周回プレイヤージョーカー君   作:文明監視官1966

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皆さんあけましておめでとうございます!!(激遅)               

戦隊レッドではキズナブラックが好きな私です。色々忙し過ぎて闇堕ちして地獄兄弟みたいになってたので全く手がつけられませんでした。

まぁそれはともかく、今回はいつにも増して頭空っぽで見て欲しい回です。途中から自分でも何かいてるか分からなくなってた。

あとくっそ今更ですけどブチ切れジョーカーの時のコンボはハザードがクロチャをボコる時のやつです


Maido Looking Party

 

清掃活動から数日、斑目の改心までもう少しといった所。その数日の間でメメントスでの依頼やジョゼとの交流、何人かのコープを進めた蓮、ガンナバウトやら演説やら将棋(デュエル)やら治験やらアンタッチャブルやら走り回って人間関係を深めていた。

 

普通ならば忙しくて潰れてしまうだろうが体力おばけどころかモンスターに全身浸かっている蓮は全く疲れておらず、逆に回復している始末。怖いよこいつ。

 

という訳で学校が終わったあとは今日も信也と遊ぼうかと考えていた。今日こそはガンナバウトで勝ってみせる、こっちの方がループ分強いはずなのに何故か毎度それを上回ってくるんだ。

 

本人曰く、「相手が自分より強いならその対戦中にその技術を盗めばいいんだよ」とのこと。どうしようアムロ・レ〇並に何を言ってるか分からない。必ず相手よりも強くなるとかオーマジオウか何か?CV小山さんなの?

 

実際、戦ってると動きがみるみる鋭くなるのが恐ろしい。才能の塊過ぎて寧ろどんどん技術提供したい。信也は俺が育てた(後方お兄ちゃん面)

 

「なぁ、レンレン・・・今時間あるか?」

 

だが、放課後に何やらコソコソと周囲を変に見ながら近づいてくる明らかに挙動不審な竜司に声をかけられる。

 

「どうした竜クン、思春期の男子が道端でえろ本を見つけた時みたいな顔をして」

 

「そんな分かりやすい顔してた!?いや違くはねぇかもだけど・・・じゃなくて!ちょっと話聞いてくれよ!ここじゃなんだから、場所移そーぜ!」

 

浮ついた声とニヤけた顔を隠せない竜司に、(ああもうそんな時期か)とのほほんと考えながら引きづられて行くと何やら紙切れを蓮の顔スレスレに突き出してきた。

 

「これは・・・」

 

「家のポストに入ってたんだよ・・・!」

 

竜司が興奮気味に突き出してきた1枚のチラシを覗き込むように見てみるとそこにはいやぁ〜んであは〜んな感じを隠そうともしないおメイドさんの御奉仕店の広告がデカデカと載っていた。

 

「『家事代行サービス!!可愛いメイドがあなたの為に何でも致します』・・・って!!」

 

「ほう」

 

「メイドだぜ!?メ・イ・ド!あなたの!タメに!なんでも!!」

 

「近い近い」

 

メイドという夢のワードに興奮を隠しきれない竜司が喋る度に接近してくる為、眼前どころか顔面にチラシがめり込む蓮。

 

「男なら・・・分かるだろ?」

 

「なるほど、家事を手伝ってもらうんだな?」

 

「そうそう、面倒な掃除洗濯を代わりにやってくれて助かるわーってアホか!ちげーだろ!そこはさぁ、ほら・・・なっ!?」

 

「メイドってそういうものでは・・・?」

 

「いや・・・やめろお前!なんかマジなのか冗談なのか分かんないラインの発言すんの!」

 

まさかのマジレスにペースを崩される竜司。しかも中々に反論しずらい所を突いてきたのでロマンを潰すなとガックンガックンと肩を揺らし説得すると彼の思い(煩悩)が届いたのか彼の目的を察した蓮。

 

「ふむ、つまり御奉仕してもらおうってワケだな」

 

「そゆことっ!家の大家、鍵の管理が雑でよ。引っ越したばっかで空き部屋になった隣の鍵あっからさ、な!試してみようぜ!」

 

「やろう」(即決即納即効即急即時即座即答)

 

「流石!通じれば話が早いぜ!*1んなら早速今夜辺り・・・」

 

竜司の熱い勧誘を聞いた瞬間、さっきまでのとぼけた態度を引っ込めてスケベ心をメガネに宿し、キランと光らせ即答で返事をすると割と罵倒寄りの賞賛を送る竜司。そして2人が立ち上がり、性なる宴の開催を宣言しようとした瞬間、そこに割り込んでくる影があった!!

 

「ちょっと待ったァーッ!!」

 

 

高らかに響くその声の正体とは!?

