く、?が2つ3つと増え始めた辺りでジョーカーがわざとらしくポンと手を打った。
「ああ」
「お!まさか分かったのかジョーカー!」
「長座体前屈のきろ「巫山戯たら太腿しばくかんね」・・・冗談だ」
注目を集めてから巫山戯ようとしたジョーカーにパンサーは聞くだけで痛そうな脅しで遮り、彼は割とマジの冷汗をかいてこれを撤回した。流石の彼もそこは勘弁願いたいようだ。というかこれは過去に食らった反応だわ。
的確な脅しに屈したジョーカーはスラスラと自身の推理を語る。
「足元の数字っていうのは恐らくあの銅像の下にあるプレートに書かれているものだろう」
「銅像?・・・ああ!斑目の足元ってそういう!」
「なるほどな、足元にある数字はそれか。となると、手間だがあそこまで戻らなきゃならんってわけか・・・。」
それを聞いて「うげぇ」と露骨に嫌そうな顔をするスカル。その反応も当然だ。戻ればまた強敵があそこに湧いている可能性が高く、そうなれば戦闘は恐らく避けられないからだ。
だが見にいかない訳にはいかないので仕方なく重い腰を上げて来た道を戻ろうとしたスカル達だったが、ツカツカとセキュリティルームへ戻ってしまったジョーカーを見て慌てて彼を追いかける。
「お、おいおいジョーカー!何してんだよ!まずは銅像を見に行かねぇとだろ?」
「面倒臭いのは分かるけどさ、後回しにするともっと面倒臭くなるよ?ほら行こ?」
「彼は幼子か何かと思われてるのか」
ジョーカーの周りをひょこひょこ回ってそう諭す、というかあやすパンサー達を見て思わずそうこぼすフォックス。まぁ普段の言動がね。しかしジョーカーはそれに反応もせずにさっさと端末の前に立つとこれまたダイナミックタッピング*3で数字を打ち込むとターーンッ!と力強くエンターを押す。
するとなんということでしょう。セキュリティの横からラウンジに続く壁や一部の壁が一気に解除されたではありませんか!これにはスカル達もびっくりびっくりどんどん。
「はぁ!?マジかよ!あんな適当に打った数字で解除出来たのか!?」
「それなんて奇跡!?」
「超衝撃波!?」
「なんでお前がびっくりしてんだよ!?」
打ち込んだ本人が驚いてスカル達と顔を見合せてるのを見て突っ込むモナ。そいつミラクルって単語に反応しただけだよ。
「というかジョーカー、お前まさか銅像の足元の数字覚えてたのか?」
「ん?ああ、パッと見て何となく覚えてた。忘れる前に発覚して良かった。」
ハハハ、と笑うジョーカーに内心で舌を巻くモナ。なんという優れた記憶能力。やはりこいつは侮れんほど、底無しの怪盗としての才能を持ってやがる!と戦慄し、同時になのに何故普段の挙動は残念なんだと頭を抱えた。
「よく覚えてたなー、まぁこれで通れるようになった訳だし!さっさと行こうぜ!」
「ついでに宝箱取りに行っていいか」
「おっけー」
「・・・あ、コラ!吾輩を置いていくなー!!」
超ハイスペックで見た目も超イケてる高級車なのにクラクションが幼児の靴が出す音だったみたいな、そんな残念感にモナが打ちひしがれてる間に彼らは壁が開いた宝箱を取りに行ってからラウンジを通り抜けようとするが、奥の扉へ行くための道には赤外線が張られており、通れそうもない。全員でキョロキョロと周りを見てみるがやはり通り抜けられそうなところも無かった。
「登れそうなところも通れそうなところもないね・・・」
「うえぇ、マジかよ。あのセキュリティ切っても赤外線は生きてんじゃどうしようもねぇぞ。こりゃ別ルート探すしかねぇか?」
「むぅ・・・ジョーカー、お前の目で見たらどうだ?」
モナも一頻り辺りを見渡した後にそれらしきものが無いことに渋い顔をして、これまでも数々の罠を見破ってきた
「ふむ」
「ん、やはりお前も気になるかジョーカー。この絵が。」
その視線の先にあるのは壁に展示された巨大な絵画。このラウンジの中でも一際存在感のあるそれに特別な目を持つジョーカーとフォックスの2人はこれの異質な性質を見抜いていた。
「絵?この絵がなんだってんだよ?」
「いや、なにか・・・妙な雰囲気を感じてな。この絵にはなにか不思議な、吸い込まれるような力が・・・」
そう言ってフォックスがその絵へ手を伸ばし、表面へ触れようとすると・・・
「なっ!?」
「おぁーっ!?フォ、フォックス!?お前、腕が!?」
「安いもんさ、腕の1本くらい」*4
「死活問題なんだが。いやそれよりもこれは、まさか絵の中に入り込めるのか?」
