どーも、読者をおいてけぼりにする系SS書きの宵月だゾ。
「蒸気街で銃撃戦があった。」
1夜経てばその事実は瞬く間に広がった。
そして数日経てば過去の話として話題性を失う。
そしてそれを知るもの、覚えているものが当事者だけになったある日。
ふたりを乗せた車は蒸気街、石畳の上を走っていた
「なぁA-1よ。そんな昔の新聞を読んで何が面白い?」
先日の少女、A-1は何日も前の「銃撃戦」を取り扱った新聞を蒸気街中の新聞社からかき集めひたすらに読みふけっていた。
「まだ納得できない。何かが引っかかるの。」
横で運転している366は笑う。
「そりゃお前、KKも言ってたろ。今回の件はこれで終わりだって。それで文屋がさらに深いところを探ってなにか事実を持ってくると?」
するとA-1は「何言ってんだこいつ」と頭の上に大きなクエスチョンマークを浮かべながらとりあえず366が話す続きを聞く。
「それに私らは探偵だとかそんなんじゃない。似たようなもんではあるが、下手に動くと内政干渉だ。あとの数日は観光としてフラフラしてりゃいいんだよ。」
366はなにか勝ち誇ったような顔でA-1を説得しようとする、がA-1が気にしていたこととは別の答えを出していたのか彼女の顔はさらに気難しそうになった。
「何が不満なんだ?」
「別に。そう言ってる内は関係ないわ。」
「けっ、可愛くないのは相変わらずだな。」
面白くないと366はタバコに火をつけ運転に集中する。
今から12日前の新聞記事。
セント通り沿い、カフェ「アフター」にて中年の男性が銃によって殺害された。
男性は心臓に銃弾を受け、失血性ショックを死因とし事件の15分後に死亡が確認された。
当事人通りは一般的な同時刻のセント通りと何ら変わりはなかった。
また、その場にいあわせた目撃者によると
「黒いセダンから銃を撃った」
という証言が複数上がった。
また、一部の目撃者によるとそのセダンからは銃を「連射」していたという旨の証言があった。
しかし、地元の警察によると「単射」それも1発以外に撃ち込まれていないという。
また、専門家によると
「弾頭の口径が大きい為、拳銃又は狙撃銃によるもの」
という見解を得ることが出来た。
今回の事件において警察側の見解では
「狙撃銃による狙撃は不可能。可能であっても行われていない。」
という結果が出ている。
詳しい情報は不明だが先述の専門家は
「地形の問題で、遠距離からの狙撃は難しく、連射していた車側が狙撃の音をかき消すために空砲を撃っていたとしても、ひとつ疑問が残る。」
彼が言う疑問というのは目撃者からも上げられたものであり、
「銃声がしなかった、」
というものだ。
しかし目撃者は銃を撃つ姿を見ており、複数の証言によりその事実は確定的で間違いがないことも証明されていると言っていい。
事件から3夜が経った。だが未だに事件の真相が見えることはない。