 

 

「!?この声は!!」

 

「話は聞かせてもらったよ!」

 

みんな大好き、深淵オタクの三島だった。

 

「三島か」

 

「三島だ」

 

「いやもうちょっとリアクションして!?・・・じゃなくて!その話、俺も一枚噛ませて貰うよ!」

 

スン、とした態度の2人に折角派手に登場したのにと慌ててツッコミを入れる。しかし、そんなことにはめげずにドドンッ!と効果音と共にそう吠える三島。

 

そんな彼にシラーっとした目で返していた竜司だったが、彼の思惑に気が付くと一気にニヤッ〜と目と口をニヤけさせて彼と肩を組む。いわゆる、アーニャ顔である。

 

「はぁ?・・・はぁ〜なるほど、お前こういうの興味あんだァ?ふーん、へぇ〜?」

 

「ちょっ、勘違いしないでくれ!これは調査だよ!何でもしますのなんでもってどこまで?派遣されるメイドの水準は?ちゃんと広告通り?家事代行業をうたう怪しいサービス、その実態を俺達の目で見極めるんだよ!」

 

竜司のイジりにわたわたと言い訳を並べる三島、そんな彼に真っ直ぐな瞳でこう問いかける。

 

「三島・・・本音は?」

 

「俺も御奉仕されたいッ!!」

 

わぉ、曇りなき眼。スケベ心がフルオープンである。

 

「よく言ったぜ三島!一緒に御奉仕受けようぜ、隅から隅までな!ぬふふ・・・!」

 

「あ、ああ!ありがとう坂本!ぐふふ・・・!」

 

「業が深いなぁ」

 

スケベ心を全開にした三島の叫びを聞いて心打たれた竜司はこの計画に彼を組み込むことを決心する。ニヤけた面で彼に同行許可を出すと三島はニヤけた面で感謝を伝えるのであった。メイドさん同盟結成の歴史的瞬間どある!

 

凄いな、この空間下心しか無い。まぁ男子高校生なんてそんなもんである。

 

「よし!なら早速今夜決行だ!餅は美味いうちに食えって言うからな!」

 

「それを言うなら『鉄は熱いうちに打て』だろ」

 

「計画のコードネームは、そうだな・・・メイド鑑賞会・・・メイドルッキングパーティー!(ネイティブ)」

 

「やべ、かっけぇ!!」

 

「聞いちゃいねぇし・・・」

 

モナのツッコミも聞こえないくらいワーキャーと騒ぐ竜司と三島*2。かっこいい、かっこいい?まぁ感性が小二ならかっこいいと感じるコードネームを付けた彼らはハイタッチしてわちゃわちゃしてる。ふっ、これは負けていられないと蓮もその流れに身を任せる。

 

「Let's Party!!!Foooooooo!!!!!!」*3

 

「ノってきたなぁ!蓮!」

 

「乗るしかないこのビッグウェーブに!!」

 

「♪コノヤロウ、ジャンケンみたいにゃいかねぇぞ、試合はスパッと終わらす、グーチョキパッパーラッパー♪」

 

「鎮○DOPENESSさんもキマっておるわ」

 

「イエー!」

 

「いや誰だよこのおっさん!?」

 

「I'm a DOPENESS Time!!」と独特なフロウをかましながら帰っていく仙人ラッパーに手を挙げてアガる3人に正常なモルガナのツッコミが突き刺さる。しかしテンションがぶち上がっている彼らに全てのツッコミが通じない。ただ勢いだけでどこまでも駆け抜けて崖から飛び降りるのみである。そのまま海の藻屑となれ。

 

「うし!んじゃ俺ん家で作戦会議だ!夜になったらソッコー決行すんぞ!」

 

「ラジャー!!」

 

「ブ、ラジャー!」

 

「懐かしっ!」

 

という訳で、時間を飛ばして決行時間。夜になるまで竜司の部屋で格ゲーをやっていた彼らは夜になると持ち場へと移動し、待ちに待ったメイドルッキングパーティーを始動させようとしていた。作戦会議?半休で帰ったよ。ちなみにモルガナも付き合ってられんと呆れて帰った。悲しい。

 

「さて、誰が電話するか問題だが」

 

「俺は嫌だ、心臓がもたない」

 

「ドヤ顔で言うな」

 

グッと親指で自身を指さしていい顔で情けない事を言う三島。キラキラ顔が逆に清々しい。竜司のツッコミも際立つというものだ。そしてその隣で蓮も無表情ながらもドヤ顔に見える顔で電話を拒否する。

 

「俺も嫌だ、古傷が痛む」

 

「電話で痛む古傷ってなんだよ!?」

 

「ゼロワンの死がトラウマに・・・」

 

「ケータイ捜査官!?懐かしっ!?」

 

電話をすることに弱気な3人(うち一名は巫山戯てるだけ)。このままでは埒が明かないと考えた漢気のない彼らは自然と責任の押し付け合い、即ち真剣勝負へと身を投じる。

 

「ここは公平にいこう」

 

「ああ・・・勝負はラップバトルか?」

 

「当然ッ、ジャンケンだッ!!古くから伝わる『ジャンケン』!それが流儀ィィーーッッ!!」

 

三島の疑問に作画を荒○先生風に変えながらいつの間に持っていた剣のレプリカを投げ捨ててそう叫ぶ蓮。それを合図にそれぞれバックステップで一歩分距離を取りジャンケンに最適な距離を作る。

 

「ム○キングでは勝率8割を超えてたジャンキングのゆうちゃんの力、見せてやる!」

 

「負けても恨みっこなしだぜ」

 

「必勝!」

 

ドドドドド・・・・・・!!