まさかの事態にぎゃいぎゃいと騒がしい他メンバーを他所に彼は入り込んだ手を縦横無尽に動き回す。どうやら異常はないようだ、そのまま腕ごと突っ込みそれでも大丈夫そうだと分かったら今度は全身で絵の中へ入り込んでしまった。
「ちょ、何やってんの!?」
「アイツ絵の中に落ちたぞ!?」
「落ちたってよりかは自分から入ったようだが・・・」
「Foooooooooooooo!!!!!!」
「あ、ちょ、ジョーカー!」
「えぇ・・・躊躇無しかよ・・・よ、よっしゃ!!俺も!」
「行くしかないか・・・行こうパンサー!」
「う、うん!ど、どうにかなれー!」
狼狽えるスカル達、ちょんちょんと揺れる絵の表面を触ってフォックスの後を追うか躊躇っているとその隣をスパイダーマンの飛び込み並みの勢いで絵の中へ入り込んでいくジョーカー。ドパンッ!と凄い音を立てて消えていった彼を見て意を決して飛び込むスカル達。
ザパンッと波打つ絵画、その先にある二次元世界へと足を踏み入れた彼らはその奇妙な世界観に目を見開いた。三次元的な奥行きは無いが足場はあり、表面的なのに立体的に捉えることが出来る。そんなあべこべな、敢えて言うのなら2.5次元的な絵画の世界はその絵が表現するものをリアルにジョーカー達へと体感させていた。
「おぉ、これは・・・」
「な、なんだこりゃ・・・これホントに絵の中かよ!」
「笹が揺れる音も風も感じる・・・でも不思議、なんかこう、舞台の上にいるみたい。背景が横にあるみたいな・・・」
「吾輩達が絵の中に入った影響だろうな。なるほど絵の中を移動できるか・・・画家のパレスらしいギミックだな。と、なると・・・ジョーカー、先に進んでみよう。」
「ああ」
モナの提案に乗り、半透明な次元の壁のような膜のような絵の端へ走って行き、そこを通り抜けるとなんと別の絵へと移動してしまった。どうやら絵と絵が繋がり、通り道として機能してるらしい。
「おぉ、すげぇ!別の絵に飛んだぞ!」
「絵と絵が繋がってるのか・・・だが境目があれではどこにどう飛ぶか分からんな。ジョーカー、フォックス、お前らの目に頼る事になりそうだ」
「了解」
「うむ、絵の事ならは任せてくれ。」
この先も同じようなギミックがある可能性は高い。そもそも斑目は贋作作りに手を染めてたとしても芸術家の端くれだ。絵を使ったギミックは必ずあるだろう。モナは極めて高い審美眼を持つ2人の力が必須であると考え、ジョーカーに加えフォックスも前衛に配置し進もうとした矢先に絵の中に斑目の声が響いてきた。
『我が心の静ひつな竹林に土足で踏み込む賊どもめ・・・生かして返さぬわ!』
「うわっ!?この声、斑目!?」
「見つかったのか!?」
いきなり聞こえてきた斑目の声にパンサーとスカルは戦闘態勢に入り、周囲を警戒するがモナとジョーカーが手を上げて危険は無いことを伝えると武器を下げて戦闘態勢を解除した。
「いや、近くにいるわけじゃない。多分思考が声として聞こえただけだ。」
「思考が・・・じゃあ今のは斑目が考えてる事?」
「ざけやがって!土足で踏み込むだァ!?弟子達の夢を踏み潰してた癖によく言うぜあの狸ジジイ!」
「絵に込められた想いとは言うが・・・皮肉過ぎて笑えんな」
「気持ちは分かるがそれは後にとっておけ。今はとにかく進むぞ。」
モナの言う通り、奴への思いはオタカラをぶんどって改心させるまで取っておいた方がいい。あとどうせ戦うことになるし、そこで全てぶつけてしまえばいいのた。だから今は耐える、耐えて探ってこのパレスを攻略するまでは心の奥に秘めておくのだ。
斑目への怒りを新たに、彼らは奥を目指す。パレスの中心、オタカラを狙って。絵から抜け出し、ダクトを通った彼らはセーフルームで志帆の手作りおにぎりとコンソメスープを食べて一息ついた後、更に先へと進んでいくのであった。
異世界ナビ(サブスク月額550円)
カロリーヌ「おぉ!美味い!上手いぞコーラ!命知らずが執着するのも頷ける!」
ジュスティーヌ「りんごの爽やかな喉越し、そして柔らかな甘さ・・・いいものですね」
ペルソナ3Rで語りたいことが多すぎてやばい。ていうか主人公背負わされてるものが重すぎる。結末も思ってた数倍重い。キツいしんどい。
というか長くなりますけど語らせて貰ってもいいですかいいですよねありがとうございます未プレイの方はネタバレ注意です。
世界を救う為にその身を捧げた少年に涙する男!スパイダーマッ!!
