切り裂きジャック〜乱世を斬る〜   作:東奔西走

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お久しぶりです。
一年近く投稿出来ていませんでしたが、ようやく一話分出来上がりました。
こんなにも更新を滞らせてしまって、恥ずかしい限りです。


第二十話 堺

雷電が椛からの『武田、上杉和解』という知らせを受けて、美濃へと向かっている中……

織田家当主、信奈はサルこと良晴を引き連れて堺へと足を運んでいた。

 

堺へと向かう目的、それは十二万貫文を稼ぐためである。

 

何故、信奈たちはそんな大金を堺で稼ごうとしているのか?

それは、先日の将軍宣下を任されていた十兵衛から告げられた将軍宣下の条件が原因である。

突きつけられた条件というのが、『今月のうちに、銭十二万貫文を御所に納めよ』というものだ。

しかも、今月のうちといっても残りの期間は一週間しかない。

そんな短い時間で途方もない大金を稼がなければ、将軍宣下は永遠にないという。

 

それでも将軍宣下を諦めるわけにはいかない信奈は、堺へと来たのだ。

堺は日明貿易や東南アジア貿易、そして南蛮貿易などの海上交易で栄えている都市。

ゆえに大量の銭がここに集まっている。

 

 

「さてと、堺まで来たはいいけどよ信奈。ここからどうすんだ?」

 

「こらサルッ! 私は信奈じゃなくて"吉"よ。尾張のういろう問屋の一人娘、ちゃんと覚えなさい」

 

 

信奈の言うように、今の彼女は織田家当主の織田信奈としてではなく、ういろう問屋の娘という偽りの身分でここに来ている。

そのため、帯刀もしていなければ、引き連れているのは”丁稚”のサルだけ。

護衛らしい護衛は連れていない。

世を騒がせている織田家の当主が、槍働きはからっきしの良晴だけを連れているなど不用心もいいところだろう。

 

 

「わかったよ吉お嬢様。それで、本当にどうするんだ? 堺にツテでもあるのか?」

 

「うーん、十年前に父上に一度連れられて来たことがあるんだけど……、だいぶ町の様子が変わってるわねえ」

 

「まあ、十年も経てばそりゃ変わるだろ」

 

 

周囲を見渡しながら悩ましげにそう呟く信奈に、当たり前だと言いたげに良晴が返す。

ツテはあるにはあるが……、といった感じだろうか。

町の変わりように少々困っている感じの信奈を見ていた良晴は、資金稼ぎは難航しそうだなと心で呟いた。

 

 

「『チンチロリン』に、『コイコイ』……」

 

「ん、何だって?」

 

「賭博に行って一攫千金狙うってのはどう? 『チンチロリン』とか『コイコイ』なら私やり方知ってるし」

 

「おいおい、悩んだ末に賭け事かよ。勘弁しろよな」

 

 

一番最初に思いついた金策が、まさかのギャンブルということに良晴はため息を隠せなかった。

そんな半ば運任せの金策、危険すぎる。

だいたい元金はどこから調達する気なのか。

十二万貫文なんて額、生半可な掛け金では稼げないだろう。

……と良晴が難色を示すと普段ならむくれたりして不機嫌になるのだが、今回はそんなこともなかった。

その反応を見るに彼女も冗談半分で言った事なのだろう。

 

 

「あっ! ねえねえ、サル。なんか変なのがいるわよっ!?」

 

 

はしゃぎながら良晴の肩をバシバシッと叩く信奈。

「何だ、なんだ」その彼女が指差す方向を見てみると、通りに良晴の見覚えのある動物がいた。

大きな体に長い鼻が特徴的な動物、象である。

 

 

「へえ、象か! こんなところで見れるなんて驚いたな。……あの大きさだとインド象か?」

 

「変わった動物ねえ」

 

「まあ、吉お嬢様には珍しい動物だろうな。未来じゃ、動物園に行けば必ずと言っていいほどいる定番動物の一つなんだぜ」

 

 

未来人である良晴だからこそ見慣れている動物であるが、戦国時代の人間はあの巨体の動物に自然と目が行ってしまうものだろう。

象が近くを通りかかった時には、一歩一歩踏みしめる度に重い地鳴りと共に微かな揺れを感じた。

 

 

「馬とは比べものにならない迫力ね」

 

 

その他にもラクダなどの外海から連れてこられた動物たちが信奈たちの前に現れた。

「あれは何?」「これは何?」とその都度、信奈に尋ねられては良晴がそれに答える。

好奇心旺盛な信奈の目を刺激するものは後を絶たない。

良晴も自分の知りうる知識を信奈に教えてあげ、信奈の知識欲を満たしてゆく。

 

 

「うわっ、サル、サルッ!! 今までの動物たちとは明らかに違うのがいるわ。あれは何て動物なの?」

 