 

まるで空へ飛び立ってしまうのではと感じるほどに3人共気合を入れ、勝気な表情で思い思いの構えをとる。纏う雰囲気はジャンケンとは思えないほどに真剣で、肌がピリつくほどの鋭さを見せていた。そして一度拳をつき合せるように出してから、ジャンケンにおける取り捨て選択を行う最も大事な『溜め』の段階へと移行する。

 

「「「さい、しょは、Rock(ぐー)…」」」

 

スタンダードなジャンケンの構え、基本を貫くのはスレ民の三島。両手を握り半身を捻ることで出す瞬間まで出種を悟らせない最もシンプルで、最も効果的な姿勢。まさにジャンケンのお手本と言える。

 

対する竜司。ぐっと深く腰を曲げ、足を開き右手を左手で包み込みギリリと力を込めている。具体的に言うと真○戦の復活からの黒閃を打つ虎○くらい。

 

顔を下に向けることで心理戦すら拒み、ただ己の拳にのみ意識を集中させている姿は、まさにジャンケンの申し子。奇跡は彼に微笑むのか。

 

そして最後に蓮、彼も竜司の構えと似ているが更に足を大股に開き左手は右手に翳すように。そして右腕は肘が下げた頭よりも上に、まるでそのまま下に突き出すかのように曲げギリギリと血管が浮き出る程に力強く握りしめている。まんまゴンさ○である。

 

三種三様の構え、それぞれが己の強みを押し付け合う拮抗した空気の中その時は訪れた・・・。

 

 

ツー・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

ポタンッ

 

 

 

 

極限の集中により、口内に留める反射的な行動すら抜け落ち誰かの口からつたり落ちたヨダレが床についた。

 

──────次の瞬間

 

 

「じゃんッッ!!」

 

 

 

 

「けんッッ!!」

 

 

 

 

解き放たれたバネのように、全身を大きく使って己が手を突き出し合う!その刹那、衝撃により空間が歪み、周囲に黒い火花が散る─────!!(※イメージです※)

 

 

 

 

 

「ポンッッッ!!!」

 

 

 

 

バヂィィッッ!!

 

 

ダイナミックに迸る黒い稲妻、のイメージ。凄まじいエネルギーが吹き荒れる中心ではそれぞれの手形が向き合っていた。

 

この勝負の勝敗は・・・

 

 

「シャッラァァァァッッ!!」 グー

 

「ッダァァァァァァァッッ!!」 グー

 

 

「これが現実ってやつさ・・・」 チョキ

 

作画がリアル寄りになるくらい渾身のガッツポーズをとる竜司と三島。どんだけ嬉しかったんだ。そしてどこぞの完全自己中キャベツ刑事のようなセリフ*4を呟いて負けを噛み締める蓮。

 

なんかこのまま闇堕ちしてヘラってマガツマンダラを放ちそうな感じだったがどこぞのシスコン番長のような心の天使が現れ、「全て晴らしてやる!」と光を照らして闇を晴らしてくれて事なきを得た。

 

死闘を繰り広げた彼らはお互いを称えあった後、電話役に任命された蓮は素直にスマホを取り出しチラシの電話番号を打ち込んだ。つってもこいつ最初から自分が電話する気満々だったのだが。それは漢娘(おとめ)の秘密である。

 

「私に任せて!」 (キラッキラの笑顔)*5

 

「お、おう。なんか偉く明るい美少女っぽいセリフだな・・・まぁともあれ、いよいよか」

 

「電話役は逃れたとはいえ、それでも緊張する・・・!」

 

蓮の耳元からプルルル、と微かに聞こえるコール音に固唾を飲む竜司達。まるで新年を迎えるカウントダウンを聞くような面持ちで待機していると、ついに待ちわびた時がやってきた。

 

『お電話ありがとうございます、家事代行サービス『ヴィクトリア』です!サービスのご利用でよろしかったでしょうか?』

 

「繋がった!」

 

「シーッ!静かにしろ三島!」

 

まるで映画でハッカーが超難解なロックを突破したみたいな感じで声を上げる三島に自分も負けないくらいの大きさで注意する竜司。慌ただしい彼らを生暖かい目で見ながら淡々と電話を続ける。

 

「はい」

 

『ご指名などはござますか?』

 

「おまかせで・・・べっきぃでおねがいします

 

竜司達に聞こえるようにおまかせを注文し、その後電話先にのみ聞こえるくらい小さな声で()()を指名する。それも、この電話を取った凄腕店長だからこそ聞き取れるほどの小ささ。小賢しいぜ。

 

『・・・かしこまりました!それではご住所いただけますか?』

 

「ん?雨宮今なんか追加した?」

 

「気のせいじゃね?」

 

当然、蓮や店長ほど耳も良くない彼らに聞こえるはずもなく、オーダーは素通りしてしまう。やったぜ。

 

『それでは20分程お待ちください!お電話ありがとうございました〜!』

 

「こちらこそ・・・という訳だ」

 

電話が切れるとスマホを指さしてそう伝える。するとマジのガチでメイドさんが来てしまうという事実にいきなり慌て始める2人。

 

「やべぇ・・・ほんとに来ちまうぞこれ」

 

「う、うん・・・うわ、急にど、動悸が・・・」

 

そう言って挙動不審になる竜司と三島。そわそわそわそわと忙しなく動き続けてる。ダンス踊ってる?ってくらい全身を動かしてる彼らはまるで散歩用のリードを見せた犬のよう。ちなみに蓮は直立不動である。ライオンハートに隙は無い。