まずストーリーはとても良かったです。思ってたよりも壮大で絶望的、けど複雑じゃなくてスラスラ進むので満足感は高かったですね。特に中盤終わりのどんでん返しが凄かった。そ、そうきたか!と思わず膝を打ってしまいました。逆にそこまでのストーリーは謎が多すぎてタルタロスを攻略するのと大アルカナシャドウ倒す以外なんかふわふわしてたのに一気に収束していく感じが気持ち良かったです。肩組んでた相手が急に脇腹にナイフ突きつけてきた気分。
ペルソナ5が味濃すぎて若干薄味に感じたけど多分量が少ないだけでそう錯覚してるだけ。ペルソナ5が大盛り二郎系ならこっちはトッピング全盛りこってりラーメンって感じです。終盤までギスってたというか衝突が起こるのがリアルでしたね。まぁ彼らまだ学生ですし、しかも全員お辛いもの抱えてるし。切れたナイフを抜き身で同じ箱に入れるな。というか大体桐条グループのせい、ストーリー全部ここの尻拭い。序盤はゆかりっちが正しいとは思わなかったよ。これの次の作品がアトラスの顔になるダンシング番長ってマジ?
作品要素も至ってシンプルでやりやすい、けどミニゲームとかは無いからやり込み要素は薄れるって感じ。裏ボスという最大のやり込み要素があるから無問題、かな?あと恒例のメンバーヒロインとコミュをするには高い人間パラメータを求められるってのが一周目には辛い。なんであいつら一緒に命かけてる仲間にそこまで求めんねん・・・。それとこれとは別ってことか。
最初の覚醒ですっごいワクワクしたんですけど後から見返すとこれが全ての引き金とか分かるか!ってなった。ペルソナ覚醒と同時に終わりの始まりとか誰が予想できんねん。というか召喚演出カッコよすぎる。全員分のカットインもめちゃくちゃ決まってるし、特に順平。弱点突くとキラキラエフェクトバリーンからのペルソナが現れるの最高。お気に入りペルソナはグルルです。テウルギアも最高、ひたすらジャックブラザーズ連打してました。
キャラの印象は
順平、序盤は良くいるお調子者キャラ。子供っぽく目立ちたがり屋で助平。かと思いきや主人公に嫉妬したり後先考えずに突っ込んで勝手にピンチになったり、その割には軽薄で命懸けの戦いの中でリーダーにこだわってたり、暗いのが嫌いと言いつつ場の流れを乱したり滑ったりと悪い所が目立つ。最後までプレイすると精神的に一歩成長したのが分かってなんか嬉しい。主人公の重大な秘密が分かった時の反応も一番等身大の人間してて個人的には好きです。ちゃんと面と向かって謝ったしね。嫌われる理由も一番人間の見たくない部分をさらけ出してるからだろうなと何となく分かる。周りの人間の覚悟がキマリ過ぎててヘイトの貧乏くじ引かされてる印象。
ゆかり、ストッパーかと思ったらバーサーカーだった。順平と同レベルに扱いが難しい。序盤は頑固で勝気な性格とひたすら独立に拘る姿勢も相まって気難しい子とか腹黒系か?と思ってたらそんなレベルじゃない拗らせ方してた。コミュとか過去を知ればそらそうなるよと。どこで変なスイッチを踏むか分からない全身地雷源。要所要所で順平より空気読めない時がある。敢えて読んでないだけだと思うけど、ぐいぐいと場を引っ張っていく様はもはや大将。けど追い詰められてる順平にあの弄り方は彼女なりの信頼もあるんだろうけど流石にちょっと引いたよ。順平と主人公とこの子で誰をリーダーにするかで主人公を選んだのは最良だったと思う。
風花、なんかヌルッと仲間になった気がする。貴重な探索サポートペルソナ持ち。覚えるスキル、サーチとオーラしか使わん。全体ヒートライザをまいてくれる最高の有能。なんならHPとSPも回復してくれるし、チャージコンセもまいてくれる神。パーティの要にして緩衝材。この子がいるだけでゆかりのストレスが60%くらいカットされてる。内気なので変に主人公に当たってこないし、自虐的だけど急にキレない女神。順平とゆかりっちは土下座した方がいいよ。