「どれどれ、今度は何だ? ホワイトタイガーでも出てきたか?」

 

 

信奈のはしゃぎぶりに良晴は、軽い冗談をはさみながら彼女の指さす方を向いた。

……そして、開いた口がふさがらなくなった。

信奈の指さす先にいたのは、ホワイトタイガーよりも珍しいものがいたからだ。

 

 

「どうしたのサル? 馬鹿みたいに口開けて」

 

 

信奈の言葉に対する反応も忘れて、良晴はその生き物を観察するように凝視していた。

一瞬だけ見れば黒い狼のように見えるが、狼よりも大きい。

そして、何より明らかに有機的な生き物ではないことがその外見からわかる。

一言でいえば、犬型ロボットといったところだろう。

 

その犬のようなものには、体毛など存在せず、体を黒く覆っているのは毛ではなく光沢のある装甲。

ゆらゆらと揺れているワーム状尻尾の先からは、管のようなモノが三本ウネウネと動いている。

各足にはナイフが、太腿には小型ナイフがそれぞれ仕込まれているところを考えると、少なくとも愛玩的存在ではないのは明らかだ。

眼は赤く発光し、口からは蛇のように細長い舌が絶えず動いている。

 

明らかに世界観を間違えているその外見のため、良晴や信奈だけでなく、道行く人々は必ずそちらを一瞥していた。

……だが、近づこうとするものはまずいなかった。

比較的、海外の生物を見慣れているであろう堺の人間であってもである。

 

あんな生物は、未来から来た良晴であっても見たことはない。

……はず、なのだが、あの姿に良晴は既視感を覚えていた。

それも、つい最近……、それこそ、この時代に来てから見たような気がする。

 

 

(あんな生き物、どこで見たんだ……?)

 

 

遠目からその犬を観察しながら、思い出そうとする良晴だが、「うーん」と唸ろうが、首を傾げようがいっこうに閃かない。

そうこうしているうちに件の犬は、堺の人込みの中へと消えて行ってしまった。

 

 

「あっ、行っちゃった。結局あの動物が何なのかわからなかったわね」

 

「う~ん。いや、思い出せそうで思い出せないんだよな。ここら辺まで出かかってるんだけど……」

 

 

そう言い、自分の喉の半ばを指し示す良晴。

だが、良晴が言わんとしていることがわからない信奈に「何やってんのよ?」と一笑されてしまった。

 

 

「まあ、サルの国の王子様でもわからない珍しい動物ってことね。良いもの見れたわ、さっ行くわよ」

 

「ぐっ……、なんだか負けた気分だぜ。くそ、思い出せそうで思い出せないってなんだがスッキリしないな」

 

 

カラカラと笑う信奈に続くように渋面の良晴が続いた。

その後も二人は堺の散策を続け、海外の珍しい動物を見つけたり、堺の名物であるたこ焼きを食べたりした。

ここに物見遊山に来たわけではないため、そろそろ本腰をいれて資金調達を考えなければいけない。

そう考えていた良晴ではあるが、こうしてゆっくりのんびり信奈と二人きりで街を歩くなど今まで無かったこと。

むしろ女性と二人きりでお出かけという経験自体皆無の良晴。

妙に信奈のことを意識してしまい、思考、行動、共に落ち着かずいた。

だが、余裕はなくとも、信奈と共に堺の町を散策する姿はどことなく楽しげで嬉しそうな表情をしている。

そんな状態の良晴の頭からは、先ほどまで気になっていた犬のこと綺麗に忘れ去られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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翌日

 

打って変わって、沈みきった表情でトボトボと一人寂しく、堺の町を散策している良晴の姿があった。

昨日と比べると正に陰と陽。

光が差し込んで楽しげだった表情には、影が差し込んで物憂げな表情をしている。

 

昨日、信奈と二人で食べ歩きを続けていたところ、京の留守を任せていたはずの十兵衛と遭遇。

「勝手にお忍びに出かけられては困る!」と叱られた。

だが、資金調達の仕事の話をすると、「ならば私も」ということで十兵衛が合流した。

そこから三人でどのように資金を集めるかを話し合っていたのだが……

十兵衛が「堺の町を占領し、直轄領として支配。そして堺の富を全て得る」というえぐい作戦を発案。

しかし、信奈は堺の町がどれほど素晴らしい町なのかを熱弁し、これを却下。

その流れで、堺での思い出話を信奈が話し始めたのだが……

 

 

『初恋の人と一緒に歩いた、思い出の町』

 

 

この言葉を聞いた良晴は、大いに動揺し、そのことを散々信奈にからかわれた。

物憂げな理由、その壱。

 