 

そしてとうとう緊張が行くとこまで行ったのかそそくさと部屋を出て御手洗に向かう竜司。

 

「お、俺トイレ・・・」

 

「え、あ、うん。なんだよ坂本、結構緊張しいなんだな。あは、あはは、は・・・俺も後で行こ」

 

そんな面白いことになってる彼らを見て心の中で白飯をぐぁつぐぁつと食いまくる蓮。趣味が悪いことこの上ないが、友情大好きな彼はこれが平常運転、気にしてはいけない。それはそれとして慌てる2人を見てにっこりサディスティックスマイルを浮かべるこいつを誰か殴ってくれ。

 

ぎくしゃくとバグったプログラムを打ち込まれたロボットのようにおかしな挙動をしまくる2人をにこぉ・・・と観察しているとあっという間に20分が経過し、約束の時間が訪れてしまった。

 

ピンポーン、とチャイムの音が部屋の中に木霊する。

 

『こんにちわ〜、家事代行サービスの者です〜!』

 

「き、来た!ほんとに来た!?」

 

「お、落ち着け三島!こういう時は深呼吸を・・・ヒッヒッフー」

 

「それラマーズ法だろ!お前が落ち着け!というか待って!こういうのって高校生が利用していいの!?」

 

「し、知らねーよ!?え!?ダメなのかこれ!?」

 

直前になって色々と問題なのでは?と日和はじめる2人だが、既にメイドさん(べっきぃ)は玄関の前まで来てしまっている。逃げ場は無いのだ、腹を括って欲しい。というわけで、蓮はメイドさん(べっきぃ)に声をかけ入室を促す為に声をかけた。

 

「開いてマース」

 

「ちょ!?雨宮そんな急に!?まだ心の準備が!?」

 

『あ、ホントだ。えっと、じゃあ失礼しま〜す!』

 

「うぇえ!?や、やばい!」

 

更に慌て始める2人、捻られるドアノブ、急上昇する緊張感。その瞬間、元陸上部の瞬発力をいらない所で発揮した竜司は即座に反転、ベランダに通じる窓へ走り外へ飛び出して行った。

 

「お、俺やっぱ無理!蓮、あと頼む!!高校生ってバレないようにな!」

 

「えっ!?あ、お、俺もぉ!!」

 

ここにきてまさかの裏切り。おめーメイドさんに御奉仕されたい欲はどこにいった、えぇー!?

 

三島も遅れながらもそれに続き、2人は蓮を置いてベランダへ緊急避難してしまった。薄情者共め。しかし去り際にバトンタッチされた事で蓮のやる気は上がっていた。

 

「任せとけ」

 

「ベランダで見守ってるぜ!じゃ!!」

 

バトンタッチして攻撃力とやる気が上昇した蓮は入室してきたメイドさん(べっきぃ)に素顔を見られないように背を向け、絶妙な角度で顔を傾ける。いわゆる、『ヒロシ立ち』である。哀愁のあるBGMをかけると尚よし。

 

そして竜司達が避難した直後、派遣されたメイド『べっきぃ』が入室してきて可愛らしくスカートの端を掴み、まるで綿菓子のようにフワフワと柔らかなお辞儀と挨拶をし始めた。

 

「おじゃましまーす!え、なんでヒロシ立ち・・・じゃなかった。お帰りなさいませ、ご主人様♡本日お仕えさせて頂きます『ヴィクトリア』の『べっきぃ』と申しますぅ♡ご主人様の疲れたハートに、べっきぃのラブりぃエナジィ、タ〜ップリ注入するにゃん♡」

 

(お、おぉ・・・こういうのってなんかムズムズするな・・・)

 

(普段聞かない感じだもんね・・・これされちゃったら逆に恥ずかしくて乗れないかも・・・)

 

「よろしくにゃん♡」

 

(いやノリノリかよ!?)

 

(無敵かコイツ!?)

 

聞いてるとやや胸焼けと共感性羞恥が湧いてきそうなセリフを言うべっきぃに全く同じテンションで返す蓮。思わずベランダから小声でツッコむ竜司だったが、いやいやそんなことよりも!早くご奉仕を!と隙間からギチギチになりながら変な体勢で覗き込んでいる。滑稽だ。

 

「ご主人様と仲良くなれそうでべっきぃ嬉しいにゃんにゃん♡♡では早速ですが本日はどうなさいますかぁ?基本は料理、洗濯、掃除なんでけどぉ、ご主人様がお望みなら他にも色んな『ご奉仕』させてもらっちゃうにゃん♡」

 

「い、色んな・・・」

 

「ご奉仕・・・!?」

 

(おいおいおいおい!やばいんじゃないかこれ!?これやばいんじゃないか!?)

 

(やばいよこれ!やばいですよ!!もしかするともしかするよ!)

 

(もしかするって、もしかするやつか!?)

 

(もしかするって、もしかするやつだよ!?)

 

聞き慣れないムンムンなワードに一瞬で頭と語彙が湯立つ竜司と三島の脳、食い入るように覗いていると、べっきぃが何かに気づき小首を傾げながら人差し指を唇に添える。

 

「ってあれぇ?ご主人様、すごく若い?」

 

(うっ!?)