真田パイセン、頼りになる堅物脳筋。強さに拘りシャドウとの戦闘に胸躍らせているのを見てやべー戦闘狂かと思ったら割としっかりした人だった。成績優秀だし。飯を奢ってくれたり勉強を見てくれたりと良い先輩としての一面も見せてくれる。けど順平には当たりが強い気がする。軟派と硬派の違いか。何事も理論的に考えるから女性の扱いに難ありという意外な所もある。あんた女生徒侍らせてた訳じゃなくてマジで相手にしてなかったんかい。というか先輩組はもっと過去を語れ。誰もあんま語らないから気になって仕方ない。戦闘では通常が打属性なのでスタメンでした。
美鶴、クールビューティでブリリアントな美人生徒会長。けど大事な事は伝えないし、事前情報も伝えないし、隠し事が多すぎる後出しジャンケンウーマン。というか命懸けのミッションやらせてるのに事後報告が多すぎる。全部話してから協力を仰げ。無理でも加入後には話せ。聞かれなかったから言わなかったは詐欺だ。タルタロスに突っ込ませる前に死神の事は最低限伝えろ殺す気か。そらゆかりっちもキレるんだよなぁ。でもこの人自体も隠し事めっちゃされてる可哀想な中間管理職。親父も似たような感じだから遺伝だと思う。エプロン姿と可愛い服に憧れを持ってるのがキュートなので全て帳消しになってる。当然スタメン。可愛いでしょ?僕の彼女。まぁその後すぐ目の前で死んだんですけどね。酷くない?
アイギス、前作主人公、というか第二の主人公。主人公の特性というか物語の根幹に関わるキーマン。個人的にはMVP。登場時のロボ感満載時も終盤の人間に近付いた時もとても可愛い。人間とか機械とか関係ねぇ!可愛いもんは可愛いんだよ!!なるほどなー。生と死に向き合い、自分なりの答えを見つけていくのがとてもエモい。彼女だから出来る事を見つけた時は泣きそうになった。人の心を手に入れて幸せになった方のピノキオ。
コロマル、パーティ内随一の男気を持つ。戦う理由が常に大切な人を守る為、かつての主人が愛した世界を守る為ってお前ホントに犬か?余裕でニチアサ主人公やれるぞ。しかも加入時から強い、時期的に闇弱点が多いからSP消費が激しい。ソウルドロップは大体彼に消える。ブラッシングや散歩など凄まじくシステムがあざとい。好きになるに決まってんだよな。しかもギスらないし。ここ一番で活躍かっさらうし、パーティで一番信用出来る。ペルソナ覚醒が無いのが残念。テウルギアがズル。
天田、声優繋がりで乙骨にしか聞こえない。たまにシンジくん。最年少なのに復讐の為に生きてるとかいう覚悟ガンギマリなやつ。相手殺して自分も死ぬとかお前ホントに最年少か?最終的に手はかけなかったけど、おかげで死と生について考えて立ち直るのはメンタル強すぎてびっくりしたよ。並のガキなら絶対拗らせるのに。ハムスターを頼みますとか言ってたけど寮からいなくなるからかな?と思わせといて死ぬ気でしたは分かるかアホ!ってなった。特撮好きなので多分作者は仲良くなれる。アイギス辺りで性癖歪んでそう。というかあそこにいたら歪むでしょ、というか歪ませたい。
荒垣、何死んどねん。は?何死んでんの?え?まさかぁ、助かるでしょ?って思わせといてマジで死んで心底ビビった。好きだったのに・・・と悲劇のヒロインちっくな事言っちゃったよ。復学届の所でフラグ折ったと思ってた自分が浅はかでした。というか過去に犯した罪の為に力封じて手を引いたとか言ってたけどやるべき事逆やないか?寧ろ背負って戦うべきやったんやないか?と思うがそれは全てを知ってるプレイヤー側だから言えることであり、彼の心情を思うとそんな事言えるわけないのだ。料理上手なのがあざとい、オカン属性なのもあざとい。だからこそ言える、何死んどねん。最後の写真でウルっと来たよ。カストールとポリデュークス似てるのなんかエモい。