そして、動揺のあまり軽く暴れていた良晴に近づいてきた十兵衛。

十兵衛は良晴にとって、最近出来た自分を「先輩」と慕ってくれるかわいい後輩。

良晴は、何か優しい言葉をかけてくれるのではないか? と期待に胸を膨らませた。

十兵衛は信奈がお手洗いでいないのを確認してから「慰めてくれるのかい?」と喜々として喋りかけた良晴の耳元で、ぼそりと……

 

 

『……だまれです。サル人間』

 

 

———と、つぶやいた。

純情可憐な可愛い後輩だと思っていた十兵衛の表裏のある性格の発覚。

十兵衛曰く、「表裏があるのではなく、目上の人間には礼儀正しく。サル人間には礼儀を尽くす必要はない」とのこと。

だが、一応先輩という認識はされているようで、敬語は使われている。

そして、良晴は今まで自分がやってきたことを十兵衛に否定された挙句、邪魔者だとバッサリ言い捨てられた。

物憂げな理由、その弐。

 

十兵衛の攻撃は、まだ止まらない。

十兵衛は、お手洗いから帰ってきた信奈に「先輩に押し倒されました」という嘘の告げ口をした。

これに信奈は怒り心頭。

だが、良晴の魂からの弁明と証拠が無いということから、良晴への罰を思いとどまる。

しかし、白黒つけないといけないと考えた信奈は、仕事で勝負をつけようと提案。

 

ちょうど、十二万貫文を調達する方法も堺の豪商で会合衆の一人、今井宗久という人物と出会ったことで目処が立った。

今井宗久は、十年前に信奈が父、信秀に連れられて堺に来た時に知り合った人物であり、信奈が種子島を買っている納屋の主人でもある。

一行は、今井宗久の屋敷に招待された。

そこでもう一人の会合衆、津田宗及とも出会った。

 

資金調達方法は、堺を治めている三十六人の豪商、会合衆に新たな名物料理を売る、というもの。

もし、十二万貫文の値打ちに値する名物が生まれれば、会合衆がそれを買ってくれるというわけだ。

つまり、良晴と十兵衛は、「会合衆に買ってもらえた料理を作ったほうが勝ち」という料理対決で勝負をつけることになる。

ちなみに、この勝負に負けた方は岐阜城の厨房係に左遷されてしまう。

もし、良晴が負ければ、彼は「十兵衛を押し倒した」という濡れ衣を着せられた上、厨房係に左遷される。

負けてしまえば、まさに踏んだり蹴ったり、前途真っ暗とはこのことである。

物憂げな理由、その参。

 

これだけのことが、昨日一日で起こったのだ。

陰鬱な気分になってしまうのも、仕方がないというものだ。

そして、極めつけに、今朝でっかい犬の糞を踏んづけてしまった。

物憂げな理由、その四。

 

 

「はあ~~~~っ……」

 

 

とてもとても長い溜息を吐く良晴。

今井宗久の屋敷にいても、信奈と喧嘩ばかりする羽目になるため、こうして外に出てみたが……

昨日のことが頭の中をグルグルと駆け巡って、やはり落ち着かない。

だが、いつまでも欝な気分に浸っているわけにもいかない。

何とかして、十兵衛との料理勝負に勝たなければ、待っているのは最悪の未来である。

そう、あの真っ黒十兵衛を打ち負かさなければ、明るい未来はない。

 

 

「うっしゃ! 何としても勝って、濡れ衣を晴らして、ついでに十兵衛ちゃんにギャフンと言わせてやらあっ!」

 

 

気合を入れなおして、気持ちを切り替えた良晴の顔から影は消えた。

代わりにその目には、闘志の炎がたぎっていた。

……のは良いのだが、料理の経験など無い良晴には、今回の料理対決はとても不利である。

まあ、勝負内容が一騎討ちにならなかっただけマシではあるが……

 

 

「俺は料理の経験なんてねえから、普通に作ったら負けだよな。あっちは自炊ができるっていうし、ここは一か八か奇天烈な料理を生み出すしかないか」

 

 

奇抜なアイディアが浮かべば、この勝負勝てる可能性は十分にある……か?

そうとなれば、とアイディアを探しに良晴は堺の散策を再開した。

……とはいえ、地図の類など持っていない良晴は、右も左もわからぬまま、ただデタラメに歩くしかなかった。

 

そうして歩くことしばらく、良晴はある建物を見て足を止めた。

周囲とは明らかに異なった雰囲気を放っている、石造りの建造物。

その上部には、十字架が掲げられている。

 

 

「これって、南蛮寺ってやつか?」

 

 

南蛮寺の前に立ち、そう呟く良晴は、好奇心からその扉を開き中へと入って行った。

そして、良晴の目に飛び込んできたのは、大きな十字架やマリア像、複数の信者や見物人たち。

しかし、彼の関心は中央の祭壇にたたずんでいる一人の美少女に向けられていた。

 

 

(せ、西洋人のシスターだっ! 本物のシスターだっ!)

