過労死ワイ、戦いを全力で避けた結果怠惰の魔神扱いされる。   作:シーボーギウム

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暇っ!!!!
おかげで筆は進むんですがねぇ………
やることがなさ過ぎるッピ!!

筆が進んだので初投稿です。


7.異世界日記 その6

□月〒日  晴れ

 

 ルビアが男の子を家に連れてきた。

 ??????????????????

 

 

 

 

 

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□月※日  晴れ

 

 気付いたことがある。昨日ルビアが連れてきた彼は、ごく僅かだが大罪七属性を帯びている様に感じた。具体的にどれかはわからなかったが。

 多分、俺達と同じ使徒なのだろうそうだろうそうに違いない!ルビアに誰か聞いてはぐらかされたりしたけどきっとそうだ!うん!

 

 寝よう!!

 

 

 

 

 

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□月¢日  曇り

 

 昨日一昨日は大分日記の内容が荒ぶってしまった。落ち着こう。いや落ち着くのはほぼ無理だがとりあえず冷静になろう。

 む、娘が彼氏連れて来たときの父親の気持ちってこんなんなのだろうか……?

 

 とりあえず、明日もう一度ルビアに彼が誰かを聞くことにする。これはヘタれたわけではない。断じて違う。違うったら違うのだ。

 

 

 

 

 

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□月⊿日  晴れ

 

 違った!!!!!!

 彼氏ではなかったようだ。これは今日ウチに来たマリアちゃんとリンディちゃんに聞いた。曰く、学校での試験でペアになったのがルビアが連れてきた男の子らしい。しばらくの間試験の対策で色々話し合うよう教師に言われたのだとか。良かった。

 

 それと、あの喧嘩の日以降、ルビアは二人とも上手くやっているらしい。マリアちゃん曰くまだリンディちゃんと頻繁に喧嘩はするようだが、前のいがみ合うようなものではなく友達同士だからこその喧嘩と言えるものなのだそうだ。それをマリアちゃんが諫めるのがいつもの流れなのだとか。

 

 嬉しい限りだ。マリアちゃんも、ルビアのことを"さん"ではなく"ちゃん"と付けて呼んでくれている。思ったより打ち解けてくれたらしい。

 

 

 

 

 

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□月▱日  晴れ

 

 ルビアがまた彼を連れてきた。

 やはり、彼は使徒だったようだ。属性は嫉妬だと言う。彼の仲間に言われて学校に潜入していたらしい。

 

 話の内容は、バルトとの関わりを断て、というものだった。彼の本当の名はバルトなどではなく、ラバルド・ユーリス、怠惰の魔力と対をなす勤勉の魔力を持つ『七聖人』の一人なのだと言う。

 

 話の間、彼、ウィディーくんの言葉には、隠しきれない憎しみが篭っていた。彼が帰った後ルビアに聞いてみれば、昔、彼の友人が忍耐の騎士団に皆殺しにされたのだと言う。ラバルドの所属は勤勉の騎士団だが、同じ帝国所属の騎士達だ。少なからず憎しみがあるのだろう。

 

 どう、すればいいのだろう。

 

 

 

 

 

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□月〻日  雨

 

 考えがまとまらない。

 

 

 

 

 

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□月∪日  雨

 

 一つ、バルト、いやラバルドに聞いてみた。魔神の使徒とされて殺されたり、奴隷のような扱いをされる人をどう思うか、と。

 俺も、バカじゃない。この街の図書館で歴史書や伝記を呼んで学んだし、初めのルビアの惨状も見ている。俺やルビアと同じ使徒と呼ばれる存在がどういう扱いを受けているかは理解しているつもりだ。

 

 彼は、返答に窮していた。神妙な顔付きで、眉間に皺を寄せていた。しばらく黙った後で、とても辛そうな顔で、仕方がないことだ、そう言った。

 俺に伝えていないだけで、彼も立場がある。そう易々と本心は言えないのだろう。

 

 彼は、多分とても優しい人なのだろう。

 