 

(ま、まずい!?)

 

 

 

「もしかしてぇ・・・まさかぁ・・・

 

 

高校生?」

 

「「ドキーン!?」」

 

べっきぃの放ったアイスピックのように鋭い指摘に2人の心臓は一気に騒ぎ経つ。

 

(や、やばいぞ!どうする!?)

 

(どうするっつったって・・・ハッ!蓮!)

 

バクバクとうるさい心臓で縋るように蓮を見ると彼はまるでなんて事ないような、何気なく寄ったペットショップで子犬や子猫を見るかのようなリラックスした表情を浮かべており、安心させる為にバチコーンっとウィンクを2人へ送る。

 

(お前なんて頼りになる表情(かお)を・・・!?)

 

(雨宮、俺はお前を信じるよ・・・!)

 

(俺もだ!頼んだぜ蓮・・・!)

 

それを見た2人は余りの頼りになる姿にラブコメ的なドキドキを感じた。脳内で「ピュウッ☆」と言ってキザったらしく指さしてくる姿を想像しなければ危うく惚れるところだったと後に彼らは語る。

 

そして2人の声援を受けて、蓮は起死回生の一手を打った。

 

「大学2年生です」

 

堂々となんかやたらリアルなラインで攻めてきた蓮は、自信満々にメガネをキランっと光らせる。ヤダ、かっこいい・・・。

 

「なぁんだ!もうご主人様お肌ピッチピチ〜!」

 

それを聞いたべっきぃは(なるほど確かに、不自然じゃない)と一先ず納得する。佇まいや纏う雰囲気からしてそれは全く疑うポイントでは無くなった。

 

(よし!何とか凌いだ!)

 

(これなら・・・!)

 

だがそれでも、これまでの人生経験で培ってきた他者に見る何らかの、詳しくは言語には出来ない彼女が感じた違和感は払拭するには足りない。

 

「それにしても、なんでさっきからお背中を向けてるんですかぁ〜?もしかしてぇなにかやましい事があるとかぁ、そう・・・年齢詐称、とか。」

 

「「ドドキーン!?」」

 

竜司達にローリングソバットを腹に受けたかのような衝撃が走る!

 

ま、まだ疑ってやがるこのメイド!!これはまずい、二度にわたり聞いてくるとは確実に「私分かってますよ」という合図!それに焦った蓮がボロを出してしまうかもしれない!

 

(ラーメン食ったら〆チャーハンとはこの事か!やべぇぞこれ!)

 

(それを言うなら一難去ってまた一難だろ!どんな間違いだそれ!?)

 

もしこれがポーカーなどの心理戦が重要なゲームなら竜司達はそれはもうズタボロにぼろ負けするだろう。この程度のブラフを読めないようでは勝利をドブに捨てるようなもんである。

 

見よ、蓮の全く動じていない姿を。冷静そのものの立ち振る舞いを!

 

「ま、まっさかぁ〜HAHAHA」

 

「ですよねぇー!あはははは!じゃあこちら向いて頂けますかぁ?」

 

前言撤回、細かくバイブレーションしながら下手な誤魔化しで自分の首を絞めたアホはべっきぃの要求にビクッと肩を震わせる。ここにきてやっと動揺を見せた蓮にここぞとばかりに攻めるべっきぃ。

 

「ご主人様のお顔、もっとしっかりと見たいなぁ〜?ねぇ、ダメですかぁ〜?」

 

「それは・・・出来ない」

 

「どうして?」

 

(ひぃ〜!)

 

(ひぃ〜!)

 

メイドを呼び出しておいて顔も合わせない、そんな不自然な事があるか。べっきぃの目は益々鋭くなる。竜司達の緊張は益々大きくなる。

 

正しく絶対絶命の状況、蓮はどう打破するのか。全ては彼の選択にかかっている。

 

「それは・・・・・・」

 

少しの沈黙、竜司達が固唾を飲んで見守る中、彼はとうとう質問に答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は、恥ずかしいから」

 

 

「中学生か!?可愛いな!」

 

テレッとやや頬を赤らませ首裏を擦りながらそう呟く蓮。その姿は完全に女性慣れしていない男性のそれだった。

 

「か、可愛い・・・じゃない!今のは!?」

 

不覚にもキュンと来てしまったべっきぃ。さっきまでの態度は無理して演じていたのだろうかと考えると急に彼が可愛く見えてきた彼女だが、それでは誤魔化せない声が聞こえてしまっていた。

 

部屋にあるベランダに続く窓、そのシャッターの向こうから大きなツッコミが聞こえてきたからである。

 

「あ、ちょっ馬鹿っ!」

 

「ッ!?誰かいるの!?」

 

それに続いて聞こえてきたもう一人の声、少なくとも二人はいるのは確実だ。一体何者かとずんずんと窓に近づいて行くと慌てて逃げる物音が響いてくる。

 

「や、やべぇ!逃げるぞ三島!」

 

「わ、わわわ・・・!」

 

だが、何故かべっきぃは聞こえてきた声にピタリと動きを止めて目を見開いて驚いている。その隙にバタバタと逃走していく竜司達。

 

「え!?三島って・・・それに今の声、坂本くん!?」

 

「ん?なんで名前を・・・」

 