 

 

祭壇の前の椅子に座っている信者たちに聖書を朗読している若い修道女。

その姿は、まさしく物語などで登場するようなシスターそのものだ。

それだけでも興奮ものなのだが、それ以上に良晴を興奮させたのは、そのプロポーションだった。

 

 

(な、なんだあの胸はっ!? アンバランスなんてもんじゃねえ。愛らしい顔をしているのに、なんてバストサイズだよ)

 

 

ただでさえ美少女であるのに、そこに良晴の大好物の大きな胸が……

これを目撃して良晴が自制できるはずもなく、フラフラ~ッと彼女へと吸い寄せられていく。

 

 

「あのう、どうかされましたか?」

 

 

祭壇の目の前まで近づくと、シスターの少女は朗読を止め、少し困ったように尋ねてきた。

おおぉぉ、近くで見るとこれまたでけぇ、と良晴の目はたわわに実ったその胸にしか目がいっていない。

すると、「何だ、あいつは?」「朗読が止まってしもうたわ」と周りから苦情が飛んできたところで、ようやく良晴は正気に戻った。

 

 

「おおっ! 俺はいつの間にこんな前まで。すまねえ、朗読の邪魔しちまって」

 

「ふふふ、いえ。初めて見る御方ですね。見学ですか?」

 

「まあ、そうだな。南蛮寺ってのが珍しかったから、ちょっと覗いてみようかなって」

 

「そうですか。イエスさまのお話に少しでも興味を持って頂けて嬉しいです。わたしは、ここ堺南蛮寺の司祭を務めている、ドミヌス会宣教師ルイズ・フロイスと申します」

 

「俺は、織田家の部将、相良良晴。よろしく」

 

 

いや、俺が興味があるのはむしろ君の方なんだけど。

そんな言葉は腹の中に飲み下し、名乗り返す良晴に、フロイスは包み込むような微笑みを返す。

彼女の笑顔にひとしきり癒された良晴は、他の見物人と同じように椅子に座り、フロイスの朗読を聞いた。

 

朗読を終えると、良晴以外の信者や見物人は、無給で奉仕してくれるフロイスのために野菜などを置いて帰って行った。

良晴はというと、朗読を終えてもなお、フロイスを見ていた。

 

 

「ヨシハルさん。先ほどからこちらを見ておられましたが、何か私にご相談でもおありなのでしょうか?」

 

「相談、つうか。何と言うか……」

 

「何か思い悩んでいることがあるご様子。よろしければ、そのお悩みうかがいましょう」

 

「聞いてくれるのか? 何だか悪いなあ」

 

「このようにして出会ったのも、主のお導きでしょう。迷える子羊を見捨ててはおけません」

 

 

どこまでも優しく、深い慈愛満ちた言葉と微笑み。

良晴にとって、フロイスは天使のような存在に思えたに違いない。

 

 

(フロイスちゃんの優しさに触れたら、今朝の陰鬱な気分なんて跡形もなく消し飛ぶ思いだぜ。叶うならば、その人知を超えた胸に飛び込みてえ)

 

 

若干、鼻の下を伸ばしながらも、ありがたくフロイスに相談に乗ってもらおう。

そう思った矢先に、南蛮寺の扉が勢いよく開け放たれ、そこから眼帯と漆黒の南蛮合羽を身にまとった少女が現れた。

 

 

「フロイス、フロイスッ! 悪魔の召喚に成功したぞっ!」

 

 

……など、と開口一番に叫んだ少女に良晴はポカンとし、フロイスも苦笑いを浮かべていた。

悪魔だの、召喚だの、と叫んだ少女は、再び南蛮寺の外へと姿を消した。

だが、すぐに「どこへ行くのだ!?」「こっちに来いっ!」「痛い痛い痛いっ!!」と騒ぐ声が聞こえきた。

 

 

「フロイスちゃん? 今の子、知り合いなのか?」

 

「はい、あの子は梵天丸という子です。よくこの南蛮寺へと来てくれるのですよ」

 

「なるほど、ここの常連ってことだな」

 

 

しかし、それにしては随分と可笑しな発言が気になったが……

そのような疑問を持った良晴に、これまた苦笑いを浮かべたフロイスが説明してくれた。

 

 

「梵天丸ちゃんは、イエスさまの教えよりも、"よはねの黙示録"という恐ろしい物語を好んでいるのです。最近では、物語に出てくることの真似事などをしているんですよ」

 

「はあ、だから悪魔だ、なんだって騒いでたのか。あのちびっ子は」

 

「子供はあのような物語が好きですから」

 

 

フロイスとおしゃべりをしてしばらく経つが、一向に梵天丸は戻ってこない。

外から聞こえてくる声を聞く限りだと、何かをこちらに連れてこようとして四苦八苦しているようだ。

仕方なく二人は、梵天丸の言う"悪魔"とは何なのかを確かめるために南蛮寺を出た。

 