 

 

 

 

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「はぁ!?」

「ちょっと、大声出さないでよ」

 

 変身によって金髪に金の瞳を持つ目の前の男、ウィディーが信じられない、とでも言うかのような顔を私に向ける。やめろ。不愉快だ。

 

「ラバルドとの関わりをやめない?何を言ってる?」

「言葉のままよ。ディアはあの男との関わりを断ちたくない。以上」

「以上じゃねぇ!ふざけてんのか!!あの女だけじゃなくお前もバレる可能性があるんだぞ!!」

「隠蔽技術の精度はとっくに上げた。アンタも今の私ならラバルドに近づいてもバレないって言ってたじゃない」

「そういう問題じゃねぇ!少しでもリスクを減らすべきだっつってんだ!!」

 

 私とてあの男がディアの近くにいるのは気に入らない。だがディアが望んでいるのだ。それに、奴の存在はディアにとって大きなメリットがある。せめて関係を断つにしても、ディアにアイツの知識を全て吸収させてからだ。

 

「奴は利用できる。すぐにこちらに向くような悪性も無い。なら利用できるだけ」

ふざけるのも大概にしろ

「っ!」

 

 ウィディーから明確な()が放たれる。ディアは知らないが、こいつは魔神だ。私とも、ディアとも格が違う。ラバルドとも真正面からやりあえる化け物だ。こいつは言外に、私やディアのことなどその気になればどうにでもできると言っているのだ。

 

「お前もあの女も、既に自分だけの命じゃないことが何故理解できない。特にあの女にはそこまで自由にされては困る」

「………」

「怠惰の魔神が見つからなければオレ達は負ける。確実にな。それは」

「ふざけんな!!」

 

 私は思わず叫んだ。何を、驚いた顔をしているんだ、こいつは。こいつは私とディアのことを、こいつの目的のためのパーツ程度にしか考えていないのだ。そんなことを、私が許せる訳がない。

 

「自分だけの命じゃない?自由にされたら困る?全部お前の都合だろうが!!私達はお前の人形じゃない!!」

 

 今までのコイツの言葉は、私達自身の考えを一切考慮していなかった。お前らはこうしてればいい、そんなふうにただ命令しているだけだった。それは────

 

「そうやって私達の価値を決めつけるのはやめろ!」

 

「それは、お前が一番憎んでいたことじゃないのか!!」

 

 ウィディーは面を食らったように硬直する。

 こいつの過去は、正直、私よりも凄惨だ。

 

 私が元々住んでいた街や、この街は整備が行き届いている。私が住んでいた街は一部に貧民街なんてのがあったが、この街に関しては商人が集まるのもあって経済的な格差もそこまで存在せず、貧民とされるような人はいない。

 だが、国全体では話が大きく変わる。路地には孤児や浮浪者が溢れている。この街を含む一部の街が特殊なのだ。普通はもっと治安は悪い。

 

 ウィディーは、孤児だったらしい。同じ孤児の仲間とコミュニティを作って貧しいながらも幸せに暮らしていた、飢えはあっても心は満たされていた。

 それを崩壊させたのが忍耐の騎士団だった。

 珍しく多く食料を手に入れることのできたウィディーが自分達の住処に戻った時────

 

────仲間が、拷問されていた。

 

 ウィディーは恐怖で動けないまま仲間が無惨に殺されていくのを見せつけられた。強いトラウマが植え付けられたと言っていた。しかし、そのトラウマすら容易く捻じ伏せる憎悪が、仲間を拷問していた騎士の一人が言った言葉から生まれた。

 

「ったく、この程度の痛みにも耐えられんのか。まさに無意味な存在だな」

 

 その瞬間、こいつは魔神として覚醒した。この時の騎士達は、まだ生きているらしい。いや、生きているという表現は正しくない。こいつがあらゆる魔法と権能を駆使し、魂と意識だけの存在となり、逃れようのない器に入れられ、廃人になる事すら許されぬまま苦しみ続けているらしい。