何故か、彼らの名前を知っているべっきぃ。それにピクリと反応、する演技をしながらまた荒○先生画風になりながら緊張感たっぷりにゆっくりと振り返る蓮。それと同時にべっきぃも錆び付いたロボットのようにギギギ、と蓮の方へ首を向ける。

 

「じゃ、じゃあ・・・」

 

そして、2人の視線が初めて交差した。

 

 

蓮の視線の先には、自身の担任である教師、()()の姿が。

 

 

川上の視線の先には、学校一の問題児、蓮の姿が。

 

 

両者バッチリとその目に写し、ピタリと固まっていた。

 

「・・・・・・。」

 

「・・・・・・。」

 

体感数秒、あるいは数分、もしかしたら数十分。お互いに見つめ合いながら固まっていたが、この状況を楽しんでいる蓮がそろそろかなとタイミングを見て声をかける。

 

「・・・・・・あの」

 

「・・・・・・やだなぁ、私たち初対面ですよぉ?あなたの事なんて全っ然知りませんよォおほほほ!」

 

「ア、ハイ」

 

急に声をかけてきた蓮にビックーン!!と分かりやすく肩を跳ねさせ、慌てて高速誤魔化し詠唱を始めたべっきぃ(川上)。手をあっちゃこっちゃに忙しくなく動かして何とか蓮を丸め込もうとしたが、やはり無理があると悟ったのかガクッと項垂れるとカタゴトで自分の正体を明かした。

 

「・・・って、無理ありすぎよね」

 

「まぁ」

 

「はい、ソウデス。私ハ川上デス、あなたの担任の・・・」

 

「・・・・・・似合ってるにゃん♡」

 

「やめてっ!!これ以上私の心を抉らないで!!」

 

学校の、しかも自クラスの生徒に先程までの業務(醜態)を掘り起こされ、頭を抱えて発狂する川上。ご丁寧に猫なで声まで再現していた。現在進行形の生傷に塩を塗るのはやめて差し上げろ。

 

「終わった・・・だからもっと離れた所にしておけば・・・でもそうすると退勤して直ぐに行けないし・・・」

 

「その、誰にも言いませんから、はい」

 

しゃがみこんでブツブツとそう呟く川上、放っておくとカビが生えそうな程に沈みこんでいる彼女を取り敢えず脳内フォルダに保存した鬼畜メガネは落ち着かせようと同じようにしゃがみこんで口外はしないと伝える。

 

「誰にも・・・そうよ、あなたもこんなサービス使ったって広められたらマズイんじゃないの?マズイわよね?保護観察中ですものね?」

 

「おっふ」

 

しかしここで逆転の糸口を掴んだとばかりに目を光らせてそう畳み掛ける川上。まるで獲物を定めた猛獣のように有無を言わさぬ迫力にビビった振りをして主導権をわざと明け渡す蓮。

 

ズンズンと近寄り、眼前で指さして強気の姿勢で蓮へと迫る。メイドさんに上目遣いで迫られるというシチュエーションとしては素晴らしいが状況が状況なだけに羨ましいと思えない。

 

しかし『怪しいメイドサービスで副業してる担任教師と住所と年齢を偽って未成年淫行を測る男子生徒』って改めて見ると地獄のような字面だな。

 

「いい?こうなれば一蓮托生よ、バレたら終わり同士お互い今日の事は無かったことにしましょう?蝶野先生にも黙ってて!あの人最近色々詮索してくるから!料金もキャンセル扱いでタダでいいから、ね!」

 

まさに鬼気迫るといった表情で蓮の反論を許さずそう詰める川上。それを大人気なさMAXの姿に怯えているように見せかけて快諾する。別に断る理由ないしね。それに痛み分けに見えるかもしれないが、バレた場合ダメージが大きいのは向こうである。大人と高校生では噂で受ける社会的信用の損失の差は計り知れないのだ。

 

勿論、そんなことする気は蓮には無いが。

 

「わ、わかりました・・・あ、料金は払いますよ」

 

「よし、交渉成立ね・・・ってえ?払うの?なんで?」

 

「まぁまぁ、迷惑料ってことで」

 

そりゃ脅してる(つもり)の相手に普通にお金を払われたら困惑する。別にサービスを利用したからには払わねばという誠実(?)な理由では無い、どたばたする竜司達が見れた事にご満悦で財布の紐が緩いだけである。

 

「え、えぇ・・・いやそりゃ貰えるなら有難いけど・・・」

 

「それにこれでキャンセル扱いで帰ったら先生の評価にも響くでしょう?」

 

「うぐ・・・変な気遣いして・・・」

 

高校生とは思えぬ気遣いで自然と料金を手渡す。それを訝しみながらも受け取り、ジト目で見つめてくる川上にハンサムスマイルを返す。あ、ため息吐かれた。

 

「・・・はぁ、分かった。その代わりそれをネタに脅したり、後で返してくれってのは無しよ。そうしたら全部バラして回るから。死なば諸共だから。」

 

「しませんよ、俺の事なんだと思ってるんですか」

 

「秀尽一の問題児、変人奇人、やばげな子」

 

「ハッハッハッ、こりゃ傑作!」

 

「ジョークじゃないんだけど」

 

サイヤ人の王子のように大口開けてバカウケる蓮。変人奇人だってさ、このパーフェクトパラメータ人間がですよ?そんな訳なかろうと。

 

なぁ心の中の怪盗団の皆!絆を深めた皆なら!あ、あれ、なんで皆無反応なの?心無しか目が死んでるし。*6ね、ねぇ!杏!