 

「動け、動くのだぁっ! なぜ我の言うことを聞かぬのだ」

 

 

外に出てみると、そこには梵天丸が黒い何かを引っ張ったり、押したりしているのが見えた。

その黒い何かが梵天丸の言う"悪魔"なのだろうか? とよく見ようと近づいた時、良晴が声を上げた。

 

 

「あれっ!? あれって、昨日見かけた犬型ロボット?」

 

 

良晴の視線の先で、梵天丸に引っ張られたり、押されたり、ペシペシ叩かれているのは、昨日堺で見かけた犬型のロボットだった。

その場に伏せて寝ている犬は、迷惑そうに梵天丸をそのワームのような尻尾で軽くあしらっている。

この光景に良晴はもちろん、フロイスも目を丸くしており、呆然としていた。

よくよく、周りを見てみると梵天丸の近くの地面に、何やらヘンテコな魔法陣のようなものが描かれているのが見える。

 

 

「あっ、見ろフロイスッ! この悪魔こそ、我が召還したのだ」

 

「えっと、梵天丸ちゃん? これは、一体……」

 

 

いまいち状況が把握できないフロイスは、困惑している。

だが、そんな彼女のことなど、おかまいなしに梵天丸は話を続ける。

 

 

「フロイス、この悪魔はいかなる悪魔なのだ? 今までの”よはねの黙示録”の朗読の中には、このような悪魔のことは無かったぞ?」

 

「いや、一応自分で召還した悪魔だろうが……」

 

 

近寄りながら思わずそうツッコんだ良晴。

近づいてくる良晴に気が付いた梵天丸は、慌てた様子で彼の前に立ちふさがり警告を始めた。

 

「貴様、何者だ? それより死にたくなければそれ以上近づくなっ! 我が眷属たる悪魔に襲われるぞ」

 

「……襲うどころか、立ち上がる気配もねえじゃねえか。見ろあくびしてるぞ」

 

 

良晴の言う通り、肝心のその悪魔はいかにも面倒くさそうにあくびをする動作をしていた。

依然、伏せた状態から立ち上がる気配はない。

 

 

「ふふん。どうやら貴様は、相手をする必要もないと見られたようだ。命拾いしたな」

 

「ああ言えばこう言う、なんて可愛げのねえ子供だ。まあいい、俺は相良良晴ってんだ。織田家で部将をしている」

 

 

得意満面な表情を崩さない梵天丸に対して、毒づきながらも良晴は自己紹介を済ませる。

梵天丸もクックックッ、と笑みを漏らしながら名を名乗り出した。

 

 

「我こそは"黙示禄のびぃすと"、日ノ本転覆をはかる破壊の大魔王。梵天丸であるぞ!」

 

 

……だが、どうにもこの子は普通の名乗り方ができないようである。

すっかり、"よはねの黙示録"にはまってしまっているようだ。

 

 

「……ってどこへいくのだ我が眷属よ!? 主たる我を無視して勝手にどこかへ行こうとするなっ!」

 

 

……そして、しまらない。

先ほどまで寝そべっていた犬型ロボットが、どこかへと立ち去ろうとする姿を目撃すると慌てて捕まえに動いた。

眷属(らしい)である犬に振り回されっぱなし梵天丸に、残念ながら貫禄というものを感じることはできそうになかった。

 

 

「……にしても」

 

 

と、梵天丸に飛びつかれて迷惑している犬型ロボットに注目する良晴。

やはり、どこかで見たことがある気がしてならない。

昨日、目撃した時点で感じていたモヤモヤをどうにかできないか、と必死に記憶を巡らす。

すると、雷電とストライカー内で会話をしている場面が不意に脳裏に映った。

記憶のピースの最初の1欠片を見つけた良晴は、急速にその時のことが蘇り始めた。

 

しかし、犬型ロボットのことについて何か閃く前に、良晴の思考を妨げる者が視界の端に映った。

ぞろぞろと多くの傭兵姿の連中が南蛮寺の中へと入っていくのが見えたのだ。

しかも、その連中の手には刀や種子島、大きな木槌など、普通南蛮寺に持ち込まぬような物が握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「なんだ?今日はパードレはいないのか」

 

「いたらいたで面倒だ。さっさと始めるぞ」

 

 

南蛮寺へと入った傭兵たちは、中が無人であることを確認すると取り壊し作業にかかろうとしていた。

手始めに南蛮寺の中央に佇んでいるキリスト像やマリア像、十字架などに手をかけようと近づく。

しかし、それを阻むように間に何者かが入ってきた。

 

 

「おいおい、お前ら何なんだよ」

 

 

良晴である。

その傍らには、悲しそうな面持ちのフロイスもいた。

 