幾月、大体コイツのせい。裏切ると思わせて裏切らないと思わせて裏切ってきたやつ。中途半端な知識と都合良く曲解した認識でラスボスを起こして自分が王になるとか言ってた痛い奴。魅力のない夜神月。戦うのかと思ったらムービー死した。桐条父も死んだ。えぇ・・・。というかわざわざ磔にしてるの考えると笑える。ウルトラ兄弟かよ。あとなんでコロマル見逃しとんねん。一番警戒すべき男やろがい。というかなんでこいつの改竄に誰も気が付かないの?ワンマン作業だったの?違うよね?チームで研究してたんだよね?しかも桐条グループの。なのに誰も怪しいと思わなかったの?シャドウの反応とかさぁ、力増してる理由を各方面から探るとかさぁ。研究者全員コイツと同じ思想で動いてましたの方がまだ納得出来るよ。だとしても無能極まるけど。まぁコイツいなくても大型シャドウ倒さなきゃ影人間は増えてくクソゲーだったけど。
ストレガの皆さん、桐条グループの被害者。死んだ同胞達の犠牲の果てに手に入れた力を消させるかという割と共感出来る理由で立ちはだかってきた。境遇的には同情出来る奴ら。命懸けでペルソナ能力得てそれしかアイデンティティが無いのにそれを消されるとかたまったもんじゃないだろう。言いたいことも分かるし。ニュクス目覚めさせるとかも別にどう足掻こうがもう死ぬんだし受け入れようぜ!って感じだったし。万が一勝ったら影時間消えるから立ちはだかって来ただけだし。つってもやってる事が復讐代行とかだしそれはそれとして倒されるべき敵だった。ペルソナ5に出てきても違和感無い。作者は嫌いじゃない。なんかラスボスのおまけ感凄かったけど。荒垣殺したのは許さない。
コミュの皆さん、大体最初は明るい雰囲気なのにシレッと激重発言してお辛い展開を見せてくれる方々。特に神木。アイツ一人でペルソナ3やってる・・・。印象強すぎて他が霞む。でも一番好きなコミュ。小田桐君とかも好き。
エリザベス、どちら様にもメギドラオンでございます。史上最凶のエレベーターガール。強すぎて草。あんまり対策しないで取り敢えず挑戦してみたら消し炭にされた。攻略見てみたら対策ペルソナ作成がめんどくさいこと。これでも原作に比べたら大分楽ってマ?お出かけ関連は全部可愛かった。特にダンス。なんで攻略出来ないんですか?(大声)攻略した後タナトス使ってるのを見るとめちゃくちゃしんどくなった。
主人公、全ての負債を背負わされた男。幼少期に両親死んだ上にデスを封印されて騒動の原因になってしまうとかどんだけ重い因果持ってんだよってくらい可哀想。大体まどか。これ死んだの?って思って調べたらガチめに死んでるっぽいしこの後も重責背負わされてて草も生えない。救いは無いのですか?序盤も序盤に知らず知らずのうちに世界崩壊の引き金を引いてしまったって分かるかボケ!!ワイルドの演出かなんかだと思うだろ!主人公解放したらもれなくラスボスもこんにちわすんのマジでクソ仕様過ぎる。何とかならんのか。これのせいでジョーカー差し込めなくなった。2次小説でくらい救わせてくれよォ!!キミの記憶は神。というか歴代主人公の中でもワイルドとしてかなりの才能の持ち主だったんじゃなかろうか。ミックスレイドとか受胎とかしてたし。
綾時、あの子供だよなぁーって思ってたら更にヤバい奴だった。彼自体はめちゃくちゃいい友達だったのに正体があれとかもう、なんというか、救いが無い。なんなんだよマジで。可哀想だろ、せめてこう、なんかなかったの?戦うのくそ辛かったんですけど。いつの日か主人公と一緒に帰ってきて欲しい。
はー、スッキリした。語りたいこと大体語れましたありがとうございます。色々言ったけどほぼ皆好きですよ。ついでに、作者が一番連れ添ったペルソナは恐らくマガツイザナギです。なんか知らんけど合体で作ったらずっと使ってた。気がついたら90レベル超えてたし。おかしいな・・・アルセーヌより成長が早い。
長くなって申し訳ありません、次回もよろしくお願いいたします。