 

『ミソスープ』

 

無、無関心の極み・・・!?

 

し、志帆!?(期待)

 

『さえずるな』

 

し、志帆!?(恐怖)

 

『たわけが』

 

祐介!?作画が地獄のミサ○めいて!?

 

な、何故こんなことに!?まるで自業自得で追い詰められてるみたいじゃないか!(大正解)

 

まぁいいや*7

 

「そんなわけで口外はしませんのでご安心を」

 

「安心する要素が皆無すぎる・・・」

 

脳内芸で表情がパラダイスになっていた蓮にそんなことを言われても信用が出来ないというのは大いに共感する。

 

「そこまで言うなら仕方ありません、ならこれからも指名するって条件も付けましょう。」

 

「それなら・・・いやなにシレッと継続しようとしてんのよ。ダメっつってんでしょ。」

 

「ちぇっ」

 

蓮にとってデメリットが無い提案をしたら一瞬流されかけたが直ぐに気が付かれてしまい、残念そうに唇を尖らせる。その姿に生意気ながらも年相応の可愛げを感じた川上は絆されかけるが、いやいや彼は問題児、簡単に心を許してはいけないと切り替える。

 

ともかく、口封じ出来たのならそれでいい。メイドとしての業務が無いのならここにいる意味もないと帰宅の準備を進める。

 

「やっぱあなたいい性格してるわね・・・まぁいいわ。今日はもう解散、学校ではこのこと話題に出さないでよ」

 

「うぃ」

 

「返事は『はい』!」

 

「うぇい」

 

「こいつ・・・はぁ、それじゃ。一応、気をつけて帰るのよ。」

 

「先生こそ」

 

「うっさい」

 

最後に一応、教師として大人としての言葉を生意気極まりぽやぽやと生気のない返事をしてくる教え子に残すが逆にこちらをからかってくる始末。いやまぁこんな時間にメイド服のほにゃらら歳が歩いてたら奇怪な目で・・・流石に迎えとかがあるはずである。それか近場で着替えてるとか。

 

たぶん、きっと、めいびー。じゃないとさすがに可哀想。

 

「い、いやーわりぃわりぃ。結局押し付けちまって・・・」

 

「で、でもほら、あれは戦術的撤退というかなんというか・・・」

 

「教育的指導だっ!!」*8

 

「「おごふぁッッ!?」」

 

という訳で無事に川上との縁が出来た蓮は戻ってきた竜司と三島にダブルラリアットからの竜司には腕十字固め、三島には足四の字固めで同時に相応の罰を下しておく。やった事は普通にスケープゴートだからね、再発防止のためにも仕方ないね。

 

後は学校でべっきぃが蝶野先生に絡まれてる所をパパパッと助けて、終わり!

 

コープGET!キズナカタメ!嬉しいにゃん!

 

 

 

 

我は汝・・・汝は・・・

汝、ここにたなる契りを得たり

 

契りは

囚われをらんとする反逆の翼なり

 

我、「節制」のペルソナの誕に

祝福の風を得たり

 

へと至る、

更なる力とならん・・・

 

 

 

 

COOPEARTION:『川上 貞代』

 

 

ARCANA:『節制』 RANK.1☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、期限最終日

 

 

 

緊急で開かれた会見で、斑目は自身の罪を全て告白した。懺悔の涙に顔を染めながら、大衆に醜態を晒しながら、それでも耐え切れぬ罪の意識によって。

 

多くの人を騙し、偽り、嘲笑ってきた彼は相応の罰を受けるだろう。社会的粛清、名声の終わり、美の終幕。それ以上に自身の心から溢れる後悔に一生苛まれることとなるだろう。

 

これまでの弟子達、そして、最愛の───────

 

 

 

 

 

「・・・・・・終わったか」

 

「ああ」

 

同時刻、斑目の会見を見ていた彼らは自分達の行動が上手くいったことに安堵していた。そして祐介は親の、いや、かつての師の終幕に静かに目を閉じ改めて決別の意を込めてスマホの画面を閉じる。

 

「あれが改心・・・まさしく、といった感じだった。」

 

「今回も上手くいったな、どうやらこのやり方に間違いは無いらしい。言い方はあれだが、確かな証明になったぜ。」

 

モルガナの言葉に確かにと頷く竜司達、オタカラを盗み出せば廃人化せずに確実に改心させることが出来る。僅かに残っていた不安も払拭出来たというもの。

 

「怪盗団も認知されてきたな、このままいきゃ世の中大騒ぎするほど広まってくかもしんねぇぜ」

 

「そうすれば、絶対みんなに勇気あげられるね!」

 

「怪チャンも凄い勢い、支持率も上がってきてるみたい。」

 

「三島のやつ今頃てんてこ舞いだろーなー・・・そういや、祐介さ。アレどうだった?黒い仮面の件。」

 

斑目が最後に零したそのキーワード。謎の仮面の男について斑目に聞いて欲しいとお願いしていたのを思い出した竜司がそう聞くと祐介は顔を少し顰めて成果を報告する。

 