 

「なんだ、パードレさん居たのか。しかし、この南蛮寺は今から打ち壊す。早く立ち退かねえと危ないぜ」

 

「南蛮寺を壊す? いきなり入ってきて何言ってやがんだ。一体どういうことだよっ!」

 

 

いきなり南蛮寺を壊すと言われ、フロイスよりも良晴が食って掛かる。

しかし、相手は「そういう依頼だから」と言い、詳しい事情は話そうとしない。

おそらくこの者たちは、依頼人から詳しい事情は話されていないのだろう。

だからと言って、このまま意味も分からず破壊されてはたまったものではない。

この状況を悲しんでいるフロイスを庇うようにしながら、何か打開策は無いか考える。

 

 

「クックっクッ、我らが集会所を勝手に壊そうとするとは、命知らずな。それ以上我が結界の中へ踏み込めば命の保証はできぬぞ貴様ら」

 

 

そんな思考を巡らせている良晴のわきから前に出た梵天丸。

いつもの調子でセリフを吐いている彼女のそばには、首元を腕で絡められている犬の姿もちゃんとある。

 

 

「なにを言ってるんだ、このガキは」

 

「さあ」

 

「変な犬まで連れて」

 

「我はガキではない"黙示録のびぃすと"梵天丸だっ! それにこれは犬ではない、我が眷属の悪魔だぞっ!」

 

「? 訳のわからんガキだな」

 

「ほうっとけ。それより、こっちだ」

 

 

再び視線を良晴とフロイスへと戻す傭兵に、良晴は身構え、フロイスは悲痛の面持ちでロザリオを握る。

一方ほとんど相手にされず、無視を決め込まれた梵天丸は静かに腹を立てていた。

軽く顔を引きつらせながら笑っていた梵天丸は、突如抜刀した。

 

 

「クックックッ、命知らずめ面白い。ならば、我が必殺奥義を喰らうがいい」

 

「おいよせ、梵天丸っ!」

 

「暴力はいけません、梵天丸ちゃんっ!」

 

 

抜刀した梵天丸は、長ったらしい必殺奥義を叫びながら最も近くにいた傭兵に斬りかかった。

梵天丸ような子供に目の前の傭兵たちをどうにかできるとは思えない良晴や暴力を振るうこと嫌うフロイスが、梵天丸を止めようとしたが遅かった。

 

 

「痛ってぇ! このガキ斬りかかってきやがったぞ」

 

 

斬る直前に傭兵に気が付かれてしまった梵天丸。

彼女の斬撃は、傭兵の腕に浅い傷を残す程度にとどまり、結果として傭兵の怒りを買っただけだった。

梵天丸は一度斬りかかっただけでは止まらず、その後も何度も刀を振るうが最初の一撃以外は届くことは無かった。

流石に梵天丸のことが鬱陶しくなってきた傭兵たちのうち……

 

 

「邪魔くせえな。このガキ」

 

 

そう言った傭兵の一人が無造作にその頬を叩いた。

彼女を痛めつけるつもりは無く、ただ邪魔だからという軽いものである。

小さな悲鳴をあげて倒れこむ梵天丸の目から眼帯が落ちるのが良晴の目に入った。

眼帯を失ったことで隠されていた梵天丸の左目が露わに……

 

 

「……ん? お、おいこのガキ。左の目の色が違うぞっ!?」

 

 

傭兵の一人が驚きの声をあげると、周りの者たちも梵天丸を囲むように集まりだした。

彼女の右目はここ日ノ本では、珍しくない茶色い瞳をしているのだが、眼帯の下に隠されていた瞳の色はワインレッドとなっていた。

左右で瞳の色が違う……、つまり梵天丸は"オッドアイ"だったのだ。

梵天丸は自分が眼帯をしていないことに気が付くと、慌てて両手で左目を隠し始めた。

 

 

「見るな、我の左目を見るなあっ!」

 

 

彼女にとって、その左目はよほど見られたくないものなのだろう。

何かを恐れるような、悲痛な表情を彼女は見せていた。

しかし、傭兵たちの手でその左目を無理やりさらされてしまい、今度は固く目を瞑りだす。

だが、一瞬見えた真っ赤な瞳に傭兵たちは大興奮である。

 

 

「おお、本当だ! 目の色が違うっ!」

 

「こりゃ珍しい。こんな珍しいもん初めてだ。きっと高く売れる」

 

 

一つ二つと梵天丸の身に多くの手が迫っていた。

梵天丸の身を案じ、良晴が彼女から傭兵たちを引きはがそうと近づいた時だった……

梵天丸と傭兵たちの間に犬型ロボットが割って入ったのだ。

その行動は、まるで梵天丸を守る壁にでもなるかのようである。

 

 

「……うぬは」

 

 