 

 直接的にこいつの仲間を殺した存在への復讐はその時に終わった。だが憎しみはそのままこの国自体に向けられた。

 

 国家転覆。それがこいつと、その仲間の目的だと言う。

 その目的の為に、魔神を全員揃える必要があり、その為に今まで一切現れなかった怠惰の使徒であるディアが重要なのは理解している。私自身、この国は嫌いだ。いずれはこいつらに協力するのもやぶさかではない。でも、だからと言ってこいつに行動を決められる筋合いは私にもディアにもない。

 

「………」

 

 沈痛な面持ちのウィディーを睨み付ける。こいつが私達に言ったのは、こいつが憎み続けている騎士達が言ったことと同じ事だ。価値を決めつける。それはあまりにも傲慢な行いだ。傲慢の使徒である私が言うのもおかしな話かもしれないが。

 

「……悪かった」

「私も思い出させてごめんなさい………」

「それは、まぁいい。それよりも」

 

 ウィディーの言葉に私は向き直る。その表情は今までになく真剣だ。

 

「関係を断たないなら、ラバルド含め『七聖人』には気をつけておけ」

「そんなこと言われるまでもないわよ」

「いや違う。オレが言っているのは奴等の異常性のことだ」

「異常性……?」

 

 私は意味を分かりかね、首を傾げた。持っている能力、ということだろうか?

 

「アイツらはほぼ例外なく破綻者だ。もちろん、ラバルドも含めてな」

「国の最高戦力が破綻者?とても信じられないのだけど………」

「まぁ、いずれ嫌でも知ることになる。一応、ラバルドの異常性だけ教えておくぞ」

 

 私の知る限り、ラバルドは人格者として有名だ。正直、破綻しているとは思えなかった。

 

「あの男は噂通りの人格者で、敵である俺達から見ても善人だ」

「なら、」

だがまるで融通が効かない(・・・・・・・・・・・・)

「それは……どういう……」

「簡単だ。ラバルドはこうと決めたらそれを絶対に曲げない。オレ達は一度だけあいつの善性に賭けてこっち側に勧誘したことがある。それまでの様子を見る限り本気で使徒を哀れんでいたし、できれば殺したくないと言っていたからな……」

 

 イメージとは、当て嵌まる光景だ。帝国軍に見つかる使徒は基本的に子供だ。大人になるまでバレずにいるのは実質的に不可能だからだ。そういう子供を殺す事に抵抗感を示す様子は容易に思い浮かべられる。

 

「だがダメだった。話聞いた瞬間即座に交渉役に斬りかかりやがった。なんとなく予期していたからそいつの命は助かったが両足を失った。あいつは皇帝の命令なら、自分の家族であっても躊躇なく殺せる破綻者だ。それであいつ自身の精神がどうなってるのかは知らねぇが、その精神的なダメージを無理矢理、完璧に捻じ伏せるのがあいつだ」

「流石に家族を殺せと言われたら躊躇するでしょ……」

「実際に、ラバルドは両親を手にかけてんだよ………」

「え?」

 

 一瞬、思考が止まる。ありえないと、そう思った。ラバルドだからとかそんなのは関係ない。そんなこと、普通は無理だ。私は自分の両親を憎んでいる、でもなんの躊躇もなく殺せるかと聞かれれば、間違いなく首を横に振るだろう。

 

「何で……」

「オレ達が保護し切れなかった使徒が最後の足掻きに奴の両親を人質にしたんだよ。その時に皇帝命令で、あいつは両親ごと(・・・・)使徒を斬り捨てた」

「なっ!?」

「だが本気で苦しんでもいた。だからこそ気を付けろ」

 

 ウィディーは私に目を合わせ、

 

「ディアは、あいつと必ず袂を分かつことになる」

 

 そう、宣告した。

 

 

 しばらくして、私はその言葉を真に理解することになる。

 

 




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時間、時間がちょっと飛びます。

ではやることができるまで失踪します。
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