「それなんだが・・・問い詰めてはみたが奴は自分の身に何が起こったのか何も理解していなかった。黒い仮面、というのも覚えがないそうだ。下手をすれば刑務所行きという噂だ、やつからこれ以上情報を得るのは難しいだろうな。」

 

「そっかぁ・・・・つか刑務所って。まぁやったこと考りゃ、か。」

 

特に収穫が無かったという報告にしょうがないかと頭を搔く竜司。黒い仮面の男について考察していたモルガナはカバンの中から呟く。

 

「最後の最後に爆弾を残していきやがって・・・吾輩達以外の侵入者・・・まさかとは思うがそいつもペルソナ使い・・・?」

 

「俺たち以外のにもいんのか!?」

 

「さぁな、吾輩にも分からん。だがもしそんな奴がいるとするなら、斑目の怯えた感じから察するに・・・ロクでもねぇ奴だろうな」

 

モルガナがそうしめると皆少し黙り込む。もしかしたら、自分達と同様の力を持つ者がそれを悪用しているかもしれないと考えたら・・・ぞっとする気持ちが心を占める。とはいえ、今はまだ考察の域を出ない。とりあえず、その事は頭の片隅に置いといて切り替えることにした。

 

「何も分かんねーなら考え続けてもしゃーねー。今は気にする程度に止めとくか。つーか祐介、お前これからどーすんだ?斑目はあれだし。」

 

「ん?ああ、あの家は出ることにした。あんな場所ではもう絵は描けない。」

 

話題が変わり、すぐさま違う爆弾発言をあっけらかんと放つ祐介。そんな彼に心配そうにする杏。

 

「大丈夫?アテあるの?」

 

「学生寮がある、美術科特待生の俺は無償でいいそうだ。」

 

更なる追加爆撃に全員が目をひん剥いた。

 

「特待生!?」

 

「す、凄いね祐介・・・」

 

カートゥーン気味に口をあんぐりと開ける竜司とその口を戻しながら驚く志帆。そんな彼らに一笑しながらも杏を見て真面目に口を開く。

 

「高巻さんの家でもいい」

 

「はぁッ!?何言ってんの!?」

 

「あー、何時でもモデル頼めるもんなー」

 

「いいわけないでしょ!ばかっ!」

 

「祐介?ちょっと歯を食いしばって?」

 

「よすんだ志帆、もやしっ子の祐介にスポーツウーマンの拳は耐えられない!」

 

ビキビキと笑顔でブチ切れながら拳を振りかぶる志帆を慌てて羽交い締めにする蓮。杏が関わると、というか祐介のモデルの矛先が杏に向くとバーサークし始めるようになってしまった志帆。まぁ、あのモデルの件がちょっと彼女的に地雷だったらしい。割と本気で止めないとマジ殴りしそうなのだ。竜司も手伝え。

 

「冗談だ、まぁ八割本気だが。」

 

「ま、まぁいつでも集まりやすくなった訳だけど。とりあえずは次のターゲット見つけなきゃな!」

 

「そうだね、あ!そうだ、今回の打ち上げどうする?」

 

空気を切り替え、ぱんっと手を叩いてそう提案する杏。飯の話になって竜司達の関心は直ぐにそっちに傾いた。

 

「今回は流石にオタカラを売って打ち上げ代にって訳にゃいかねーし。吾輩としては寿司がいいが・・・」

 

「なら鍋パしようぜ鍋パ!!場所は・・・どうすっかー、俺ん家無理だし。そーだ!蓮の家はどーよ!ぶっちゃけ気になるしー!」

 

「ふむ、多分大丈夫だと思う」

 

「なら近くにスーパーとかある?それなら買い出し楽なんだけど」

 

「どんな鍋にしよっか、迷っちゃうね」

 

「〆はおじやで頼むぞ、三つ葉多めで」

 

「しゃぶしゃぶもいいな」

 

「ハッ!吾輩閃いた!鍋としゃぶしゃぶのダブルパーティー・・・!?」

 

「なんと、悪魔的な・・・!?」

 

「ならラーメン!ラーメンも追加で!」

 

「予算考えろっての」

 

「あはは、楽しみだね」

 

 

ワイワイと楽しそうにはしゃぎながら盛り上がる男子陣とそれを後ろから優しげに見つめながらついて行く女性陣。共通しているのは、とても楽しそうに笑っているという事だろう。

 

高校生の青春らしい澄み切った光景を、人に紛れながら見つめる影に彼らは気付くことは無かった。勿論、1人を除いて。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・私は」

 

 

 

 

第3章の始まりは、すぐそこである

 

*1
皮肉

*2
三島にはもともと聞こえないが

*3
カルフォルニアガールズのエモート

*4
ペルソナ5でマガツイザナギのスキル習得時のセリフ

*5
ペルソナ5でのオルフェウスFのスキル使用時のセリフ、めっちゃ可愛い

*6
頼れる仲間はみんな目が死んでる

*7
超魔術の切り替え

*8
アリアドネのスキル使用時ボイス




古の記憶にハイスクールDxDの二次創作に毒を扱う転生者の作品があってそれが好きだったんですけど調べても全く出てこず消えていた時の事をふと思い出しました。エタっても作品は残してくれー!

蝶野先生はあの学校の中では聖人
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