震え声の梵天丸は、自分を守ってくれているその黒い背中を眺めていた。

自分の目の前に突如として現れたこの背中に向ける視線には、困惑が色濃く現れていた。

今まで全く言うことを聞いてくれなかった者が、自分を守るような行動を取ったことに梵天丸自身、戸惑っていた。

 

 

「飼い主を守ろうってわけか」

 

「この犬も犬で珍しい姿かたちしてやがる。こいつもついでに捕まえておくか。きっとこちらもいい金になる」

 

 

傭兵たちにとって、梵天丸たちはもはや金になる何かという認識になっているようだ。

売り飛ばすだの、金になるだの、傭兵の言葉に良晴は怒りを募らせた。

 

 

「てめえら、いい加減にッ———!!」

 

「……別にこの子は、俺の飼い主というわけではないのだがな」

 

 

良晴が傭兵たちへ怒りをぶちまけようと声を発したが、その言葉を新たな言葉が遮った。

……だが、良晴はその言葉がどこから発せられたモノなのか分からなかった。

それは良晴だけではなく、梵天丸もフロイスも傭兵も、この南蛮寺にいる者は一様に周りをキョロキョロして声の主を探している。

そして、先の言葉を紡ぐように再び声が聞こえてきた……、梵天丸と傭兵の間から……

 

 

「だが、目の前で子供が売られようとしているのを、黙ってみているわけにもいかないな」

 

 

梵天丸と傭兵の間、つまり声の主は梵天丸をかばっている犬からだった。

そうと気が付いた一同は、大いに驚き声をあげていた。

その中で良晴はようやく目の前の犬の正体を思いだした。

先日、ストライカーの中で雷電に見せてもらった写真。

白髪のかわいい少女や機械の腕をした少年と一緒に映っていた黒い犬型ロボット。

 

 

(確か名前は……)

 

 

……とそこでまた行き詰まり、名前が出てこない。

だが、何のひねりもない名前だったような気がする。

 

 

「この犬っころ、喋りやがったぞ!?」

 

「ああ、変な生き物は、この堺で腐るほど見てきたがこいつは群を抜いて奇妙だぜ。何なんだこいつは……」

 

「だがこりゃ、そっちのガキと一緒に売っぱらえば、相当な大金が期待できそうだ」

 

 

物珍しい少女と生き物を見つけた傭兵達は、思わぬ収穫物だと完全に舞い上がっている。

すると、どこから取り出したのか一人の男が縄を取り出した。

大方、犬を捕えるために取り出したのだろう。

再び、梵天丸に、そして狼にも男たちの手が迫りだした。

 

 

「さあ、獣はおとなしく縄に———んぼぉおっ!!」

 

 

しかし、その手は一人の男の叫び声によって止まった。

声の主、それは狼に縄をかけようとしていた男だった。

男は腹を抑えながら膝をついており、荒く呼吸を繰り返している。

 

 

「はぁ、はぁ……。くそ、生意気に頭突きなんてしてきやがって……」

 

「そんなもので、俺を捕らえられるとでも思っているのか? 力づくでは俺は捕まらんぞ?」

 

「……話せる獣ってのがここまで腹立たしいとは思わなかった。犬畜生は大人しく俺らに飼われてりゃいいんだよっ!」

 

 

犬に馬鹿にされた、と頭に血が上った男は縄を片手に狼へと襲い掛かりだした。

 

 

「……もう少し、頭を使うことを覚えるんだな。人間」

 

 

次の瞬間、黒い影は男の胸元へと飛び込んでいた。

あまりの速さに良晴をはじめ、その場にいた者たちは目で追い切れずにいた。

男から見たら、おそらく狼が急激に巨大化したように錯覚したことだろう。

 

そして、瞬きした時には男の体は狼の後ろ足で蹴られ、弾かれたように後方へと吹き飛ばされていた。

吹き飛ばされた先には南蛮寺の扉が……

結果、男の体が扉へとぶち当たり、そのまま外へと突き抜けていった。

扉は数度、音を鳴らしながら開閉を繰り返した後、完全に閉まり、南蛮寺の中は静寂に包まれた。

狼はというと、男を蹴った反動で後方宙返りし、危なげなく良晴たちの前に着地していた。

 

まさに一瞬の出来事に他の傭兵達は顔を青ざめさせている。

自分たちはとんでもないモノに手を出そうとしていたことに遅まきながら気が付いたのだろう。

梵天丸に近づいていた者達も狼の赤い目に睨まれると、「うっ」と数歩後ずさりした。

下手に刺激すれば、自分も先ほどの男と同じ運命になる。

南蛮寺の中は時間が停止したかのように、誰も身動きしなかった。

 

 

「ちょ、一体どうしたですかっ!? 何でこんなところで倒れてやがるです」

 

 

