キリト君にあったのはアインクラッド第一層の迷宮区だった。
その時はクレハさんよりもキリトくんのほうが印象が強くて、正直クレハさんはそれほど気になる人ではなかった。
次に会ったのは初めてのレイド戦の前で、思えばしっかり顔を見たのは、その時が初めてだった。
クレハさんはキリトくんを女の子にしたらこんな風になるだろうと思える顔立ちに穏やかなまなざし、人を落ち着かせる空気を持った人でした。
初めは年の近い友人として、話し相手になるぐらいの仲で、本当の意味でクレハさんの心に踏み込めて行けたのはキリトくんとクレハさんのログハウスに泊った時だった。
ベッドが二つしかなかったことから、クレハさんと一緒に眠ることになった私は
ふ目を覚ますとクレハさんがいないことに気づいた。
気になって探していると、キリトくんのいる部屋が少しだけ明るくなっていた。
そしてクレハさんはそこにいた。
うなされているキリトくんを膝に乗せ静かにキリトくんを見つめている。
私は何か見てはいけないようなものを見た気がして、音をたてないように部屋に戻って布団をかぶった。
二人が姉弟であることは知っていた。
だけどまるで恋人にしか見えなかったその光景を見つづけることは、その時の私にはできなかった。
あの時のことは今思えば嫉妬だったのかもしれないとは思う。
私は誰よりもキリトくんに頼られたかった、私の心を救ってくれたキリトくんを今度は私が助けたかった。
この時はまだクレハさんに認めてもらえていなかった、その原因がわかったような気がした。
ユイちゃんが家族になるまで私とクレハさんとの仲が縮まることはなかった。
ユイちゃんが娘になって自然に家族を大事にできるようになって、いつになく真剣なクレハさんに呼び出されて、2人で話をした。
「アスナちゃんはキリトが好きなんだよね。」
まるで試されてるのかと思うほどその時のクレハさんの声は堅かった。
「私はキリトくんを愛しています。」
逃げ出したいほど強い圧力にあらがって、私はクレハさんから目をそらさずに答えた。
ここで逃げたらクレハさんは一生認めることなどないだろうと思ったからだ。
「クレハさんもキリトくんを愛してるんですよね。」
「私は弟として、キリトを愛してるわ。」
クレハさんは嘘を付いていた。誤魔化すための嘘ではなかったけれども、自分自身を騙しとおしていた。
この世界にきてきっと弟としてキリト君を見ていたことなどほとんど無かったのだと思う。それでも傷つけないために嘘を付いていた。
あの伝言は最後に出た嘘つきなあなたの本音だった。
私は今、檻の中にいて、あなたの最後の願いを果たせないことを悔やんでいます。
第三話アスナさんの話です。
時系列的にはアインクラッドクリア後フェアリーダンス直前ぐらいに当たります。
実際にはキリトがアスナを連れてきた時点で、すでに認めていたクレハさん。
サチ関連で警戒心が増していただけだったりします。要は素直になれませんでした。
サンタ倒した後に落ち着いたので、アスナさんを試したのはそのタイミングになりました。
死ななかった場合、そもそも告白はしないので、姉として構い倒していたと思われます。
キリトさんの心は二度(サチ、クレハ)死にました。
フェアリーダンスが始まった場合、須郷さんはマジ切れしたキリトとリーファに
ぶちのめされることになりそうです。
次あたりに人物紹介を入れようかと考えています。