南蛮寺の扉の向こうから、女の驚いたような声が中へと聞こえてきた。

良晴はその声に聞き覚えがありすぎた。

 

 

「この声……まさか」

 

 

その声に答えるかのように扉が開かれた。

影は二つ、一人は虚無僧風の編み笠姿をしており顔が隠れており、大ぶりの種子島を担いでいる。

そして、もう一人の姿に良晴は声をあげた。

 

 

「十兵衛っ!?」

 

「むっ、お前はサル人間。そうですか、お前も私と同じことを考えていたとは、やはり侮れぬ奴です」

 

「同じ考え? まさか、これはお前の指示なのか十兵衛」

 

 

周りの傭兵達を指さしながら言う良晴に、十兵衛はしれっと答えた。

これは、名物料理対決に勝つための裏工作だと。

それ以上のことは、傭兵共の手前しゃべるわけにはいかない、と口をつぐんだ。

光秀はおそらく津田宗久に唆されたのだろう、と良晴は察した。

 

 

「んっ? な、何ですかその変な黒いのは?」

 

 

良晴が十兵衛の騙されやすさに呆れていると、彼女は眉を寄せるようにして、良晴の足元あたりを睨んでいた。

変な黒いのというのは、言うまでもなく足元にいる犬型ロボットのことだろう。

犬の方はというと、蛇のような舌をシュロシュロとさせながら、十兵衛のことを見定めるかのように眺めていた。

 

 

「大将っ! この変な犬をなんとかしてくれ! こいつが邪魔で仕事に手がつかねえんだ」

 

 

大将と呼ばれたのは、先ほど十兵衛と共に南蛮寺へと入ってきた虚無僧の男であった。

男は顔が隠れているため表情は見えないが、ため息を吐く音が微かに聞こえたことから、呆れているのだろう。

そして、犬へと視線を向けるとおもむろにその手にある種子島の銃口を向けた。

おそらく、威嚇のための動作だろう。

しかし、男の雰囲気から察するに必要と感じれば即座に撃つだろう。

 

対して、犬の方は微動だにせずに虚無僧の男と相対していた。

だが、そのワーム状の尻尾は太腿に備え付けられている小型ナイフの鞘へと伸びていた。

あの器用にクネクネ動いていている尻尾ならば、ナイフ投擲も出来そうだ。

二人の間には、一触即発の空気が流れていた。

 

 

「待つです。この場で命を奪う行為は、この十兵衛が許しません。武器を収めやがれです」

 

 

しかし、十兵衛の仲裁によりその空気は霧散していった。

虚無僧は種子島を下し、犬も鞘から尻尾を離した。

だが、周囲にいた傭兵たちは十兵衛の言葉に不服の声を上げる。

 

 

「待ってくれや明智の旦那。こっちは一人その犬っころにやられてんだっ!これじゃ、こっちは収まりがつかねえぞっ!」

 

 

その言い様に負けじと良晴が食って掛かる。

 

 

「ああなったのは、お前らがコイツや梵天丸を攫おうするからだろうがっ!自業自得だろうがっ!」

 

「黙ってろや坊主っ!」

 

 

今度はその良晴のその言葉に十兵衛が敏感に反応した。

 

 

「待つですサル人間先輩。今の話はどういうことですか?」

 

 

説明を求める十兵衛に先ほどまでの出来事を梵天丸が斬りかかったことをやんわりと伏せて語りだした。

良晴の説明を聞いた十兵衛は、フロイスにも確認を取った後、梵天丸を見て納得した。

しかし、説明に不十分な所があると傭兵が不満を漏らした。

———いや、漏らそうとした。

十兵衛は怒り心頭、有無をも言わさず傭兵たちの足元に一発ぶっ放した。

 

 

「「ひぃぃっ!?」」

 

「このような幼き女子に手を出し、あろうことか攫おうなどとっ!そのような下劣な所業、許した覚えは無いですよ。少々罰が必要ですね、そこに一列に並べですっ!」

 

「おっかないぞ、この子おぉ!」

 

 

この光景を目にした良晴は、「根はいい子なんだよな、たぶん」と十兵衛に対する認識は好印象にやや修正された。

まあ、騙されやすいみたいだけど………

良晴たちは、仕事そっちのけで傭兵たちを説教している十兵衛に声をかけるも………

 

 

「しばらく待つです。この者たちの性根を叩きなおさないと気が収まらねえです」

 

「「ひいいっ!お助けえ~~っ!!」」

 

 

………延々と続くのでは無いかという長い十兵衛の説教は、フロイスの嘆願によって終わり告げた。

その時の傭兵たちは、フロイスのことを「菩薩様だっ!」と拝み続けていた。

 

 

 

 

 

 




今後も書き続けていきますが、更新速度については遅いままになりそうです。
時間を見つけて、コツコツ書いていって、少しでも早く次話投稿できるようにします。

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